「冬」の情景

東京は、冬になると空気が乾燥します。

澄んだ大気のおかげで富士山をくっきりと眺めることができるようになってくると季節の変化を感じます。

 

でも、私にとって「冬」は、湿気を帯びた重たい冷気が頬を圧迫するような、どんよりとした曇り空の心象と結びついています。そして私は、そんな「冬」を待ちわびているのかもしれません。

 

もちろん、冬は毎年やってくるのにちがいなく、やはり、それはいかにも東京の冬なのですが、心の中に押し広がるイメージとしての「冬」が私のなかにあるわけです。

 

今日のように、湿った寒さが訪れた日に、ようやく「冬」になったのだと実感するのです。

 

 

ある年の12月に、数日間オランダに滞在しました。

私の中にある「冬」は、オランダの冬の情景なのです。

 

その直前、数か月イランとトルコで過ごし、日本に帰るために現地の旅行会社で片道航空券を買い求めたところ、ヨーロッパ経由で日本に飛ぶのがもっとも経済的で、しかも、経由地で数日間の滞在が可能なチケットが用意できるというのです。

イタリアの航空会社を利用して少しばかりローマを観光するべきか、それとも、オランダの航空会社を選んでアムステルダムを見物するべきか、真剣に迷いました。

 

結局私はオランダを選びました。

 

アンネ・フランクの家とゴッホの絵を目的地としました。

それから、レンブラントやフェルメール。光と影の画家たち。

 

 

21世紀を迎えたばかりの世界は、搭乗手続きは今ほど厳重ではありませんでした。

ユーロが流通する直前で、オランダではまだ「ギルダー」という通貨が使用されていました。

 

 

空港からアムステルダム駅に着き、町に出た瞬間、空の色が灰色すぎて鮮烈だったことを覚えています。中東の、ぎらぎらの太陽はもう失われてしまったのだ、と思いました。

あまりに寒すぎて、すぐにマフラーを買い求めました。

 

中東では「外国人」が珍しいので、町を歩くだけでうんざりするほどに注目されました。

ヨーロッパでは、私はありふれた観光客にすぎませんでした。

「一般人」であることが、懐かしくもあり物足りなくもありました。

 

 

アムステルダムで、私は「冬」のさなかにいました。

もうすぐ日本に帰るのだ、という思いが、いっそうこの町に「独り」でいることを感じさせました。

 

アンネの隠れ家。ゴッホのまなざし。

そして、あらゆる店の入口の置かれたクリスマスのポストカード。

すべてが「冬」による演出でした。

 

 

決して強がりではなく、あの滞在は私にとって心地よいものでした。

今日のような「冬」の日には、なおいっそう感慨がよみがえります。

 

 

 

昨日は冬至でした。

1日明けて今日の小6の入試演習は、南多摩中の25年度の問題でした。

「冬から春へ」という題の作文が課せられています。

 

「日常生活の中に驚きをみつけたり興味を発見をしたりするような、好奇心や探求心を持った生徒を南多摩中学は求めているのです。」

 

中3の入試演習では、早実の16年度の問題を解きました。

国語の問題に池田晶子氏の「孤独」をテーマとした文章が使われています。

 

「難関の高校入試で出題される人文社会科学系の論説文や評論では、『自我』についての基礎的な知識が読解の前提となっていることがあるのです。」

 

 

天気やトピックが、あのオランダの日々に重なりました。

ただ、今日、あのときと違ったのは、「独り」ではないということでした。

 

 

(ivy 松村)

 

受験のランキング表を比べる

高校受験に限らず、学校の「ランキング表」というものが存在していて、受験生はそれを参考にして受験校を決めます。

 

こうしたランキング表のほぼ全ては、偏差値を用いて「難易度」を数値化し、可視化することで、それぞれの学校の序列を定めようとします。

 

 

偏差値については以前から多くの問題点が指摘されていますが、それでも、受験に用いられるデータとして最も有効な指標であるとみなされ、広く世間に受け入れられています。

 

偏差値は、万能ではないとしても、生徒一人ひとりの相対的な「学力」をはかり、また、それぞれの学校の入試の「難易度」を測定することができる最有力の尺度であると考えられているわけです。

(偏差値の問題点については、また別の機会に。)

 

 

 

高校受験のランキング表には大きく分けて「模試系」「塾系」のものがあります。

また、それ以外に「出版社系」のものや独自に作成されたものも数多く存在します。

 

