政治の話⑨(「アベノミクス」)

安倍内閣の政策の目玉は、「アベノミクス」であるということになっています。

 

「アベノミクス」は、経済の「成長戦略」であると説明されます。

 

要するに、経済活動を抑制したり、緊縮させたりしないようにするわけです。

 

そのために、投資家に、積極的に投資をしてもらえるようにするわけです。

また、企業が、積極的に経済活動を行えるようにするわけです。

 

 

そして、政府は、積極的に「公共事業」を行います。

「公共事業」は、社会生活や経済活動の基盤となるような設備やシステムを整えることです。

これらは、一般的に、「社会資本(インフラ)」と呼ばれます。

「社会資本」の整備は、政府の重要な機能の1つで、「公費」が投じられます。

つまり、「税金」を使って、「仕事」と「雇用」を生み出すわけです。

 

 

余談ですが、かつて、「公共事業」は、「政治腐敗」の温床となりました。

政治家は、自分たちに利益を還流してくれる業者に、「公共事業」を優先的に発注したわけです。

 

 

景気を浮揚させるために、政府が、積極的に「公共事業」を行うことは、いうまでもなく「経済の基本」です。

しかし、これを「歳出」でまかなうわけですから、過剰な「公共事業」が行われてしまうと、「財政」が悪化します。

ですから、「公共事業」は、念入りに計画されなければなりません。

 

 

ここには、ひとつの問題点が横たわっていると思います。

 

 

すなわち、「消費税率の引き上げ」です。

 

 

積極的な「財政出動」を行って経済成長を促す、というのが「アベノミクス」の骨子だったわけです。そして、「アベノミクス」は順調だ、と。

 

非常にシンプルな話で、「歳出」を増やしたあげく、「歳入」が足りなくなって、「増税」…「これ」に納得できない人は多いと思います。

 

もちろん、「消費税率の引き上げ」を決めたのは安倍さんではありません。

「財政」に占める「公共事業費」の割合も大きくはありません。

 

が、これは、「整合性」の問題、というか、説明に「納得できるか」という問題です。

 

 

 

投資家や大企業は、「アベノミクス」の恩恵を受けています。

 

「経済活動」をするうえで、さまざまな「制約」が取り払われたからです。

 

また、政府が、「円安」を誘導してきたことも、メーカーなどの企業の追い風になりました。

「円安」は輸出企業に有利に働くからです。

 

多くの企業が収益をアップさせ、株価も上昇しました。

 

しかし、投資家や大企業からの税収が増えているわけではありません。

さまざまな「租税回避」が可能となっているからです。もちろん、それは「合法」ですが、「収益に見合った納税」をしていない、とみることもできるわけです。

 

 

つまり、「アベノミクス」によって、投資家や企業の経済活動は活発になったわけですが、「財政」の状況がよくなっているわけではないのです。

 

 

それで、「消費税率の引き上げ」です。

 

 

 

「雇用状況」がよくなっているのは、「アベノミクス」の成果であると説明されます。

 

失業率が下がり求人倍率が上がりました。特に、大学の新卒の「就職活動」が、完全な「売り手市場」になっていることが大きな話題になっています。

 

しかし、これは割と単純に、団塊世代がリタイアして、企業が「人手不足」になっていることが主な原因です。団塊世代が、「定年→(嘱託→)退職」を迎えるタイミングが訪れたわけです。

 

少し補足すると、いくつかの企業では、給与の高いベテラン社員が退職し、若い社員の割合が高くなったために、人件費が下がり、利益が出やすくなっているわけです。

 

 

他にも、「人件費」を抑える方法がいくつかあります。

企業は、「正社員」の比率を下げることで「支出」をカットすることができます。

また、低賃金で働いてくれる外国人労働者を雇うことができます。

さらに、「物価」が上昇しないので、平均賃金の上昇も抑制できます。

 

企業で働く「中低所得層」の収入が増えているわけではないので、「インフレ」が誘導されません。

 

「アベノミクス」は「好景気」をもたらしている、と広報されているわけですが、現実的に、この数年、日本社会全体の「生活水準」が上がっているとはいい難いと思います。

 

 

それなのに、「消費税率の引き上げ」です。

 

 

 

少し嫌味ないい方をするならば、「お金持ち」から税金を集めずに、税収が足りなくなり、仕方がないので「みんな」から徴収する、という感じでしょうか。

 

 

消費税率が引き上げられ、東京オリンピックが終わった後の日本を想像すると、けっこう怖いものがあります。

 

 

日本は資源を持たないので、「ものづくり」の国を目指しました。

日本の「ものづくり」は高く評価されて、工業先進国となりました。

しかし、もはや、後発の国々に完全にキャッチアップされています。

 

現在、日本のメーカー企業の業績がいいのは、政府が、「税と為替」の支援をしているからです。

こうした「ドーピング」が効かなくなったときに、日本の企業は競争力を発揮できるのでしょうか。

 

 

 

「アベノミクス」には、ちょっと「あやふや」なところがあって、危うい部分がります。

 

たまに「アベノミクス」の問題点を指摘する「声」を聞くこともありますが、オープンに議論する人はあまりいないように感じます。

 

反面、安倍さんは、けっこういろいろな「人格攻撃」にさらされていますが。

 

 

テレビや雑誌などで活躍する「識者」は、どちらかといえば「アベノミクス」の恩恵を受ける側であることが、その理由の1つかもしれません。

 

テレビ局などは「典型」ですが、下火となりつつある産業であるにもかかわらず、「業績」は上がっているわけです。

 

また、安倍さんの支持者は、「経済政策」よりも「外交」や「防衛」に興味がある人が多いことも原因かもしれません。

 

 

「マスコミ」や「野党」の人でも、「おいしい思い」をしている人は、 「やぶへび」になりそうな「余計はこと」は決していわないわけです。よくわからない人も、やっぱり何もいわないわけです。

 

 

ついでにいうと、「働き方改革」や「教育無償化」にもいろいろな問題点がありそうです。

もっと議論するべきだったと思いますが。

 

ああ、何か、いろいろありましたね。

 

 

 

ところで、「増税」を主導したのは、いうまでもなく財務省です。

 

 

ああ、あの省庁。

 

 

官僚たちの説明を聞いて、政治家は「増税やむなし!」という結論になったわけですね。

 

 

それにしても、その説明、「本当」ですか?

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

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