平成27年度都立高校入試のリスニング②

近年の都立高校入試、英語の大問1、リスニング問題の「問題B」についてみてみましょう。

 

 

平成27年度(163語)「ラジオ放送のニュース」

平成26年度(171語)「ラジオ放送によるイベント案内」

平成25年度(141語)「留学生のスピーチ」

平成24年度(141語)「外国人歌手へのインタビュー」

平成23年度(130語)「東京観光のバスツアーのガイドの説明」

平成22年度(138語)「テレビ番組に出演した外国人歌手からのメッセージ」

平成21年度(126語)「修学旅行の行動予定の説明」

 

 

まず、注目したいのは、その「長さ」です。

平成26年度から、使われる語数が多くなっていることが確認できます。

それだけ、放送される時間、処理しなければならない情報が増えました。

 

また、平成26年度と本年度は、英語による文章が読み上げられる前に、「ラジオ放送」であるという情報しか与えられなかったので、それだけ高度な聴き取りが求められることになりました。

 

例えば、25年度以前の問題では、これから放送される英語の文章の、「内容」を事前に把握したうえでリスニングを行うことができました。

「外国人歌手へのインタビュー」や「バスガイドの説明」であることなどが、英文を放送する前に、日本語で知らされていました。

すると、「今度の曲は・・・」「次に向かうのは・・・」といった内容が予期できます。

 

しかし、この2年では、何について述べられているのかという「内容」も「英語で」聴き取らなければならなくなっています。

 

 

 

正答率をみてみましょう。

 

 

Q1 Q2 大問正答率
平成27年度
平成26年度 13.6 9.1 38.1
平成25年度 42.4 7.9 65.5
平成24年度 44.8 30.0 55.4
平成23年度 41.6 40.7 66.0
平成22年度 52.7 11.1 55.9
平成21年度 34.6 26.3

59.5

 

 

都立高校入試の英語のリスニングテストは、選択問題を3問出される「問題A」と、記述解答が2問要求される「問題B」の計5問の出題となっています。

 

上の表の「Q1」「Q2」は、「問題B」の2問の各年度の正答率です。

「大問正答率」は、「問題A」と「問題B」を合わせたリスニングの大問1全体の正答率です。

 

 

平成22年度の「Q2」の正答率は11.1%と低下しました。難度の高い問題が出されたのです。しかし、翌年には「修正」されて、40.7と再び易化しました。

 

 

平成25年度では「Q2」は7.9%と、著しく低下しています。しかし、「大問正答率」は非常に高くなっています。

この年の「問題A」の正答率が、86.5%、97.7%、92.5%と、非常に高くなっているからです。

 

おそらく、「問題B」の「Q2」を難化させるために、バランスを取ったのでしょう。

 

 

そして、平成26年度で、「問題A」「問題B」ともに難化します。

問題Bは「Q2」だけでなく、「Q1」も難化し、それぞれ正答率は9.1%、13.6%となります。

さらに、「大問正答率」も大幅に下降し、38.1%となりました。

 

本年度は、26年度に低下した正答率が、「修正」されて上昇するのか、難化傾向が規定となり押し下げられたままとなってしまうのか、という今後の方向性を確認する年度だったのです。

 

結論としては、今後、リスニングは難化することになりそうです。

本年度も「問題B」で厳しい問題が出されました。

 

 

ただ、予兆はありました。

平成26年度のリスニング問題において、かつてないほどに低い正答率が認められたにもかかわらず、東京都教育委員会は、この年度のリスニング問題に関して以下のように総括していました。

 

「…比較的単純な内容については、概要や要点を聞き取る能力が身に付いていると考えるが、やや複雑な内容についての概要や要点を適切に聞き取る能力が十分ではないと考えられる。」

 

つまり、正答率が低いのは、入試問題のせいではなく、生徒の能力が不足しているからだという見解を示していたのです。

ですから、おそらくは「修正」するのではなく、難化の方向に舵を切るのではないかと思われていました。

 

 

 

実際に、東京都の中学3年生がどれくらい正答するのかは、集計を見てみなければわかりません。今年は、かなり気になります。

 

 

答案再現で以外と難しいのが、この英語の大問1の「問題B」です。

 

入試本番よりも答案再現を優先させるわけにはいきませんので、基本的に記述解答はメモらせず、生徒が校舎に帰ってきてから、覚えている範囲で書いてもらいます。

(記述内容も必ず解答用紙にメモをさせるような、どうしようもない塾もこの世にはあるのでしょうか?)

 

うろ覚えになっていることもよくあって、その場合は、結局、不正解として計算することになります。

 

 

 

(ivy 松村)

「暗記から逃げない」

都立高校入試が終わっても、息をつく暇もなく、中1、中2生の期末(学年末)テストでした。

 

ずいぶん前から、生徒たちには、重々に、三学期は都立入試があるので、手厚いテスト対策はできない旨を伝えてありました。

 

今回は、「定期テスト対策」ではなく、「自習」と位置付けて、取り組んでもらいました。

ほとんどの生徒が、可能な限り、ほぼ毎日、自習に来ていました。

 

2学期の期末テスト以降に入塾した生徒には対策授業も行いましたが、「自習の仕方」を教え、実践してもらうことが中心でした。

 

 

定期テスト直前の勉強は、「効率的」に行わなければならないことを伝えました。

基本的に、「まとめノート」のようなものの類は効率的ではありません。

だらだらと「文字を書く」という作業を行っていることで、勉強をやっているという気分に浸っているだけです。

ですから、悠長な「ノート作り」をするのではなく、暗記をするように、と指示しました。

 

「ノートにまとめる」というのは、複雑な内容を、じっくりと体に染み込ませて、理解を深めていくための取り組みです。

授業で説明を受けてから、一週間以内に行うべきものです。

 

定期テスト直前は、即効性があり、得点に直結する勉強をしなければなりません。

 

しっかりと学習を積み重ねてきた人は、最終確認や応用的な内容に踏み込めばいいでしょう。

直前になるまで「放置」していて、追い込まれている人は、必死で「暗記」するべきです。

 

 

この機会に、中1、中2の生徒に「暗記の基本」を教えました。

それほど特別なことではありませんが。

時間当たりに記憶する語の数が最も多くなるような取り組み方をすればよいのです。

 

暗記とは、本質的には、実は、脳から情報を取り出すという作業です。

ですから、一生懸命「収納」するのではなく、思い出す作業の回数や時間を増やすべきなのです。

 

「脳に負荷をかける」ということが重要です。

楽して覚えることを望んではいけません。

中学時代の暗記は、「訓練」ですから、とにかく必死で取り組むことが大切です。

一人ひとり、伝えた暗記のやり方を継続して行ってください。

 

 

 

それにしても、勉強が板についてきました。

みなさんの自習の様子を見ながら、しみじみと感慨にふけっていました。

 

どこかの塾のような、「わかった、できた、楽しい、やる気が・・・」云々の、幼稚なことはほとんど言わない塾です。

勉強の価値に気づいてもらえたら、本望です。

 

 

 

来月からは、新学年です。

 

返却されたテストを持って、塾に来てください。

 

さっそく、次の一年の予定と目標を決めましょう。

 

 

(ivy 松村)

平成27年度都立高校入試のリスニング①

本年度の高校入試では、英語のリスニングテストでトラブルが発生し、当該の2校はリスニングテスト不成立となりました。

 

