We will make it if we run.

仮内申が出されました。

早速何人かの中3生のご家庭と、明日土曜日に面談を設定させていただきました。

 

まだ、連絡の取れていないご家庭は、もうしばらくお待ちください。

 

 

「持ち点」が決まり、いよいよ本番に向けて、歯車が大きく動き出します。

 

一人ひとり、頭の中にいろいろな思いが渦巻いていると思いますが、私たちが考えなければならないのは「未来」です。

 

「決まったこと」を変えることができるのなら、それは「決まったこと」ではありません。

 

 

あらゆる生物の中で、唯一、抽象的思考力を持つ人間だけが、未来の像を思い描くことができます。

目標を持ち、その実現を目指して行動していくということは、私たち人類が持つ大いなる能力です。

(実は、「勉強」とはその能力を伸ばしていくためのトレーニングです。)

 

与えられた条件の中で、よりよい結果を求めて、工夫したり努力したりすることが人生の意義です。

ivyも力いっぱいみなさんを支えていきます。

 

「未来」は自分の力で決められるものです。

「未来」について一緒に考えましょう。

 

明日、「未来」に向けての、本格的なのスタートが始まります。

残っていた古文と漢文の演習と、漢字テストでスタートを切ります。

しっかりと宿題を終わらせてから来てください。

 

(ivy 松村)

 

 

Do you have something to talk about?

日野市や八王子市の公立中学に通っている中3は、毎年夏休みの宿題で、税に関する作文を書くのが恒例になっています。

 

先日、ivyに通っている生徒が、その作文で入賞を果たし、市役所で表彰されたと報告してくれました。

 

私は国語の指導をしているので、微力ながら何かしらの手助けになっていることがあればとてもうれしいです。

しかしそれ以上に、多くの中学生がとりあえず適当に書いて提出している中で、しっかりと取り組んで作文を書きったことが、大変素晴らしく、誇らしく思います。

 

 

2学期になって、生徒といろいろ話をする機会が増えてきました。お互いの性格や話すテンポに慣れてきて、会話しやすくなってきたのかもしれません。

生徒も少し増えたので、みんなで一緒に話せるようになってきたこともあると思います。

 

 

小学生も中学生も話し好きです。

学校の話や、習い事や、休みの計画や、お家の人に教えてもらったことなど、さまざまなことを教えてくれます。

 

話を聞いてばかりはいられないので、適当なところで話を切り上げなければならないのですが、もっといろいろ聞いてみたいと思うこともあります。

 

 

 

昨日は、中2の生徒たちの悩みというか、やるせない思いをいろいろと聞きました。

 

本人たちは、「しょうがない」とは思っているのだけれど、できれば避けたい、と感じていて、心が晴れない様子でした。

 

気持ちは分かります。

私にできるのは、気休めをいったり、慰めたり、笑わせようと茶化したりすることぐらいですが、話すことで少しだけでも気持ちが軽くなればいいなと思います。

 

まあ、一週間後にはいつも通りの生活になっていると思いますよ。

 

(ivy 松村)

塾の「併願優遇」?

私立高校に「合格の可能性」を直接きくことができる「入試相談」は、家庭や塾がお願いすることもできます。

 

それが、内申の「基準」にもとづいたものであれば、学校が行うものと変わりがないことになります。そうであれば、家庭や塾が別ルートで「入試相談」をする意味はありません。

 

しかし、そこで、「別の基準」を認めてくれる高校が、かなりあると聞きいています。

「Vもぎ」「Wもぎ」「北辰テスト」などの模試の成績によって、「併願優遇」を出してくれるケースがあるそうなのです。

 

公式には、「併願優遇」は内申点にもとづいて実施されなければならないとされているので、中学校の先生は、このような「相談」ができるというということを教えてはくれません。

 

また、高校受験を全体的に組み立てるという意識のない個人塾や、受験の制度をよく知らない塾は、こうした模試の活用の仕方を知らないので、「外部の模試など受けなくてもいい」といった指導を行うこともあるので要注意です。

 

 

秋になって、私立高校の「学校説明会」や「入試説明会」が数多く開催されますが、そこで、直接、模試の成績をもとに「合格の可能性」を聞くことができると思います。

(「説明会」は、第一志望の学校に行って、学校の雰囲気を味わって、やる気を出すものだと考えている人は、どちらかといえば、勘違いをしていると思います。)

 

そこで、例えば、「Vもぎ」の偏差値60以上を2回取っていれば、「併願優遇」措置をとり、「確約」を認めてくれるというような「別の基準」を教えてもらえるでしょう。

 

 

学校の内申がそれほどよくない生徒でも、テストでの得点力があれば、有利な「併願優遇」のカードを手にすることができるのです。

 

模試の成績によって「併願優遇」を認めるというケースは、どうやら一般的にあるということのようです。

 

中3生は、2学期以降は月に1度くらいのペースで会場模試を受けておいた方がいいと思います。そのことが、あとで意味を持ってくることがあるかもしれません。

 

 

さて、しかし実は、このような、模試の成績で「併願優遇」を認めることは、正式なものではありません。もちろん、ホームページや募集要項などにも一切書かれていません。

 

内申以外の「基準」で高校が「併願優遇」の措置を取ることを、行政は快く思っていないのです。

 

ですから、こうした話は、もしあるとすれば、高校側と、家庭や塾などの受験者側が「直接」確認し合うはずなのですが、最近は、かなり大雑把な扱いになってきているのかもしれません。

 

 

先日、河合塾が、「独自」の基準で受験生に「併願優遇」を約束していたことが明るみになって、ニュースになりました。

 

河合塾模試で「入試優遇」? 組合が指摘 文科省通知に反する恐れも

 

河合塾といえば、大学受験予備校のイメージがありますが、中学生が通う高校受験のコースもあります。

今回の「併願優遇」の件も、高校受験のコースでの話です。

 

 

ニュースによれば、河合塾は、塾の模試の成績によって「併願優遇」がとれると、保護者に説明をしていたそうです。

 

