立川高校の大学合格実績

立川高校は、ホームページでかなり興味深いデータを公表しています。

毎年の「進路決定者数」です。

 

今年のデータを見てみましょう。

 

 

平成27年度3月卒業生の進路決定者・進路決定率

 

    男子     女子     合計
卒業者数 170 150 320
国公立大 47 (27.6%) 34 (24.7%) 81 (25.3%)
私立大 42 (22.7%) 78 (52.0%) 120 (37.5%)
専門等 0 1 (0.7%) 1 (0.3%)
予備校等 81 (47.6%) 37 (24.7%) 118 (36.9%)

 

 

今年立川高校を卒業した生徒のうち、国公立大学へ進学したのは男子47名、女子34名です。その合計は81名です。これは、卒業者数320名のうち、男女計25.3パーセントに当たります。

 

つまり、4分の1の生徒が、現役で国公立大学に進学したのだということになります。

 

国公立大学の進学率は、その前の年度が、近年で最も低い数値になっていましたので、昨年度は低迷を脱した年になりました。

 

ここ数年の立川高校の国公立大学の進学率は、20パーセント前後から25パーセントとなっています。

 

「ざっくり」とまとめれば、立川高校の生徒は、2割強の「確率」で国公立大学に進学する「可能性」を手にするということになります。

 

 

 

私立大学への進学者は、男子42名、女子78名で、合計120名となっています。

男女計37.5パーセントが私立大学に進学します。

 

「予備校等」は男子81名、女子37名で、合計118名となっています。男女計36.9パーセントです。

「ざっくり」と、3分の1の生徒が現役では大学に進学しないということになります。

 

男子に限れば、47.6パーセントが「予備校等」であり、逆にいえば、現役での大学進学率は5割強であるということになります。

この数値は非常に興味深く思います。もちろん、進学・就職等の意思がない卒業生もこれに含まれていると思われますが、その多くは大学進学を希望して「浪人」という選択をしていることが推察されます。

 

立川高校は、一部の関係者のなかで、ある意味で、「浪人」に「積極的」な生徒が多い高校であるという見方があります。

現役での大学進学にこだわらないタイプの生徒が集まってくるような「校風」とでもいえるでしょうか。それは、立川高校の「伝統」と無関係ではないのかもしれません。私立の桐朋高校にも似たようなところがあります。

 

最近は、都立のトップグループの高校群は、相応の大学合格実績を上げることが求められていますので、先生方の指導にも熱が入っていらっしゃると感じます。

であるにもかかわらず、というべきなのか、あるいは、そのために、というべきなのか、わかりませんが、いずれにしても、浪人も辞さない受験に挑むような生徒が、あるいは、浪人を覚悟して高校生活をおくるような生徒が、一定数いるのでしょう。

 

 

 

では、浪人して国公立大学に進学する生徒はどれくらいになるのでしょう。

 

 

立川高校が公表している「合格状況」によれば、昨年度の「既卒」=浪人生の国公立大学の合格者は53名となっています。

立川高校の一昨年度の「予備校等」の数は、近年では最も多く、男女計132名となっています。

「ざっくり」と考えて、132名のうち53名が国公立大学に進学するとなると、浪人生の約4割が国公立大学に合格するという計算になります。

 

 

もちろん、これは、過年度の卒業生の合格者の数ですから、必ずしも全員が合格した大学に進学するとは限りません。しかし、一般的に考えて、浪人生が国公立大学を受験し、合格を手にして、進学を辞退することは考えにくいことですので、およそ、進学者数と一致する数であると推定することができると思います。

 

また、「既卒」には、いわゆる「二浪」以上の学生が含まれます。

一方で、大学受験から「フェードアウト」していく卒業生もいるだろうことを考慮すれば、浪人生全体の数は、その年度の「予備校等」の人数より少し多いくらいの数字に収束するのではないかと思います。

 

 

細かい数字を気にせず、「ざっくり」と、立川高校の進学状況を見わたしてみると、学年の約25パーセントが現役で、また、15パーセントほどが浪人をして国公立大学に進学します。

学年全体では、最終的に、約40パーセントが国公立大学に進学すると推測することができると思います。

 

 

 

難関私立大学の合格実績も加えてみましょう。

 

「サンデー毎日」6月28日号や「週刊朝日」6月26日号に、「有名・難関大学」への「現役進学者数」が掲載されています。

このデータは、「株式会社大学通信」が行った調査によるもので、週刊誌が独自に調べたものではありません。これだけの取材を行う労力は、並大抵のものではないと思います。

 

いくつかの数値が、高校が公表しているものとずれていることが確認できます。

しかし、「ざっくり」とした概況を把握するためには、比類なき資料であると考えます。

 

 

 

週刊誌のデータによれば、昨年度の、立川高校の「早慶上理」(早稲田大・慶應大・上智大・東京理科大)への「現役進学者数」は、合計32名です。

立川高校が発表している資料によれば、現役での「早慶上理」の合格者数は88名ですから、合格者数のうちの約36パーセントがこれらの大学群に進学したという計算になります。

 

 

また、「MARCH」(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)への「現役進学者数」は46名です。

立川高校が発表している資料によれば、現役での「MARCH」の合格者数は210名ですから、合格者数のうち約22パーセントが「MARCH」に進学したという計算になります。

 

 

整理してみます。

 

立川高校の現役での国公立大学の進学者は81名です。

「早慶上理」への進学者は32名です。その合計は113名です。

したがって、昨年度の卒業生の約35パーセントが、国公立大学か「早慶上理」へ現役で進学したことになります。

 

また、「MARCH」への進学者は46名です。

上記の人数にこれを加算すると、その合計は159名になります。

したがって、昨年度の卒業生の約50パーセントが国公立大学か「早慶上理」+「MARCH」に進学したことになります。

 

そのうえ、ICUや学習院といった名門私立大学への進学者も含めると、「進学実績」の数値はさらに上昇します。

 

 

立川高校の生徒は、5割以上が「MARCH」以上の大学に進学する「可能性」を手にする、と考えると、これもまた興味深いデータです。

 

逆にいえば、現役で私立大学に進学した120名のうちの3割ほどは、これら「以外」の大学に、現役で進学したのだということになります。

 

 

 

さて、これまでにも何度も述べてきたことですが、立川高校という「ブランド」をまとったからといって、「その先」が約束されているわけではありません。

 

入学して、その3年後には、「序列」がくっきりとあらわれてしまうわけです。

入学を「目標」にしてしまっては、「その先」がしりすぼみになってしまいます。

 