おそらく、データの質、量ともに他を圧倒しているのは「模試系」のランキング表です。

しかし、「模試系」のランキングは、皮肉にも、データに忠実であるがゆえに、「内実」を反映しないことが起こり得ます。

 

偏差値が50の学力があれば十分に合格できるはずの高校に、偏差値60以上の受験生が多数「誘導」されれば、その高校の「偏差値基準」は高騰することになります。

 

私立高校は、さまざまなアイデアを駆使して受験生を集めようとするわけですが、ひたすら多くの受験生を集めればよいというものではありません。

当然、学力の高い生徒を集めたいと考えます。

 

「模試」で高成績を収めている生徒を受験生として多く集めることができれば、結果として、その「模試」によるランキングにおいて、その高校の位置づけは上昇することになるわけです。

 

 

近年、あるタイプの私立高校にとって、非常に効果的な「妙手」が見出されたように見受けられます。

 

 

この数年で、「特進クラス」や「選抜クラス」などを設置する高校が増えていますが、その入試に「スライド合格」の制度が取り入れられるようになってきました。

「特進クラス」に出願し、入試得点で合格点に届いていない場合でも、「特進クラス」よりも下位の「普通クラス」で合格を得られるという制度です。

 

万が一「特進クラス」の入試で力を発揮できなかったとしても、「普通クラス」という「おさえ」があるので「安心」できるというわけです。

 

しかし、「スライド制度」は、必然的に、合格できない可能性のある「ガチンコ」の入試でなければ成立しません。したがって、「普通クラス」で「止まる」かどうか、も結果次第であるということになります。

 

そうすると、当日に大きなミスをしてしまって、最終的に「スライド」の「おさえ」が利かず、「普通クラス」にも引っかからないということもあり得るわけですから、十分な学力を持った受験生であっても一抹の不安を持つにちがいありません。

 

もちろん、「すべては得点次第」という高校もあるでしょうが、おそらく、いくつかの場合、「普通クラス」で「スライドが止まる」という「見込み」があって、受験が成立しているのではないかと思うのです。

 

 

 

いくつかの中学で、「スライド制度」を行っている私立高校と都立高校の「2本立て」の受験を勧められる生徒がいます。

もし「普通クラス」で「スライド」の「おさえ」が利かないという事態が起こり得るならば、別の「おさえ」が必要になるはずです。

中学校の先生は「おさえ」の保証のない受験に主導的な「ゴーサイン」を出しません。

つまり、この受験パターンは、中学校の先生が後見している形式であるということになります。

 

 

端的に、「スライド制度」がシステマチックに機能しているのならば、誰もがみんな「特進クラス」で受験をしたほうがいいということになってしまいます。

「特進クラス」の入試を受けておけば、「普通クラス」の学力しかない生徒でも、運よく「特進クラス」に入れるかも知れないのですから。また、最終的に「普通クラス」に落ち着いたとしても、マイナスは被っていないわけです。

ところが、不思議なことに、中学校の先生は、学力的に厳しい生徒に対して「特進クラス」の受験を控えたほうがいいという場合があるのです。

 

 

 

何の話をしているのかといますと、高校側は「特進クラス」のランキングを上昇させたいと考えているので、できる限り偏差値の高い生徒に「特進クラス」を受験してもらいたいという思惑があるのではないかということについてです。

 

高校側は、「特進クラス」を受験する生徒の「学力」を下げたくないと考えるわけです。「合格者の学力」ではありません。「受験者の学力」を高く保ちたいわけです。

 

 

もし、私が高校の入試担当者であったとするならば、学力の高い生徒に、「特進クラス」の受験を促すように働きかける戦略を取るでしょう。

 

「特進クラスには入れない可能性はあるけれども、スライドで止まるはずだから安心して受けてください。」

 

 

もちろん、これは、あくまで私が高校の入試担当者であったら、という「if」の話です。

「特進クラス」の「難易度」を維持しつつ受験生を多数集めるためには、「選別」と「保険」を同時に用意することが非常に効果的だと思われます。

 

 

学校の成績が良い生徒に対して、「ガチンコ」の入試を受けてもらうために、積極的に「おさえ」を用意するわけです。あるいは、「おさえ」を保証することで、「ガチンコ」の入試のハードルを下げるわけです。

 

また、なんとか「模試」の成績が優秀な生徒に受験してもらいたいと考えるわけですが…、ともかく、学校の成績が良い生徒はたいてい「模試」の成績も良いでしょう。

 