これは、もちろんルール違反なのですが、大手チェーンの塾では、よくある話なのかもしれません。

 

私立7校がこれを認めていたということなのですが、多分、私が想像している高校と一致しているのではないかと思います。

「併願優遇」に積極的な高校は少し調べればわかります。

 

 

それにしても、個人的に興味深く思われたのは、これを指摘したのが河合塾の労働組合だということです。

塾独自の基準で「併願優遇」がとれるのであれば、それは塾としての利点です。

その利点を世間に告発して「会社」に不利益を与えているわけです。

こんなことをすれば、従業員である自分たちが困るだけでなく、受験生にも影響が出てしまいます。

 

おそらく、河合塾の組合は、正義感から不正を告発したのではないのでしょう。

組合は、会社側への何らかの警告か報復・意趣返し、あるいは取引の材料として、こうした行為に及んだのだろうと思われます。もしかしたら、何かゴタゴタがあるのかもしれません。

 

 

外部の人間には、もちろん何があったのかは分かりませんが、少し、河合塾には同情してしまいます。ある意味で、組合側の行為は「おきて破り」に近いものだと思います。

 

 

しかし、河合塾はすごいなあ、と思いました。

「高校側が公開した情報を保護者に説明している」というコメントを出しています。「強者の言い訳」ですね。

 

今年、高校側が、河合塾の生徒に「併願優遇」を出すのか、気になりますね。

 

 

 

塾が「併願優遇」を用意するということはどういうことなのか、ということを考えてみました。

 

こういうことは、本来秘匿されるべきことだと思うのですが、ニュースになってしまったので、明るみに出てしまいました。そこで、新聞記事から読み取れることを推測してみます。

 

他の高校を第一志望とする受験生の受験者数を増やすことを、メリットとしてとらえている高校はたくさんあります。

 

高校側としては、「併願優遇」の受験生が第一志望に受かってしまっても、受験料の収入があります。入学することになれば、塾で鍛えられた学力の高い生徒を獲得することができます。見込みよりたくさん入学することになってしまったら、次年度で「調整」するようです。前年の入学者が多かった次の年に、入学者が絞られることがあります。

 

さらに、高校側としては、大手チェーンの塾はたくさんの受験生を抱えているので、一度に多くの受験生と交渉できるというメリットもありそうです。話がまとまれば、何百人もの受験生を一回の交渉で獲得することができます。

 

 

一方、塾側としても、「渡りに船」「魚心」の話になります。学校や本人の事情で、内申が低くて「併願優遇」が取れない生徒にも、「おさえ」を確保させることができるからです。

 

また、想像どおり、それが塾としての大きな「営業」資源になるということが、今回の報道ではっきりしました。

 

保護者に対して、「うちの塾にいれば、受験にこんなに有利になるんですよ」という話しをしてしまったということですね。そしてそれは、本来なら許されないことであり、また、やるにしても隠れてやらなければいけないことだったわけです。

 

そして、このニュースの一番のキモは、「併願優遇」の「基準」に、自分たちで運営している模試の成績を使っていたという点でしょう。

 

もちろん最後は「信頼関係」なのでしょうが、微妙なのは、その模試を実施し、採点するのが、塾のスタッフであるということです。(まあ、今となっては「信頼関係」は、微妙どころの話ではないのかもしれませんが。)

 

そう考えると、実は、有名塾に入ることの最も大きな利益は、塾による「併願優遇」にあるといえるのかもしれません。

(本当にそれが「一番のメリット」だとしたら、塾としてはショボ過ぎるとは思いますが。)

 

 

 

最後に、塾の情報管理について考えてみました。以下は雑記のようなものです。

 

内申以外の基準を用いて「併願優遇」を認めているというような場合、高校側は合格に特別な便宜を図っているわけですから、それが知られたときに、印象が悪くなるのは高校側です。ましてや、文科省の通知を無視して行っていたわけです。

ですから、高校の方は、内密に、という約束をするのですが、そういった「秘密」は塾側から「だだもれ」になってしまうことがよくあります。

 

塾の方は、秘密情報に関して危機意識が薄いのでしょう。

場合によってはアピール材料になるのですから、なおさら秘密にしておくことは難しかったのかもしれません。

高校側からすれば、生徒や保護者を集めて、「密約」をばらされるとは思ってもみなかったのではないかと思います。

 

今後も同じような、塾がらみの「情報流出」「情報漏えい」のニュースが聞かれるかもしれません。

ベネッセのニュースもありました。「進研ゼミ」などの顧客の個人情報が流出した事件です。ベネッセから流出した顧客名簿を買った学習塾もかなりあったそうです。

 

 

そもそも、大手塾の情報管理には杜撰なところがあるのかもしれません。

 

大手チェーンの組織形態が、人員集約的ではないため、情報は基本的に拡散してしまいます。

何十、何百とある校舎・教室間を情報が行きかうような組織構造になっているのです。

プライベートなやり取りと重要な極秘情報が、全く等価に、同じようにメールで送受信されているのではないかと思います。

そのせいで、情報に対する扱いが不用意になることがあるのかもしれません。

 

 

大手塾の宿命として、学生講師で授業を「回す」という営業形態をとっていることにも問題があります。さらに、大手塾の中には、学生アルバイに営業などの電話をさせるようなところもあるそうですが、一般企業では、普通、「外部」の人間は顧客の個人情報にアクセスできないようなシステムになっています。

 

大手学習塾チェーンは、教務や営業といった基幹業務を「アルバイト」にゆだねています。そうしなければ「店舗」を運営できないような、脆弱なビジネスモデルとなりつつあるのだといえるでしょう。

いってみれば、外部の人間がコアな情報に触れることができる、危ない情報管理体制になっているのです。

 

 

 

 

さて、ivyでも、スタッフが私立高校にうかがって、情報交換をさせていただくことがあります。

 

やはり塾としては、受験生には「おさえ」の高校を用意してあげたいですし、本命の高校になんとかして入れてあげたいと思います。

その気持ちは、どんな塾にいようと、変わらないものなのだろうな、と思います。

 

