都立中入試と「いりたま作文」②

「いりたま作文」の「原形」は、かなり古い時代から存在しています。

70年代、80年代にはすでに使われていたと思われます。

 

それは、もともと100~200程度で「意見」を書かせる入試問題に対応するために考案されたものです。

 

100~200字程度で「意見」を書く場合、結論を先に書くのがセオリーです。字数オーバーにならないように、まず、結論を書いて、残りの字数で、書き切れるように調整しながら「理由」を書くと、はやく、確実に問題に対処できるわけです。

 

ですから、「い」→「り」の順番で「作文」を書くというのは、あながち間違った方法というわけではありません。

 

たとえば、200字の「作文」を出題する三鷹中の入試問題などでは、堅実な答案をつくることができるでしょう。

 

私自身、まず200字程度で「意見→理由」を述べる「疑似いりたま作文」を書かせるところから、指導を始めます。

 

 

しかし、一般的な都立中の「作文」の解答を「いりたま作文」で書くと、バランスを欠いた薄気味悪い文章が出来上がります。

 

ひとつは、先に書いたように、「なぜなら」を適切に使うように指導がなされていないからです。

 

さらにもうひとつ、まったく単純な理由を挙げることができます。

 

多くの都立中の「作文」は、400字程度の字数設定となっていますが、その「400字」という字数が、「いりたま作文」が有効性を発揮する「キャパ」を超えているわけです。

 

「いりたま作文」で「400字の作文」を書くと、冗長になってしまうのです。

 

 

200字程度が「最適」である「いりたま作文」を、「400字」に適合させると、答案用紙を「埋める」作業が必要になります。

そのため、多くの「いりたま作文」が、「た」にあたる「体験」を引き延ばして書き、文量を稼ぐような構成になります。

 

著しくバランスを書いた答案になると、400字のうち、300字程度も「体験」を書き連ねるというような歪な「作文」が出来上がります。

 

 

このような「体験」で「水増し」をするという「作文」の書き方を、都立中は嫌厭します。

 

それで、さまざまな「指示」を与えて「作文」の内容を制御したり、「体験」そのものを「作文」に組み込めないような出題形式にしたりして、「水増し作文」を封じ込める「対策」が取られるようになったわけです。

 

 

 

前にも書いたように、私は、「いりたま作文」をあまり好ましく思っていません。

 

 

ここではあまり多くを述べませんが、「いりたま作文」は、その文章自体に欠陥があらわれやすいということ以上に、「その型」で文章を書き続けるということに大きな弊害があります。

 

 

しかし、それでも、「業界」がこれを受験対策に導入したことについては、ある意味当然のことだと考えています。

 

受験指導を行う者は、「合格」に対して、現実的、合理的であるべきだと思うからです。

 

 

 

都立中入試の黎明期に、「作文」に対応する「切り札」として導入された「いりたま作文」は、これまで、存分にその効果を発揮してきました。

それぞれの都立中で作成された「作文」の問題は、「いりたま作文」にがっちりハマるものが多くありました。

 

 

しかし、受検生のほとんどが「いりたま作文」を書くようになり、客観的な学力判定が困難になってしまいました。

 

そこで、「いりたま作文」を発動させないような問題形式が「トレンド」にあらわれてきたわけです。

 

 

近年、「適性検査Ⅰ」では、なかなか高得点を取れなくなっているという話を聞きますが、その主因は、やはり出題傾向の変化にあると考えられます。

 

「作問・採点側」は、「いりたま作文」を排除しようとしているのに、「指導・解答側」が、依然として「いりたま作文」(の応用)で対応しようとしているために、得点が得られないわけです。

 

 

 

「共通問題」の導入を契機として、都立中入試は、明らかに「新しいフェーズ」に突入しました。

 

 

いまや「いりたま作文」は「旧式の方法論」となりつつあります。

 

 

去年の段階ではまだ気づけませんでしたが、今年の入試問題を見て、確信しました。

 

 

 

今後は、「こちら側」も対策を考えていかなければなりませんね。

 

 

(ivy 松村)

 

 

都立中入試と「いりたま作文」①

過去4年間の都立中の「適性検査Ⅰ」の出題傾向を精査すると、立川国際以外の中学が、出題の「方向性」を固めてきていることがわかります。

 

 

「タイムライン」を整理すると:

 

① 27年度 「共通問題」がスタート

② 28年度 「共通問題」の「作文」に「構成の統制」の傾向があらわれる

③ 29年度 「独自作成」の各中学の「作文」に「構成の統制」の傾向があらわれる

 

 

 

これまで確認してきたように、桜修館、両国、南多摩、白鷗、三鷹のいずれの中学も、29年度以降、「作文」の出題に変化が確認できます。

 

 

適当な言葉が見つからないので、とりあえず「構成の統制」と表記しましたが、その「内実」は、大きく2つのポイントに集約できると思います。

 

 

・「作文」の「構成」(段落の数や内容)を細かく指示する

・「体験」(経験)をオミットする

 

 

 

このような出題形式を採用する「意図」は、明白です。

 

つまり、「ワンパターンな作文」の忌避です。

 

 

もうすこし具体的に述べると、「いりたま作文」というものを謝絶したいわけです。

 

 

 

「いりたま作文」というのは、「受験業界」で、「作文」を指導する際に用いられる「定型」です。

 

 

「い」…「意見」 私は、…について、~だと思う。

「り」…「理由」 なぜなら、~からだ。

「た」…「体験」 私にはこんな体験がある。(延々と体験を書き連ねる)

「ま」…「まとめ」 私は、このような体験を活かし、今後も努力したい。

 

 

とまあ、このような「流れ」で作文を書くと、「作文」に不慣れな生徒でも「作文」を書けるようになるということで、この「メソッド」が大いに普及したのです。

 

いってみれば、「いりたま作文」というのは、「作文」が苦手で、まったく手につかない生徒に、なんとかそれなりのものを書かせるための「苦肉の方策」だったわけですが、いつしか、受験における「作文」の定石のような扱いになってしまったわけです。

 

 

しかし、「いりたま作文」には、「日本語で書かれる文章」として、大きな瑕疵が存在します。

 

一般的な「教務感覚」を持った国語教師は、「それ」を憂慮するにちがいありません。

 

都立中の先生方の間で「そうした問題意識が共有されるに至ったタイミング」で、「いりたま作文」の放逐が推進されているのではないかと考えます。

 

 

「いりたま作文」について、少し考えてみましょう。

 

 

 

「いりたま作文」の肝は、「り」にあたる「理由」を述べる箇所です。

ここで、「なぜなら」という接続詞を使用します。

 

至極まっとうな日本語の感性を有した人であればすぐに気づきますが、この「なぜなら」が、「いりたま作文」に打ち消すことのできない違和感を与えているはずです。

 

 

たとえば以下の例文を参照してみましょう。

 

 

「私は兄が好きだ。なぜなら、優しいからだ。」

 

 

まっとうな感性を有した人であれば、この文章に不気味な印象を抱くでしょう。

自然な表現を求めると、以下のようになります。

 

 

「兄は優しい。だから、私は兄が好きだ。」

 

 

日本語は、「原因・理由」→「結果・結論」の順番に事柄を並べる言語です。

これが、日本語にとって、自然な表現です。

 