そのうちの1校が、小金井北高校です。

小金井北はリスニングのすべてが不成立とされ、受験生全員に一律20点の加点がなされました。

小金井北は都立の上位校ですので、入試結果に影響が生じるかもしれません。

 

本年度の英語の共通問題は、リスニングの大問1以外では、ほとんど差がつかない内容でした。小金井北を受験する層の生徒が、落とすとすれば、大問4の〔問4〕(1)の解答形式に引っかかるくらいだと思います。

 

英作文もありますが、英作文の点数を大きく落とすことになるのは、「あること」などをしたときぐらいで、基本的に、英作文では「普通の英文」を書いておけば、大きな点数の差はつきません。

(逆にいえば、「あること」などをしなければ、英作文ではある程度の得点を確保できます。)

 

 

今年のリスニングの問題は、得意とするものとそうでないものの間で、12点の差が出るはずの問題でした。

本人が理解しているかどうかはともかく、これで救われた受験生とこれによって形勢が不利になった受験生がいたことでしょう。

 

さらに、教室によって、聞こえたり聞こえなかったりといった状況の違いがあったようです。リスニングを聞き取ることを止めて、問題を解き進めた生徒は、時間的な有利を手にしたはずです。

 

 

こうしたリスニングのトラブルは、近年では26年度、25年度、22年度でも起こっています。しかし、こうした予期せぬハプニングも含めて、「受験」なのだといわなければならないのでしょう。

 

 

本年度の入試では、リスニングの難化が進行するなかで、そのリスニングが、小金井北という高得点の競争となる高校の入試で無効となってしまいました。

複雑な思いがします。

 

 

 

英語のリスニングは、本年度の入試の焦点のひとつでした。

 

 

英語のリスニングは、共通問題もグループ作成も同じものを使用しますが、実は、昨年から、入試問題の作成者は、意図的にリスニングの難度を高くしようとしているのではないか、と感じていました。

 

昨年、平成26年度の、リスニング問題である大問1の「問題B」の2問が極端に難化しました。

それで、今後、リスニングの「問題B」を難化させる方針なのか、それとも、正答率を安定させる方向に「修正」するのか、今年度の問題は注目されていたのです。

 

 

結論からいえば、「問題B」は今後、難化しそうです。ただし、今年は、昨年度に比べてやや易化しているので、昨年度ほどの難度を継続するのではなく、正答率20~30%くらいの問題を作ろうとしているようです。

 

 

教育の現場から「ゆとり」が払拭され、いよいよ入試問題も、「何とか点を取らせてあげよう」というものから、従来の「選抜機能」を果たすものへと、少しずつ変異しているように思えます。

 

都立高校の入試は、学力を判定する、理解度の差を浮き彫りにする、点数の開きがくっきりとあらわれる、そういう問題構成へと変貌しようとしています。

そのため、これまで、あらゆる学力層を考慮してつくられていたリスニング問題も、やや上位層に合わせた構成になってきています。

 

リスニング問題はこれまで、特に、都立トップ高を受験する層にとっては、「みんなのボーナスポイント」のようなものでした。

それが、今や、点数を取るものと失うものを峻別する関門となりつつあるのかもしれません。

 

(ivy 松村)

It’s coming soon. Not bad.

入試が間近に迫ってきました。

 

 

気の緩みは禁物ですが、過度の緊張もよくありません。

適度に、リラックスする時間を取りましょう。

 

緊張状態が持続し続けると、逆に集中力が散漫になります。

 

 

明日は、入試前の最後の塾の日です。

少しゆっくりする時間を取りましょうか。

 

 

 

縁があって、高校受験という人生の節目を一緒に戦うことになりました。

 

この一年の最後に、きみたちが力を出し切ることを願ってやみません。

 

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

 

 

 

 

追記:すでに懐かしくもある言葉を載せておきます。今でも心に残っている言葉はありますか?

 

 

 

 

正しかろうが間違っていようが、自分らしく生きよ。 安易に服従してしまう臆病者よりずっと立派だ。

アービング・ウォレス

 

昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう。

アインシュタイン

 

人生における大きな喜びは、君にはできないと世間がいうことをやることである。

ウォルター・バジョット

 

過去と他人は変えられないが未来と自分は変えられる。

エリック・バーン博士

 

人生は退屈すれば長く、充実すれば短い。

シラー

 

確かさばかり求めてぐずぐずしている人には大きなことは決してできない。

ジョージエリオット

 

人生において最も絶えがたいことは悪天候が続くことではなく、雲一つ無い晴天が続くことである。

ヒルティ

 

森の分かれ道では人の通らぬ道を選ぼう。すべてが変わる。

フロスト

 

小さな円を描いて満足するより、大きな円の、その一部である弧になれ。

ブラウニング

 

寒さにふるえた者ほど太陽を暖かく感じる。人生の悩みをくぐった者ほど生命の尊さを知る。

ホイットマン

 

人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。

リチャード・M・ニクソン

 

雨は一人だけに降り注ぐわけではない。

ロングフェロー

 

幸福というものは、一人では決して味わえないものだ。

アルブーゾー

 

幸せは経験するものではなくて、あとで思い出してそれと気づくものだ。

オスカーレバント

 

自分自身を幸福だと思わない人は、決して幸福になれない。

サイラス

 

幸福とは幸福を探すことである。

ジュール・ルナール

 

学べば学ぶほど、自分が何も知らなかった事に気づく、気づけば気づくほどまた学びたくなる。

アインシュタイン

 

教えるとは、希望を語ること。学ぶとは、誠実を胸に刻むこと。

アラゴン

 

夢見る力のないものは、生きる力もない。

トラー

 

夢は逃げない。逃げるのは自分だ。

高橋歩

 

天才とは努力する力である。

ドワイト

 

努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功する者は皆努力している。

ベートーベン

 

努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る。

井上靖

 

運は我々から富を奪うことはできても、 勇気を奪うことはできない。

セネカ

 

人間は毅然として現実の運命に耐えていくべきだ。 そこには一切の真理が潜んでいる。

ソロー

 

人間は自己の運命を創造するのであって、これを迎えるものではない。

ヴィルマン

 

勇気とは、恐怖心を抱いていないことではなく、 恐怖心を抱いていても行動する度胸があることだ。

アレクサンダー・ロックハート

 

勇気は逆境における光である。

ヴォーヴォナグル

都立高校入試の社会の取り組み方

都立高校入試の社会の対策として、もっとも有効なのは過去問を解くことです。

ただし、過去問の扱い方次第で、その効果が違ってきます。

 

過去問は、問題作成者からのメッセージがつまっています。

 

自分の力で都立高校入試に立ち向かっていかなければならない受験生には、過去問を、問題の文章も含めて、隅々まで読み尽すことをお勧めします。

そうすると、どのような知識が重視されていて、どのようなヒントの出し方をしているのかがわかってきます。

 

 

都立の社会の入試問題には、明らかに出題に偏りがあります。

それは、地理、歴史の分野ではっきりと確認できます。

 

ですから、まずは、その「偏り」をとらえておくことが何よりも大切になります。

それが本年度においても、もっとも出題されやすいトピックとなるからです。

 

 

ちなみに、公民分野は、以前は、他の道府県と比べて、少し特殊な出題のされ方をしていました。

地理・歴史の知識を使って答えたり、常識的な判断で解答できたりする問題が比較的多くみられました。

 