 

私たちは小さな塾ですから、謙虚に、誠実に受験指導していきたいと思います。

 

 (ivy 松村)

内申点のつけられ方

2学期期末テストが佳境に入っています。終了した学校もありますが、今日が山場の学校がほとんどです。(明日まで続く学校もあります。)

 

テストが終わった生徒には感想や手応えを聞いていますが、今までよりよくできた、という科目が多かったようです。

 

今回は、体育、音楽、美術、技家などの実技教科に力を入れて取り組むようにいいました。

特に、1年、2年は都立高校受験を考えたときには、この四教科の成績は重要になってきます。

 

テスト対策で塾に来た生徒には、実技のワークや対策プリントをやってもらいました。

日曜日に、中3の自習の様子を覗いてみると、教室にいる全員が体育のプリントに取り組んでいて、ちょっと不思議な光景でした。

同じ時間に中1は、美術のプリントに取り組んでいました。

 

生徒全員が体育や美術の問題を解いている塾は、なかなかないと思います。

 

中3の学校のテスト勉強は、実質的に、これが最後になります。

今までになく真剣な顔で取り組んでいました。

 

「2学期の内申」が、都立高校受験の調査書に使われたり、ほとんどの私立高校入試の推薦や単願、「併願優遇」の基準に使われたりします。当然、受験のことを考えたら、この期末試験で少しでも高い点数を取って、内申点を上げておかなければなりません。

生徒たちも、そのことを重々理解しています。今までとは違う緊張感が漂っています。

 

 

 

ところで、「2学期の内申」は、どのようにしてつけられるのでしょうか。

 

もちろん、「2学期の成績」をもとにしてつけられるのでしょう。3年生の2学期の学習態度や課題・提出物、試験の点数をもとに評定が出されるというのが一般的な見解です。

 

しかし、インターネットなどには、「中3の2学期の内申」は1・2年生の成績を加味して出すというような情報が載っています。また、3年の1・2学期の成績を合算して出すという情報もあります。

 

3年の2学期だけの成績で「中3の2学期の内申」を出すという説明には疑問を感じる人も多くいます。もしそうであるならば、「中3の2学期だけ頑張ろう」という考えに行きついてしまうからです。その考えは、好ましいものとも思えません。

 

1年生や2年生のときに努力して取ってきた成績は全く考慮されないのでしょうか。無駄になってしまうのでしょうか。

 

 

 

そのことがずっと気になっていて、ある年に、ある地域の中学校を対象に調べてみたことがあります。

 

結論からいえば、学校の先生の回答は、「2学期の成績だけ」を対象にするというものでした。

 

もちろん、それが「建前」なのか、本当のことなのかは、先生の胸三寸であることに変わりがないのですが、公式に、「2学期の内申」の出し方を確かめることができたのは、収穫でした。

 

 

先生が、2学期の成績以外の要素を含めて「2学期の内申」を出したとしても、結局それは外部の人間にはわかりません。

そもそも、先生も人間ですから、感情や印象などが、評定に影響することもあるはずです。

 

 

現在の中学校の評価システムは、「授業を成り立たせるため」に機能している面があります。学校の先生は、意識的に、ときには無意識的に成績評価を、生徒管理のツールとしています。

 

つまり、よく知られているように、「授業で騒いだりしたら、成績が下がる」という「損益意識」を背景にして、生徒におとなしく授業を受けさせているわけです。

 

逆にいえば、受験で有利になるという「インセンティブ」によって、真面目に授業に取り組むように誘導しているということになります。

 

現在の中2から、都立高校入試の内申点における実技四教科の比重を高くすることが決められましたが、その意図は明らかです。5教科に比べて軽く見られがちなこれらの教科を、生徒に真面目に取り組ませるためです。

 

そう考えると、「中3の2学期の成績だけ」で「中3の2学期の内申」を出すというやり方に説明がつきます。

そう伝えることで、生徒は真面目に、真剣に取り組むからです。今まで不真面目だった生徒も、真面目に取り組むようになります。

 

現実に、好ましい効用があるのであれば、その言説や枠組みには意味があると思います。(こういった実利的な結果を重んじる考え方を「実用主義(プラグマティズム)」ということもあります。)

 

ただ、教育関係者が気を付けなければならないのは「成績のため」に勉強するという意識が強くなりすぎないようにすることです。

そのような意識は、学習の本質を損なう恐れがあります。

何のために勉強をするのか、という意義や動機がゆがめられてしまわないように注意しなければなりません。

 

 

1・2年の成績を「3年の2学期の内申」に含めることは少ないと思います。

参考にすることはあるかもしれませんが。

 

これは憶測ですが、行政からの明確な指示がない限り、忙しい学校の先生が、わざわざ生徒の過去の成績をチェックして、それを含めて内申を出すというような「めんどう」なことはしないと思います。そもそも、3年の生徒の成績を評価するのは、3年の教科担任の先生の裁量に任せられているわけですから、その仕組みにのっとって、粛々と評価を下すものだと思います。

 

 

1・2年の通知表の数字は、「中間地点でのタイム」です。加算されるポイントではありません。

しかし、「ゴール」は突然目の前に現れるわけではありませんから、そこに至るまでの積み重ねを疎かにすることはできません。

ゴールを見据えながら、しっかりと自分の成績と向きあい、過程を大切にしながら取り組みを重ねていく人が、結局、最後に良い成績を残すのだと思います。

 

 

3年の1学期の成績を「2学期の内申」に含める先生はいるかもしれません。原則として、1・2学期をとおして、同じ先生が同じ教科を担当します。1人の教科の担任が、同一の視点でもって評価を与えることができるわけです。

印象なども含めて、連続性のある期間の中で、生徒の成長に評価を与えることは、極めて当たり前の行為だと思います。ですから、「2学期の成績だけ」と言いながら、1学期も含めて「2学期の内申」を出す先生がいたとしても、不思議ではありません。

 