「なぜなら」をという接続詞を用いた表現は、「逆」です。

「結果・結論」→「原因・理由」の順番に事柄を並べています。

つまり、「倒置」をおこしているわけです。

 

もちろん、表現技法としての「倒置」は、日本語表現の一部として認められています。

書き手が、「倒置」を駆使することで、自分の伝えたいことをより明確に表現できると考えるなら、「倒置」を用いるべきでしょう。

 

しかし、「倒置」を使う必然性のないところで、意味もなくこれを用いれば、なんとも落ち着かない文章となってしまうわけです。

 

 

「なぜなら(ば)」という語は、江戸時代までの日本語にはありませんでした。

明治以降、西洋の言語を取り入れる際に、「発明」されたものです。

 

普段の会話の中で、「なぜなら」を使うことは、ほとんどないと思います。

この語が、日常的な日本語に組み込まれたものではないからです。

 

 

 

現代日本語で、「なぜなら」は、特別な使い方で用いられる語です。

「なぜなら」は、「理由」を特に強調して述べるときにのみ用いられるべきものです。

 

 

以下の表現には、違和感がないはずです。

 

 

「私はうそをつくことは必ずしも悪いことだとは思わない。なぜなら、うそが人を幸せにすることもあるからだ。」

 

 

「理由」を強調するために、あえて「なぜなら」を用いた「倒置表現」を「選択」するのであれば、「なぜなら」は見事に機能します。

 

そのためには、文脈上、「理由」が「焦点化」されるような内容の文章でなければなりません。

 

「理由」が、想像外のものであったり、一般的に推測しにくいものであったり、自分の意志を強く表明するようなものであったり、あるいは、「AではなくBなのだ」というような示唆を含む説明であったりする場合に、「なぜなら」は効力を発揮します。

 

 

「いりたま作文」を「オートマチックな型」として身に着けている生徒は、意外性がなくありきたりな「理由」を、「なぜなら」とともに使用します。

 

「読み手」は、「なぜなら」の後に、何か特別な「理由」が示されることを、推測しながら読みます。それなのに、「なぜなら」の後に、まったく「平凡な理由」が述べられているだけだとすると、文章を読む上での「平衡感覚」が狂ってしまうわけです。

 

 

 

少し補足しますが、学術論文や報告書などは、一般的に「結論」を導入で示します。

ですから、「結果・結論」→「原因・理由」の順序で事柄を並べます。

こうした「文書」を書くことが念頭にある人は、「いりたま作文」の問題点に気づきにくいと思います。

 

 

「いりたま作文」は、自然な日本語表現を身に着けるべき時期の「小学生」に、「特殊な型の作文」を刷り込んでいるわけです。

 

たとえ将来作家になれるほどの言語的な才能をもった生徒であっても、「いりたま作文」を仕込まれてしまうと、その道は閉ざされてしまうかもしれません。

 

 

 

「なぜなら」という語は、ある種の「麻薬」のようなものに思えます。

文章を書くのが苦手な人ほど、「なぜなら」に依存します。

 

その理由はけっこう単純で、「日本語」が未熟だからです。そのために、日本語の「違和感」に鈍感です。むしろ、それを「格調の高さ」だと思ってしまいます。

 

 

蛇足ですが、英作文でも、同じ傾向があって、「because」を使って、2文目に「理由」を書きたがる生徒が非常に多くいます。

 

当然、「because」を文頭にして「理由」を述べるような文を、2文目に置くことはできないわけですが、塾などでの受験指導では、そこを無理やり「That’s because」のような形にしてにして、なんとか2文目に「理由」を述べる文を置けるような「工夫」がなされます。

 

「その型」でなければ、文章を書けないような生徒が多いわけです。

 

 

もちろん、「単純な方法」で取り組む方が、利分が大きくなる、というタイプの生徒もいます。

しかし、当然のことですが、全ての生徒にとって、ある一つのやり方が、常に正しいということはありえません。

 

 

 

「いりたま作文」は、ある意味で自転車の「補助輪」です。

 

一人で自転車に乗れない子供が、自転車に乗る訓練をするという場合には、効果的な「方法」であるといえます。

 

いずれ、「補助輪」は外され、自転車は「あるべき姿」で走り始めるでしょう。

 

 

他方、「補助輪」をつけた自転車を上手に運転するために、ひたすら「補助輪」つきの自転車で練習し続ける人がいるとするならば、その人は、かなり的外れな考えの持ち主だと思われることでしょう。

 

 

 (ivy 松村)

 

都立中の「作文」④

白鷗中学は、28年度まで、「作文」に「条件」を設けていましたが、29年度から「条件」を失くしています。

他の中学が「構成の統制」を進めているのに対し、自由度を高くしているわけですから、ちょっと珍しい傾向だといえるかもしれません。

 

しかし、28年度からは、説明系の「作文」にシフトしています。

 

したがって、問題の「性質上」、「体験」を延々書き連ねるような「ワンパターン作文」を書いてしまうと、点数が上がってこないと思います。

 

 

白鷗27

〔問題3〕

あなたの将来の目標について、資料A 資料Bをふまえ、次の条件(1)~条件(3)を全て満たして四百字以上四百五十字以内で書きなさい。

 

条件(1) 学校や家庭での生活の中で、あなたが「直観」または「直感」を使った例や経験を書く。

条件(2) あなたの将来の目標に近づくために、今後身に着けていく必要があることを書く。

条件(3) 条件(1)の例や条件(2)の必要なことがどのように結びつくと考えるかを書く。

 

 

白鷗28

〔問題3〕

あなたの身近にある道具について、資料A 資料Bをふまえ、次の条件(1)~条件(3)を全て満たして四百字以上四百五十字以内で書きなさい。

なお、取り上げる道具を解答用紙の最初のらんに書きなさい。このらんは、字数に数えません。

条件(1) ある共通の機能を持ち、「多様性」を残しているものと、機能を特化したものを取り上げる。ただし、資料Bにある金槌とハンマーの例は用いないこと。

条件(2) 取り上げたものそれぞれの特徴について書く。

条件(3) 取り上げたもののうちどちらがよいか、あなたの考えとその理由を書く。

 

 

白鷗29

〔問題3〕

あなたは将来、海外から日本に来た方にどのようにして「おもてなし」をしようと思いますか。本文をふまえ、四百字以上四百五十字以内で具体的に書きなさい。

 

 

白鷗30

〔問題3〕

私たちが生きている社会の中で、資料B の「思考停止」してしまっている例を一つあげ、それを変え多様性を大切にしていくためにはどうしたらよいか、資料A、資料Bの内容をふまえて、あなたの考えを四百字以上四百五十字以内で書きなさい。

 

 

 

三鷹中もまた、29度以降、出題傾向が変わりました。

 

三鷹は、例年、「文学的文章」(小説・随筆)と「説明的文章」の2つの課題文が用意されます。

それぞれの文章について、記述問題が1題、「短い作文」(180~200字)が1題出題され、全体で計4題の出題となります。

 

つまり、三鷹中学の「適性検査Ⅰ」は、他の都立中と一線を画す出題形式となっているわけですが、詳細に見てみると、やはり最近2年の問題に変化がみられます。

 

 

28年度まで、200字程度の2つの「短い作文」は、ともに「体験」を組み込んで書くタイプのものでしたが、29年度以降、「体験」を組み込んで書くものは1つだけとなりました。