それは、都立高校入試直前になっても、公民分野を、中学校で十分に学習していない中学3年生がかなりの数にのぼるためで、おそらく、その配慮だったのだと思います。

東京都は、「公民をまともに教えない中学校の教師」が相当数いることを認識していており、それが出題に影響していたのだと考えられます。

 

ところが、近年では、選挙、三権分立、社会保障関係、環境問題、国際社会などを中心に、それなりに深い知識を求める問題が増えてきました。

 

 

 

歴史についてみてみましょう。

 

以下は都立入試で過去に出題された社会の問題の抜粋です。

 

いずれも、「二毛作」を題材としていることがわかります。

 

 

 

※平成13年、大問4、〔問1〕の問題。

次の文章は,わが国の13世紀末ごろの農村のようすについて述べたものである。このころに描かれた絵画に当たるのは,下のア~エのうちのどれか。

・畿内を中心に二毛作がはじめられるなど農業技術が進歩するなかで,農具などをつくる手工業者が農村にあらわれ,手工業品を定期市で売るようになった。

 

 

※平成16年、大問4、〔問2〕問題。

Bさんは,人々の仕事について調べた。絵巻物で調べているうちに,時代とともに人々の仕事も変化していることがわかった。右の絵は,Bさんが調べた絵巻物のうち,室町時代につくられた「七十一番職人歌合絵巻」から抜き出したものである。

上の絵に描かれている人々の仕事を見て,この時代における農業や商業の発達の様子について,「二毛作」,「定期市」の2語を必ず用いて簡単に述べよ。

 

 

※平成18年、大問4、〔問2〕の「ア」の選択肢。

ア ニ毛作が広まり,耕作に牛馬を利用したり,肥料を使ったりするなどの工夫がされるようになった。また,茶を飲む習慣が広がり,茶の栽培が盛んになった。

 

 

※平成26年、大問4、〔問1〕の「イ」の選択肢。

イ 牛馬や鉄製農具の利用が進むとともに肥料に草や木の灰などが使われるようになり,麦を裏作とする二毛作が普及する中で,川の流れを利川した水車が使用された。

 

 

 

 

二毛作は、鎌倉時代にはじまり、室町時代に各地に広まります。

また、定期市は、鎌倉時代に3回、室町時代に6回開かれるようになります。

 

都立入試の社会は、「産業の発展」にともなう生産体制や社会構造の変化について出題する傾向があります。

その中でも、特に、中世の農業、工業、商業の進展について問われることが多いのです。

 

さらに中世(鎌倉、室町)の産業史をあつかった問題を集めてみました。

 

 

 

※平成10年、大問4、〔問1〕問題文および選択肢「イ」。

室町時代になると商品の流通が進み,港町や陸上交通の要地では,問丸馬借といった運送業者の活動が盛んになった,とあるが,室町時代の産業や流通のようすについて述べているのは,次のうちではどれか。

イ 商人や手工業者は,座と呼ばれる同業者の組合をつくり,京都や奈良では,土倉酒屋が多くなり,諸国の農村で月に6度の定期市が開かれるようになった。

 

 

※平成17年、大問4〔問2〕の選択肢「イ」。

イ 延暦寺の門前町としてだけでなく,琵琶湖水運の物資の集散地としても発達し,馬で物資を運ぶ運送業者酒屋土倉などの金融業者が多く集まっていた。

 

 

※平成22年、大問4、〔問1〕の選択肢「イ」。

イ 港では商品の保管や輸送を行う問丸が,交通の要地では輸送業者の馬借が活動し,幕府の置かれた都と地方とを,琵琶湖や瀬戸内海などを活用して結ぶ経路が整ってきた。

 

 

※平成23年大問4、〔問1〕の選択肢「ア」。

ア 月に3回開かれる定期市で鍛冶職人が作った農具も売られるようになる中で,荘園領主や地頭の支配下にある農村などでは,農民が鍬や鋤,鎌などの鉄製農具を利用して農作業を効率的に進めた。

 

 

※平成25年度、大問4、〔問2〕Ⅱの文章。

月3回開かれていた定期市の中で、回数を増やし月6回開催する定期市が現れた。

○商品の売買には、宋銭に加えて、明銭も使われ始めた。

○幕府が置かれた都と港町や宿場町で、馬借などの運送業者が活動した。

 

 

 

 

 

「二毛作」、「定期市」、「馬借」、「問丸」、「土倉」、「酒屋」といった、中世の社会や産業の様子を表すキーワードが非常に重要であるということがわかると思います。

 

多くの問題集や参考書では、こうしたトピックは、政治史や文化史に比べて、比較的軽いあつかいになりがちです。

ものによっては、記載されていないこともあるかもしれません。

 

このような傾向を知らない塾の人は、「マニアックな出題」などといって、驚くことになります。

 

 

都立の入試問題は毎年ただ1種類ですから、分析も解剖も非常に容易です。

通常の進学塾は、その結果をふまえて、数か月かけて都立の入試問題に対応する力を伝授していきます。

 

 

 

 

もうひとつ例を挙げます。

 

 

 

※平成10年度、大問4、〔問4〕の「ウ」の選択肢。

ウ 関東大震災後,私鉄やバスが交通機関として一層発達し,バスの車掌として働く女性が,はじめて登場した。

 

 

※平成24年大問4、〔問4〕の「ア」の選択肢。

ア バスの車掌やタイピストなど新しい職業に就く女性が増える中で,和装から洋装への転換が進み,洋装や洋裁の技術を学ぶ学校が芝に開かれた。

 

 

 

 

上の二つは、ともに「大正時代」について述べられた選択肢です。

 

平成10年度は、「関東大震災」というキーワードによって、大正時代であると特定できますが、平成24年度は、明確なキーワードがないため、特定に少し迷います。

さらに、後者は、時代順に並べ替える問題でしたので、思いのほか苦戦する生徒もいます。

(近年の入試問題の難化は、こうした細部に表れています。)

 

しかし、当然、平成10年度の問題を解いたことのある受験生は、平成24年度の問題を解くのに重要な情報を持っていることになるのです。

 

「バスの女性車掌」という 知識は、過去問以外から得ることはなかなか難しいと思います。

(太宰治の『富嶽百景』に思い当たった受験生がいたとしたら、すごいと思います。)

 

 

実際には、この問題は「和装から洋装への転換」が大きなヒントになります。

「ヒントの拾い方」を知ることも、都立の社会の攻略には重要です。

 

 

 

このような知識や方法論は、「一問一答」の問題集では身につけることはできません。

 

 

 

歴史は、大まかに、古代・中世・近世をあつかう「前近代」と明治・大正・昭和前期をあつかう「近代史」と第二次世界大戦後をあつかう「現代史」のパートに分かれています。

 

このうち、「近代史」では、

 

・明治前期(明治維新、近代化)

・明治後期(産業革命、立憲政治、対外戦争、条約改正)

・大正時代(第一次世界大戦、大正デモクラシー)

・昭和前期(世界恐慌、満州事変、第二次世界大戦)

 

という区分けを用い、4つの選択肢「ア、イ、ウ、エ」を設定するのが基本となっていました。

 

この区分けは、以前は明確だったのですが、あまりにも単純だったために、ほとんどの受験生が対応するようになってしまいました。

 