また、学年の各教科の担任の先生が相談したり声をかけ合ったりして「調整」するようなこともあるのかもしれません。

(期末テストの前に、三者面談を行っています。)

 

 

いずれにしても、地域や学校、先生によって、成績に対する考え方や成績の出し方やその基準は違っているはずです。

そして、それらは学校の外にいる私たちにはうかがい知ることのできないものです。

 

 

学校の先生は「2学期の成績」で「2学期の内申」を出す、と明言しています。

それは、今、この瞬間を頑張りなさい、というメッセージです。

 

ですから、私たちにできることは、今、目の前の、「やるべきこと」を真剣に一生懸命やるということだけです。

 

結局、結論はシンプルなものでした。(だから、生徒のみなさんには結論しか伝えませんでした。)

 

生徒のみなさん、頑張ってください。

 

(ivy 松村)

 

 

 

 

 

 

 

「私立安心校」(「都立併願③)

「都立併願」の最大のデメリットは、都立高受験の結果が厳しいものであった場合、自動的に進学先が固定されてしまうことです。

 

これまでにも何度も述べてきましたが、塾教師の目から見て、学校の先生が勧める「併願校」は、受験生の学力に見合ったものでないことがかなり多いのです。

 

見方を変えてみるならば、「都立併願」は、何人かの受験生にとっては、「確約」の見返りに、自分の学力より「ランクの低い高校」に入学する義務を負うというものなのです。

 

 

理想を述べるならば、都立がダメだったときに、進学先として納得のいく、満足できる、愛着の持てる私立高校に入学する権利を得たうえで、都立高校入試に挑むのが望ましいと思います。そのような高校を仮に「私立安心校」と呼ぶことにしましょう。

 

「私立安心校」は、必然的に、「確約なし」の受験になりますから、難しい入試になります。

しかし、「私立安心校」の合格を勝ち取ることができれば、都立入試に向けて弾みにもなりますし、精神的にも余裕をもって都立入試に挑めます。当然、良い結果が出る可能性は高くなりますし、万が一、都立の結果が厳しいものであったときにも、ダメージは最小限にとどめることができます。もしかしたら、かえってよかったという場合もあるのかもしません。

 

都立高校と私立高校では、費用面で大きな差があります。私立高校に入学することになれば、相応の学費を支払うことになるのですが、「私立安心校」に支払うのと「都立併願校」に支払うのとでは、大きな違いがあるように思います。

 

「絶対に都立に受かってほしい」と思うだけで、「私立に入学する可能性」を意識から追いやってしまっていると、「都立に行くのだから、私立は併願で受験すればいい」という発想になってしまいます。

「私立に入学する可能性」を考えれば、少しでも上の私立高校に合格したほうがいいということがわかると思います。

 

 

要は、どこに「リスクをかける」のか、ということだと思います。

 

「都立併願」を選択し、私立入試のリスクを回避した場合は、都立の入試結果によってリスクが生じます。

 

一方、私立入試にリスクをかけて「私立安心校」入学の権利を得ることができれば、都立の入試結果に対するリスクは軽くなります。

 

 

・「都立併願」・・・「ノーリスク」私立入試(「併願校」確保) × 「ハイリスク」都立入試

・「私立安心校」・・・「ハイリスク」私立入試 × 「ローリスク」都立入試(「私立安心校」確保)

 

 

傾向として、中学校の先生は、前者で受験を組み立て、塾の教師は後者で組み立てることが多いと思います。

 

 

しかし、「都立併願」に頼らない受験パターンを組むためには、新たな「リスク」を引き受けなければなりません。

「私立安心校」を受験するために、別の「おさえ」が必要になります。

「併願優遇」がなければ、その「おさえ」も「実力勝負」で取りに行かなければならなくなります。

 

ですから、一般的に、進学塾では、複数の私立高校の受験を提案します。

 

都内の私立高校は、おもに2月10日~2月12日に入試日を設定してありますから、3回の受験が可能です。

また、国立大附属高校を含め、それ以降に受験日を設定している高校もありますので、場合によっては、さらに受験校を増やすことができます。

 

帰結として、

 

・「おさえ」(すべり止め)

・「相応校」(受かっておきたい高校)

・「チャレンジ校」=「私立安心校」

・+都立高校

 

という受験パターンが典型になります。

 

さらに、他県の高校は2月10日以前に受験日が設定されているので、ここで「おさえ」を確保し、「チャレンジ校」の受験を増やすことも考えられます。

 

 

私立の入試結果によって、志願変更を行い、都立の受験校を変更します。

 

「チャレンジ校」合格 → 都立上位校

「相応校」合格 → 都立進学校

「おさえ」合格のみ → 都立進学校 or 都立中堅校

 

 

 

受験校を増やすことで、当然デメリットも生じます。入試対策の面で時間的、労力的に負担感が大きくなってしまいますし、費用の面でも負担が増えてしまいます。

一方、「都立併願」組は、都立受験に集中できるという見方もできます。

 

こうした複数の私立高校の受験を勧める塾の姿勢に、疑念を持たれる受験生や保護者の方もいらっしゃると思います。塾は、合格実績を稼ぐために、多くの高校を受験させようとしているのだと思われてしまうのです。

もちろん、塾によってはそういう意味合いを含めて受験を勧めるところもあると思います。

 

しかし、さまざまな要素を勘案して、「塾の視点」から総合的に「高校受験」全体をデザインしようと考えたとき、上記のような組み立てが、自然と浮かび上がってくるのもまた、事実なのです。

 

 

 

「都立併願」についてまとめてみましょう。

 

「都立併願」のメリット:

 

・「おさえ」の高校を確保できる

・都立高校入試に専念できる

・受験にかかる費用を抑えることができる

 

 

「都立併願」のデメリット:

 

・都立がダメだったときに、思い入れのない高校に進学することになる

・「入試の経験」を積むことができない

・「志願変更」のきっかけがなくなる

 

 

(ivy 松村)

「入試の経験値」(「都立併願」②)

受験生の多くは都立高校を第一志望にしています。そして、都立高校の入試は、当然リスクのある「実力勝負」です。

 