 

27年度の[1]の〔問題2〕は、ちょっと「イレギュラー」な出題となり、「体験」を組み込む指示のない問題となっていますが、従来2つの「短い作文」は、基本的に「体験」を組み込んで書く「傾向」が定着していました。

 

明確に「方向性」が固まり、「体験」を組み込むものが1つにしぼられるのは、29年度からです。

 

 

三鷹中の29年度以降の出題内容は、以下のように整理されました。

 

〔問題1〕「理由」の説明〔心情〕(50~60字)

〔問題2〕体験を組み込んだ「短い作文」〔主題〕(180~200字)

〔問題3〕「内容」の説明〔文脈〕(50~60字)

〔問題4〕「具体例」をともなった説明〔主題〕(180~200字)

 

 

三鷹中の、過去4年の「適性検査Ⅰ」の問題を確認してみましょう。

 

 

三鷹27

[1]

〔問題1〕「堂々と答えられる」のはなぜか。本文の言葉を使って、二十八字以上三十五字以内で説明しなさい。

 

〔問題2〕 「まど・みちお、という名前に出会うより、ずっとずっと前に、私は『ぞうさん』に出会っていた。」と同じように、次の空らんにそれぞれ十字以内の適語を入れて題名を作り、あなたにとって「出会い」とは何かを百八十字以上二百字以内で書きなさい。

 

[2]

〔問題1〕

空らんに入る語句を三字以上六字以内で書きなさい。

 

〔問題2〕

「なつかしい風景の復活」とありますが、自分の家と川がつながっていることを一人ひとりが意識しなければ、多摩川が再生の道を歩むことはできませんでした。川の汚染以外で、あなたが学校で学んだ環境問題を挙げ、それについてあなたの考えを学校生活の中での体験を交えて百八十字以上二百字以内で書きなさい。

 

 

三鷹28

〔問題1〕

宮崎県出身の友だちに不思議そうに「なんで?」と聞き返されたのだ。とありますが、それはなぜですか。六十字以上七十字以内で説明しなさい。

 

〔問題2〕

「私たちの目の高さは、蟻にとっては大空なんです」という言葉を通じて筆者が言いたいことを、あなたの体験を交えて一六〇字以上一八〇字以内で説明しなさい。なお、必ず「角度」「他者」ということばを両方用いること。

 

〔問題3〕

「人生は旅」という隠喩は、人生に対するどのような思考から生まれたものですか。筆者の言葉を用いて、四十字以上四十五字以内で説明しなさい。

 

〔問題4〕

あなたの小学校時代について比喩を用いて次の空らんの中に表しなさい。また、その比喩を用いた理由を、あなたの体験を交え、一六〇字以上一八〇字以内で説明しなさい。

 

 

三鷹29

〔問題1〕

ガネーシャが、『人間は意識を変えることはできない』 と言ったのはなぜですか。本文中にある「楽」「期待」の二語を必ず用いて、五十字以上六十字以内で書きなさい。

 

〔問題2〕

『変わる』 とは、この場面ではどのようなことを意味していますか。あなた自身の具体的な体験を交えて、百六十字以上百八十字以内で説明しなさい。

 

〔問題3〕

「明治のはじめ、日本は固有の文化はすべて価値なしと考えた。」

とあるが、そのように考えたのはなぜであると、筆者は説明しているか。本文で挙げられている例を出しながら、四十字以上五十字以内で書きなさい。

 

〔問題4〕

筆者の言うような、「外国の真似をすればいい、と誤った観念にしばられ」ない考えをもつためには、あなたはどうすればよいと思いますか。具体的な取り組みや手立てを挙げながら、一八〇字以上二〇〇字以内で書きなさい。

 

 

三鷹30

〔問題1〕

「ポロポロなみだをこぼし」とありますが、このときの小鳥がなみだを流した理由を、五十字以上六十字以内で説明しなさい。

 

〔問題2〕

「お父さまのおっしゃったこと」とありますが、霜王様の言葉から北風はどのようなことを学びましたか。本文中の言葉を使いながら、あなた自身の体験も交えて、百八十字以上二百字以内で説明しなさい。

 

〔問題3〕

「言葉の用いられ方や、言葉の持つ印象は時代によって変わっていく。」とありますが、時代によって変化していく言葉をどのように受け入れていけばよいと筆者は説明していますか。五十字以上六十字以内で書きなさい。

 

〔問題4〕

「名前が変われば、意識が変わる。常識が変わる。」とありますが、このことから筆者はどのようなことを伝えたいと考えていますか。あなたが考える「○○って、△△だ。」という命名法を用いた具体例を挙げながら百八十字以上二百字以内で説明しなさい。

 

 

(ivy 松村)

 

 

都立中の「作文」③

南多摩中は、「体験」をオミットしています。

この2年は、「説明」をさせる「作文」を出しています。

 

「パターン作文」では太刀打ちできない問題です。

 

 

それにしても、南多摩中は、作問者によって試験問題の「内容」が大きく変わることがあるかもしれないので、ちょっと注意が必要かもしれません。

 

 

南多摩27

〔問題2〕

あなたも実行委員として、会話 に参加しているとします。

まず、あなたは、たまお君とみなみさんのどちらの意見に賛成するか書きなさい。

次に、その意見が〝やさしいきびしさ〟または〝きびしいやさしさ〟のどちらにあてはまるか書きなさい。

さらに、あなたの体験をあげながら賛成する理由を書きなさい。

以上のことを四百字以上五百字以内でまとめなさい。

 

南多摩28

〔問題2〕

文章1・文章2をふまえ、あなたが「わかったつもり」から、具体的な経験を通して、本当に「わかった」ことを書きなさい。

以上のことを四百字以上五百字以内でまとめなさい。

 

南多摩29

〔問題3〕

「あなた自身、困こまったとき、「どうしたらいいだろうか」「どんなことをすればいいのかな」と無意識に自分や周りにいる誰かに問いかけているはずです。」と筆者は言っています。

では、私たちの社会や地域の中で、あなたが「どうしたらいいだろうか」と困っていることは何ですか。そして、それを少しでも良くするためにあなたは周りにどのように働きかけますか。次のページの〔手順〕にしたがって、四百字以上五百字以内で説明しなさい。

 

〔手順〕

1. あなたが「どうしたらいいだろうか」と困っていることを書く。

2. 1.で挙げたことに対して、なぜ困っているのか、理由を説明する。

3. 今の状きょうを少しでも良くするために、周りにどのように働きかけるか。あなたにできることを説明する。

 

南多摩30

〔問題3〕

自分の主張が受け入れられないとき、あなたはどのような歩み寄りの提案をしますか。

本文の内容をよくふまえ、次の〔手順〕にしたがって、四百字以上五百字以内で説明しなさい。

 

〔手順〕

1 自分の主張を理由とともに、具体的に書く。なお、何について主張するのかは自分で決める。

2 想定される別の意見を書く。

3 別の意見を言う人の意図をふまえ、歩み寄りの提案をする。

 

 

 

立川国際は、近年も、「体験」をふまえた「作文」を書かせるような出題が続いています。

ある意味で、「保守的」ですね。

立川国際は、いまや「特殊な」出題傾向の中学となっているので注意が必要です。

 