そのために、近年は、この区分けを越えて、設問がなされるようになってきました。

 

しかし、それでも、この区分けを意識して歴史の流れを考えるのは重要です。

何事であっても、基礎があって、その上に応用があるのです。

 

 

 

「近代史」の中では、大正時代が特に重要です。

 

歴史的に重要なのはもちろんですが、入試問題の解答作業において、大正時代を特定することは、「明治」と「昭和」を分断することでもあります。

その作業が、正解への筋道を示すことが多いのです。

 

ですから、私の授業では、しつこいほどに大正時代のキーワードに言及します。

 

大正時代のキーワードは、「第一次世界大戦」関係、「大正デモクラシー」関係、その他、国際連盟、関東大震災など、数多くあります。

しかし、都立の入試では、実は、社会生活の変化を捉えておくことが、非常に重要です。

 

例えば、「バス」、「地下鉄」、「サラリーマン」、「デパート」、「ラジオ放送」、「電気」などです。

 

大正時代は、短い期間ですが、日本人の(都市の)生活様式が大きく変わった時期です。

 

 

 

 

今から、入試当日までに、社会の知識を完全に網羅することはできません。

ですから、社会に不安のある受験生は、重要度の高いトピック、すなわち、出題傾向の高い内容を、残された時間で優先的につかんでいかなければなりません。

そして、重要度が高いものが一体何なのかは、過去問を熟読することでみえてくるのです。

 

 

 

受験生のみなさん、悔いのない受験を。

 

 

 (ivy 松村)

 

都立高校入試の社会対策

都立高校入試が目前に迫り、多くの受験生が理科・社会の対策に取り組んでいることでしょう。

 

国立大附属高校と一部の私立高校で入試科目に理科・社会があるところもありますが、ほとんどの私立高校入試は英語・国語・数学の3教科で行われます。

 

ですから、一般的に、私立高校の入試期間が終わるまでは3教科を集中的に勉強し、都立入試前の2週間弱で理社を「詰め込む」というような流れで、都立受験の準備をする受験生も多くいます。

 

 

この3、4年の間に、理社の重要性が叫ばれるようになってきました。

明らかに、理社が原因で、結果をつかむことができなかった受験生が増えてきたのでしょう。

問題も難化しています。

 

この時期、理社に関して、どのような取り組みをしたらよいのでしょうか。

 

これまでにどれだけの積み重ねをしてきたのかということと、必要な点数によって、対策の内容が変わってきます。

ほとんど「仕上がっている」人と「今から何とかする」人とでは、やるべき内容が違ってきます。

 

しかし、どういった場合でも、出題の方針や傾向、形式に合わせて対策を取るという受験の基本は変わりません。

 

社会の場合を考えてみましょう。

 

 

社会は「暗記教科」であるという間違った認識をしている塾の教師がたまにいます。

 

その認識は危険です。生徒が、その間違った固定観念のもとに学習をしてしまうと、本当に必要な力を逆に軽んじてしまい、学力を伸ばしていけなくなることも考えられます。

 

 

その認識の根本にあるのは、学校の定期テストです。

 

あるいは、私立大学入試における「世界史」などの問題のイメージを持っているのかもしれません。国公立大学の入試がわかっている人は、「暗記」で立ち向いはしないでしょう。

 

東京以外の道府県では、暗記による知識が点数に結びつくような出題をするところもあります。

 

しかし、いずれにしても、東京都立高校の社会の入試問題は、「暗記型」の出題はほとんどありません。

 

 

「社会科」の素養の中核をなすのは、詰め込まれた知識ではなくて、データや資料の内容を読み取る能力です。

数値や図画などの情報から、社会のありようや実像に迫り、それを記述する能力です。

 

経済学、法学、政治学、社会学…いずれも、データや資料の読み取りができなければ、まともな研究はできません。

 

情報化社会が進展するにしたがって、単純な暗記の能力の価値は低下しています。

情報端末を使って、知りたい事柄をすぐに手に入れられる時代になったからです。

今の時代に必要なのは、情報と情報をすり合わせて「新しい情報」を生み出したり、ある情報の中から価値のある内容を取り出したりする力です。

 

 

都立高校の入試問題の作成者はそのことをよく認識されています。

ですから、都立の社会の入試問題は、資料、表、地図、写真、図、グラフ、年表、などを扱った問題が数多く出題されるのです。

 

 

作問に対する是非というものはあると思います。

私も、どちらかというと「暗記」は必要であると思っています。

 

 

しかし、ともかく、都立高校の入試対策として、「暗記」をさせるのは効率が悪すぎます。

あるいは、覚える方法というか、方向性が間違っています。

 

 

もし、「一問一答」型の問題集などをやらされている受験生がいたら、ちょっと考えたほうがいいかもしれません。

(過去問を解いてみれば、効果がうすいことに気づくとは思いますが…。)

 

 

 

具体的に、都立の入試問題をみてみましょう。

 

平成24年度の大問4(歴史)の〔問2〕です。

 

「次のⅠの略年表は、鎌倉時代から江戸時代にかけての我が国の文化に関する主な出来事についてまとめたものである。Ⅱの文は、ある時期に絵画を学んで大成した人物について述べたものである。Ⅱの文で述べている人物が活躍していた時期に当てはまるのは、Ⅰの略年表中のア~エの時期のうちではどれか。」

 

 

西暦    文化に関する主な出来事
1203  ●運慶らは宋の仏像を参考に「東大寺南大門金剛力士像」を制作した。
1400  ●世阿弥は中国の芸能が基になった能についてまとめた「風姿花伝」を著した。

1495  ●雪舟は宋や元、明の画風を取り入れ、「破墨山水図」を描いた。

1631  ●俵屋宗達は宋の画法を取り入れ、「源氏物語関屋澪標図屏風」を描いた。

1831  ●葛飾北斎は西洋の画法を取り入れ、「富嶽三十六景」を描いた。

 

 

 

狩野永徳は、祖父から大和絵と水墨画を融合させた新しい絵画の様式を学んで、独自の力強い画風を生み出し、城や寺院の襖や屏風に絢爛豪華な絵を多数描いた。

 

 

 

答えは「ウ」ですね。

 

狩野永徳は、安土桃山時代に活躍した画家で、『唐獅子図屏風』、『洛中洛外図屏風』などの代表作があります。

 

1467年「応仁の乱」…室町時代、足利義政

1543年「鉄砲伝来」…安土桃山時代

1600年「関ヶ原の戦い」3年後に江戸幕府

 

最低限の年号の知識によって、安土桃山時代が「ウ」であることを把握しなければなりません。

しかし、実は、「雪舟」の次世代の代表的な画家が「狩野永徳」であると知っていれば正解できます。

 

 

 

さて、今、私の手元にある一冊の中学社会の問題集には、以下のような問題が載っていました。

 

「雄と雌の唐獅子が歩く姿を描いた『唐獅子図屏風図』の作者はだれか。」

 

 

この問題集をこなそうとするならば、「狩野永徳」という言葉を覚え、記述しなければなりません。

 

もちろん、教科の知識として、あるいは教養、常識として、「狩野永徳」を知っていたほうが、良いことは間違いありません。しかし、今、「この時期」に暗記するべきことではないでしょう。

 

この問題は、都立の入試には、100パーセント出題されない形式です。

(都立の語句筆記問題には傾向があります。)

 

 