 

 

「進学校」に通う「メリット」のなかでもっとも価値があるのは、実は、「高水準」の教育を受けることができるというものではありません。

 

 

本当の「財産」となるのは、周りの友人たちなのです。

 

自分がまったく歯が立たない問題を解くライバルがいる、驚愕するほどの知識を持ったライバルがいる、たった数分間で課題を終わらせてしまうライバルがいる・・・そういう「環境」が重要なのです。

 

ここに記しているのは、そんなライバルたちが「何パーセント」いる!ということなのです。

 

 

立川高校を受けようと思っている中学生は、彼らと張り合えるだけの力をつけて入学しようと思わなければダメなのです。

 

高校入試をどのように乗り越えていったのか、という「経験」は、非常に重要です。ですから、都立入試だけを対象に、「省エネ」の受験勉強をすればよいという安易な考えに反対なのです。

 

そして、立川高校に合格した生徒は、彼らに食らいついていくだけの意志を持たなければダメです。

 

せっかく「そこ」にいるのに、そういう「環境」を無視してしまったり軽んじてしまったりすれば、自分が成長していくことができなくなります。

 

 

(はっきりいって、都立トップ校の生徒であっても、相応の大学を受験するのであれば、塾や予備校に通う必要があります。もちろん、素晴らしい先生方がいらっしゃることをうかがい知っています。でも、「指導」への期待ではなく、「環境」への期待を大きく持ってほしいと思います。)

 

 

 

「入学者」に無条件で「可能性」がプレゼントされるわけではありません。

「可能性」は結局、「皮算用」です。

 

「可能性」ではなく、「実力」を手にするために、努力しなければなりません。

そのために、ハイレベルな高校に入るのです。

 

 

(ivy 松村)

 

(You should know) To tell the reason is not important.

今日、授業のないクラスの生徒が自習に来ていました。

 

期末テストに向けて勉強するというので、まずは社会から始めようという話をしました。

 

中間テストでは、社会でくやしい点数を取っていました。

指示した通りのテスト勉強をやり切ることができなかったのです。

 

期末テストの勉強を始めるにあたって、もう一度やり方を説明する必要がありました。

説明したはずのやり方を身につけていなかったからです。

中間テストで、説明された通りの勉強を積み重ねていたのであれば、「自動的」に勉強を始められるはずですが、まだ定着していないわけです。

 

授業の準備の合間をぬって、ていねいに「やり方」を説明しました。

ノートのまとめ方、問題演習のやり方、復習の仕方を説明し、できているかどうかを細かくチェックしました。

 

2、3ページ進めるだけでも、かなりの時間がかかりました。

全ての教科のテスト範囲をすべて同じように取り組むには、相当の時間が必要だということを理解できたはずです。

 

だから、テスト勉強はできる限り早く取り組み始めなければならないし、今後も時間をうまく使って勉強時間を確保していかなければならないという話をしました。

 

授業をしていたクラスが休憩に入ったので、同じタイミングで休憩を取るように言いました。

 

 

そして、休憩が終わり後半の授業が再開しました。

ところが、休憩が終わって10分ほど経った頃に、自習を切り上げて帰ろうとする気配がしました。

案の定、「退出メール」を送信して帰ろうとする寸前でした。

 

「どうして帰るのか」とたずねました。

すると、「家で学校の宿題をやるから」という答えがかえってきました。

 

塾でやってから帰るように言いました。

持ってきていない、という返事でした。

 

なぜ、塾にそれを持って来なかったのか、と訊きました。

家でやろうと思って、という答えでした。

 

なぜ、明日までに提出しなければならない宿題を優先しなかったのか、と問いました。

塾から帰った後で、家でやろうと思ったから、ということでした。

 

 

 

このやり取りは、なかなか象徴的なコミュニケーションです。

 

すべての返答が「真実」であるならば、そこには伸び悩む原因が、如実に表れていると思います。

勉強に限らず、「生活」を管理することができていないわけです。

 

 

しかし、その会話の内容は、実はどうでもいいのです。

そこには、「意味のあること」など何一つないのですから。

 

問題は、休憩が終わって10分後というタイミングで帰ろうとする「根性」です。

もし、本当に「そのタイミング」で帰宅しなければならない切実な理由があるのだとしたら、あらかじめそれを伝えるはずです。

当然、休憩などいらないはずです。

 

 

このやり取りは、正しい勉強をしていくためには、できる限りの時間を使わなければならないと確認した直後に行われたのです。

 

 

 

さらに、今日のこの一連のやり取りの中に、以前から感じていた「問題点」が現れているように思いました。

 

 

これは、中2のクラスにも言ったことですが、多くの小中学生が、コミュニケーションの基本的な「構造」を理解していないということです。いや、「そんな大人」も多くいますから、これは小中学生だけの問題ではないのでしょう。

 

 

「言葉」には、「意味」と「意図」があります。

「意図」を正確に読み取れなければ、言葉によるコミュニケーションは上滑りしてしまいます。

 

 

「良くない行動」があったときに、私たちは「なんで、そんなことをしたんだ」とか「なんで、そうしなかったんだ」と問いかけます。

 

それは、「言い訳」を聞きたいわけではないのです。

「正当な理由」があるかもしれないので、それを確認しているのです。

 

「相手が納得し得るような理由」がある場合や、信念に基づいて自分の行動の正しさを主張しなければならないという場合には、正々堂々とそれを述べてください。

 

しかし、そうでなければ、自分の非を受け入れて、すぐにでも改善しようとする方がいいに決まっています。

自分にとっても有益ですし、相手も、注意してあげてよかった、と思えるわけです。

 

「なんで?」と訊かれても、「もうしません」とか、「すぐに取りかかります」とか、「今から直します」と答えていいのです。

 

 

勘違いしている人は、「なんで?」と言われたときに、何か「言い訳」をひねり出さなければならないと考えてしまうようですが、それは多くの場合、「火に油を注ぐ材料」になります。

 

「言い訳」は、「意図」を正しく読み取っていない行動です。

誰も「言い訳」を聞きたいとは思っていないのです。

 

「良くない行動」に対する「なんで?」は、「言い訳」をリクエストしているのではありません。

最終的には、「今後は気を付けます」、「すみません」といった簡潔な反省の言葉が求められているのです。

 

「良くない行動」をたしなめられているときに、「言い訳」を探し出して、「言葉のやり取り」を始めようとする人がいます。

その人は、コミュニケーションというものについてよく知る必要があります。

 