しかし、この中学も、ある年にいきなり「トリッキーな出題」がありそうで、ちょっと怖いですね。

 

 

立川国際27

〔問題3〕

「読書のたのしみとは、ほかでもない、この「どのように」を味わうことにあるのだから。」の「どのように」をわかりやすく説明した上で、自分の読書体験をふまえ、「読書のたのしみ」とはどのようなものか、あなたの考えを三六〇字以上四〇〇字以内で書きなさい。

 

立川国際28

〔問題3〕

「質問すること」が生み出すことは何だと筆者は言っているか。その筆者の考えをふまえて、「質問すること」に対するあなたの考えを、自身の経験をまじえて四六〇字以上五〇〇字以内で書きなさい。

 

立川国際29

〔問題3〕

筆者は、私たちが「自然に無理解になってきているようです」と述べていますが、本文を通して筆者は自然を理解するとはどのようなことが分かることだと考えていますか。また、この筆者の考えについてあなたはどう思いますか。あなたの考えを身近な具体例をあげて四百二十字以上四百六十字以内で述べなさい。

 

立川国際30

〔問題3〕

「本来のやさしさ」とは、どのようにすることだと筆者は述べていますか。また、その考えについてあなたはどう思いますか。あなたが今までに実際に受けたやさしさの経験を交え、あなたの考えを、四百六十字以上五百字以内で書きなさい。

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

都立中の「作文」②

三鷹、両国、白鷗、立川国際、南多摩、桜修館は、「適性検査Ⅰ」を独自作成しています。

 

ところが、興味深いことに、これらの中学の多くが「共通問題」の「影響」を受けつつあります。

 

「作文」の出題傾向に変化がみられます。

 

「共通問題」を作成するために、各中学校の先生が集まって、「意見交換」などが活発に行われるようになったことが、「独自問題」にも「効力」を及ばしているのだろうと思います。

 

 

特に顕著なのが桜修館です。

 

桜修館中学の「作文」は、従来、かなり自由度の高い出題でしたが、最近2年は、出題傾向が大きく変化しました。

 

 

桜修館27

次の詩を読んで、あなたが考えたことを分かりやすく書きましょう。

字数は、五百字以上、六百字以内とします。

 

桜修館28

次の資料を見て、あなたが考えたことを分かりやすく書きましょう。

字数は、五百字以上、六百字以内とします。

 

桜修館29

右の 文章 は日本の古い書物の中の一部分で、この文章は「名工(優れた工芸技術をもつ人)は少し切れ味の悪い小刀を使うという。奈良時代の名工の妙観の小刀はたいして切れない。」という意味です。

あなたはこの書物の著者は、この文章を通して、どのようなことを言いたかったのだと考えますか。また、あなたは「著者の言いたかったこと」について、どのように考えますか。

第一段落には、著者がどのようなことを言いたかったのかについて、あなたが考えたことを百字程度で分かりやすく書きましょう。

次に、段落をかえて、その「著者の言いたかったこと」について、あなたがどのように考えるのかを、いくつかの段落に分けて、分かりやすく書きましょう。

なお、全体の字数は五百字以上、六百字以内とします。

 

桜修館30

右の文章は江戸時代のある学者が、自分のもとで学ぶ若者もののために示したいくつかの文章の一部分です。

文章A は「水を飲んで愉快に思う人がいる。また、豪華かで美しい着物を着てなげき悲しむ人がいる。」という意味です。 文章B は「出る月を待つのがよい。散る桜を追ってはいけない。」という意味です。

この学者は、この文章を通して、どのようなことを言いたかったのだとあなたは考えますか。

解答らん①に「Aは……。」、段落をかえて「Bは……。」という構成で、全体で百六十字以上、二百字以内で分かりやすく書きましょう。

また、この二つの文章に共通する物事のとらえ方・考え方はどのようなものだとあなたは考えますか。そして、その物事のとらえ方・考え方について、あなたはどのようなことを考えましたか。あなたの考えを、解答らん②にいくつかの段落に分けて、四百字以上、五百字以内で分かりやすく書きましょう。

 

 

 

両国中も、出題傾向が変化してきた中学です。

 

両国は、以前から2つの課題文が出される問題の「形式」を採用しています。これは、「共通問題」と類似しています。

相違点は、問題数が多く、各文章に関する設問が2題ずつあり、「作文」を含めて5題の出題になることです。

 

28年度までは、「パターン」で処理できるような出題でした。

 

しかし、29年度は、「作文」に組み込む「要素」を細かく指示しています。

そして、30年度では、第一段落に2つの文章の要点をまとめるように指示しています。

 

 

両国27

〔問題5〕

文章1と 文章2を読んで、あなたの人生を幸福にするためには、どのようなことをしていきたいと考えましたか。次の二つの条件を満たしながら、三百五十字以上、四百字以内で書きなさい。

 

条 件

1.「記憶の自己」・「好奇心」というそれぞれの言葉が、本文で示している内容にふれること。

2.あなたがこれまでにやってきたことと、これからやりたいことをそれぞれ具体例として挙げること。

 

両国28

〔問題5〕

文章1と 文章2はどちらも「ものの見方」について書かれています。これらの文章を読んで、あなたは今後どのような「ものの見方」をしていきたいですか。次の二つの条件を満たしながら、三百五十字以上、四百字以内で書きなさい。

 

条 件

1.二つの文章に書かれている「ものの見方」について、それぞれの筆者の考えをまとめること。

2.あなたがこれまでにやってきたことと、これからやりたいことをそれぞれ具体例として挙げること。

 

両国29

〔問題5〕

いまの日本はたくさんの「馬車」があふれている とありますが、あなたは「いまの日本」にはどのような「馬車」があると考えますか。また、あなたが考えたその「馬車」の問題を課題発見的に解決するためにはどうすればいいと考えますか。筆者が述べている「課題解決」や「課題発見」ということばの意味をふまえて、あなたの考えを三百五十字以上四百字以内で答えなさい。

 

両国30

〔問題4〕

文章1 文章2 は、どちらも「成長」をテーマに、筆者の体験や意見が書かれています。二つの文章を読んで、あなたは自らを「成長」させるためには何が大切だと考えましたか。次の二つの条件を満たしながら、三百五十字以上、四百字以内で書きなさい。

 

条件1 第一段落には、 文章1文章2の要点をまとめること。

条件2 第二段落からは、あなたの経験をふまえた考えを書くこと。

 

 

 (ivy 松村)

都立中の「作文」①

「共通問題」が導入されて4年が経ち、都立中の入試問題の「方向性」が明らかになってきました。

ちょっと気付いたことを書いてみます。

 

 

都立中学の入試の「適性検査Ⅰ」では、いわゆる「作文」が課されます。

 

過去4年の「適性検査Ⅰ」の「共通問題」は、課題文が2つ用意され、それぞれの文章から1題ずつ記述問題が出されています。さらに、それに加えて「作文」が出題されています。

 

 

「共通問題」の体制がスタートし、漸次、「作文」の「構成の統制」が押し進められました。

27年度から、「三段落構成」が「標準」となり、28年度からは、段落の内容に詳細な指示が与えられるようになりました。

 

それによって、総合的に、より精度の高い学力検査が行えるような「安定的な問題」の作成が「本格化」しました。

 

 

各年度の「適性検査Ⅰ」の〔問題3〕を見てみましょう。

 