ですから、学校の先生は、万が一都立がダメだったときのために、私立の進学先を「確保」するように動きます。

 

そこで、「都立併願」という、合格を「確約」するかわりに、「しばり」がつけられる受験パターンが示されることになります。

 

この「都立併願」という受験パターンは、学校の先生が得意とする、最も基本的な高校受験の様式です。

 

「都立併願」の受験は、通常は、「おさえ」の私立併願校と「本命」の都立高校の2校のみの受験になります。

 

学校の先生は、用意する調査書を最小限にとどめておきたいと考える方が多いので、極力受験校を減らそうとする傾向があります。

ですから、その意味でも、学校の先生にとっては、このパターンは理想的です。

 

もし、都立に無事合格できれば、言うことはありません。最も効率的で経済的に受験を終えたということになります。

 

 

 

「塾の視点」から都立高校受験を考えたときには、別の受験パターンが典型として浮かび上がってきます。

 

 

「都立併願」は、「入試の経験値」が上がっていかない怖さがあります。

 

このパターンにはめられてしまうと、本番である都立高入試の前までに、1度しか入試を経験できません。しかも、「都立併願校」の入試は、「確約あり」であることを伝えられているので、「真剣勝負」にはならないのです。

 

 

「ガチンコ」勝負の私立入試で結果を出せれば、大きな経験を積むことができるだけでなく、精神的ゆとりと、確かな自信を手にすることができます。

 

「入試の経験値」を積んだうえで都立高校入試を「最終戦」として戦う受験生に比べて、「入試の経験値」の少ない受験生が苦戦する傾向は否めません。

 

そのような観点からみても、実力よりも上の都立高校にチャレンジしたいと思っている受験生には、塾としては、「併願優遇」を勧めたくないのです。

 

 

 

また、「都立併願」の受験パターンを組んでしまうと、都立の「志願変更」の「きっかけ」が失われてしまうというデメリットが生じます。

 

都立高校の入試では、入学願書を提出した後で、一度だけ、願書を取り下げて、受験校を変更することができます。今年度は、取り下げが2月13日、再提出が2月16日になっています。

 

これは、私立高校の入試結果をふまえて都立の受験校を決めなさい、という配慮です。

 

例えば、「私立の上位校に合格したので、都立はさらに上の高校にチャレンジする」といった変更や、「私立で受かっておきたかった高校がダメだったので、都立は、確実に受かる高校に下げよう」といった変更ができるのです。

 

もう少し付け加えるなら、私立入試を経験して、受験生は都立高入試への手応えをつかむことができます。その感触を頼りに、都立の見通しを持つことができます。

 

つまり、都立受験をふまえたうえで私立受験を組んでおけば、私立高校入試の結果を材料として、都立受験を再度組み直すことが可能なのです。

 

一方、「都立併願」組には、そういった志願変更を考え直す「材料」がありません。

 

「都立併願」での受験が決まるのは、12月の三者面談です。そこから、「志願変更」まで2ヶ月間あります。その間に学力が伸びることもあれば、伸び悩むこともあるでしょう。しかし、2ヶ月前に決められた形を崩すことができないのです。

 

過去問演習などの得点が伸び悩んで不安を感じたとしても、思い切って「志願変更」をするだけの明確な理由となりにくいのです。「本番で何とかがんばる」などといって、不安を抱えたままの入試に突入してしまいます。

 

 

「都立併願」という受験パターンは、私立入試を都立入試のために活かすことができないというデメリットがあるのです。

 

(ivy 松村)

 

「塾の視点」(「都立併願」①)

「都立併願」について考えてみたいと思います。

 

 

・「都立に行きたい」→わかります→「私立のおさえはどこでもいい」→理解不能です

 

受からなかったとき、「どこでもいい」私立に進学することになってしまいます。

「絶対都立に受かるから大丈夫!」というような、知性のない精神論は無意味です。

意気込みはもちろん大事なものですが、やる気と結果は別物です。

 

「都立に行きたい」→わかります→「でも、受からないかもしれない」→その可能性はあります→「だから、行きたいと思える私立に合格しておかなくては」

 

このような発想で受験を考えなければならないと思います。

 

 

 

「都立併願」で受験をした場合、都立高入試の結果によっては、「併願校」へ進学することになってしまいます。

 

その高校が、十分に魅力のある学校だと思えるのであれば、問題はありません。しかし、もしも、そうではないのなら、どうして、その高校へ進学する「しばり」を自らに課してしまったのか、という話になってしまいます。

 

 

あまりにも不用意に「都立併願」を選択する受験生が多すぎる、と感じています。

 

第一志望の都立高へ進学したい気持ちを「100」だとしたら、まあ、併願校は「50」ぐらいでしょうか。人によって違うと思いますが、そこには大きな差があるものだと思います。

 

他の可能性を考えてみる必要があります。「都立併願」で受験しなければ、「80」や「90」の私立校を受験することができるのです。

 

もちろん、そこにはリスクがありますが、そういった受験もあるのです。

「別の道」について考えたことはありますか?

 

「50」を確実に手に入れる安全な道と、「90」を求めるいばらの道。

 

どちらを選ぶのかは、その人の置かれている状況や価値観によるものなので、一概にどちらが賢明であるとはいえません。

 

問題は、今の中学生は、強力に「50」の道へと誘導されていて、「別の道」へのルートは、さも危険で異常なもののように伝えられているということです。

 

「都立併願」が当たり前で、一般受験をするのはとんでもないことのように言われたことはありませんか。

 

 

 

もちろん、「都立併願」が悪いわけではありません。この制度を使うことが、本当に有意義になる生徒もたくさんいます。多くの受験生にとっては本当にありがたい制度です。特に、学力が不安定な受験生は、絶対に「併願優遇」で受験するべきです。

 

しかし、学力の高い受験生であればあるほど、この制度は足かせになり、デメリットになるのです。

 

 

