日比谷高校の英語の「発音問題」

日比谷高校は、英語で、他の都立高校にはない出題があります。

 

それは、「発音問題」です。

 

 

今年の日比谷高校の英語の入試問題の、大問3の〔問8〕を見てみましょう。

 

 

次の五つの単語のうちで,下線の引かれている部分の発音が他の四つと異なるものを,次のア~オから一つ選びなさい。(下線を表示できないので、太字で表します。)

 

ア know   イ only   ウ both   エ most   オ from

 

 

それぞれの発音を確認してみましょう。

 

ア「ノウ」 [nou

イ「オウンリ」 [ounli]

ウ「ボウス」 [bouθ]

エ「フロム」 [frəm]

 

 

正答は、「エ」です。

 

「from」の発音は[frəm]、あるいは[frʌm]、[frɑːm]、[frɔːm]などと発音されますが、いずれにしても[ou]ではありません。したがって、他とは発音の異なるのは「エ」ということになります。

 

 

 

昨年の入試問題でも、日比谷高校は「発音問題」を出しています。

昨年の29年度は、いわゆる「グループ作成」による入試選抜が行われました。

この年、日比谷高校は、大問3の差し替えを行い、あえて「発音問題」を出題したわけです。

 

去年の「説明会」で、前年の「発音問題」に関して熱のある言及があったということだったので、おそらく今年も出すのだろうと考えていましたが、やはり出題されました。

(来年は、どうなのでしょうか。)

 

 

 

それにしても、都立高校で「発音問題」を出しているのは、日比谷高校だけです。

 

以前は、都立高校でも「発音問題」が出題されていましたが、平成9年度に「リスニング問題」が導入されたために、都立高校入試から「発音問題」は姿を消しました。

 

 

高校受験では、一般的に、「発音問題」は「聞く力」を測る「代替措置」であると考えられています。

ですから、私立高校入試でも、「発音問題」を多く出すのは、「リスニング試験」を実施しない高校であることが多いわけです。

 

もう少しいえば、多くの英語教師は、「発音問題」よりも「リスニング問題」のほうが望ましいと考えています。「生きた英語」をあつかう能力のほうが、より重要であるというわけです。

さらに、「発音問題」の対策は、最終的に「暗記作業」に行き着いてしまう、ということも「発音問題」が不人気な理由のひとつであるといえるでしょう。

 

それで、「リスニング問題」が一般化するにつれて、「発音問題」は下火になっていったわけです。

 

大学受験でも、今後センター試験がなくなれば、「発音問題」は廃れていくのかもしれません。

 

 

 

さて、そういうわけで、日比谷高校が「発音問題」を出題しているというのは、ちょっと珍しいわけです。

 

しかし、もちろん、きまぐれや酔狂で「発音問題」を出しているわけではありません。

 

日比谷高校が「発音問題」を「復活」させた理由は、「話す力」を測るためであると考えられます。

 

これには、「正確に」英語を話す能力を培ってほしい、という受験生に向けたメッセージがこめられています。

 

「発音問題」をとおして、日比谷高校は、すでに英語の「四技能」を視野に入れた入試選抜を行っているということができると思います。

 

つまり、「発音問題」に、「新しい意味」が与えられているわけです。

 

 

これは、都立高校入試に「スピーキングテスト」が導入されるまでの過渡的なものなのかもしれませんが、ちょっと興味深く思います。

 

 

 

ちなみに、平成6年の都立高校の英語の入試問題(共通)の大問4の〔問8〕は、以下のような設問でした。

 

次の語のうちに、下線の部分の発音がsawの下線の部分の発音と同じものが一つある。それはどれか。(下線を表示できないので、太字で表します。)

 

ア look   イ father   ウ so   エ call

 

 

 

また、平成4年の都立高校の英語の入試問題(共通)の大問4の〔問8〕は、以下のような設問でした。

 

次の語のうちに、下線の部分の発音がhomeの下線の部分の発音と同じものが一つある。それはどれか。(下線を表示できないので、太字で表します。)

 

ア among   イ love   ウ stop   エ told

 

 

 

 

わかった人には、「飴」を差し上げましょう。

松村まで、どうぞ。

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

 

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