 

共通(小石川・武蔵・富士・大泉)27

〔問題3〕

人が何かを伝え合うときには、どのようなことが重要だと思いますか。 文章1と文章2、それぞれの要点をふまえ、あなたの考えを、三段落構成にまとめ、四百字以上四百四十字以内で書きなさい。

 

 

共通(小石川・武蔵・富士・大泉)28

〔問題3〕

あなたにとって「読書が与えてくれるもの」とは何ですか。「文章1」と「文章2」、それぞれの要点にふれ、あなたの考えを四百字以上四百四十字以内で適切にまとめなさい。ただし、次の条件に従いなさい。

 

条件1 三段落構成にし、第一段落には「文章1」、「文章2」それぞれの要点をまとめること。

条件2 あなたの考えは、一つにしぼって書くこと。

条件3 考えの根拠・理由を書くこと。

 

 

共通(小石川・武蔵・富士・大泉)29

〔問題3〕

文章1 と 文章2 それぞれの「自由」についての考え方に共通する内容をまとめた上で、それについてのあなたの考えを四百字以上四百四十字以内で書きなさい。ただし、次の条件に従したがいなさい。

 

条件1  三段落構成にし、第一段落には、文章1と文章2に共通している考え方を書き、第二段落および第三段落は、内容やまとまりに応じて、自分で構成を考えて書くこと。

条件2 あなたの考えは、一つにしぼり、理由をふくめて書くこと。

 

 

共通(小石川・武蔵・富士・大泉)30

〔問題3〕

あなたは、これから学校生活や日常生活の中で、何を大事にし、どのように行動していこうと思いますか。 文章1と文章2、それぞれの内容に関連づけて、四百字以上四百四十字以内で書きなさい。ただし、次の条件にしたがうこと。

 

条件  次の三段落構成にすること。

① 第一段落で、 文章1と文章2、それぞれの内容にふれること。

② 第二段落には、「①」をふまえ、大事にしたいことを書くこと。

③ 第三段落には、「②」をふまえ、行動を具体的に書くこと。

 

 

 

「共通問題」は、各都立中学校の先生方が共同で取り組まれます。

そのため、いろいろな「知恵」が集積され、出来上がる入試問題は、より合理的で洗練されたものとなります。

いわゆるところの「集合知」、ということができると思います。

 

 

さて、共通化以後の都立中の「作文」の骨子となっている「構成の統制」は、ある重要な「ポリシー」を示唆しています。

 

つまり、紋切り型の「ワンパターンな作文」の放逐です。

 

受検生に、「決まった型」を使って、毎度毎度「複製」を書き上げるようなやりかたで、「文章」を書く訓練をしてほしくないわけです。

 

「パターン」に当てはめて「作文」を書きあげるような「準備」を嫌っているわけです。

入試問題と、用意していた「パターン」がかみ合って、たまさか高得点を得る、というような状況を排除したいわけです。

 

さらにいえば、「体験」をオミットしました。

これも、けっこう重要な「転換」だと思います。

 

 

まあ、私がこのように思うのは、私が「そういう作文」を好ましくないと感じているからなのかもしれませんが、しかし、実際、入試問題の「読み取り」をすると「そういう結論」になりそうです。

 

 

(ivy 松村)

 

 

 

平成30年度の南多摩中適性検査②

「適性検査Ⅱ」をみてみましょう。

 

 

大問1

 

〔問題1〕

 

さいころの展開図です。絶対に落とせない問題です。

 

 

〔問題2〕

 

「かけ算の答え」と「割り算の答え」を足して、7になる計算式を考える問題です。

使えるのは1から6までの整数のうち、異なる4つだけです。

 

□×□+□÷□=7 (□÷□+□×□=7)

 

 

答えが7になる「足し算」の式は、以下の3つです。

 

・4+3=7(3+4=7)

・5+2=7(2+5=7)

・6+1=7(1+6=7)

 

「4と3」、「5と2」、「6と1」の組み合わせになるものを考えます。

 

 

・4×1+6÷2

・5×1+4÷2

・5×1+6÷3

 

 

以上のような解答があります。

(「6と1」の組み合わせは存在しません。)

 

 

〔問題3〕

 

使われているさいころは、「1」の面を上に置いているので、「6」の面が下になっています。

したがって、2・3・4・5が横の面になっています。「2と5」、「3と4」は向かい合っているので、となりあうことはありません。「2と3」の組み合わせを除くと、以下の組み合わせが残ります。

 

・2と4

・3と5

・4と5

 

図6と同じように、8個のさいころを書いて「見えている面」の合計を出せば、「60」になることがわかります。

そうすると、太朗さんのいう「おもしろいこと」というのは、「1の面を上にした」さいころの「見えている面」の合計は、常に「60」になるということなのではないかと推測できます。

 

「6」以外の面はすべて4つずつ存在します。

したがって、「見えている面」の合計は、常に「60」になるわけです。

 

(1+2+3+4+5)×4=60

 

 

 

大問2

 

〔問題1〕

 

東京スカイツリーは634mです。

一方、東京タワーは、333mです。

 

私たちの目には、「近く」にあるものは大きく見え、「遠く」にあるものは小さく見えます。

東京スカイツリーは東京タワーの2倍の高さです。
東京タワーが、東京スカイツリーと同じ高さに見えるということは、東京タワーが自分の「近く」にあるためであるということになります。

 

 

〔問題2〕

 

・三大都市圏・・・東京都市圏(首都圏)・名古屋都市圏(中京圏)・大阪都市圏(近畿圏)

・三大工業地帯・・・京浜工業地帯・中京工業地帯・阪神工業地帯

 

東海道新幹線は、「三大都市圏」・「三大工業地帯」を結ぶ高速鉄道であるととらえることができます。

 

表1の「人口」の資料からは、さらに横浜と京都を説明に加えることができます。

表2の「工業地帯・工業地域」の資料からは、さらに東海工業地域を説明に加えることができます。

 

 

〔問題3〕

 

グラフと割合の計算です。

 

定規を用意するように、という指示があったので、「グラフ」かもしれないと受検生に伝えていたのですが、やはりそうでしたね。

 

図4は、家電製品や乗用車などの普及率が大きく上昇していることが示されています。

 

図3のグラフの「その他」の支出割合は、1965年から1990年の間に増加しています。それは、多くの家庭で家電製品や自動車などの「耐久消費財」を購入するようになったからだということがわかります。

 

「食料」の支出が減っているのは、いわゆる「エンゲル係数」が低下しているということを示しています。

 

 

 

「東京都」には、オリンピック・パラリンピックを盛り上げ、成功させたいという大願があります。

「都立中学」の入試問題に、そうした「意気込み」が反映されていると考えることができます。

たぶん、「都立高校」の入試問題にも、同じような「傾向」が見られるでしょう。

 

 

 

大問3

 

〔問題1〕

 

この問題が、本年度の入試の「要所」となりました。

 

「1㎠」は「1㎝×1㎝」、つまり「10㎜×10㎜」=「100㎟」です。

したがって、「4㎟」の25倍です。

 

しかし、「2.5倍」であると勘違いをした受検生が多くいたはずです。

 

「単位」をきっちりと「攻略」していない受検生は当然失点したでしょう。

のみならず、普段なら間違うはずのない学力レベルの受検生でも、何人かは失点をしてしまったのだろうと思います。

 