ですから、もし、私が上記のような高校の入試担当であったならば、やはり、中学校の先生と密に「入試相談」を行いたいと考えます。

つまり、中学校の先生を通じて、「成績」の高い生徒が「特進クラス」を受験する「メリット」をアピールしようというわけです。

 

 

 

「スライド合格」の制度を「入試の得点に応じたレベルの合格」が得られるものであると考えると、一見シンプルでわかりやすいと感じられるかもしれません。

 

しかし、一方で、「確約」がもらえる「併願優遇」などに比べて見えづらい部分がありそうです。

 

一般的な「併願優遇」の受験では、「確約」が得られるかわりに、第一志望がダメだったときにその高校に必ず入学する「しばり」が条件づけられます。

 

「スライド制度」は「特進クラス」が不合格になる可能性を「否定できない」ので、原理的に入学の「しばり」を付けることができません。

「普通クラス」にしか進学できなくなくなる可能性はありますが、必ず入学してください、とは、いくらなんでもいえないわけです。

 

ここは、「スライド制度」の「弱点」です。

もし、私が、高校側の入試担当者であったとしたら、中学校の先生が「最少の受験パターン」を生徒に提示してくれる方がありがたいと感じるでしょう。

ですから、必ず「普通クラス」で「止まる」はずなので、「最少の受験パターン」を組むことができるという「メリット」を熱心にアピールすることになるでしょう。

 

逆にいえば、「スライド制度」を軸にした受験パターンは、「しばり」がないので、「入試相談」の日の後になっても、受験校を追加することができるわけです。

そして、それが、一番避けたいことになるわけです。

 

 

 

さて、「塾系」のランキング表では、相対的に「特進クラス」のランクは低めに設定されています。

 

一般的に、大手の進学塾に通っている生徒は、「特進クラス」タイプの高校よりも「附属系」を志望する生徒の割合が多くなるので、その傾向がランキング表に反映されるのでしょう。

 

さらに、塾の、学校の序列に対する「シビアさ」がランキングを決定付けているということも、少なからずあると思います。

塾スタッフは、実際の入試問題や志願者の傾向、あるいはさまざまな「事情」を加味してランキングを打ち出すことがあります。また、ときとして、その塾の指導体制の外側にいる「一般的な受験生の動向」を取り除いてランキングを構成することが必要になることもあるでしょう。

 

要するに、「主観的な調整」が行われるわけです。

受験に関する総合的な知識や情報を持った「専門家」が作成するランキング表には、合理的で整合的なものが多くあります。

 

しかし、そのような操作を行うことには、「根本的な問題」が横たわっているといわなければなりません。

それを許容するのであれば、受験資料に偏差値という「客観的な数値」を用いる「根拠」がなくなってしまうからです。

 

 

「塾系」のランキングの弱点は、「木を見て森を見ず」ではありませんが、自塾の「論理」や「認識」に頼り過ぎてしまい、全体的な傾向を見落としてしまうことが起こり得ることです。

 

いくつかの「塾系」のランキングは、実際の受験の動向をキャッチアップできずに、その構成が現実と乖離した内容になってしまうことがあります。

特に、動きの激しい都立高校のランキングで、客観的な数値とギャップのあるものがいくつか見受けられました。

 

 

一方、「模試系」のランキングは、実際の受験の動向をダイレクトに反映します。

 

たとえば今年、あるランキング表では、立川高校と八王子東の序列に少し変化がみられました。

立川高校に学力上位の生徒が集まっているという「根拠」があるのだと思います。

 

また、倍率や難易度が急上昇している旧学区の2番手、3番手の進学校の実情も速やかに更新されています。

 

「模試系」のランキング表は、毎年、それぞれの高校の志望者の学力分布や合否結果の追跡調査による詳細なデータをもとに作成されます。

 

 

 

受験のランキング表には、それぞれ一長一短があるといえます。

参考にする際には、どれかひとつだけをたよりにするのではなく、いくつかを見比べてみたほうがいいかもしれません。

 

 

(ivy 松村)

 

 

2学期の期末試験結果

期末試験の点数がほぼ出そろいました。

すでに各中学校で平均点などが公表されていると思いますので、知らせてくださるようお願いします。

 

 

いくつかの中学では、実技教科のうち、期末テストを実施しない教科がありました。

そのおかげで、他の教科の勉強量を増やすことができた生徒もいました。

 

今回は、実技4教科では点数を伸ばした人が多かったのですが、主要5教科では、得点を伸ばしきれなかった人がいました。

 

