過去問の「リスニング」

今日授業後に卒業生が進路の報告に来てくれました。

 

高1、高2のころ、推薦で大学進学を考えているということで、定期試験に向けて、校舎に来て勉強していました。高3になって、どうしているかな、と思っていたのですが、部活動のために、数か月「合宿」のような状況の中、勉強していたそうです。

がんばりましたね。

 

おめでとうございます。

また、そのうち顔を出してください。

 

 

 

さて、先日の「入試特訓」についてもう少し。

 

 

日曜日の「入試特訓」では、「共通問題クラス」は25年度の入試問題、「自校作成コース」は25年度の西高の独自問題でした。

 

 

25年度は、「記述問題」の全盛期で、英国社などの文系科目の「記述」や「作文」で、得点を取り切れなかった生徒がいました。

 

 

また、英語では、いつもとは違う「リスニング音源」を使ったことで、点数を取り切れなかった生徒がいたのかもしれません。

 

 

都立高校の「過去問」を販売している出版社は意外と多くあります。

それで、個人的にいろいろな出版社の過去問を集めているのですが、今回は、ちょっとマイナーな出版社が刊行している「過去問」の音源を使用してみたのです。

 

 

実は、都立高校入試で実際に使われているリスニングの音声は、過去問に付属している「リスニング音源」とは異なっています。

過去問に付属している「リスニング音源」は、公開されている「原稿」をもとに、各出版社が「再現」して録音したものなのです。

 

ですから、出版社ごとに「リスニング音源」の「声」が違うのです。

 

 

普段の過去問演習は、「東京学参」や「声の教育社」の音源を使うことが多いのですが、いつもとは違う「声」も経験してもらうことにしたのです。

 

 

少し聞き取りづらい声だったかもしれません。

 

そのせいなのかどうか、わかりませんが、〔問題B〕の「Q2」は全員間違えていました。

 

しかし、まあ、この設問の正答率は7.9パーセントですから、もともと「難しい問題」ですが。

 

 

ある生徒は、「she saw old Tokyo.」というフレーズの「old」がうまく聞き取れずに、「all」にしてしまいました。

 

この問題が出題された「当該の入試」でも、「同じような間違い」が多かったということなので、「実際の入試問題」でも、やはり「old」が聴き取りづらかったのかもしれません。

 

 

別の「リスニング音源」であれば、聞き取れていたのかもしれません。

 

 

 

かなり「マニアック」というか、「ディープ」な話になってしまいますが、「リスニング音源」のなかでは、私は、「東京学参」がいちばんフェイバリットです。

 

 

「声の教育社」の「音源」は、男性の声が、かなりシブいというか、シブすぎるというか、けっこう年配の方の声で、「若い男の子の声」としてはちょっと違和感があります。

 

 

「東京学参」の男性の声は、若々しくて、さわやかです。

 

それから、「東京学参」の女性の声は、はっきりしていて非常に聞き取りやすい美しい声です。多分、「役者」の方なのではないかと勝手に想像するのですが、彼女は、一人で、さまざまな年齢や性別の「声」を使い分けていて、いつも聞き入ってしまいます。

 

 

とはいうものの、まったく皮肉なことに、「受験勉強」としては、「聞きやすい声」というのは、難点でもあります。

実際の入試問題で使用される声が、相対的に「聴き取りにくい声」であるかもしれないからです。

 

特定の「聞きやすい声」に慣れてしまうと、入試本番で、うまく放送を聞き取れなくなってしまうかもしれません。

 

 

 

もしかすると、今回の演習で、「いつもの声」を使用していたとしたら、「Q2」を正解できたかもしれません。

しかし、どのようなタイプの音でも、じっくりと聞きとる練習をしておくことも大切です。

 

 

しっかりと準備を進めていきましょう。

 

 

 (ivy 松村)

 

英語の語順の話②

英語を聞き取るときに、「語順」を意識することが、リスニング上達のポイントです。

 

 

ある英語のセンテンスが、「ミ・シスタ・サー・ラ・キャッティン・ラ・パーケェスタディ」と聞こえたとします。

 

 

まず、最初の「ミ」ですが、その後ろの「シスタ」が「sister」であることがわかるので、その前に置かれるはずの語を「推測」します。

 

「名詞」の直前に置かれる語は、形容詞や冠詞、代名詞などがあります。

「ミ」と聞こえるわけですから、それは「m」という子音をもつ1音節か2音節の語であると考えることができます。

 

そうすると、「my sister…」という「意味のかたまり」が浮かび上がってきます。

 

 