「算数」の試験であれば慎重に対処できたはずの問題であっても、「適性検査」では、落としてしまうことがあります。

「適性検査」は、問いの説明や構成、解答形式がより複雑で、さらにスピードが求められます。

正確に、速く問題を「処理」しなければならないことが「あせり」を生み、受検生の「注意力」を散漫にしてしまいます。

 

 

〔問題2〕

 

会話文を読んで図をみれば、解答を導ける問題でした。

 

 

〔問題3〕

 

・「図5」→① 夏になると雨が降るので、地表の砂はかわいた状態ではなくなる

・「図6」→×

・「図7」→② 夏になると強い風が吹く回数が減るため、砂が巻き上げられなくなる

・「図8」→③ 夏になると東に向かう風が弱まるため、砂が日本まで運ばれない

 

 

 

今年の入試は、かなり易化しました。

「ボーダー」は相当高くなりそうです。

 

 

本年度の南多摩中の入試の「ポイント」を2つ挙げることができます。

 

1つ目は、調査書の点数の比重が高まったということです。

入試問題が易化するということは、多くの受検生の得点が、高得点域で均衡するということを意味します。したがって、調査書の点数が乏しい受験生は、「逆転」が難しくなります。逆にいえば、調査書の点数=学校の成績が良い受検生ほど有利になります。

 

2つ目は、私立中受験の勉強をしてきた受験生ほど有利になる「傾向」がいっそう強まったことです。

「適性検査Ⅰの問題1・問題2」は、私立中の入試問題と遜色ありません。

「適性検査Ⅱ」は、よりいっそう私立中入試に近接しました。

 

「共通」の入試問題を作成するということは、ある意味で、都立中の「適性検査」の「一般化」「普遍化」を促しているといえると思います。

それは、また同時に「易化」を進行させています。

つまり、「訓練を積んだ受験生」にとって「解きやすい」問題であるということです。

 

 

 

南多摩中は、これまで、「理科」や「算数」などの理系科目で、難解な問題が出されることが多くありました。そのため、理系科目を攻略することは、合格へ大きく近づくことを意味しました。

しかし、理系科目が易化しています。おそらく、大問1と大問3では、受検生の得点に大きな「差」はつかないでしょう。

 

したがって、今年の南多摩の入試は、「適性検査Ⅰの問題3」=「作文」が、合格への「鍵」になったかもしれません。

 

 

(ivy 松村)

 

平成30年度の南多摩中適性検査①

私立中、都立中の入試が終わりました。

おつかれさまでした。

 

南多摩中の入試問題の分析をしてみようと思いますが、ちょっと。

 

南多摩中を受けた生徒は、読まない方がいいと思います。

いずれにしろ、間もなく「結果」が出ます。

 

「塾の人間」は、過去に目を向けます。そういう「習性」なのです。

でも、「受験生」の目は未来を向いていなければなりません。

 

 

人生の大きな「節目」を乗り越えて、ひとつ、大きな財産を手に入れました。

 

明日から中学準備講座です。

さっそく、人生の次のステージの勉強を始めましょう。

 

 

 

まず、「適性検査Ⅰ」です。

 

「問題1」は第二の自己表現のタイプである「攻撃的自己表現」について記述する問題でした。

 

「どのように何を守ることですか」と問われているので、

 

①どのように、

②何を守る

 

という2つの「要素」を組み込んで解答を作ります。

文末は「~こと。」です。

 

 

①ですが、以下の箇所を解答に使えます。

 

第二段落「自分のことだけをまず考えて行動し」

第十二段落「自分が正しいかのように言い張り、相手を黙らせようとしたり、同意させようとしたりする」

同「自分と異なる意見やものの見方に耳を傾けようとせず」

 

 

②ですが、以下の箇所を解答に使うことができます。

 

第十一段落「自分の言い分や気持ちを通そうとする」

 

 

「自分のことだけを考えて行動し、自分の言い分や気持ちを守ること。」

「自分が正しいかのように言い張り、自分の言い分や気持ちを守ること。」

「異なる意見やものの見方を尊重せず、自分の言い分や気持ちを守ること。」

 

上のような解答であれば、大きく点数を落とすことはないと思います。

 

 

 

「問題2」は「アサーティブな自己表現」における「葛藤が起こる可能性」があるのはどのようなときかを答える問題でした。

 

解答の文末は「~とき。」です。

 

 

「葛藤」という言葉の意味を知らない、あるいは類推できなければ、解答を導くことができません。

 

 

解答には、第二十、二十一段落が使えます。

 

「意見や考えが一致せず、合意が得られないとき。」

 

 

 

いずれ学校から正式な「解答例」が公表されます。

 

「解答例」はいろいろな「情報」を示唆してくれますが、ちょっと注意しなければならないことがあります。

 

それは、「解答例」は、決して「的確な解答」というわけではないということです。

実は、都立中や都立高校の「記述問題」の「解答例」は、かなり「ルーズ」に書かれています。

 

「解答例」とかけ離れた表現で書いても、「内容」と「解答形式」に不備がなければ正解になります。

 

当たり前といえば当たり前の話ですが、「決まり切った答え」を求めるような入試問題ではないので、「解答」は「特定の様式の文」に収束しないのです。

 

さらに、学校側が、採点に「幅」を持たせるために、あえて課題文中の言葉を外して「解答例」を作ることもあります。

 

 

つまり、自分の解答に使用した「文中の箇所」や「語彙」が「解答例」に近似しているかどうか、だけで「正誤」や「部分点」を判断してはいけないということです。

 

「解答例」こそが「規範」であると勘違いしてしまうと、正しい筋道の思考が滞ってしまうので、受験勉強が「手詰まり」になってしまうこともあります。

「解答例」にたどり着くためにはどのように考えるべきなのか、というアプローチにこだわりすぎてしまうと、他の「間違っていない考え」も排除されてしまいます。

 

「解答例」は唯一の「正解」というわけではなく、ひとつの「例」にすぎません。

これは、都立中に限らず、あらゆる入試に挑む受験生が注意しておかなければならないことのひとつなのかもしれません。

 

 

 

「問題3」は「手順」が指示されています。

 

 

1 自分の主張を理由とともに、具体的に書く。

2 想定される別の意見を書く。

3 別の意見をいう人の意図をふまえ、歩みよりの提案をする。

 

 

人によって意見が分かれる「テーマ」を選ぶ必要があります。

つまり、自分に対する「反対意見」を提示する必要があるわけです。

ただし、それに「反論」するわけではなく、「歩み寄りの提案」をしなければなりません。

 

①自分の主張「~すべき」

②理由「~ためだ」

③別の意見「~という考えもある」

④別の意見をいう人の意図「~ためだろう」

⑤歩み寄りの提案「~することで、双方が納得できるのではないか」

 

 

 

都立中の「受検」では、「いりたま作文」というのが猛威を奮っていて、かなうのであれば、都立中の先生にどう思われるのか率直な「本音」を聞きたいと日頃思っているのですが、今年の南多摩の問題は、「いりたま崩し」だと思います。

 

「いりたま」を念頭において、これに依存して作文を書こうとした受検生は、大きく点数を落としたと思います。

 

都立中の「作文」は、ちょっと読めないところがあって、「いりたま」ががっちりハマる年もあれば、強烈な「いりたま崩し」となる年もあります。

 