量的な勉強に取り組める「体力」を身につけてもらいたい、というのが1学期から続けてきた指導の根幹にありますが、どうしても厳しい人もいます。

3学期は、そういう人への支援を増やしていこうと考えています。

 

一方で、点数という「結果」にこだわって、手を抜かずに取り組んで、大幅に成績を上げた人もいます。

 

ある生徒に試験の「でき」を聞いたとき、「全然できなかった」という返事がかえってきました。期末試験の一週間前になっても部活があって、しかも直前の土日を勉強に使えないという状況の中で、地道に取り組んでいた生徒でした。

 

しかたがないか、と一瞬思ってしまったのですが、彼が言うには、その教科は1問間違えてしまい、多分「98点しか」取れていないということなのです。

あまりにも悔しそうな表情をしているので、思わず、98点なら上出来じゃないか、と声をかけてしまったのですが、彼は意外そうな顔をして、「え、先生、100点取れって言ったじゃないですか」と返してくるのです。

 

いや、確かにそうなんですけど・・・。

久しぶりに「しどろもどろ」になってしまいました。

「麻痺させてはいけない感性」というものがあるのですね。猛省させられました。

 

これは、とてもうれしい一幕だったのです。

永く永く心に残るであろう言葉でした。

 

 

 

5教科の得点アップ(中間と比べて):

 

理科       +40 中2

社会       +37 中2

数学       +34 中2

数学       +28 中1

社会       +26 中2

英語       +24 中3

理科       +20 中2

数学       +22 中1

数学       +22 中2

国語       +21 中1

国語       +19 中1

理科       +18 中2

国語       +14 中1

 

 

5教科合計点の得点アップ(中間と比べて):

 

+55 中1

+33 中2

+32 中2

+29 中2

+26 中2

+23 中1

+20 中1

+18 中3

+14 中2

 

 

4教科得点アップ(1学期期末と比べて):

 

美術       +54 中2

保体       +33 中3

保体       +31 中3

技家       +31 中2

保体       +30 中3

技家       +29 中3

音楽       +25 中3

美術       +25 中2

美術       +22 中3

音楽       +22 中3

美術       +22 中2

音楽       +22 中2

美術       +20 中2

技家       +20 中1

保体       +15 中2

技家       +15 中2

保体       +15 中2

技家       +15 中1

美術       +14 中3

技家       +13 中2

音楽       +13 中1

保体       +11 中2

音楽       +10 中2

 

 

4教科合計点の得点アップ(1学期期末と比べて):

 

+106 中3

+92 中3

+71 中2

+56 中3

+36 中2

+36 中1

+24 中1

+18 中2

+18 中1

+17 中2

+15 中2

 

 

9教科合計点の得点アップ(1学期期末と比べて):

 

+158 中3

+115 中3

+82 中3

+67 中2

+46 中2

+40 中1

+36 中2

+32 中2

+18 中1

+14 中2

 

 

うーん…。「つっこみどころ」が満載ですね。

あえて、つっこみませんが。

 

結果だけに言及すれば、今回は、4教科で非常に得点を伸ばした人が多かったです。

今回の試験を通して、4教科は得点を取りやすい教科であることがわかったと思います。

 

理科や社会など、「暗記教科」の勉強法を取り入れることで、実技のテストを「強み」にできるはずです。

面倒がらずに、「全部」覚えようとすればいい、ということですね。

 

 

 

得点上位者:

 

英語       数学       国語       理科       社会       5教科

98点      98点      98点      94点      93点      471点

98点      96点      98点      93点      88点      453点

97点      92点      93点      90点      84点      429点

92点      91点      89点      85点      84点      422点

88点      88点      83点      85点      83点      422点

 

 

音楽       保体       美術       技家       4教科    9教科

95点      98点      98点      93点      365点    821点

88点      96点      98点      85点      364点    817点

86点      94点      95点      80点      350点    790点

85点      88点      94点      79点      333点    762点

84点      87点      92点      78点      332点    754点

 

 

3学期もがんばりましょう。

 

(ivy 松村)

 

受験校を増やすこと

2月12日の入試について、私自身が考えていることについて書きます。

 

以下は、受験生やそのご家庭と面談をする中で、私自身が新たに考えたことや思い直したことなどをまとめたものです。大部分は面談などでお話しした内容になるかと思ます。これは、1つの意見として参考にしていただきたいと思い、掲載するものであって、主張を言い立てようとするものではありません。

自分はこういう考え方をしているのだなあ、と気付いた点があったわけです。

 

 

2月12日の入試は、ちょっと悩ましい問題です。

 

 