 

(たまに、「自己主張が強い欧米では、素直に謝ったりしない」というような、とんでもない「言いがかり」をしてくる人がいます。ちょっと想像してみればわかりますが、論理的ではない「言い訳」をするような人間は、世界中のどこへ行っても軽蔑されるに決まっています。ビジネスなどの「交渉」となれば話は別ですが、本当に「グローバル」なコミュニケーションの作法を身につけている人は、そんなアホなことを主張しません。)

 

 

 

授業のない日に、自主的に勉強に来て、今のうちから期末テストに向けての取り組みを始めたのは、とても立派でした。

あまりにもうれしくて、できる限りの時間を割いて、「自習の指導」をしました。

それだけに、最後は残念な気持ちが大きくなってしまいました。

 

今は、自分で「自分を甘やかしている」のです。

 

自分自身に、努力をさせる。

自分自身を、がんばらせる。

 

きみは、もっとできる生徒です。

 

 

(ivy 松村)

 

及時当「勉強」、歳月不待人。

英検の一次試験の結果が確認できました。

 

おめでとうございます。受検者は全員合格です。

 

英検の検定日は、中間テストのすぐ後になっていたため、漢検や数検に比べて十分な時間を取れなかった人もいました。それでも、受験者のみなさんは、しっかりと結果を出すことができました。英語の基礎的な学力が上がっているのだと思います。

 

準2級の受検者は予想問題や過去問で苦戦していましたが、本番では見事に合格をつかみました。努力の成果だといえるでしょう。

 

 

やはり、夏休みに取り組んだ漢字検定対策を、経験として活かすことができているのだと思います。

数検、英検と続けるうちに、「本番のテスト」に向けて学習することが板についてきました。

 

到達するべき目標に向かって、継続的に努力を積み重ねていくという、理想的な学習の「型」を獲得しつつあるということです。今後も基本に沿って、勉強を続けていきましょう。

 

 

準2級と3級の受検者は、まだ、これからもう一つの山があります。

2週間後の11月8日(日)に二次試験が行われます。

これまでと同じく、しっかり対策を立てて挑みましょう。

授業外で行う二次試験対策については、おって詳細をお知らせします。

 

 

 

さて、中間テストの結果がほぼ出そろいました。

 

出題ミスや作問ミスがいくつかあったようで、得点の調整のために、一度返却された答案の点数の増減が何件かありました。

 

 

今回は、何人かの生徒は、意識的に普段苦手にしている教科に特に力を入れて勉強していたようです。

そのため、1学期の期末試験に比べて大幅に点数を伸ばした生徒が多くいます。

 

 

※各教科の得点

 

中2 M・T 英語       +28

中3 K・A 国語       +25

中1 T.・K 数学       +23

中3 N・T 社会       +22

中2 K・H 数学       +20

中2 S・S 理科       +18

中2 K・H 数学       +18

中3 N・T 国語       +17

中1 N・T 国語       +17

中3 N・T 数学       +16

中3 O・G 社会       +15

中2 Y・K 数学       +15

中3 K・A 数学       +14

中3 N・Y 社会       +14

中3 O・G 数学       +14

中2 E・N 理科       +14

中2 K・H 理科       +14

中3 O・G 理科       +13

中2 K・H 社会       +12

中1 A・Y 理科       +10

 

 

 

通常、1学期の期末で高得点を取っている生徒は、そこから点数を大幅にアップすることが難しいので、このような「ランキング」では不利になります。

上の「ランキング」に載っていない生徒で、高得点を取っている生徒や、点数自体は下降しているけれども、依然として高得点を維持している生徒もいます。

 

 

しかし、この2学期の中間テストでは、多くの生徒が、1学期のがんばりのうえに、さらに努力を重ねることで得点を伸ばすことができました。

 

塾内でもっとも得点を上げた中3生は、5教科で「+46」を積み上げ、5教科合計を445点としました。

5教科で「+29」を上乗せした中2の生徒は、合計で441点となりました。

また、5教科で「+19」を上乗せして、合計448点となった生徒もいます。

さらに、466点という高得点を取った生徒も、5教科で「+14」の上乗せでした。

他にも、「+34」を上乗せして合計を411点とし、大台に乗せた生徒も出ています。

 

 

 

各中学の各教科の作問を行った先生の問題の作りによって、点数が乱高下することも起こっています。

同じ条件で競っているわけではないので、どうしても有利不利が出てきてしまいます。

それでも、そうしたもろもろの事情を含めたうえで、「結果」を出した人には賞賛をおくりたいと思います。

 

 

 

一方、1年生、2年生で大幅に成績が下がってしまった人もいました。

中間テスト後に「レポート」を書いてもらっています。「レポート」を通して、定期テストの準備や対策を振り返ります。

1か月後に迫った期末テストに向けて、悪かったところをしっかりと見つめ直して、立て直しを図っていきましょう。

 

 

 

10月の後半は、各中学校の「合唱祭」や「合唱コンクール」の季節です。

 

特に、今週末は多くの中学校の合唱祭が集中しています。

平山中、七生中、二中は、来週の予定ですね。

 

校舎でも、各学校の結果や感想などの話題で持ちきりです。

休憩時間に、思わず歌ってしまう生徒もいるようです。

 

 

習い事も、部活も、学校行事も精一杯取り組んでください。

そのうえで、しっかりと切り替えて、勉強に励みましょう。

 

 

中3は中学校の3者面談がはじまります。

それから英検の二次試験。

そして、期末テストです。

 

 

がんばっていきましょう。

 

(ivy 松村)

 

勉強をだめにする言葉

実技4教科は、勉強量だけでは成績を伸ばしていくのがなかなか難しいものです。

 

現実に、身体能力や運動能力、音感、手先の器用さなど、ある種の「才能」や「素質」の有無が大きな意味を持つでしょう。

 

しかし、それ以外にも注目しなければならない要因があるように思います。

それは、「高級文化」を理解しようとする「動機づけ」です。

 

「高級文化」を受容することを自然な行為であると思える生徒は、実技教科を抵抗なく学んでいくことができます。

 

特に音楽と美術は、「高級文化」に親しみを感じている生徒に有利な教科です。

 

古典音楽や古典芸能、名画や彫刻、建築、工芸品などに対して素直な感動を覚え、興味と関心を抱く生徒であれば、「テスト」のためにその知識を覚えることさえ、喜びとなるでしょう。

 