「狩野永徳」という知識は、別の形でインプットする必要があります。

 

 

都立の大問4(歴史)の選択問題には、時代区分とトピックを整合させる問題か、時代の流れを確認する問題が出ます。

 

ですから、トピック別に、発展や展開の流れを整理しておかなければなりません。

 

例えば、絵画の歴史であれば、以下のようになります。

 

 

平安時代 国風文化 大和絵 (絵巻物)  -
鎌倉時代 鎌倉文化 似絵 (肖像画)  -
室町時代 東山文化 水墨画 (掛け軸) 雪舟
安土桃山時代 桃山文化 障壁画 (屏風、襖) 狩野永徳
江戸時代 元禄文化 (障壁画)   〃 俵屋宗達、尾形光琳
  〃 浮世絵 (版画) 菱川師宣
化政文化 (錦絵)   〃 葛飾北斎、安藤広重

 

 

これらを、「暗記」する必要はありません。

これらのキーワードに反応して、「時代を特定する」という作業が求められているのです。

 

「狩野永徳」を答える準備をする必要はなくて、「狩野永徳」=「安土桃山時代」という特定ができればよいのです。

 

 

別の例をみてみましょう。平成10年度の都立入試問題です。

同じく大問4の〔問2〕です。

 

「江戸時代に活躍した人物について述べているのは、次のうちではどれか。」

 

ア 紀貫之は、国司の任期を終えて京都に帰り着くまでの旅のようすをかな文字を用いて日記に書いた。

 

イ 雪舟は、中国から帰国後、各地を旅して自然の風景を墨の濃さや薄さで巧みに表現し、水墨画を大成した。

 

ウ 行基は、仏教の教えを各地の人々に説くとともに、橋やかんがい用の池をつくるなど人々のために尽くした。

 

エ 松尾芭蕉は、各地を旅した体験や見聞をもとに紀行文を書くとともに、新しい作風の俳諧を生み出した。

 

 

 

都立の過去問を解くときには、一択問題であっても、全ての選択肢を特定させて解かなければなりません。

近年の傾向がわかっている塾の教師は、必ず、その指示を出すはずです。

 

 

上記の「絵画の歴史」をインプットしていれば、「雪舟」=「室町時代」であると特定できます。「イ」は室町時代なので、すぐさま、この選択肢を消すことができます。

 

残りのうち、「ア」と「エ」は「文学の歴史」で整理しておけば、それぞれ平安時代、江戸時代であると特定できます。

 

「ウ」の行基は、「奈良の大仏」との関連でおさえる人物です。

しかし知らなくても、「仏教」というトピックが、江戸時代には存在しないことに気づけば、消すことができるでしょう。

 

 

大問4は、常に「並べ替え問題」を意識して解かなければなりません。

ですから、もし、「行基」が奈良時代の僧だと知らない場合には、選択肢の記述内容から、時代を推察していきます。

 

平安、室町、江戸が出ているので、「エ」は奈良時代以前か、鎌倉時代、安土桃山時代ということになる

「仏教の教えを各地の人々に説く」→「まだ仏教が日本に根付いていない時代」である

鎌倉仏教の開祖の中に「行基」はいないし、鎌倉時代には仏教は日本に広まっていたと考えられるので、「ウ」は奈良時代以前となる

 

 

 

このように、都立の社会の入試問題は、「暗記」にもとづいた知識によって解答作業を行うのではなく、むしろ、広く浅い知識を関連させることで正答へと迫っていくという構造になっています。

 

 

もし、このような都立の問題構造を把握しないまま「一問一答」をやっている(あるいは、やらされている)受験生がいたら、取り組みを変えたほうが、効果的な受験対策になるでしょう。

 

 

 (ivy 松村)

 

都立高校応募倍率確定

昨日、都立高校入試の志願変更の再提出が行われました。これによって、都立高校入試の応募倍率が確定しました。

 

昭和高校の倍率がかなり下がりました。

 

男子:1.83 →1.68

女子:1.93 →1.71

 

応募人員の増減をみてみましょう。

 

男子:243名 →224名(-19)

女子:231名 →205名(-26)

 

金曜日に、男子26名、女子28名の願書取下げがあったことがわかっています。

そして、本日、男子7名、女子2名が再提出を行った結果、応募人員と倍率が確定しました。

 

ですから、正確には、

 

男子:243-26+7=224名

女子:231-28+2=205名

 

という増減の経過がありました。

 

男子は去年の経緯をなぞるように推移しました。

女子は、流入する人員が少なくなることが、ある程度予想されていました。

出願時の倍率が、「昭和高校」としてはあまりにも高すぎ、再提出先として候補に考えていた受験生も躊躇するだろうと思われていたためです。

ですが、2名は少なすぎでした。もう何名かいるだろうと思っていました。

 

 

昭和高校の出願・志願変更の倍率の変化

 

出願時 志願変更後 取下げ 再提出 受験倍率
27年度 1.83 1.68 26名  7名
26年度 1.85 1.71 26名  8名 1.59
25年度 1.67 1.50 33名 11名 1.41
24年度 1.36 1.34 12名 10名 1.27
23年度 1.09 1.25 1.22
22年度 1.23 1.31 1.10

 

出願時 志願変更後 取下げ 再提出 受験倍率
27年度 1.93 1.71 28名  2名
26年度 1.49 1.48  8名  7名 1.45
25年度 1.69 1.62 16名  7名 1.60
24年度 1.53 1.48 11名  5名 1.46
23年度 1.21 1.23 1.14
22年度 1.25 1.28 1.19

 

 

 

「倍率をみる」ときには、単純に数字を比べるのではなく、「その高校」に「その倍率」が出ているということは、どういうことなのかを考えなければなりません。また、志願変更のような制度が設けられている場合、その数字がどう推移するのかを考えなければなりません。

 

 

 

もちろん、受験に大切なのは学力です。

 

過度に数字を分析することは、「趣味の領域」と紙一重です。

ものごとには限度というものがあって、倍率などというものは、適度に意識するくらいがよいと思います。

 

 

ですから、受験生には、「志願傾向分析」の100分の1も伝えません。

当然、受験生に必要な情報は、受験校の本年度の倍率(がどうなるか)だけです。

それ以外は、基本的にノイズです。

 

しかし、塾の教師としては、受験全体の見通しを持っていたほうがいいと思います。

倍率が何倍、という小さな事実を取り扱う場合であっても、その背後にある膨大な情報を意識しているほうが、職業人としては上等です。

 

 

 

このブログには、数日間の志願傾向分析の10分の1ほどの内容を書いています。

要点を記さないのは、出し惜しみをしたからではありません。

「企業秘密」のようなことはあまり考えてはいなくて、情報が広まってしまうことのデメリットがあるために、情報を選別したり省略したりしたのです。

 

 

自然科学における実験や観察とは違い、社会科学的なフィールドでは、「フィードバック」が起こってしまって、理論が破綻してしまうことが起こり得ます。

 

受験生の志願行動のパターンを読み切っても、その内容が世の中に知れ渡ってしまうと、その後は、受験生はその理論どおりには行動しなくなるのです。

 

人間は思考する動物ですから、裏をかく、裏の裏をかく、というような背反行動をとることができるからです。

 

 

このブログにそれほどの影響力があるかどうかは、まあ、ともかく、一般論として、余計なことは、まず言わないほうがいいですよね。

 