「ミ」という「音」から判断するのではなくて、「シスタ」を含め、文を構成する語との「関連」で捉えるわけです。

「ミ」と発音された瞬間に「その語」の意味が特定されるのではなく、文全体の構成が明らかになるにつれて、「その語」が輪郭をあらわすイメージです。

 

 

「my sister」の次に「サー」と聞こえる語が続きます。

 

文頭にある「my sister」は、名詞の「かたまり」ですから、これが「主語」であると推測することができます。すると、「サー」は動詞であると考えることができます。

 

今度は、「s」という子音を持つ1音節か2音節の動詞を類推します。

 

「see」や「sell」「sit」「set」「say」…などが候補となります。

 

しかし、「主語」は「my sister」です。

その動詞が現在形なのだとすれば、「s」が付けられることになります。

 

「sees」「sells」「sits」「sets」「says」…。

 

そうなると、これらの語は「サー」と聞こえるはずがありません。

 

当然、進行形や完了形、未来形であるはずがないので、「サー」と聞こえる語は過去形であるということになります。

 

「saw」「sold」「sat」「set」「said」…。

 

「sold」は除外されます。「sat」「set」「said」には破裂音が現れます。「ッ」という「つまる音」(促音)です。

 

よって、「サー」と聞こえる動詞は「saw」(ソウ)しかありえません。リスニングの経験を積んで、「サー」と聞こえる「音」と「saw」という語が脳内で常に連結されるようになれば、自然に意味を感知できるようになります。

 

 

同じように、「saw」の後ろには「目的語」が置かれるはずだということが推測てきます。

つまり、名詞か名詞句が並べられるはずです。

したがって、「ラ」と聞こえる「弱い音」が、「the」なのだと特定できるわけです。

 

「キャッティン」と聞こえる部分の後ろにも「ラ」と聞こえる「the」があります。

そうすると、さらにその後ろにある「パーケェスタディ」も、名詞を含む語の「かたまり」であるということになります。

 

 

「パーケェスタディ」は、「音の連結」によって語が「つながって」います。

後半部分が「yesterday」であるとわかれば、前半の「パーケ」と聞こえる部分の語末は「k」の「音」であると思いつくことができるでしょう。

すると、これらの語の「かたまり」は「the park yesterday」となることがわかります。

 

 

「the park」という名詞の前には、前置詞が配置されるはずです。

 

したがって、「パーケェスタディ」の前に置かれている「キャッティン」と聞こえる語のつながりは、前半が名詞、後半が前置詞であるということになります。

 

これが「cat in」であると特定できれば、文全体が浮かび上がってきます。

 

 

「ミ・シスタ・サー・ラ・キャッティン・ラ・パーケェスタディ」

 

→「My sister saw the cat in the park yesterday.」となるわけです。

 

 

 

もちろん、全ての英語話者が、毎時このような「パズル」を解きながらコミュニケーションしているというわけではありません。

 

耳が慣れてくると、もっと直接的に、発音された英語の文の意味を把握することができるでしょう。

 

 

 

耳が慣れてくるまでは、「考えながら聞く」ことがとても重要です。

 

英語の聴き取りは、「音」だけを頼りにして語を特定しようとしても、なかなかうまくいきません。

短期間で英語のリスニングの力を向上させていこうとすれば、「語順」を意識しながら練習したり、訓練したりすることが必要です。

 

 

(ivy 松村)

 

 

平成27年度都立高校入試のリスニング③

本年度の都立高校入試、英語のリスニング問題、大問1の「問題B」をみてみましょう。

 

 

平成27年度、「Q1」(正答率?%):

Q1:What are the students studying about?

A:Life in the sea near Tokyo.

 

この問題は、以下の部分に注目することで、解答することができます。

 

They are members of the Science Club of a high school in Tokyo and studying about life in the sea near Tokyo.

 

本年度は、「ラジオニュース」が流されましたが、インタビューなども挿入されたために、内容の把握は非常に難しかったようです。

 

この問題では、「they」=「the students」であることをつかまなければなりません。

「they are」と「studying」が離れているので、構文をつかみ切れなかった生徒も多かったと思います。

 

放送の序盤で、海を清掃する内容が述べられます。そのため、受験生は反射的に「ボランティア活動」に関連した設問を意識してしまいます。

当然、そうした予断は、解答を導くための障害になります。

 

そして、「life」の意味を「生物」ではなく、「生活」であると限定してしまった生徒は、「清掃」→「海の(中の)生活」について「学ぶ」、という関連が不自然に思えて、解答にたどり着けなかったかもしれません。

 

 

 

平成27年度、「Q2」(正答率?%):

Q2:How long does Tanaka Taro want to keep Fishing?