一方、「高級文化」に親しみを持たない生徒は、「理解しがたい奇妙な創作物」を「無理やり押し付けられている」と感じてしまうはずです。

 

 

何もピアノやバイオリンを習わせたり、頻繁に博物館や美術館に出かけたりすることが重要だといいたいわけではありません。もちろん、そうした「特別な文化的活動」は、子供たちに良い影響をもたらすでしょう。

しかしここで問題にしたいのは、子供たちが「高級文化」を軽んじたり、遠ざけたりしたくなってしまうようなコミュニケーションのあり方についてです。

 

 

私が強く訴えたいと思っているのは、子供たちに「高級文化」に対して否定的な印象を与えないように気を付けなければならないということです。

 

 

世の中には、「高級文化」を気に食わないと思う人たちが大勢います。

そのような人たちは、隙を見ては「高級文化」を貶めようとします。

絶対にやってはいけないのは、そのような「ネガティブ・キャンペーン」を幇助することです。

当たり前の話ですが、大人が悪くいうもの、茶化すものに対して、子供たちは同様の態度で接するようになるでしょう。

 

 

例を上げます。

 

・ピカソの絵はまるで子供が描いたようだ。

・クラシック音楽を聴いていると眠くなる。

・能や狂言を見てもよくわからないからつまらない。

・バレエの衣装は気持ち悪い。

 

 

個人の感性やとらえ方を否定するわけではありません。

理解できないものはしょうがないと思いますが、それをあえて伝えるべきではないだろうと思います。

 

あるものの価値を伝える言葉は、興味と関心を引き出します。

しかし、あるものの価値を貶める言葉は、嫌悪や侮蔑の感情を引き出すことになってしまうのです。

 

 

生徒たちには、人類がその悠久の歴史を通して普遍的な価値を認めるに至った素晴らしい数々の創造物と、大切な出会いをしてほしいと切に思います。

 

 

 

英数国理社の5教科に目を向けても、同じように学習意欲を減退させかねない言葉が巷にはあふれています。

 

 

・虫は気持ち悪い。

・学校で習う英語はおかしい。

・数学ができても社会に出て役に立たない。

・日本の歴史は・・・。

・わからなければパソコンで調べればいいのだから、漢字なんか覚えなくてもいい。

・作者の気持ちでも考えていろ。

 

 

ついつい軽口で言ってしまいそうなことばかりですが、口にしないように気を付けなければならないと思います。

 

「勉強なんかくだらない、でも、しっかり勉強しなさい」などといわれて、意欲がわく人間などいないでしょう。

 

 

私は、いつまでも言い続けます。勉強には価値があります。だからこそ勉強するのです。

 

 

 

さて、以降、いくぶん個人的で抽象的すぎる雑感を記します。これは、放言の類です。

 

フランスの社会学者ブルデューは、「文化資本」という概念を提起しました。

簡単にいうと、「素養や教養、社会的な評価を受ける振る舞いや資格」などのことです。これには「学歴」も含まれます。

 

ちょっとわかりづらいいいかたかもしれませんが、「高級文化」に親和的な人々は、代々、高い学歴を得やすいという社会構造があるわけです。

 

ブルデューは「文化資本」が「相続」されることを問題にしましたが、一介の塾教師である私は、ある個人が「文化資本」を蓄積し、「社会的上昇」を成し遂げようとする「第一歩」について考えます。

 

勉強に頼って「新進」を果たそうとする者は、勉強の対象となる「文化」や「知識体系」に「適応」する必要があるわけです。

 

 

今年は「ビリギャル」がヒットしましたが、「下剋上受験」という言葉も「受験界隈」で大きな話題となりました。

「社会的上昇」を果たすためには「受験」を乗り越えなければならない、というのは、この社会の一面の真理なのだろうと思います。

 

よくわからない「高み」から、そのための努力を揶揄したりけなしたりする人がいます。

 

しかし、私はその挑戦を、とても尊いと感じるのです。美しいと感じるのです。

そして、一緒に戦いたいと、思うのです。

 

 (ivy 松村)

期末テストへの道

今日、二中の中間テストが終わり、塾内生の通うすべての中学の中間テストが終わりました。

 

生徒や中学校にとってはテストの実施日は1、2日ですが、塾にとっては、実は、今年の2学期の中間テストは約1か月の長丁場だったのです。

 

小山中学の中間テストは去る1か月前、9月17、18日に行われました。小山中学を皮切りに、毎週どこかの中学の中間テストが入れ替わり立ち代わりに行われるという目まぐるしいひと月でした。

しかも、その間に数検と英検を実施しました。

 

少し授業を変則的に運営したりしましたが、それは、生徒のみなさんに良い結果を残して欲しいという思いからのことだと理解していただけるとありがたいです。

 

 

早い日程で中間テストを終えたところでは、答案も返却されています。平均点の公表も終えたところもあります。

 

現在把握できている限りでは、テスト勉強への取り組みの「質」が、歴然と得点に反映されています。指示通りに勉強を積み重ねた生徒とそうでない生徒で、くっきりと明暗を分ける結果となっています。

 

質の高い取り組みを続けた生徒は、1学期の期末と比べて、5科の合計点が30~50点上昇しました。

 

なかでも、中3のがんばりは目を見張るものがありました。

全員が1学期の期末の5科の合計点を大幅に上回りました。平均で、37.75点の上昇です。

 

もっとも顕著に成績を伸ばした生徒は、5科で46点上昇し、特に国語はおそらく学年1位であろうというところまで点数を伸ばしました。

 

さすがに受験生だけあって、「言われたことを、言われた通りに」きちんと取り組んでくれました。「点数を上げるためにするべきこと」を伝えているのですから、それを行えば、当然点数は上がります。

 

本当に、「ただそれだけのこと」です。

 

(1、2年生の生徒たちに見習ってほしくて、このような書き方をしています。私は、中3のみなさんの誠実な努力の継続を、ずっと見続けています。)

 

 

 

中学生は、「定期テストレポート」を書いてもらっています。

テストを振り返って、反省や発見を次回に活かしていかなければいけません。

そのための最初のステップです。

 

 

すでに、期末テストのための取り組みを始めている生徒もいます。

「必要な量」「じゅうぶんな量」の勉強をするためには、1週間や2週間では足りないということがわかったと思います。

 

また、学校の先生の指示や説明に対して、「直接」に対処していかなければならないということも理解できたと思います。

 

テストの「範囲」となるのは、「授業の内容」です。

加えていうなら、さらに教科書やプリントなど、授業で使われる「教材」です。

 