「都立併願」のデメリットがあまりにも認知されていないために、毎年、「50」の高校に進学することになってしまう生徒がいます。しかも「90」の高校に合格するだけの力を持っているのに。これは、不条理だとは思いませんか。

 

 

それは学校の先生のせいでもなく、受験生・保護者の方のせいでもありません。はっきりいってしまえば、通っている塾のせいです。

 

学校の先生に任せれば、「都立併願」に固められてしまうことは、わかりきっています。でも、何もしない塾がほとんどです。

(もしかしたら、私立上位校の入試対策を指導できない塾なのかもしれません。)

 

 

学校の三者面談で決まった形を追認するだけの塾が本当に多いです。そんな塾に通っている受験生・保護者は「自衛」しなければなりません。自分で情報を集めて、自分で判断しなければならないのです。

 

このブログの目的のひとつは、1人でも2人でも、そんな受験生を救うことです。そのために、連日何時間もかけて書いています。

 

 

 

学校の先生は、「おさえ」があれば「大丈夫」だから、都立は好きなころを受けてもよい、と言います。

 

しかし、「おさえ」に進学しなければならないという「リスク」も考えるべきだろうと思います。

 

特に、進学指導重点校やハイレベルな争いになる激戦の都立進学校を受験する場合。

一か八かで可能性の低いチャレンジ校を一縷の望みをかけて受験する場合。

そんなリスクのある受験で、どうして、受かることだけを考えることができるでしょうか。

 

「都立併願」のパターンで一番危ないのは、緊張するタイプの生徒が、ギリギリ合格できるかどうかのレベルの都立高校を受けるときです。

 

逆に、図太いタイプの生徒は、あっさり受かってしまうこともあります。結果オーライというやつです。

 

何事にも功罪はありますから、一概にはいえませんが、「第一志望がダメだった」という結果の意味が、受験のパターンによって大きく変わってくるのです。

 

 

「おさえ」があるから「大丈夫」だといって、「都立併願」で受験をして、都立がダメだったとき、本当に「大丈夫」だったね、と思えますか?

 

 

 

これまでの受験指導の経験から、「塾の視点」で受験を見ていない受験生や保護者の方が、けっこうたくさんいらっしゃることがわかってきました。

 

「塾の視点」とは、要するに、戦略的に受験を考えるということです。

きちんとした「まともな」塾は、置かれている状況や条件の中で、よりよい成果を得るために、受験をどうとらえ、どう行動するべきなのかということを常に考えています。

 

「塾の視点」から受験というものを知っていただくことは、受験生・保護者の方にとっても有意義なのではないかと考え、ブログに書かせてもらっています。

 

「家庭の視点」「学校の視点」そして「塾の視点」で受験を見直したときに、受験に「別の道」がみえてくることがあるかもしれません。

 

 

もちろん、大前提として、受験生は、自分の学力、家庭の事情などを考慮して、現実的に、志望校を考えなければなりません。

 

そして、どのようなパターンで受験に挑むのか、その決断をするのは、受験生とご家庭です。

 

誤解のないよう、念のため再度付け加えますが、私は「都立併願」で受験するべきではないといっているのではありません。

私が懸念しているのは、受験の全体像を知らされないで、判断を迫られている受験生・保護者が数多くいらっしゃるのではないかということです。

 

「塾の視点」もふまえて考えた結果、やはり「都立併願」で受験しよう、と決められたのであれば、その受験を、私たちは最大限サポートしていきます。

 

(ivy 松村)

高校受験を見渡す③(私立一般入試と都立高一般入試)

実力勝負となる「確約なし」の一般入試は、「オープン」と呼ばれることがあります。

一発勝負の入試では、「実力勝負」とはいっても、学力どおりの結果がでるとは限りません。

「運も実力のうち」などといいますが、現実に、「番くるわせ」は毎年起こっています。「実力」的には合格するはずのランクの高校であっても安心はできません。

 

そうした、「怖さ」も含めて、受験を考えなければなりません。

 

 

3.「本来の一般入試」 (「確約なし」)

 

①加点あり

②加点なし

 

 

私立の一般入試では、推薦入試受験者に加点を行う高校があります。

内申点の基準を満たしている受験者に対して、加点を行う高校もあります。

 

私立の難関校では、「併願優遇」などの制度がないところがほとんどなので、(加点を含めた)入試の得点で合否が決まります。

 

ひたすら、第一志望の高校の過去問を解いて、万全の準備をして、本番に挑まなければなりません。

 

 

注意しなければならないのは、「併願優遇」制度がある学校を「オープン」で受験する場合です。

「併願優遇」の枠で多くの合格者を出す高校は、相対的に「オープン」の一般受験での合格者の割合が少なくなっています。そのため、「オープン」での受験者の合格ラインが想定よりも高くなり、厳しい入試になることがあります。

 

つまり。「併願優遇」が取れれば、非常に「おいしい」形になるけれども、「オープン」で受けるのは得策ではない高校があるのです。

 

地域によって、「『おさえ』といえばこの高校」というような受験の定番があるものですが、もし、その高校をおされられなかった場合は、その形にとらわれずに、別の受験パターンを考えた方がいいかもしれません。

 

 

Ⅱ.「都立高校一般入試」

 

都立高校

 

 

受験生の多くは都立高校を第一志望に考えています。

都立高校入試は、「高校入試」の中で、最後の受験になります(通常であれば)。

最後の大一番、受験勉強の集大成として、持てる力を最大限に発揮するために、都立高校を受験する受験生は、2月24日にピークを持っていくように準備しなければなりません。

 

そのためには、私立高校の受験を、都立入試に向けてのプロセスとして捉え直す必要があると、私は考えています。

 

つまり、よいコンデションで都立高校の入試を迎えられるように、私立高校の入試を活用するべきであるということです。

 

「都立高校に合格するために」、私立高校の受験をどう組み立てるのか、という視点は、都立高校受験を考えるうえでとても重要であると思います。

 

 

 

原理原則からいえば、義務教育は中学校までで、高校は、「行かせてもらう」ところです。生徒にも、高校に進学できることは恵まれたことであって、感謝しなければならないことなのだと、よく言っています。