2月10日は「本命」候補の高校が集中しています。

2月11日も目ぼしい高校が並んでいます。

 

もちろん、12日にも慶應義塾、明明、青学、明中、國學院久我山、明学東村山といった主要校の入試が行われます。

 

これらの高校を「本命」とする受験生は、この日に照準を合わせて受験に挑みます。

しかし、10日、11日に重心のある受験生は、さらに3日目にも「勝負」をかけるべきなのか躊躇してしまうでしょうことでしょう。

 

一般的には、たくさんの高校を受験すればするほど、それだけ「負担」が大きくなると考えられています。

10日にA高、11日にB高、13日にC高を受験する予定を持った生徒が、「空いているから丁度いい」といって、12日にD高の受験を決断するのは、やはり、なかなか大変なことに違いありません。

 

費用の面からいっても時間の面からいっても、大きな「負担」になってしまいます。

また、「労力」の面での「負担」を危惧する人もいるにちがいありません。

 

 

 

たとえば、受験生が受験勉強に費やすことができる精神的、肉体的な労力の総和を10として考えてみます。

 

ひとつのモデルケースとして、3校だけの受験をする場合、第一志望のA高に5の労力を割き、第二志望のB高に2、第三志望のC高に1、そして、総合的な対策に2の労力を費やす、というような「労力の配分」が考えられるでしょう。

 

こうした「配分」は受験生によってさまざまですが、持てる力が10なのであれば、その10の力をより有効に活用するしかありません。もし、使える「労力」を増量できるのであれば、最初からそうします。

 

ここに、さらにもう1校、受験校を増やしてD高を受験するとなると、「労力の配分」を変えなければ、D高の入試対策を行うことができなくなります。そうであるならば、他の志望順位の高い受験校の入試対策を行う「労力」を「削る」ことが必要になります。それには、あまりにも大きな勇気が必要になります。

 

すでにC高を「おさえ」として受験パターンに組みこんでいる場合には、C高よりも低いランクの高校の受験を追加するメリットは一切ありません。

また、第二志望のB高と同等のランクの高校であっても、受験を決断する動機とはなり得ないでしょう。

ですから、受験校を増やす場合には、A~Bの間のランクの高校を選ぶことが定石になります。

 

つまり、受験校を増やすかどうかという問題は、多くの場合、高ランクに位置づけられる「チャレンジ校」の受験を既存のラインナップに加えるかどうか、という葛藤に帰結することになります。

 

そうなると、「労力の配分」の問題はよりいっそう深刻化します。

決して合格の可能性の高くない入試を追加するために、他の志望校の入試に費やす「労力」を削らなければならなくなるからです。主観的にはそれは、優先的に選んだはずの他の志望校の可能性を低下させることになるととらえられるはずです。

 

 

 

しかし、上記のような考えには、あるひとつの視点が抜けているように思います。

つまり、受験全体では「1つの合格だけあればよい」ということです。いい換えるならば、「入学するのは結局1校だけである」ということです。

 

受験校すべてに合格すれば、もちろん痛快なことではあるでしょうが、その必要はないのです。

変ないいかたになりますが、「入学するのに納得のいく高校」のうち、どれか1校に合格すれば、それで充分であるという考えもできるわけです。

 

そう考えると、受験校を増やすメリットが見えてきます。

 

すべての受験校に合格しなければならないのだとすれば、確かに、受験する高校の数は少ない方がいいでしょう。しかし、いくつかの受験校のうち、どれか1校に受かればよいと考えるのならば、数多く受験するほうが、その可能性を高めることになります。

 

 

 

不謹慎であることを承知のうえで申し上げるのですが、受験には、多分に「ギャンブル」の側面があります。これは、隠しようのない事実です。

 

「下手な鉄砲も・・・」というようなことわざもありますが、「数」というものも受験の構成を考えるうえで外すことのできない「要素」なのです。

 

 

大学受験や中学受験の一部では、できる限り多くの数の受験をするような受験生が毎年います。たとえば、私立大学の受験では、絶対に○○大学に行きたいと考える受験生が、学部や入試内容を問わず、できる限りの数の出願をするような受験パターンがあり得るわけです。

中学受験でも、「午後入試」や「ダブル出願」なども含めて、ほんの数日の受験期間に7,8校の出願をすることはそれほど珍しいことではありません。

 

 

こうした例はどちらかといえば特殊なものであり、決してお勧めするわけではありませんが、「数」が多いということが、必ずしも不利になるというわけではないということをお伝えしたいと思うのです。