まずは「授業をしっかり聞いて、しっかりノートをとる」ということが、一番のテスト対策です。

そして、「教材」の内容をしっかりと覚え、理解できるまで何度も確認しておきます。

さらに、そのうえで、覚えるべき「事項」を網羅的に暗記していくのです。そのために、「ワーク」を有効に活用します。

 

 

学校の先生の中で、自分の教務力に自身のある先生や惰性で仕事をしている先生が「一般的ではない」授業をすることがあります。

特に社会科で、教科書を無視して授業をする先生が多くいます。

その授業内容が優れているかどうかはともかく、5科で、そのような先生が担当となってしまった場合には、あらためて「正統な学習」をしておかなければなりません。

 

「本来なら習うはず」の学習内容は入試に直結するものです。また、高校での勉強の基礎となるものです。さらにいえば、日本社会で生きていく上での「常識」となるものです。

ですから、定期テストに出題されないからといって、「教科書の内容」をなおざりにしていいというわけにはいかないのです。

 

「独自の問題」が出題される定期テストの対策であっても、整理された単元の「ポイント」を、まず、地道に覚える作業から始めなければならないのです。

 

 

社会のテスト対策は、非常に細かく指示を出しました。

言われた通りにやり切った生徒は、当たり前のように成績を伸ばしました。

 

 

中3の生徒は、社会の点数が平均で14.75点上がっています。

得点も、80点台後半から90点台の生徒がほとんどです。

この「上げはば」はほぼ「MAX」に近いものだといえます。

 

単純な真理です。点数を取るための勉強をすれば、点数が上がるのです。

中3の生徒たちも、かなりの自信を持ってテストに挑むことができたようです。

 

「なんとか75点ぐらいとれてたらいいな~」というような低い意識ではなく、「最低でも95点を取る」というように、明確な目標と意志を持ってテストに挑みたいとは思いませんか。

 

 

 

今週の土曜日(金曜日)は月例テストが行われます。

18時10分には校舎に集まるようにしてください。

 

月例テストが終わったら、さっそく期末テストに向けてスタートを切りましょう。

 

勉強の取り掛かりに、「早すぎる」ということは皆無です。

 

(早く始めた「せい」で、途中でだれてしまう、というようなことを心配する人がいるかもしれませんが、その人は、そのアホな発想をよく省みてください。「だれてしまう」のは「早く始めたこと」が原因ではありません。)

 

 

 

ところで、話は全く変わるのですが、以前このブログで「勉強の王道を歩んでください」と書き記しました。

鋭い人は気づいたと思いますが、これは「学問に王道なし」ということわざを意識したものです。

 

2週間ほど前から、教室の間の通路に「英語のことわざ」を掲示しています。

ぜひ、探してみてください。その中に「There is no royal road to learning.」が載っています。

「学問に王道なし」というのは、これを日本語にしたものです。

 

このことわざの意味は、「学問には『楽な道』はない」というものです。つまり、何かを学ぶためには苦労が必要なのだ、という教えです。

 

ちょっと奇妙な感じがするでしょうか。

 

ここで使われている「王道」という言葉は「royal road」の訳です。

古代帝国の王は、王だけが使用できる専用の道を通って、誰よりも速く快適に旅行したり移動したりすることができたのです。

 

「王」は、その権力を使って楽な方法で物事を解決してしまう存在である、と考えられているわけです。

 

このことわざは、どんなに偉い「王」であっても、学問を学ぶときには「楽な道」や「近道」を行くことができないということを述べているのですね。

 

すぐに「楽な方法」を求めたり探したりするような人をたしなめる言葉なのです。

 

 

私のいう「勉強の王道」は「royal road」という意味でありません。

日本語に定着している「王道」という言葉は、もともとは中国の儒教思想に由来するものです。

「人の上に立つ君主」が行うべき理想の政治のあり方を「王道」といったのです。

そこから、「王道」は「正統なやり方」とか「正攻法」、「基本の形」といった意味で使われるようになりました。

辞書を引いてみると、これが1番目の意味で出てきますね。

 

 

ということで、私のいう「勉強の王道」の「王道」(正統なやり方)は、「royal road」の「王道」(近道)とはまったく正反対の意味だったのです。

 

そして、「勉強の王道を歩む」ということと「学問に王道なし」は、実は、同じ内容を述べているということになるのです。

 

面白いですね。

 

 

 

言葉には、しばしこのような奇妙な「転倒した意味の両立」が起こります。

他の例としては、「感覚」が挙げられます。「感覚」は本来「視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚」=「五感」で感じるものを示す言葉でした。しかし、今では「五感」以外で、何となく意識される事柄のことをも表します。

また、「いい」という言葉は「良い」という意味と「欲しくない、望まない」という意味を持っています。

あとは、「犬も歩けば棒に当たる」ということわざを挙げることができます。これは、「ひどい目に合う」という意味で使われたり、「思いがけない幸運にあう」という意味で使われたりします。

 

 

 

さて、あらためて「王道」の話題を持ち出したのは、一部の人たちに「楽な道」の誘惑を捨て去ってもらうためです。

 

 

期末テストまであと1か月です。

 

どのような道を歩むつもりでいますか。

 

 (ivy 松村)

Where there’s a will, there’s a way.

いよいよ英検の検定日です。

 

検定の始まる時間よりも早く来て、「追い込み」をするつもりの人が多いみたいですね。

 

夏期講習からの「検定シリーズ」も、英検で最後です。

力を出し切って、よい結果をつかんでほしいと思います。

 

 

 

さて、英検の前に、朗報です。

数検の結果が確認できました。

 

全員合格です。

おめでとうございます。

 

後日、正式な合格証をお渡しします。

 

 

 

漢検では厳しい結果になった人もいましたが、数検は力を出し切れたようです。

英検に向けてはずみになることでしょう。

 

漢検は、2年生のほとんどが3級を受け、1年生も何人かが3級に挑戦しました。

 

3年生で準2級を取得した生徒、1年生、2年生で3級を取得した生徒もいましたが、たった2点、4点といった点数の差で、悔しい思いをした人もいました。

 

「運が足りなかった」と考えるか、「実力が足りなかった」と考えるか。

その後の行動と人生が変わります。

 

 

たった一問のために合格できなかったという経験は、素晴らしく貴重です。

大切にしてもらいたいと思っています。

 

 

 

英検もまた、意義ある学びのきっかけとなるでしょう。

 