A:Thirty more years.

 

この問題は、以下の部分に注目することで、解答することができます。

 

He wants to keep fishing for thirty more years.

 

 

問題の形式と解答に使う部分の構造が対応しているので、一見簡単なように思えますが、解答部分の前に、「fifty years」「forty years」という「釣り餌」がちりばめられています。これに反応してしまって、解答が示してある後ろの部分を聞き逃してしまうと、正解することができないかもしれません。

 

また、「thirty years」ではなく、「thirty more years」としたことで、聴き取りの難度が上がっています。

 

さらに、「30」ではなく「13」と聴き取ってしまった受験生もいたかもしれません。

 

 

 

本年度のリスニングの「問題B」は、英文の放送がスタートした後で、英語を聴き、「高校生が海岸を清掃している」という話題をつかまなければなりませんでした。

つまり、状況設定をも「英語で」理解する必要があったのです。

これが、まず難度を高くしました。

 

そして、前半では東京の高校の「科学部(理科部)」の部員、後半では「田中太郎さん」と、ニュースの主体となる存在が入れ替わります。

一部の受験生は、これによって内容がつかみ易くなったかもしれません。

しかし、多くの受験生にとっては、扱う情報が増え、より難度が上がってしまいました。

 

そのうえ、上記のように、設問自体に高度な聞き取りが要求されたため、非常に難しい問題として受験生に立ちはだかることとなりました。

 

 

 

 

 

さらに、参考として、リスニングの「問題B」のなかで、過去の、正答率の低かった問題についてもみてみましょう。

 

 

 

平成26年度、「Q1」(正答率13.6%):

Q1:What will Pat Lewis talk about?

A:His life as a player.

 

この問題は、以下の部分に注目することで、解答することができます。

 

A baseball star is going to come to our city and talk about his life as a player. He is Pat Lewis.

 

 

この年度から、英語の放送を聴くまで、「話題」が何なのかわからないという新しい形式になったことでとまどった受験生もいたようです。

状況設定がわからないので、全くの予期のないままで英語を聴き取らなければなりません。

 

「Pat Lewis」という対象人物の名前は、「トークショー」があるというイベントの告知の後になって示されています。

受験生は、「Pat Lewis」の後ろに解答に使う部分があるという先入観を持ってしまうので、直前に気が付かないのです。

 

この構成は、作為的であるといえるでしょう。

 

 

 

平成26年度、「Q1」(正答率9.1%):

Q1:What time will Pat Lewis start to talk next Saturday?

A:Two in the afternoon.

 

この問題は、以下の部分に注目することで、解答することができます。

 

Pat will talk at Old Big Tree High School next Saturday. He will talk for one hour, from two to three in the afternoon.

 

 

後半で、「one」「two」「three」と数字が立て続けに登場し、受験生を困惑させました。

また、「start」という動詞が使われず、2度目の放送時に、生徒が予期しがちな「o’clock」も使われません。

さらに、「two to three」(トゥー・トゥー・スリー)という音のつながりが示す語を特定することも難しかったかもしれません。

 

この問題は、明らかに、「発音」や「構文」からではなく、「内容」を聴き取ることによって正解に至る能力を求めています。

これは、平均的な学力の中学生にとっては、簡単なことではありません。

作問者は意図的に、正答率を下げようとしていると思われます。

 

 

 

平成25年度、「Q2」(正答率7.9%):

Q2:Why was Kate happy when she took the school trip?

A:Because she saw old Tokyo.

 

この問題は、以下の部分に注目することで、解答することができます。

 

I was very happy because I saw old Tokyo. The trip was very exciting for me.

 

 

この問題の文章は、留学生のKateのスピーチであることが知らされています。

ですから、「I」=「Kate」であることを念頭に聴き取りを行います。

 

この問題に受験生が苦戦してしまうのは、この質問の形式だと、2回目の放送時でも、「when I took the school trip」というフレーズを探してしまうからです。

 

また、「the school trip」という大きなヒントとなる語の現れる部分と、解答に使われる部分が離れすぎていることで、特定が難しくなっているようです。

 

 

 

平成22年度、「Q2」(正答率11.1%):

Q2:What is going to use one of Nancy’s new songs?

A:A Japanese movie.

 

この問題は、以下の部分に注目することで、解答することができます。

 

In the concerts, I’m going to sing some new songs. A Japanese movie is going to use one of them.