 

 

「労力の配分」という問題に関しては、以下のような対応がセオリーであると考えます。

すなわち、受験パターンの「メイン」の戦略は据え置き、追加する受験には極力「労力」を割かないようにする、というものです。

 

追加する受験は、いわば「オプション」のような位置づけになります。

別のいいかたをするならば、「メイン」に対する「サブ」の受験であるということです。

 

スポーツなどで試合が「苦しい展開」になったときに、逆転をねらって投入される「切り札」や「スーパーサブ」のような存在といえるかもしれません。

本来なら、基本の戦略で勝ち切ればいいわけですが、厳しい状況になったときに備えて、まだ挽回が可能な「奥の手」を用意しておこうというのが、「追加の受験」の意味づけになるかと思います。

ですから、「追加の受験」は、ある意味で、頼らないで済むのならそれが一番いい、というものになると思います。

(ただ、やはり、まったく何も対策をしないわけにはいきませんから、現実的には、2,3年分の過去問を解き、また、必要に応じて対策を講じることにはなると思います。)

 

 

 

入試というものをどのように「定義」するかによって、「12日の意味」が変わってくるのだろうと思います。

 

 

塾は、入試を「チャレンジの機会」であるととらえています。

 

当たり前の話ですが、入試が行われていない高校に進学することは不可能です。

高校からの募集をしていない学校には、どれほどの学力を有していても入れないわけです。また、都外の公立高校に進学することはできません。

 

都内の中学生を対象に高校入試を行っている高校であっても、そのほとんどの高校は、チャレンジすることさえできません。

首都圏には多くの高校が存在していますが、受験できるのはたった数校です。

 

同じ日に入試を行っている高校の中からは、たった1校しか受けられないのです。

 

こう考えると「ドキッ」としないでしょうか?

 

何百校と存在する首都圏の高校の中で、受験可能な高校は、ほんの数校だけなのです。

「チャレンジの機会」は、ものすごく限られているのです。

 

 

 

私自身は、上記のような考えを持っていますが、もちろん、受験に対する考え方、とらえ方には多様なものがあり、どれが正解ということはないと思います。

 

 

中学校の先生の中には、たくさん受けて、全部不合格になってしまったら、精神的なショックがあるから受験校を減らしてはどうか、という方がいるそうです。

世の中には、そういう生徒もいるのだろうと思いますが、少し違和感を覚えます。

「ショック」となるのは不合格が「多くなるから」でしょうか。

たった1校だけの受験であったら、その分「ショック」は和らぐのでしょうか。

いや、そういう人もいるのでしょう。そういう人は、やはり、たくさん受験するのは控えたほうがいいと思います。

 

また、3日も4日も連続で入試を受けるのは、大変だ、と感じる人もいるかもしれません。

たしかに、そういう人もいると思います。そういう人は、やはり体力や精神面を考慮して受験を組み立てる必要があると思います。

しかし、一般的な進学塾に通っている生徒であれば、むしろ、連日10時間以上勉強する夏期講習や冬期講習の方が大変なくらいだと思うかもしれません。

 

 

いずれにしても、受験生全員に合致する絶対の受験パターンは存在し得ないわけですから、それぞれがしっかりと考え抜いて、個人個人の「受験の形」を決めていかなければならないと思います。

 

 

まだ、「決定」まで少し時間があります。

ご相談やお聞きになりたいことがありましたら、校舎の方までご連絡ください。

 

 

(ivy 松村)

 

受験パターンの確認

中3の受験パターンがほぼ固まってきました。

 

まだ少し流動的な部分はありますが、「おさえ」と「本命」、第2志望、第3志望あたりまでは煮詰まりました。また、受験パターンに推薦入試を組み込むかどうかについても、話を詰めることができました。

 

後は、出願のタイミング、変更のタイミング等の確認です。

 

先ほどまで、生徒たちの受験校の募集要項などを確認していたのですが、受験校を減らせるパターンが見つかりました。受験パターンに組み込んだ高校の中で、より志望順位の高い高校の結果が判明した後に、出願できるところがありました。

先に受験をした「志望順位の高い高校」に合格していれば、その高校に出願をしなくてもよくなります。

 

入試日に変更があった高校では、出願の日程も変わることがあるのですね。

また、日曜日に窓口業務を行わないために、出願等の日程がずれる場合もありそうですね。

 

私立高校の受験料は2万円以上します。決して安くはない費用です。

「将来」のために必要な投資は、過不足なく行わなければなりません。

 

 

 