ですが、もちろん、当塾の生徒、保護者の方には、必要な情報を全てお伝えいたします。

 

 

 

さて、最終の応募倍率をみて気になったのは、西高です。

西は男女とも倍率が上がりました。

都立最難関のひとつである西高は、志願変更後に、志願者を減らすことが多いのです。

 

西高の男子の倍率が上がったのは、23年以来です。

この年度は、「西にしては」出願時の倍率が2.05と低かったのです。

(25年度は、倍率は上がっていませんが、1名の増員がありました。)

 

今年も、出願時の倍率が2.17と、比較的低かったことが原因かもしれません。

しかし、もしかすると、潜んでいた志願者がいたのかもしれません。

例年どおりの志願変更の日程であれば、最初から西に出願するはずの何人かの受験生が、今年は最後に西に「差し込む」という形を取ったということも考えられます。

 

 

中学併設型のグループ作成校は、出願時の倍率が2倍近くになったところがありました。

昨年度の倍率が低く抑えられたため、本年度に「揺り戻し」があることは、予想されていました。

 

その中で、対照的に、本年度出願時の武蔵の倍率は低調した。

しかし、志願変更によって、武蔵の男子の倍率は1.29から1.81にまで上昇しました。女子は、1.10から1.29となりました。

 

じつは、武蔵の男子の倍率が、志願変更後に急上昇することはわかっていました。

もし、ivyに、武蔵を「ねらい目」だと考える生徒がいたら、まず止めていたでしょう。

 

近年の志願変更の傾向をみれば、武蔵の最終倍率が1.6を超えることは、誰もが予想できます。

 

 

武蔵高校の出願時の倍率と志願変更後の倍率の変化

 

出願時 志願変更後
27年度 1.29 →1.81
26年度 0.94 →1.68
25年度 1.56 →1.59
24年度 2.22 →1.96
23年度 1.67 →1.67
22年度 1.75 →1.46

 

 

 

24年度は、前年に、一足早く都立中高一貫校となった学校群が、大学受験で期待以上の合格実績の結果を出した年でした。都立中高一貫校に対する大学進学指導の信頼が高まったのです。

 

そのため、武蔵、白鷗、大泉、富士、両国といった中高一貫校の中学併設型の高校は、24年度に軒並み倍率を上昇させました。

 

その24年度を除いて考えてみると、武蔵の「受験需要」はだいたい募集の1.6倍程度存在することがわかります。

 

志願変更は、出願時の「差異」を調整する機能を果たしています。

 

 

そして、武蔵の高校受験が怖いのは、募集人員が少ないため、志願者のわずかな増加で倍率が急上昇してしまうことです。

 

本年度の武蔵の男子の募集人員は31名で、出願時の応募者は40名、最終応募者は56名です。

ですから、志願変更によって増えた人員は、16名ということになります。

それによって、倍率は1.29から1.81に上昇しました。

 

ところで、青山高校の男子の募集人員は150名です。

青山の倍率を、1.29であると仮定して、そこに16名の増員があった場合、倍率がどうなるか計算してみると、1.39です。

 

 

この数字をどうとらえるのか、はその人次第です。実際の青山の男子の倍率は2.38倍であり、200人以上が厳しい結果となる予定です。

 

しかし、青山の志願者は、非常に高い倍率を覚悟して受験の意思を固めています。

一方、武蔵の志願者のうちの何人かは、「倍率の低さ」をみて出願したはずです。

 

その志願者に、1.81という高倍率がつきつけられることになったのです。

 

 

 

 

青山は、これまで、出願時の倍率が2倍近くなるにもかかわらず、志願変更によってさらに倍率が上がる特殊な傾向のある高校でした。

 

西、日比谷、戸山などの上位校からの「引き下げ」によって志願者が増えていたのです。

 

 

青山高校には、本年度、志願者が増える要因がありました。

昨年度、大学合格実績を残し、引き続き進学指導重点校の一角として存続することになったのです。

 

本年度、青山は募集人員を、男女計250名から286名に増やしました。

 

しかし、募集人員の増加を上回る応募があり、出願時の倍率は、男子2.44、女子2.23という倍率になっていました。

 

この倍率は、青山高校の「限度」を越えています。

そして、本年度は、志願変更によって倍率は下降し、青山の倍率は、男子2.38、女子2.11となっています。

 

 

 

2.10と、出願時に高倍率となっていた立川高校の男子は、応募人員を3名減らしたのみで、最終応募倍率は2.08倍となりました。

 

おそらく、立川の倍率をみて、出願を取下げた受験生はそれなりの人数になると思います。

しかし、それと同じくらいの再提出があったため、倍率が高止まりしているのだと思います。

 

 

立川の男子の応募には、かつてであれば国分寺高校を受験したであろう受験生が流れています。

 

国分寺は男女を分けずに募集する高校ですが、男子の応募の割合が高く、過去には、その割合が65%にせまる年度もありました。

 

26年度を境に、国分寺は倍率を低下させますが、それにともなって、この2年間、男子の応募数を著しく減少させています。それに呼応するかのように、立川の男子の倍率が上昇しています。

 

同じ地域内で、特別選考枠を持つ立川に挑戦しようという受験生が増えているのかもしれません。

 

また、本年度、募集人員を減らした国立高校は、例年よりもやや高い倍率になっていました。

そのため、国立高校から立川に志願変更した受験生が少なからずいたのではないかと思われます。

 

国高の男子の倍率は、2.15から1.98に減少しています。

 

 

 (ivy 松村)

 

 

 

 

 

都立高校入試の志願傾向の分析③(昭和高校)

本年度の都立高校の応募倍率で、注目されるのが、高倍率となった昭和高校です。

男子1.83、女子1.93となっています。

 

昭和の倍率は、この数年間で、大きな変化を示しています。その推移をみてみましょう。

 

 

昭和高校の出願・志願変更の倍率の変化

 

 

出願時 志願変更後 取下げ 再提出 受験倍率
27年度 1.83  ? 26名  ?  ?
26年度 1.85 1.71 26名  8名 1.59
25年度 1.67 1.50 33名 11名 1.41
24年度 1.36 1.34 12名 10名 1.27
23年度 1.09 1.25  -  - 1.22
22年度 1.23 1.31  -  - 1.10

 

出願時 志願変更後 取下げ 再提出 受験倍率
27年度 1.93  ? 28名  ?  ?
26年度 1.49 1.48  8名  7名 1.45
25年度 1.69 1.62 16名  7名 1.60
24年度 1.53 1.48 11名  5名 1.46
23年度 1.21 1.23  -  - 1.14
22年度 1.25 1.28  -  - 1.19

 

 

昭和高校は、23年度までは、倍率が1.2~1.3に抑えられ、志願変更後も大きく変化することがないため、比較的計算しやすい受験校でした。

 

しかし、近年の4年間で、倍率が急上昇しています。23年度では男子の出願時の倍率が1.09でしたが、本年度では1.83となりました。また、女子も、23年度の1.21から、1.93にまで上昇しました。

 

データをみてみると、男女ともに24年度に倍率が顕著に上がっていることがわかります。

 

これは、一種の「玉突き現象」によるものであると考えられます。

 

 

昭和と同じ旧第八学区には、かつて北多摩高校という進学校があったのですが、都立高校改革に伴い、都立中高一貫校の立川国際中学として、改組されました。

その移行期間が22年度に終わり、23年度に北多摩高校の募集が停止されます。

 