「いりたま作文」というものについて都立の先生方が知らないはずはないので、「いりたま」がハマるような出題がなされたときには、先生方がある種の「諦念」のもとに「いりたま」に迎合したのかな、と思ったりします。しかし、その後、また、「いりたま崩し」が見られたりします。

 

そのうちだんだん、出題傾向の変化は「意図的なもの」ではなく、単に作問の担当が替わって、当年の担当者が「自分好み」の問題を作っているだけなのかな、と思うようになりました。

 

 

 (ivy 松村)

 

 

高校の国公立大学合格実績⑤(都立中・高)

前回の記事では、都立中学の国公立大学の合格実績をみました。

 

さらに、「中高一貫校・高校 大学合格ランキング」における都立中学と都立高校の順位を確認しました。

 

そこで、気になるのは、都立中学の国公立大学の「合格力」が、都立高校と比較して「どれくらい」なのか、ということです。

 

都立中学と都立高校では、「生徒数」が大きく違うので、それぞれの「序列」を「合格人数」をもとにして測るべきではありません。

 

そこで、「合格率」を用いるわけです。

 

 

「東京一工」、「旧帝一工」、「難関国立」、「国公立大」の「合格率」のランキングを作成してみました。

 

 

まずは、「現役」です。

 

(「現役」の数を公表していない高校は含めていません。)

 

 

 

東京一工

旧帝一工

難関国立

国公立

小石川 17.5 小石川 20.1 小石川 31.8 小石川 40.3
日比谷 14.3 日比谷 15.6 日比谷 25.2 八王子東 38.6
国立 9.2 西 12.8 戸山 22.7 戸山 32.5
西 8.8 国立 12.7 国立 21.4 国立 32.2
戸山 7.6 南多摩 10.3 西 19.8 日比谷 31.2
南多摩 7.5 戸山 10.1 両国 19.4 新宿 29.9
桜修館 7.1 桜修館 9.7 新宿 18.9 武蔵 29.7
武蔵 5.7 青山 8.0 八王子東 17.0 両国 29.0
大泉 5.7 武蔵 7.8 桜修館 16.8 大泉 28.1
青山 5.6 八王子東 7.4 青山 15.7 南多摩 28.1
両国 5.4 大泉 7.3 武蔵 15.6 国分寺 27.8
九段 4.9 両国 7.0 九段 15.5 西 27.4
新宿 3.8 立川 6.7 大泉 14.1 立川 27.4
立川 3.2 新宿 6.3 国分寺 14.1 九段 26.1
八王子東 2.9 九段 5.6 小松川 13.4 三鷹 25.7
三鷹 2.6 三鷹 3.9 小山台 12.6 桜修館 25.2
国分寺 2.6 国分寺 3.8 三鷹 12.5 立川国際 24.1
白鷗 2.2 小山台 3.2 立川 12.4 白鷗 22.1
富士 2.1 三田 2.2 立川国際 12.4 小松川 22.0
小山台 1.6 町田 2.2 白鷗 12.4 青山 20.3
三田 1.3 白鷗 2.2 南多摩 12.3 駒場 20.2
小松川 1.3 富士 2.1 駒場 9.0 富士 19.9
町田 1.1 小松川 1.6 富士 7.3 多摩科技 19.2
多摩科技 0.9 多摩科技 1.4 町田 6.3 町田 18.1
小金井北 0.8 立川国際 1.4 三田 5.7 小金井北 18.0
立川国際 0.7 駒場 1.2 小金井北 5.0 武蔵野北 14.2
駒場 0.6 小金井北 0.8 武蔵野北 3.8 調布北 13.0
武蔵野北 0.4 武蔵野北 0.4 調布北 2.5 日野台 12.9
豊多摩 0.3 豊多摩 0.3 多摩科技 2.3 北園 12.7
日野台 0.0 日野台 0.3 日野台 2.2 三田 11.8

 

 

 

次に、浪人生も加えた「合格率」です。

 

 

 

東京一工

旧帝一工

難関国立

国公立

日比谷 20.9 西 25.0 小石川 37.7 八王子東 59.5
小石川 20.1 日比谷 24.3 日比谷 36.8 国立 54.5
西 18.6 小石川 24.0 国立 36.6 小石川 53.9
国立 15.7 国立 22.5 西 34.8 立川 49.7
戸山 10.1 戸山 14.6 戸山 29.1 西 49.4
武蔵 7.8 立川 14.0 八王子東 25.4 日比谷 49.2
大泉 7.8 八王子東 12.2 立川 24.5 戸山 44.3
桜修館 7.7 南多摩 11.0 新宿 23.0 武蔵 38.0
南多摩 7.5 武蔵 10.9 両国 22.6 国分寺 37.4
青山 7.0 桜修館 10.3 青山 21.7 新宿 37.1
立川 6.1 青山 10.1 武蔵 19.3 小山台 36.3
両国 5.9 新宿 9.4 九段 19.0 両国 35.5
八王子東 5.8 大泉 9.4 桜修館 18.7 大泉 33.3
新宿 5.7 九段 7.7 大泉 18.2 三鷹 32.9
九段 5.6 両国 7.5 国分寺 18.2 桜修館 32.3
富士 3.1 国分寺 5.4 立川国際 15.9 南多摩 32.2
立川国際 2.8 三鷹 4.6 小山台 15.5 九段 31.0
三鷹 2.6 立川国際 4.1 三鷹 15.1 立川国際 30.3
国分寺 2.6 小山台 3.5 南多摩 14.4 青山 29.7
白鷗 2.2 富士 3.1 白鷗 13.7 富士 27.2
小山台 1.6 町田 2.6 小松川 13.7 多摩科技 25.4
町田 1.5 三田 2.5 駒場 11.8 白鷗 25.2
小松川 1.3 白鷗 2.2 富士 9.4 駒場 24.3
三田 1.3 駒場 2.2 町田 7.0 小松川 24.2
多摩科技 0.9 小松川 1.6 三田 7.0 町田 21.1
小金井北 0.8 多摩科技 1.4 小金井北 5.0 小金井北 19.2
武蔵野北 0.8 小金井北 0.8 竹早 4.6 竹早 17.2
豊多摩 0.6 武蔵野北 0.8 武蔵野北 4.6 武蔵野北 15.9
駒場 0.6 豊多摩 0.6 調布北 3.3 北園 15.6
国際 0.5 国際 0.5 多摩科技 3.3 調布北 14.6

 

 

 

「現役」では、圧倒的な「強さ」を見せる小石川ですが、「総合」では、都立トップ校が肉薄します。

 

 

都立中は、「総合」のランキングを落とす傾向がみえます。

 

 

つまり、都立中は、浪人生の合格が少ないわけです。

逆にいえば、「現役志向」が強いということになります。

 

一方、立川、八王子東、国立、西、日比谷といった都立高校は、浪人生の合格が多いので、「現役」よりも「総合」のランキングが上昇します。

 

 

 

国公立大学合格者のうち、浪人生が占める割合を確認してみましょう。

 

 

 