 

しかし、時代によって、価値観や標準となることがらは変わってくるものです。現代は、高校に進学することが極めて一般的な時代ですから、そのことに特別な感慨を抱くことはなかなか難しいことだと思います。「行かせてもらえるだけありがたく思え」というような言葉にリアリティーはありません。

 

生徒たちは、むしろ、大変なプレッシャーを背負い、高校受験という「勝負」に駆り立てられているのです。それが、「今」という時代です。

 

 

毎年、私立の「おさえ」なしに、都立高校だけを受験する生徒がいることを話に聞きます。

 

ご家庭の考えもあるので、断定的にコメントすることはできませんが、たとえ、私立に通学させないという方針であっても、どこか、私立高校の入試を経験しておくべきだと思います。

 

それが今の時代の標準であって、周りと同じステップで受験を経験させることは、必ず大きな意味になるはずだと、私は思っています。

 

経済的に大変な家庭もあるとは思いますが、日野市には、受験チャレンジ支援事業というものがあります。

 

都立高校入試の前に、一回、入試を経験するだけで、どれだけ精神的に助かるだろう、と思います。

 

 

 

「入試の経験値」というものがあると、私は感じています。

 

困難や試練を乗り越えるほどに、人間という存在は成長していくものです。

仕事がら、「入試」あるいは「受験」という経験が、生徒をどれだけ成長させるだろうか、ということをよく考えます。

 

これまで多くの受験生をみてきましたが、「入試の経験値」を多く積んだ生徒ほど、精神的に強く、たくましくなり、最後の大一番に最大限の力をぶつけていけるようになっていると思います。

 

都立高校の入試は、「ラスボス」のようなものだといえるかもしれません。

 

 

 

どのように転ぶかわからない「怖さ」というものが、受験にはあります。

 

であるからこそ、自分がやれること、正しいと信じていることはやり切りたい、というのが私の考えです。

(このブログの記事を書くこともその一環です。)

 

 

「入試の経験値」を少しでも多く積むべきであるという持論は、そのような思いから出てきたものです。

 

もちろん、すべての人に当てはまるとは思いません。入試を経験し、その結果によって、慢心してしまったり、ショックを引きずってしまったりする生徒もいるでしょう。

 

そうならないように全力でサポートするのが私たち塾教師の仕事だと思っています。

 

 

 

 

最後に。

いろいろと書かせていただいていますが、別の考えをお持ちの方はたくさんいらっしゃるはずだと思います。当たり前ですが、私の受験に対する考え方が、唯一正しいものではありません。

 

受験生・保護者の方は受験に際して、いろいろと悩まれたり、考えたりされていると思います。もし、参考になれば、という思いで書いております。

 

(ivy 松村)

高校受験を見渡す②(併願優遇)

2.併願優遇

 

①「確約あり」で「しばりあり」(第一志望がダメなら入学義務)

②「確約あり」で「しばりなし」

③「確約なし」(加点あり)で「しばりあり」(合格し、第一志望がダメなら入学義務)

④「確約なし」(加点あり)で「しばりなし」

 

 

私立高校の受験には「併願優遇」という制度があります。この制度が非常にわかりづらいのは、高校によって運用の仕方や中身が違い、場合によって、名称と内容がかけ離れたものになっているからです。

 

「併願」というのは、「併せて出願する」ということで、第一志望以外の高校を受験することを指しています。

 

その意味では、ほとんどの受験生は複数の高校を受験するわけですから、「併願」をしているわけです。しかし、「併願優遇」という制度の念頭にあるのは、「その高校以外に進学することを希望している」受験生に、なんとか入学してもらいたいという、高校側の事情です。

 

逆にいえば、「『おさえ』の高校を確保したうえで第一志望の入試に挑みたい」という受験生のニーズに応える形で生徒を募集しているということにもなります。

 

 

具体的には、「基準」以上の受験生に対して、「第一志望がダメだったらうちに来てください」という「しばり」をつけて、「優遇」措置をとるというものです。

 

この「基準」、「しばり」、「優遇」の内容が各高校で画一ではないのです。それぞれバリエーションがあり、さらに、表面的な内容と、実際の内容に違いがある(裏設定がある)ことがあります。

 

 

 

・「基準」について

 

「基準」は、9科の内申、5科の内申、3科の内申によるものがあり、どれかを満たしていればいい場合と、複数の基準を満たしていなければならない場合があります。

 

さらに、漢検、英検、数検などの検定合格が加味されることがあります。その場合も、学校によって、その点数や加点方法が違います。

 

また、部活動(部長経験)、生徒会活動、特別活動、リーダーとしての実績などが点数として上乗せできる学校もかなりあります。

 

そして、なによりも知っておかなければならないことは、学校によっては、「入試相談」によって、基準を「考慮」してもらえるということです。

 

 

・「優遇」について

 

「優遇」とは、受験に有利になる措置のことです。その内容は2つあります。「加点」と「確約」です。

 

「加点」は、入試で得た得点にさらに「優遇」措置としての得点が加算されるものです。

内申点によって、加点の点数が違っている場合もあります。つまり、内申点40以上で+10点、内申点35以上で+5といように。

 

「確約」は、「よっぽどのことがないかぎり合格できる」と高校側が認めているということです。

通常、「併願優遇」というと「確約」がもらえるということだったのですが、最近は「加点」に切り替える学校も増えてきました。

 

しかしまた複雑なのは、公式には「加点」措置であるという説明になっていても、実際には「確約」を出す高校もあるということです。

 

「入試相談」を通して、高校に聞いてみないと、高校側が「合格できると考えているかどうか」は、わかりません。

 

 

・「しばり」について

 

最も一般的な「しばり」のタイプは、「都立校高がダメだったら、うちに来てください」というものです。これはよく、「都立併願」と呼ばれますが、中学校の先生は、都立第一志望の生徒に対して、ほぼ例外なくこれを勧めます。

 

第一志望が都立ではない受験生には、私立を第一志望とする「併願」を認めている高校もあります。

 