 

多くの受験生は、whatで聞かれたときに、反射的に目的語(や補語)に解答を求めてしまいます。

つまり、2回目の放送でも、「… is going to use ~ 」の「~」を聞き取ろうとしてしまうのです。そして、「them」の内容が解答であると考えてしまいます。

 

リスニングテストにおいては、代名詞が出てきたときに処理が困難になることも統計的に確認できます。

この問題の場合、「one of them」となっている部分を「one of Nancy’s new songs」と特定することができずに、正解にたどり着けなくなってしまうのです。

 

 

 

 

本年度の入試問題や、その他の情報を分析することで、来年度の入試問題の輪郭がおぼろげながらに見えてきます。

「まともな」学習塾は、それをもとに、一年間の指導内容を練り、実践することになります。

 

 

ところで、どんな入試問題が出てきても大丈夫な本物の学力を身につけさせる!…というような豪語を放ち、入試問題分析を疎かにする塾の人がいたら、ちょっと痛いです。

その人に教わっている生徒は、みんな上位校に進学するのでしょうか。

 

 

入試問題の分析が、塾の教師の本質的な任務です。

 

それをパッケージにして、生徒に伝達することが、私たちの仕事の中心です。

 

 

(ivy 松村)

平成27年度都立高校入試のリスニング②

近年の都立高校入試、英語の大問1、リスニング問題の「問題B」についてみてみましょう。

 

 

平成27年度(163語)「ラジオ放送のニュース」

平成26年度(171語)「ラジオ放送によるイベント案内」

平成25年度(141語)「留学生のスピーチ」

平成24年度(141語)「外国人歌手へのインタビュー」

平成23年度(130語)「東京観光のバスツアーのガイドの説明」

平成22年度(138語)「テレビ番組に出演した外国人歌手からのメッセージ」

平成21年度(126語)「修学旅行の行動予定の説明」

 

 

まず、注目したいのは、その「長さ」です。

平成26年度から、使われる語数が多くなっていることが確認できます。

それだけ、放送される時間、処理しなければならない情報が増えました。

 

また、平成26年度と本年度は、英語による文章が読み上げられる前に、「ラジオ放送」であるという情報しか与えられなかったので、それだけ高度な聴き取りが求められることになりました。

 

例えば、25年度以前の問題では、これから放送される英語の文章の、「内容」を事前に把握したうえでリスニングを行うことができました。

「外国人歌手へのインタビュー」や「バスガイドの説明」であることなどが、英文を放送する前に、日本語で知らされていました。

すると、「今度の曲は・・・」「次に向かうのは・・・」といった内容が予期できます。

 

しかし、この2年では、何について述べられているのかという「内容」も「英語で」聴き取らなければならなくなっています。

 

 

 

正答率をみてみましょう。

 

 

Q1 Q2 大問正答率
平成27年度
平成26年度 13.6 9.1 38.1
平成25年度 42.4 7.9 65.5
平成24年度 44.8 30.0 55.4
平成23年度 41.6 40.7 66.0
平成22年度 52.7 11.1 55.9
平成21年度 34.6 26.3

59.5

 

 

都立高校入試の英語のリスニングテストは、選択問題を3問出される「問題A」と、記述解答が2問要求される「問題B」の計5問の出題となっています。

 

上の表の「Q1」「Q2」は、「問題B」の2問の各年度の正答率です。

「大問正答率」は、「問題A」と「問題B」を合わせたリスニングの大問1全体の正答率です。

 

 

平成22年度の「Q2」の正答率は11.1%と低下しました。難度の高い問題が出されたのです。しかし、翌年には「修正」されて、40.7と再び易化しました。

 

 

平成25年度では「Q2」は7.9%と、著しく低下しています。しかし、「大問正答率」は非常に高くなっています。

この年の「問題A」の正答率が、86.5%、97.7%、92.5%と、非常に高くなっているからです。

 

おそらく、「問題B」の「Q2」を難化させるために、バランスを取ったのでしょう。

 

 

そして、平成26年度で、「問題A」「問題B」ともに難化します。

問題Bは「Q2」だけでなく、「Q1」も難化し、それぞれ正答率は9.1%、13.6%となります。

さらに、「大問正答率」も大幅に下降し、38.1%となりました。

 

本年度は、26年度に低下した正答率が、「修正」されて上昇するのか、難化傾向が規定となり押し下げられたままとなってしまうのか、という今後の方向性を確認する年度だったのです。

 

結論としては、今後、リスニングは難化することになりそうです。

本年度も「問題B」で厳しい問題が出されました。

 

 

ただ、予兆はありました。

平成26年度のリスニング問題において、かつてないほどに低い正答率が認められたにもかかわらず、東京都教育委員会は、この年度のリスニング問題に関して以下のように総括していました。