東京都の中学生は、都外の私立高校の「併願推薦」を受けることができます。入学の「しばり」がない「推薦入試」です。これを活用することで、併願の幅を広げることができます。

 

そういった入試制度を設けている高校の併願の基準に届いている場合には、中学校の入試相談をとおして「併願推薦」を受けるのか、「併願優遇」の一般入試を受けるのか、という選択が可能になります。

 

都立の推薦入試を受ける生徒で、緊張しがちな生徒は、都立の推薦入試の前に貴重な「面接の経験」を積むことができる受験パターンに大きな意味があるでしょう。

一方、英数国の三教科の「試験の経験」を重視するならば、都内の私立高校入試の前に一般入試を受けることに意味があるでしょう。

 

 

また、複数回の入試日が設けられていて、どれかの日を選んで受験すればいいというような場合もあります。「合格の可能性」が読めない受験では、複数回受験も考えなければなりませんが、「合格の可能性」が非常に高いと太鼓判を押してもらっているならば、いずれかの1回だけ受験すればいいわけです。

その場合には、土日を避けて平日に受験したほうがよいでしょう。

率直にいって、貴重な休日を半日潰すよりも、学校を休んで入試に行くほうが、受験生にとって「メリット」が大きいはずです。

 

 

 

合格後の手続きの流れも確認しておく必要があります。

 

「延納」等が認められている高校に合格したときには、その制度を利用しない手はありません。その場合、数万円の「延納金」「手続き金」等の名目の費用を振込まなければならないことがあります。また、出願の際に希望を出しておかなければならない場合もあります。

募集要項等をしっかり確認して、不必要な出費をしなくてもいいようにしておきたいですね。

 

 

また、合格した高校の入学手続きの期日に余裕がある場合には、当然ですが、より志望順位の高い高校の合否が判明するまで手続きを保留するべきです。

 

逆に、都立やその他の入試の結果が判明する前に、入学金等の振込の期日が締め切られてしまう場合には、それまでに手続きをしなければなりません。

決して安くない費用ではありますが、これは「権利」を買うのだと考えていただくしかありません。

 

「本命」の合否がわかる前に、より志望順位の高い高校の「入学の権利」を確保しておかなければならないのです。

 

 

 

私立入試の結果次第で、都立の志願変更を行うことを考慮している人は、その日程と、私立高校の合否のわかるタイミングを確認し、「結果」にあわせて「自動的」に対応できるように準備しておく必要があるでしょう。

 

 

うそのような話ですが、昨年度、ある塾で、志願変更ができなくなってしまった受験生がいたのだそうです。中学時代に、こことは別の塾に通っていた高校生に聞いた話なのですが、同じ塾に、私立の難関校に合格したら都立の受験校を「引き上げ」ようとしていた生徒がいたそうなのですが、ギリギリになって再提出に間に合わないということを知り、仕方なくその生徒は志願変更をせずに受験することになったのだそうです。

 

たぶん、ある私立高校の合格発表の日と、都立の志願変更日が重なっていたので、その私立高校の合否を確認してから志願変更できると思い込んでいたのだと思います。

もちろん、都立の志願変更の手続きは午前中に行わなければなりません。

そして、おそらく、その私立高校の合格発表は午後からだったのでしょう。

昨年度は、都立も含めて高校入試の日程変更が多かったので、勘違いされたのかもしれません。

実は、去年、私も入試の日程を確認したときに、ほんの一瞬、同じことを考えてしまったのですが、やっぱり誤認したままのケースがあったのですね。

 

「他山の石」といってしまうのもしのびないことではありますが、気をつけなければ、と思います。

 

 

 

中3生には、生徒それぞれの受験校の出願の締切日や方法、合格発表の日と確認方法、受験料や入学金等の費用、手続き日などを一覧にしてお渡ししています。

今日渡せなかった人には、次回授業日にお渡しします。出願等の参考にお使いください。

 

 

いよいよ受験の「本域」に突入していきます。

気を引き締めていきましょう。

 

 

 (ivy 松村)

 

お知らせ「冬期講習会」

冬期講習のご案内を差し上げる時期になりました。

校舎の入口には、しばらく前から冬期講習の掲示を貼り出してありますが、このブログでもお知らせいたします。

 

 

新規冬期講習生の方を対象に、「冬期講習料無料+1月授業料免除」のキャンペーンを行っています。

(講習の費用として、1教科につき1,080円のテキスト代がかかります。)

 

 

 

◎小4 進学コース

・日程:12/26~12/28 1/5~1/7(6日間)