「準備不足」という事態を引き受けなければならなくなっている人もいるはずです。

その失敗から学んでください。

そして、そのような状況の中でベストを尽くすということも、貫いてほしいと思います。

その経験が、新たな「気づき」をもたらすでしょう。

 

 

きっと、全力で英検に挑みましょう。

 

お待ちしています。

 

 (ivy 松村)

「合格難易度」を読む

私立高校の「合格難易度」が大きく変化することがあります。

 

 

たとえば、ある高校の入試日程が変更された場合、受験生の分散や集中が起こります。

 

昨年度は慶應義塾高校が、神奈川県の県立高校入試の日程変更の影響で、一次試験日を従来の2月13日から2月12日へ変更しました。

これによって、例年2月12日を入試日に設定している明大明治や青学と日程が競合しました。

逆に、慶應義塾と2月13日に入試を行っている国立大附属高校の併願が可能になりました。

 

今年の入試では、桜美林高校の2回目の入試日が2月12日から2月13日に変更されます。

 

 

また、よく知られている中学受験の用語に「サンデーショック」というものがありますが、同じような例は高校受験にも起こります。

「サンデーショック」というのは、主にプロテスタント系の学校が教義で「安息日」とされている日曜日の試験実施を避けて、その年だけ試験日をずらす処置をいうものです。

本来ならば同一日に入試が行われる学校のうちの一部が、入試日程を変更してしまうために、例年とは違った併願受験が可能となります。

(また逆に、併願が不可能となる場合もあるわけですが。)

 

 

その他、選抜基準や試験科目の変更が影響する場合もあります。

 

(選抜基準という点では、私立高校ではありませんが、本年度、東京都立高校入試の内申点の計算方法が変更され、「特別選考枠」が廃止となったことが挙げられます。)

 

法政二高は、神奈川にある男子校ですが、今年度から女子の募集を行います。

共学化によって人気が高まり、受験者数が増加するだろうと予想されています。

 

私立高校の入試では、優遇制度や加点制度が度々変更されることもあるので注意が必要です。

 

配点や試験内容が変更されることもあります。

この場合、あらかじめ告知される場合と、入試本番にそれに気づかされる場合があります。

「その情報」を高校側が発信している場合には、それを見逃すことがないようにしましょう。

 

 

 

さて、「合格難易度」の変化をもたらすもっとも大きな要因は、募集人員や定員の増減であるといえます。

 

ある私立高校が、「特進コース」や「英語科」のような特別クラスを設けた場合には、募集人員に変化が生じます。

 

あるいは、全体の募集人数が固定されている場合、複数の選抜方式の選抜人数の「配分」によって、結果的に定員が増減することがあります。

たとえば、推薦入試の定員が増やされたときには、その分、一般入試の定員が削減されることになります。

または、推薦入試で予定より多くの合格を出した場合、必然的に、一般入試の定員数が削減されることになるでしょう。

 

 

中学併設校の場合は、中学の生徒数との兼ね合いで、高校の募集人員が増減します。

中学を新しく併設した学校は、当然その分、高校募集枠を減らさなければならなくなります。

また、中学入試で、予想以上の手続きがあった場合には、内部進学生が「超過」状態になってしまうので、高校の募集で「調整」をするために、定員が絞られることになります。

 

 

もちろん、中学を併設していない高校であっても、過去2年の入学者数に応じて、定員を増やしたり減らしたりすることになります。

 

単純化していえば、前の年度で多くの生徒が入学したら、次の年度は合格者数が絞られることになるわけです。

 

各高校で収容できる生徒数は決まっています。一部の高校を除いて、ある意味で「営利団体」でもある私立高校は、限度に近い生徒数を抱えようとします。

ですから、常に生徒数を一定に保とうとするのではなく、「超えてしまったら、減らす」というような対処法的処置を行います。

 

調べてみるとわかりますが、各学年の生徒数が「いびつ」な高校がいくつかあります。

 

高校側は、どれくらいの割合の生徒が入学手続きを行うのか、予測を立てて合格者を出すわけですが、特に、他校の合否結果の影響を強く受ける「位置」にある高校は、「手続率」(歩留まり)を読み間違ってしまうことがあるわけです。

 

 

 

たとえば、ある高校が一般受験で200人の生徒を募集し、「手続率」を4割と予想していたとします。

600人の受験生が集まり、500人が合格を手にします。

500人のうちの4割に当たる、200人が入学する計算でした。

 

ところが、予想以上に「手続率」が高く、5割の生徒が手続きを行い、250人が入学することになりました。

生徒数が「超過」しています。

 

「超過」している「50人」を、次の年で調整しなければなりません。

 

そうすると、次年度、同じように600人が受験した場合でも、150人の入学者となるよう「調整」しなければいけないわけです。

今度は「手続率」を「5割」で考えなければなりませんから、合格者数を300人に絞ることになります。

 

こうして、この高校では、ある年度とその次の年度で、合格者数が「500人」→「300人」へと減少します。

そのため、実質倍率が「1.2倍」→「2.0倍」へと上昇することになります。

 

 

これは、私立高校の「合格難度」が上昇したり下降したりするメカニズムを示すための簡易的なシミュレーションにすぎませんが、実際に起こりうるものです。

 

私立高校の入試は、単純な「高校ランキング」のような指標だけで計るべきではないのです。

 

他の高校の受験状況の影響をうけたり、過年度の入試結果が反映されたりして、「合格難易度」は推移するのです。

 

 

蛇足の話になりますが、学校の「格」や「ランク」を計る一つの目安は、「補欠」や「追加合格」にあると思います。経営や運営に「ゆとり」のある学校は、できる限り合格者数の調整を次年度に持ち越さないようにしているわけです。

 

 

 

さらに、「合格難易度」の話をもう少し。

 

なるべく多くの受験生を集めたい、なるべく多くの生徒を収容したい、と考えている高校は、「併願優遇」を活用します。

 

高校の先生方の「営業努力」が実って、多くの「併願優遇」を利用した受験生を集めることができれば、その分、「フリー受験」の合格者が絞られることになります。

それによって、「合格難易度」が変化する高校があります。

 

 

たとえば、一般受験で200人の募集をしている高校があるとします。

その高校に、合格の「確約」をもらえる「併願優遇」を使って応募した受験生が300人いるとしましょう。

また一方、「併願優遇」ではない「フリー受験」の受験生も同じく300人いるとしましょう。

 

高校側が全体の「手続率」を4割であると予想していたとすると、合格者の合計は500人としなければなりません。

そのうち、「併願優遇」を利用した受験生は300人全員が合格します。

ですから、「フリー受験」の受験生の中から合格できるのは残りの200人ということになります。

 