 

「…比較的単純な内容については、概要や要点を聞き取る能力が身に付いていると考えるが、やや複雑な内容についての概要や要点を適切に聞き取る能力が十分ではないと考えられる。」

 

つまり、正答率が低いのは、入試問題のせいではなく、生徒の能力が不足しているからだという見解を示していたのです。

ですから、おそらくは「修正」するのではなく、難化の方向に舵を切るのではないかと思われていました。

 

 

 

実際に、東京都の中学3年生がどれくらい正答するのかは、集計を見てみなければわかりません。今年は、かなり気になります。

 

 

答案再現で以外と難しいのが、この英語の大問1の「問題B」です。

 

入試本番よりも答案再現を優先させるわけにはいきませんので、基本的に記述解答はメモらせず、生徒が校舎に帰ってきてから、覚えている範囲で書いてもらいます。

(記述内容も必ず解答用紙にメモをさせるような、どうしようもない塾もこの世にはあるのでしょうか?)

 

うろ覚えになっていることもよくあって、その場合は、結局、不正解として計算することになります。

 

 

 

(ivy 松村)

平成27年度都立高校入試のリスニング①

本年度の高校入試では、英語のリスニングテストでトラブルが発生し、当該の2校はリスニングテスト不成立となりました。

 

そのうちの1校が、小金井北高校です。

小金井北はリスニングのすべてが不成立とされ、受験生全員に一律20点の加点がなされました。

小金井北は都立の上位校ですので、入試結果に影響が生じるかもしれません。

 

本年度の英語の共通問題は、リスニングの大問1以外では、ほとんど差がつかない内容でした。小金井北を受験する層の生徒が、落とすとすれば、大問4の〔問4〕(1)の解答形式に引っかかるくらいだと思います。

 

英作文もありますが、英作文の点数を大きく落とすことになるのは、「あること」などをしたときぐらいで、基本的に、英作文では「普通の英文」を書いておけば、大きな点数の差はつきません。

(逆にいえば、「あること」などをしなければ、英作文ではある程度の得点を確保できます。)

 

 

今年のリスニングの問題は、得意とするものとそうでないものの間で、12点の差が出るはずの問題でした。

本人が理解しているかどうかはともかく、これで救われた受験生とこれによって形勢が不利になった受験生がいたことでしょう。

 

さらに、教室によって、聞こえたり聞こえなかったりといった状況の違いがあったようです。リスニングを聞き取ることを止めて、問題を解き進めた生徒は、時間的な有利を手にしたはずです。

 

 

こうしたリスニングのトラブルは、近年では26年度、25年度、22年度でも起こっています。しかし、こうした予期せぬハプニングも含めて、「受験」なのだといわなければならないのでしょう。

 

 

本年度の入試では、リスニングの難化が進行するなかで、そのリスニングが、小金井北という高得点の競争となる高校の入試で無効となってしまいました。

複雑な思いがします。

 

 

 

英語のリスニングは、本年度の入試の焦点のひとつでした。

 

 

英語のリスニングは、共通問題もグループ作成も同じものを使用しますが、実は、昨年から、入試問題の作成者は、意図的にリスニングの難度を高くしようとしているのではないか、と感じていました。

 

昨年、平成26年度の、リスニング問題である大問1の「問題B」の2問が極端に難化しました。

それで、今後、リスニングの「問題B」を難化させる方針なのか、それとも、正答率を安定させる方向に「修正」するのか、今年度の問題は注目されていたのです。

 

 

結論からいえば、「問題B」は今後、難化しそうです。ただし、今年は、昨年度に比べてやや易化しているので、昨年度ほどの難度を継続するのではなく、正答率20~30%くらいの問題を作ろうとしているようです。

 

 

教育の現場から「ゆとり」が払拭され、いよいよ入試問題も、「何とか点を取らせてあげよう」というものから、従来の「選抜機能」を果たすものへと、少しずつ変異しているように思えます。

 

都立高校の入試は、学力を判定する、理解度の差を浮き彫りにする、点数の開きがくっきりとあらわれる、そういう問題構成へと変貌しようとしています。

そのため、これまで、あらゆる学力層を考慮してつくられていたリスニング問題も、やや上位層に合わせた構成になってきています。

 

リスニング問題はこれまで、特に、都立トップ高を受験する層にとっては、「みんなのボーナスポイント」のようなものでした。

それが、今や、点数を取るものと失うものを峻別する関門となりつつあるのかもしれません。

 

(ivy 松村)