・教科:算数 国語

・時間:10:30~11:50

 

 

◎小5 進学コース

・日程:12/26~12/28 1/5~1/7(6日間)

・教科:算数 国語

・時間:12:30~14:20

 

 

◎小6 進学コース

・日程:12/26~12/28 1/5~1/7(6日間)

・教科:算数 国語

・時間:10:30~11:50

 

 

◎ 小学部 公立中高一貫コース

・日程:12/26~12/29 1/4~1/7(8日間)

・教科:作文       適性検査・文系    適性検査・理系    適性検査・演習

・時間:14:30~18:20

 

 

◎中1 特訓コース

・日程:12/26~12/28 1/5~1/7(6日間)

・教科:国語       数学       英語

・時間:18:40~21:30

 

 

◎中2 特訓コース

・日程:12/26~12/29 1/4~1/7(8日間)

・教科:国語       数学       英語

・時間:18:40~21:30

 

 

※中3は、原則として募集を停止しております。個別指導のご相談は承っております。

 

 

 

 

早いもので、間もなく今年一年が過ぎ去ろうとしています。

一年の終わりを知らせる鐘の音は、受験シーズンの到来を告げる合図でもあります。

 

また、「熱い冬」がやってきます。

冬期講習は、過去の蓄積と、未来への意志が交錯する時空です。

 

受験生のみなさん、がむしゃらに自分を鍛えてください。

「やるべきことをやり切る」ことが今年の冬期講習のテーマです。

(12月30日、31日、1月3日には、「過去問特訓」を行います。)

 

小6の都立中受検も、いよいよ追い込みをかけていきます。

過去問演習を中心に、入試の得点に直結する点の取り方を身につけていきます。

 

今年の受験生を追いかける学年のみなさんは、来るべき日に向けて、力をつけていきましょう。

3学期の定期テストは、一年の中で最も手ごわい相手です。

この冬休みに、準備を始めましょう。

 

 

 

今回も、ポスターを作りました。

 

touki-poster2015

 

モデルの男の子が「五郎丸ポーズ」をしていると、生徒の間で話題になっています。

そういえば、ラグビーの日本代表も、周到な準備と鋼の意志を武器に、圧倒的な力の差を跳ね返し勝利を手にしたのでした。

受験生にとっても、大きな教訓となったことでしょう。

 

よく知られているように、ラグビー日本代表のエンブレムは桜です。

桜は、私たちにとって、あまりにも象徴的な存在です。

このポスターの底部にも桜がわき上がろうとする意志を見せています。

厳しい寒さの中でじっと、雌伏しているのです。満開に咲きほこるそのときのために。

 

冬期講習は、勝利をつかむために力をあたためていく、そういう日々になるでしょう。

 

 

 

今回は、新聞の折り込みをたのまないので、校舎でお渡しする冬期講習のご案内として、チラシを作成しました。

結局、従来のデザインを活かして作ることにしました。

 

touki2015

 

ivyがスタートしてから、時間の制約の中でチラシやポスターなどのビジュアルデザインを試行錯誤してきたのですが、今あるデザインが、自分でできる範囲での到達点なのかもしれません。時間に余裕があれば、また違ったものが作れるのですが。本業ではありませんから、とことんやり尽せないのは残念ですが仕方ないですね。

 

たぶん、チラシ作りの「肝」は、「輪郭の強調」と「グラデーション」、そして「色のコントラスト」にあるのだと思います。

これらを調整したり組み合わせを試したりするのに何時間もかかってしまいます。

経験豊富なデザイナーは、きっと、こうした部分をサクッと決めてしまえるのでしょうね。

 

もう少し時間が取れるときに「モデルチェンジ」を試してみようと思います。

 

 

 

さて、中学生は期末テストの結果がだいたい出そろいました。あと何人か、確認できていない人がいますが。

これから12月の月例テストが予定されています。

中3は仮内申が告知され、三者面談がスタートしました。

土日も、勉強の合間をぬって私立高校の入試相談に行ったり、公開模試に行ったりして、大変な日々が続きます。

これから12月の月例テストが予定されています。

 

生徒にいろいろ話を聞くと、小学生の「マラソン大会」があったり、クラブチームの行事や部活の大会があったりして、忙しい人も多いみたいですね。

体調にはくれぐれも気を付けてください。

 

冬期講習までの残りの期間もおろそかにせず、踏みしめていきましょう。

そして、冬期講習。がんばっていきましょう。

 

 

(ivy 松村)