「入試全体」では600人受験して500人合格ですから、実質倍率は「1.2倍」です。

しかし、「フリー受験」の実質倍率は、300人受験して200人合格ですから、「1.5倍」ということになります。

 

 

さらに、高校の先生方の並々ならぬ努力によって「併願優遇」の受験生がさらに増えると、「フリー受験」はより難化します。

 

次年度、「併願優遇」の生徒がさらに50人増え、350人集まったとします。

「フリー受験」の受験生は前年同様300人としましょう。

「入試全体」の受験生の合計は650人ということになります。

前年と同じように募集人数は200人で、「手続率」の予想は4割です。

 

そうすると、合格する500人のうち、350人が「併願優遇」の受験生ですから、「フリー受験」をする300人のうち、合格者は150人です。

 

「入試全体」の実質倍率は、受験者が増えたために、前年の「1.2倍」から「1.4倍」に上がります。

もちろん、「併願優遇」の実質倍率は「1.0倍」です。つまり、合格率100パーセントは変わりません。

 

一方、「フリー受験」の実質倍率は、「1.5倍」から「2.0倍」へと大きく上昇することになります。

 

「併願優遇」に力を入れている高校の「フリー受験」は、「併願優遇」がより広範に活用されるほどに、厳しい受験となります。

 

 

そのこと自体は、必定のことです。愚痴を言ってもはじまりません。

受験生は、自身の学力や受験制度など、さまざまな葛藤と向き合って自分の「受験パターン」を決めていくのです。それが受験というものの宿命だと思います。

 

 

しかし、仮に、の話ですが、ある私立高校が、「併願優遇」の制度を、特定の受験生だけが参入できるような方法で「極端に拡大」する戦略をとった場合、私は、もう、その高校を生徒たちに勧めることはできません。

 

実際以上に受験が厳しくなるということもありますが、その高校が、生徒たちを大切にしてくれるとは思えないのです。

 

 

(一応念のために 付け加えますが、「併願優遇」という制度そのものは、必ずしも否定的にとらえるべきものではないと思います。この制度が公平に運用されていないのだとしたら、それは問題であるということです。)

 

 

 

私たちのような塾の「ストロングポイント」は、「併願優遇」の安売りを仲介したり斡旋したりすることではありません。

 

しばりのある「併願優遇」に頼らなくても、しっかりとした信頼できる私立高校に、正当な手だてで合格する力と方法を伝えられることです。

 

そして、そのために、可能な限り受験の情報に向き合うのです。

 

(ivy 松村)

都立志望の生徒が私立高校を受験するべきである理由

昨日は、日曜日でしたが校舎を開け、生徒たちにはテスト対策に取り組んでもらいました。

 

今日、明日は、ひよどり山中の中間テスト、明日、明後日は四中、平山中の中間テスト、そして、金曜日には七生中の中間テストがあります。

土曜日は「英検」です。

その次の週の水曜日、木曜日が二中の中間テストです。

 

がんばってください。

 

 

中3は、昨日はVもぎを受けて、その足で校舎に来て、見直し・復習をしていました。

 

模試や過去問の復習の仕方を、かなり細かく説明しました。

今後も継続して取り組むようにしてください。

 

 

 

今週と来週で中間テストが終わります。

 

中間テストをふまえて今後の学習の方針などを、ご家庭と話し合う機会として、ivyで10月の中旬から「保護者面談」を実施することとなっています。

 

 

特に中3受験生のご家庭とは、受験校や受験パターンなどについて、具体的なお話をさせていただきます。

 

このタイミングで、ある程度受験の方向性を固めておかないと、この後で行われる中学校の「三者面談」で、中学の先生が主導する受験パターンに誘導されてしまいます。

 

 

 

10月の終わりから11月の頭にかけて、各中学校では2回目の「三者面談」(または「進路面談」)が行われます。(1回目は7月に行われています。)各中学校の担任の先生、または進路指導の先生と受験校について話し合うものです。

 

そして期末テスト後の 12月初旬の3回目の「三者面談」で、受験校をほぼ決定します。

 

 

こうした「三者面談」を、「どの学校に入れそうか」という相談をするものだと勘違いしている方は、注意が必要かと思います。

 

このブログでも過去に何度も書いてきましたが、学校の先生は基本的に、「どこかの学校に入ってくれればいい」と思っています。

「なるべく良い進路に、」とか「少しでもいい高校に、」という視点ではなく、「必ず進学できる高校を確保する」ということを優先します。

 

学校の先生にとっては、なるべく手短に、なるべく簡潔に、なるべくスムーズに「確約」を得られるような形で話がまとまるのが一番いいわけです。

 

そのため、私立高校で、推薦、単願(専願)、併願優遇で、「確約」がもらえる入試を「軸」にして受験が組み立てられます。

 

 

都立高校を第一志望とする生徒は、基本的には、受けたい都立高校を受けなさい、と言ってもらえます。どれほど可能性が低くても、最終的には好きなところをうけなさい、ということになるはずです。

そのかわり、必ず私立の「併願優遇」を使って、都立がダメだったときに進学する高校を確保するように、念を押されるでしょう。

 

「併願優遇」とは、平たくいえば、高校側が内申点などをもとに合格の「確約」を出すものです。

 

詳しくはこのブログの過去の記事を参照してください。

 

高校受験を見渡す②(併願優遇)

 

 

 

中学校の先生の「進路指導」の重点は、「第一志望合格」ではありません。

中学校の先生は、生徒たちを「高校進学」という形で卒業させれば、それで責任を果たしたということになります。

 

 

学校の先生にとって、「進路」は究極的には「1」か「0」です。

「1」、つまり「高校入学」という結果であれば、「十分」だといえるわけです。

 

第一志望の高校であっても、「併願優遇」の高校であっても同じ「1」です。

その価値は変わりません。

 

これが、塾の「進路指導」との決定的な違いです。

 

 

塾の教師は、そういうわけにはいきません。

生徒の将来を、もっと「綿密」に考え、受験をもっと高度な戦略のもとにとらえます。

 

 

私たちは、高校受験をかなり幅広くとらえます。

「1」か「0」というような二元論ではなく、受験を、重層的な選択域として考えます。

 

 

 

たとえば、都立国立高校を第一志望とする生徒がいるとします。

中学校の先生は、単純に、ある私立高校の「併願優遇」を受けるように言うでしょう。当然「確約」という言葉は使いませんが、その高校に必ず合格できるという「見込み」を持っているわけです。