これらは、いずれにしても、「併願優遇」の高校を「第二志望」に設定することを条件としているわけです。

 

「優遇」の内容が「確約」の場合には、「第二志望」の高校の合格が確定しているわけですから、後は、第一志望を受けるだけになります。

この場合には、学校の先生は、2校以外の受験は基本的に認めません。過去に「併願校」以外の入学を強行する「約束破り」があったようです。

 

中には、「自分の学校」を第三志望にしてもよいとしている高校もあります。

 

そして、「しばり」が全くないのに「優遇」措置を取ってくれる高校もあります。入学義務がないので、さらに別の私立高校の受験が可能になります。

 

「確約あり」で「しばりなし」の高校があれば、「おさえ」の受験としては理想的です。

 

高校側は、優秀な生徒に入学してもらいたいと考えているので、内申点などによって、「確約」を出すことがあるのです。

また、ある場合には、ある種の「信頼関係」によって、この形を、高校側が了承してくれることがあります。

 

あるいは、「しばり」なしで、「加点」を行う高校もあります。

 

この場合には、法政大学高校のような、内申によって加点が行われる高校の「オープン入試」とあまり変わらないものになります。

いずれにしても、内申の高い受験生が有利になりますから、成績の良い生徒を集めることができます。

もしかすると、「入試相談」で何か話し合いがあるのかもしれません。

 

 

 

わかりやすく整理してみましょう。

 

「基準」は省きます。

 

①.「確約あり」で「しばりあり」

②.「確約あり」で「しばりなし」

③.「確約なし」で「しばりあり」(加点あり)

④.「確約なし」で「しばりなし」(加点あり)

 

 

①は、最も一般的なもので、典型的な「併願優遇」の形です。

 

②は、受験生にとって最も「おいしい」形です。デメリットがありません。

 

③は、「加点」タイプですが、実は「確約」がもらえるという場合もあります。

 

④は、加点分だけ、入試に有利になるというものです。

 

 

(ivy 松村)

高校受験を見渡す①(推薦入試と単願・専願入試)

高校入試の入試制度のうち、「推薦入試」と「単願」/「専願」についてみてみましょう。

 

 

一.「推薦入試」

 

推薦入試は、合格したときには入学義務が生じます。ですから、原則として「入学を希望する高校」の受験であるということになります。

 

受験をするうえで、推薦入試が戦略的に活用される場合もあります。

都立高校のように、一般入試とは異なった内容・形式の推薦入試を実施している高校の場合には、それぞれの試験に対して相性というものが出てきます。当然、推薦入試のほうが有利になるタイプの生徒もいます。

また、一般的には、内申は高いが得点力が物足りないタイプの生徒は、推薦入試のほうが向いているといえます。

 

そのような観点から、塾の方でも、生徒の個性を考えて、推薦入試を受けてみたらどうかと提案する場合もあります。

 

 

Ⅰ.「都立高校 推薦入試」(合格すれば入学義務)

 

都立高校の推薦入試には出願の基準はありませんが、あまりにも無謀な出願は、学校の先生に許可されないでしょう。

 

Ⅱ.私立高校 推薦入試

 

①「確約あり」(入学義務)

②「確約なし」(合格すれば入学義務)

 

ほぼすべての私立高校では、出願の基準が設けられています。

内申などによる加点措置が設けられている場合もあります。

 

①は「入試相談」を通して出願します。実質上の進路決定になります。

「確約あり」の場合には、学校の先生から、一般受験の出願を見合わせるように指示があるはずです。

 

②は、通常、難関私立高校で行われるものです。その高校を第一志望としていて、かつ、内申などの基準を満たしている受験生は、推薦入試と一般入試、あわせて2度の受験機会を持つことができます。

 

 

高校によっては、推薦入試の結果が不合格であっても、一般入試に向けて大きなメリットが得られる場合があります。

学校によっては、推薦入試の受験者は、一般入試での加点などの優遇措置を受けられます。

 

 

 

二.「一般入試」

 

Ⅰ.「私立高校一般入試」

 

1.単願 / 専願

 

「単願 / 専願」といういい方には、「その高校しか受験しない」「他の高校も受験するが、受かれば、必ずその高校に進学する」というような定義もあるそうですが、内容としては、「その学校だけに進学したい」という意思を明らかにするものです。

推薦入試と同じく、合格したときには入学義務が生じます。ですから、やはり原則として「入学希望の高校」を受験するということになります。

 

多くの高校で、出願に基準が設けられています。

 

①「確約あり」(入学義務)

②「確約なし」(加点などの優遇あり)(合格すれば入学義務)

 

 

①は、「入試相談」を通して出願します。実質上の進路決定になります。

「確約あり」の私立の推薦入試もそうですが、最もスムーズに生徒の進学先を確定させることができるので、学校の先生は、内申点を持った生徒に対して、このパターンを提示することが多いです。

 

②は、合格したときに、必ずその高校に進学するという約束と引き換えに、加点などの優遇措置を受けるものです。

「第一志望優遇」といったような表記の場合も内容はほとんど変わりません。

 

②の体裁となっていても、実質的には「確約」をもらえる場合もあるそうです。

中学校の先生は、リスクを背負った受験をさせることはありませんので、「合格可能性がわからない」場合には、別の「おさえ」の学校を受けるように指示があるはずです。

当然、「おさえ」の学校は、「しばり」がなく、かつ、確実に合格できるところでなくてはなりません。

 

 

 

「推薦入試」、「専願 / 単願」は、合格とともに入学義務が生じます。ですから、入学するのに十分納得がいく高校がその入試制度を行っていて、さらに、出願の基準を満たしている場合に活用するものです。

 

そして、「確約あり」と「確約なし」では意味合いが違うので注意が必要です。

「確約あり」の場合は、成績や(スポーツなどの)能力にによって進路を確定させるもの、「確約なし」の場合は、「第一志望」の受験が「複数回受験」や「加点」といった部分で有利になるというものです。

 

(ivy 松村)