つまり、同じ地域内で、生徒の収容力が低下したのです。

 

ところが、この年の昭和の倍率は、上昇するどころか、むしろ低下しています。

 

当時の北多摩高校を受験するのに相応の学力を持った生徒は、昭和をその代替校としてみなしていなかったのです。北多摩高校と昭和は同じ学区でしたので、明確な序列が意識されていました。つまり、昭和は「北多摩の下」として考えられていたので、北多摩高校の学力水準の生徒は、旧学区の外に受験校を求めることになったのです。

 

 

そうすると、昭和は、一見、旧北多摩高校の募集停止の影響を受けていないようにみえます。

 

しかし実は、昭和高校の24年度の倍率の上昇は、23年度の北多摩高校の生徒募集停止の影響が、時間差で、一年後に昭和にもたらされたものであると考えられるのです。

 

 

23年度の旧北多摩高校の募集停止によって、志願者を増加させたのは、男子では小金井北、日野台です。女子は町田、三鷹、南平などです。これらの高校は、この年度の倍率が著しく上昇しました。

 

当然、これらの高校の受験は難化し、厳しい入試になりました。

 

そして、次の年の24年度では、上記の高校は倍率を下げ、昭和の倍率が上昇することになったのです。

 

 

そして、25年度は、北多摩高校と同様に、南多摩高校、三鷹高校が中高一貫校化し、高校の募集を停止しました。当然、立地的にも昭和はその影響を受け、倍率を上昇させました。

(同様に小金井北、武蔵野北、調布北、町田、日野台などがその影響を受けています。)

 

 

以上のような、他の高校の募集状況の影響を受けた「玉突き」によって、まず、昭和は志願者を増加させました。

 

26年度は、女子の倍率はいったん落ち着きますが、男子の倍率はさらに上昇を示します。

 

そして、本年度は、これまでとは逆に、周囲の人気校から志願者を奪い、男女ともに非常に高い倍率となりました。

 

校舎の新築という「追い風」を受けて、男女ともに志願者をさらに増加させたのです。

やはり、きれいな校舎というのは、生徒にとって魅力的です。

 

 

 

数年前に、入試応援で昭和に行ったとき、校庭のすみに、使われなくなった椅子や机が無造作に置かれているのを見て、何やら複雑な気持ちになったのを覚えています。

 

先日、新しい校舎を見ました。まだ工事を行っていましたが、きっと、学校見学に訪れた生徒たちは、大きな魅力を感じたに違いありません。

 

 

さらにまた、志願者増の理由として、本年度の入試で、他校に先駆けてマークシートの実施を行うことが、好印象となっているということも考えられます。これも、新しいもの好きの人をひきつける要素となり得ると思います。

 

立地や校風、制服などに魅力を感じている生徒も多いようです。

 

昭和高校は、今、時代の流れに乗って、新しい校舎とともに、まさに大きく変化しようとしているのかもしれません。

 

 

 

さて、本年度は、さすがにこれほどの高倍率ですから、志願取下げ手続きを行った受験生も多くでました。男子は26名、女子は28名です。

 

「現時点」での昭和高校の倍率は、男子1.63、女子1.69です。

 

 

昭和を受ける受験生にとっては、これから何人が再提出してくるのかが気になるところですね。

 

一応、予測をたててみましたが、今年はちょっと読みづらいところもあります。

 

 

立川の男子の倍率が高いのが気になります。立川の男子は、昨年度も高い倍率でしたが、今年度はさらに倍率を上げてきました。昨年度は、国分寺の志願者の減少が関係していると思います。

本年度は、国高が募集人員を減らしたことも影響しているのかもしれません。

これが、どのような流れを作るのか興味があります。

 

また本年度は、戸山、青山、国際高校などの「成り行き」が気になります。

 

 

(ivy 松村)

都立高校入試の志願傾向の分析②

出願変更は、一般的には、二つの流れが考えられます。

つまり、上位校への「差し込み」と下位高への「引き下げ」です。

 

実は、上位校であればあるほど、二つの流れののうち、圧倒的に「引き下げ」の方が多くなります。

 

 

都立高校のヒエラルキーの頂点である日比谷高校の、本年度の応募倍率は、男子3.29、女子2.46でした。あいかわらず、男子が高い倍率を示しています。

 

これから、この倍率は、志願変更で、一体どのように変化するのでしょうか。

 

 

日比谷の男子の、昨年度の倍率の推移を見てみましょう。

 

26年度の日比谷高校の出願時の倍率は3.05でした。これは、近年では最も低い倍率です。

日比谷高校受験を視野に入れている受験生にとっては、「差し込み」の状況です。

 

ところが、志願変更後の倍率は2.99となりました。

「引き下げ」を行い、他の高校へと志願者が流れたのです。

 

 

それでも倍率が約3倍ですから、他の都立高校と比べてもその高さは群を抜いています。

 

日比谷のような難関校の場合、さらにその倍率は下がります。

出願者のなかで、受験をしない生徒が出てくるのです。

 

日比谷に出願している志望者には、国立大学附属高や私立の難関校との併願受験をしている受験生が多くいます。その中で、都立受験の前に第一志望に合格した受験生は、日比谷の入試を受ける必要がなくなります。

 

受験者はさらに減少するので、実質的な倍率はさらに下がります。

 

日比谷の、受験者を合格者で割った最終的な倍率は2.03となりました。

この年度の男子の最終応募者は400人で、受験者は305人です。約4分の1にあたる95人が受験をしなかったことになります。

 

 

このように、日比谷高校のような難関校では、出願時の倍率はその後下降する傾向にあります。

しかし、もしかしたら、本年度の志願変更後には倍率が上昇するということがあるのかもしれません。

 

 

 

全体的には、都立高校の出願時に、最も行きたいと思っている高校ではなく、最初は安全圏の高校に出願しておくという選択をする生徒は、あまり多くないと思われます。

 

まず、当たり前ですが、出願時に安全策をとることは、志望校に行きたいという気持ちの腰を折ってしまいます。

モチベーションの維持という点から考えても、具体的な理想形を設定したうえで受験の行程を進め、万が一のときに志願変更を行うというのがセオリーであることは間違いありません。

ですが、窮余の処置としては、志願変更を念頭においた出願も、あり得るのかもしれません。

 

 

 

過去3年間の、志願変更による各高校の受検応募者の増減をみてみましょう。

 

 

26年度 25年度 24年度
日比谷 -9 -6 0
-8 -10 -14
西 -6 1 -8
-10 -9 -6
国立 -3 -6 -8
-14 -19 -17
戸山 -4 -22 -7
-7 3 -12
八王子東 3 8 6
-5 1 0
立川 -5 5 14
2 2 0
青山 1 5 8
2 3 1
新宿 2 -5 -21
5 -16 -11
国分寺 -13 -19 -13
5 -8 -2
武蔵野北 -20 -21 -20
2 -12 1
町田 -3 -6 -1
-2 -4 5
小金井北 -26 -17 8
-4 24 -2
調布北 6 17 -21
-4 4 -2
日野台 8 16 0
5 2 7
南平 -14 1 -8
-12 10 -5
昭和 -18 -22 -2 -
-1 -9 6

 

 

 

国立、西、日比谷、戸山といった最難関校は、基本的に志願者が流出します。

従来は、その流出先は八王子東、立川、青山などだったのですが、昨年度から少し状況が変わってきています。

 