だから、私立入試は一校だけ受ければいいというわけです。

とりあえず都立の推薦も受けてみなさい、とも言うでしょうから、多くても3回の受験ということになります。

 

 

一方、塾は、より複雑な戦略性で受験と対峙しています。

 

国高への「進学希望度」を、とりあえず「10」で表すとしましょう。

 

中学校の先生は「1」か「0」で受験をとらえていますが、受験生の心情としては、第一志望の国高を「10」とすると、「併願優遇」の受験をする私立高校の「進学希望度」は「3」程度だろうと思います。

 

この「落差」は、その後の人生に大きな影響を及ぼし得る危険なものですが、悲しいことに、多くの人がこれを直視しません。「絶対に合格する!」などと言って、「賭け」に突入してしまうのです。

 

 

 

私たちは、「10」がダメだったときに、たとえば「3」の高校に進学するような事態を看過することができません。

「進学希望度」が「9」や「8」の高校も受験しておくべきだと考えます。

 

 

国高を目指すレベルの受験生であれば、2月10日~2月12日の私立高校入試では、進学先として魅力のある高校を受験するべきだと思います。

たとえば、10日は早実、慶女、ICUなど、11日は豊島岡、早大学院など、12日は慶應義塾、青学、明明などの上位校です。

さらに、2月13日の国立大学附属高校や2月21日の高専を受験することも、選択肢に入ってくるでしょう。

 

そうすると、この日程以外で「おさえ」の高校を確保する必要が出てきます。

そのために、都外の私立高校の受験が視野に入ってくるのです。つまり、都外の私立高校の入試で「確約」を確保して、2月10日からの都内・神奈川の私立高校入試で「勝負」するという流れです。

 

「1」か「0」という受験ではなく、「10」か「9」か「8」か「5」か「3」・・・というような受験です。

 

 

「10」がダメだったときに、「9」の高校に行くのと、「3」の高校に行くのでは、残酷なほどに対照的な結果です。

 

また、これも何度もブログに書いてきましたが、都立高校入試では、私立高校の入試結果をふまえて受験校を変更する「志願変更」という制度が設けられています。

ですから、もし、「9」「8」といった「進学希望度」の高い私立高校入試で良い結果が得られなかった場合は、都立の受験校を再考することもできます。

 

 

 

大学受験で国立大学を考えているご家庭は、なかなか難しい部分もあると思います。

近年は、高校募集をしている私立の進学校が少なくなっています。そのため、上位私立高のほとんどが大学附属高となっています。

 

そんななかで、私立大学に行くつもりがないのでこうした高校を受ける意味がない、と考えるご家庭もあると思います。

 

もちろん、その考えは至極まっとうな意見ではありますが、実は「受験の条理」からずれてしまっていることに注意が必要です。

 

無事国高に合格できれば何も問題ありません。しかし、ここでの話は、「そうならなかったときのために、どのような受験を考えるべきなのか」というものです。

 

端的に、「併願優遇」の高校では、国立大学への進学が遠ざかります。

 

高校受験での「つまずき」による「ダメージ」が一層大きくなってしまうのです。

はっきりいってしまえば、早慶MARCHに進学できる可能性さえ遠ざかるでしょう。

 

 

もうひとつ付け加えるなら、国高の入試問題、つまりグループ作成校の入試問題よりも、上記の私立高校の入試問題の方が「高度」だということも考慮すべきです。

「相性」などもあるので一概にはいえませんが、求められる知識や技能は、私立の最上位校の入試問題のほうが高いのです。

 

一般的に考えるならば、私立の上位校に向けた入試対策を受けた受験生の方が、都立の最上位校の入試においても得点力では有利になります。

 

 

「受験」というものを大きく誤解している人は、なるべく「省エネ」で受験を突破するのが「賢い」やり方だと考えます。

それは、都立高校の入試対策だけを集中的に行えば、得点力を最も効率的に上げることができるというような、短絡的な思考です。

そのために、私立高校は「併願優遇」で「確約」をもらっておけばいいという発想になるのでしょう。

 

つまり、「高校受験」のことしか考えていないわけですが、実は、そのような「目先のこと」だけに対処する方法論にしがみついていては、その先にある「大学受験」を突破することが難しくなります。

 

 

まず、高校に入学した時点で、私立高校入試を戦った受験生との間に学力の「差」がついているわけですが、それは単に知識や情報が足りないというだけではありません。

 

高校の勉強がスタートする前にすでに、学習に対する「意識」や「耐性」で大きく引き離されているのです。

誤解を恐れずにいえば、「学習者としての質」で劣っているわけです。

 

「なるべく楽に」という価値観の人間と、「より多くの努力」を当然のことであると考えている人間が競っていくわけです。

それは結局、大学入試、そしてその先で、目に見える「差」となって現れるでしょう。

 

 

(もちろん、世の中には信じられないほど優れた頭脳を持った人もいます。データや分析の「外側」にいるような人たちです。たまに、そのような人の例を出して「反論」する人がいます。「でも、そうではない人もいますよ・・・」というように。ちょっと考えればわかりますが、その行為は限りなく無意味です。「普遍的な法則」を主張しているわけではないので。例外はいくらでもあります。)

 

 

 

以上のようなことをふまえて、たとえ都立高校を第一志望としている受験生であっても、積極的に私立高校入試を「活用」したほうがいいと考えます。

 

ただし、これはあくまで「塾の論理」であって、受験は、生徒・ご家庭が納得のいくものであるべきだと思います。

 

来週からの面談では、こうした部分も含め、ひざを突き合わせてお話したいと思っております。

 

 

 

今後の高校入試に向けたスケジュールです。

 

※入試まで

 

・中間テスト

(塾の保護者面談①) 10月中旬~

・中学校の「三者面談」① 10月下旬~11月初旬

・期末テスト   11月後半

・「仮内申」の告知 11月下旬

(塾の保護者面談②) 11月下旬~12月初旬

・中学校の「三者面談」②  12月初旬

・中学と高校の「入試相談」 12月15日

 

 

※高校入試

 

・都外私立高校入試(山梨・埼玉等)1月~2月

・私立高校推薦入試 1月22日~

・都立高校推薦入試 1月26日(27日)

・私立高校入試(東京・神奈川等)2月10日~

・国立大学附属高校入試 2月13日

・国立高専入試 2月21日

・都立高校入試 2月24日

 

 (ivy 松村)