人員の流出をあらわすマイナスは、高校の不人気をあらわすものではありません。

むしろ、マイナスの大きさはある意味で、高校の人気を示す指標とみることができます。

なぜなら、それは、学力的に合格が危うい受験生が、それでもその高校に行きたくて、望みをかけて出願したものであるとみることができるからです。

できればその高校に行きたいという希望を持っていた受験生が、現実的な判断によって志願変更を行ったものなのです。

 

 

この表だけでは読み取ることができませんが、各高校の倍率の推移をみてみると、人員の流出と出願時の倍率には相関があることがわかります。

つまり、出願時の倍率が、ある数値を超えてくると、流出が起こるという現象が確認できます。

 

 

そして、また別の情報と照らし合わせてみると、多くの受験生は、実は「ほとんど倍率しか見ていない」ということもわかってきます。

 

募集人員の設定や増減によって倍率が変動することを考慮していません。

 

また、入試制度の変更、あるいは各高等学校の事情など、倍率の増減をもたらす要因はいくつかあります。

さらに、「玉突き現象」によって、「別の高校」の倍率が大きく変化してしまうこともあります。

 

 

例年、志願変更によって倍率に大きな変化があらわれるのは、旧学区の2番手、3番手の人気校です。

いい方をかえていうならば、共通問題の上位校です。

 

「グループ作成校」の出願から、志願変更で「引き下げ」てくる受験生もいれば、倍率をみて危機感を持った志願者が流出するケースもあります。

 

 

 

 

受験は、本来ならば、心に決めた志望校合格に向けて、邁進していくのが理想なのでしょう。

そして、多くの人が、「大逆転」で合格をつかみ取るという「美しい物語」を期待します。

 

それは、もちろん、それで一つのありかたです。

 

しかし一方で、塾の教師としての経験のなかでは、現実的な判断によって、納得できる終わりの形になってよかったな、と思うことがたくさんありました。

大切なのは確実な結果を残すことです。

 

 

昨日までに、取下げの手続きを行っていない受験生は、もう、覚悟を決めなければなりません。

後はただひたすら、都立入試のために一日一日のなかで、意味ある取り組みを行っていくだけです。

 

 

(ivy 松村)

都立高校入試の志願傾向の分析①

都立高校の出願のデータをみてみましょう。

 

 

まず、近年の出願時の応募倍率で、特徴的な数値を示しているのが、中高一貫校型のグループ作成校の高校です。

 

白鷗、両国、富士、大泉、武蔵などの中学校併設型の高校は、高校入学の募集人員が少ないため、数値の変動が現れやすくなっています。

倍率の変化が如実に反映されるので、出願の心理や動きが読みやすいデータであるといえます。

 

 

これらの学校の中学受検の倍率はすさまじい数値になっていましたが、高校の倍率は相対的に低くなっており、実は、密かに入りやすい「お得な」高校となっています。

 

 

中学併設型グループの出願時の倍率

 

27年度 26年度 25年度 24年度
白鷗 2.16 1.06 1.87 2.47
1.52 1.00 1.42 2.37
1.84 1.03 1.65 2.42
27年度 26年度 25年度 24年度
両国 2.19 1.61 1.89 1.78
1.39 1.61 1.26 1.52
1.79 1.61 1.57 1.65
27年度 26年度 25年度 24年度
富士 1.94 1.19 2.10 1.90
1.55 1.94 1.48 1.75
1.74 1.56 1.79 1.83
27年度 26年度 25年度 24年度
大泉 1.48 1.68 1.87 2.40
1.68 1.06 0.58 1.76
1.58 1.37 1.23 2.10
27年度 26年度 25年度 24年度
武蔵 1.29 0.94 1.56 2.22
1.16 1.00 1.15 1.74
1.23 0.97 1.35 1.98

 

 

このグループの特徴は、募集人員が少ないため、少しの人数の変動で、倍率が乱高下してしまうことです。

倍率が高い年度の次の年は倍率が低くなり、倍率が低い年の次の年は倍率が高くなります。

増減の波がはっきりと出やすいので、倍率の推移が予想しやすいグループです。

 

この傾向は、志願変更にもくっきりと現れます。

26年度の武蔵は、男女ともに「ねらい目」と思われ、志願変更が増加しました。

そのため、最終応募倍率は、男子1.68倍、女子1.23倍となり、やはり男子の応募が急増する結果となりました。

 

 

25年度の大泉の女子も0.58倍から、1.10倍と揺り戻しがありました。

しかし、その実数をみてみると、31人の募集に対し、応募が18人あり、志願変更によって、34人に増加したというものです。また、そのうちの32人が合格となっています。

 

ちなみに、同じ25年度の大泉高校附属中学の女子の倍率は、10.25倍でした。

60人の募集に対し、625人の応募がありました。

 

あまりにも多くのことを考えさせられるデータですね。

 

 

 

このグループの中で、白鷗、武蔵は26年に、出願時の倍率の極端な低下が起こっています。

この年度から、「自校作成」ではなく、「グループ作成」となりました。

 

 

「グループ作成」の導入は、都立高校の序列化を促進しました。

 

これまでは「自校作成」というブランドでまとめられていた高校間に、くっきりと格付けがなされることになってしまったのです。

つまり、心理的に、それぞれの「グループ」を、高校の評価であるとみなす目線が生まれてしまったのです。

 

上位グループ :日比谷、西、国立、戸山、八王子東、立川、青山、

中位グループ :新宿、墨田川、国分寺

下位グループ :武蔵、白鷗、両国、富士、大泉

 

 

 

単位制高校(中位グループ)の倍率の推移をみてみましょう。

 

単位制高校グループの出願時の倍率

 

27年度 26年度 25年度 24年度
新宿 2.08 2.12 2.44 2.65
墨田川 1.65 1.24 1.74 1.76
国分寺 1.66 1.80 2.36 2.01

 

 

いずれも、26年度を境に倍率が下降していることがわかります。

 

特に、国分寺は志願者離れが加速しています。

国分寺の人気低迷の理由は、「グループ化」以外にさらに二つあります。

 

ひとつは、「グループ化」の引き金となった、入試問題の流用の発覚です。

25年度の入試のすぐ後に、国分寺高校の国語の入試問題が、独自作成ではなく、過去に使われた大学入試問題をもとに作られたものであったことが明るみになりました。

その後、速やかに、入試問題作成の負担を軽減するために、入試問題の「自校作成」が停止され、「グループ作成」へと移行した経緯があります。

この事件は、国分寺の評判を貶めることとなりました。

 

また、特別選考枠の廃止も大きな理由です。

国分寺の特別選考は、内申点を加味せず、入試得点のみで合格者を決めるもので、さらに3科を1.5倍で計算するものでした。

要するに、私立型に特化して勉強してきた受験生には有利な受験制度だったのです。

そのために、内申点が乏しいけれども得点力のある受験生の志願先として存在感を示していたのです。

 

 

以上のように、国分寺高校は近年、急速に志願者離れが進み、倍率が低下しています。

したがって、この1、2年の間に、これまでになく「入りやすい」状況が生まれています。

 

国分寺ほどの高校であれば、どの塾であっても、その異変に気付いているでしょう。

 

志願変更がどうなるのか興味深いですね。

 

 (ivy 松村)