高校 国公立 現役 浪人数 合格者浪人率
立川 156 86 70 44.9
西 162 90 72 44.4
国立 201 119 82 40.8
日比谷 158 100 58 36.7
八王子東 185 120 65 35.1
青山 85 58 27 31.8
富士 52 38 14 26.9
戸山 158 116 42 26.6
国分寺 117 87 30 25.6
小石川 83 62 21 25.3  
桜修館 50 39 11 22.0
三鷹 50 39 11 22.0
武蔵 73 57 16 21.9
立川国際 44 35 9 20.5
新宿 118 95 23 19.5
両国 66 54 12 18.2
九段 44 37 7 15.9
大泉 64 54 10 15.6
南多摩 47 41 6 12.8
白鷗 57 50 7 12.3

 

 

 

気になるのは南多摩です。

 

南多摩中は、「浪人の世代」が1学年だけなので浪人生の数が少ないということもありますが、現役の実績に比して、浪人をして難関大学に再チャレンジする生徒が少ないことがわかります。

 

これは、いろいろな伝聞情報も総合したうえでの推測ですが、南多摩中の生徒は、上位層と下位層で、学力差の乖離が非常に大きいのではないかと思われます。

 

 

現代は、高校の「学力ランク」が高い高校ほど「浪人率」が高くなります。

 

そして、高校の「学力ランク」が下がるにつれて、現役の大学進学率が高くなります。

これは適切な言葉ではないかもしれませんが、ある意味で「妥協」するわけです。

 

 

具体的にいえば、立川や八王子東には大学受験に「妥協」をしない生徒が多く、南多摩には「妥協」をする生徒が多いということになります。

 

 

都立高校は、入学者の「学力レベル」がある程度均衡しています。

とりわけトップ校に集まる生徒の「能力」や「意志」といったものは、強い同質性を持っているわけです。

 

一方、都立中学は、一部の中学を除いて、生徒の「学力レベル」が「散漫」になっているのではないかと思われます。

 

 

たとえていうならば、1つの学校に、トップレベルの進学校と中堅以下の高校が「混在」しているイメージです。

 

都立中では、一定数の生徒の学力停滞がおこる傾向が、都立高校よりも顕著にみられます。

そのような生徒の「構成」の違いが、大学合格実績にあらわれます。

 

 

 

さて、各高校のデータを集めていて特に気になった高校が、国際高校です。

 

国公立大学への進学者が多くありません。

おそらく理数系を苦手とする生徒が多いからなのでしょうが、問題は、生徒一人ひとりの「好き嫌い」の話に終始できないように思います。学校全体で理数系科目が苦手な生徒が多ければ、受験指導のバランスを欠いてしまうおそれがあるわけです。

特殊な高校なので、他の高校と単純に比較することはできませんが、しかし、たとえば、東京外語大学などへの進学者はもう少しいてもいいように思えたりもします。

 

海外の大学への進学者が多くいますが、特に韓国と台湾への留学者が多くを占めています。その国にルーツがあったためなのかもしれません。

昨年に比べて、アメリカ合衆国の名門大学への進学者が増えています。しかし、こうした進学先は、「一般的な」公立中学から入学した生徒にとっても「現実的な進路」なのかどうか、ちょっとわからないような気もします。

 

 

「国公立大学の合格実績」という観点からみると、国際高校は「入口」の難易度と「出口」の実績が釣り合っていないという結論になります。

 

 

 

 (ivy 松村)

 

 

 

高校の国公立大学合格実績④(都立中)

都立中等教育学校と都立中高一貫校の大学受験の実績を調べてみました。

 

小石川、桜修館、南多摩、立川国際、三鷹の5校は、高校の募集を行わない6年制の中等教育学校、つまり「一貫校」です。

一方、白鷗、両国、富士、大泉、武蔵の5校は、高校からの募集を行う「中学併設校」ということになります。

 

両者は、厳密には、別の形態の学校ということになりますが、「中学入試」を行う学校群として、一般的に「都立中」と称されています。

 

 

では、最初に、「現役」の「東京一工」の合格者と「合格率」です。

 

 

 

現役 卒業生数 東大 京大 一橋 東工 合格率
小石川 154 11 6 5 5 27 17.5
南多摩 146 3 0 4 4 11 7.5
桜修館 155 2 1 6 2 11 7.1
武蔵 192 5 1 3 2 11 5.7
大泉 192 6 2 2 1 11 5.7
両国 186 3 0 5 2 10 5.4
三鷹 152 2 0 2 0 4 2.6
白鷗 226 0 1 2 2 5 2.2
富士 191 0 0 2 2 4 2.1
立川国際 145 0 0 1 0 1 0.7

 

 

 

次に、浪人も合わせた「合格人数」と「合格率」です。

 

 

 

合格人数 東大 京大 一橋 東工 合格率
小石川 14 6 5 6 31 20.1
武蔵 6 2 3 4 15 7.8
大泉 6 4 3 2 15 7.8
桜修館 2 2 6 2 12 7.7
南多摩 3 0 4 4 11 7.5
両国 4 0 5 2 11 5.9
富士 0 0 3 3 6 3.1
立川国際 1 2 1 0 4 2.8
三鷹 2 0 0 4 2.6
白鷗 0 2 2 5 2.2

 

 

 

小石川が他を圧倒しています。

 

小石川は、浪人生も含めると、学年の約20パーセントが最難関大学群である「東京一工」に合格しているという計算になります。

 

 

小石川を追う武蔵は、昨年までは堅調に実績を伸長させましたが、今年は、一転、伸び悩みました。

 

本年度の都立中入試は、武蔵はちょっと読みづらくなったように思います。

難関私立中との併願を見直す受験生が出てくるかもしれません。

また、志願者の減少傾向に歯止めがかかるのかどうか。ちょっとこれまでとは違った状況が生まれるかもしれません。

 

また、立川国際も、昨年の躍進から一転、低迷しています。

 

 

 

さらに、「旧帝大+一工」、「難関国立大」「国公立大」の合格状況を確認してみましょう。

 

 

まずは、「現役」です。

 

 

 

現役 旧帝

一工

旧帝

一工

難関

国立

難関

国立

国公立

国公

小石川 31 20.1 49 31.8 62 40.3
武蔵 15 7.8 30 15.6 57 29.7
両国 13 7.0 36 19.4 54 29.0
南多摩 15 10.3 18 12.3 41 28.1
大泉 14 7.3 27 14.1 54 28.1
三鷹 6 3.9 19 12.5 39 25.7
桜修館 15 9.7 26 16.8 39 25.2
立川国際 2 1.4 18 12.4 35 24.1
白鷗 5 2.2 28 12.4 50 22.1
富士 4 2.1 14 7.3 38 19.9

 

 

 

次に、浪人生の合格者を加えた合格状況です。

 

 

 

合格人数 旧帝

一工

旧帝

一工

難関

国立

難関

国立

国公

国公立

小石川 37 24.0 58 37.7 83 53.9
武蔵 21 10.9 37 19.3 73 38.0
両国 14 7.5 42 22.6 66 35.5
大泉 18 9.4 35 18.2 64 33.3
三鷹 7 4.6 23 15.1 50 32.9
桜修館 16 10.3 29 18.7 50 32.3
南多摩 16 11.0 21 14.4 47 32.2
立川国際 6 4.1 23 15.9 44 30.3
富士 6 3.1 18 9.4 52 27.2
白鷗 5 2.2 31 13.7 57 25.2

 

 

 

武蔵の過去3年間の合格状況を確認して見ましょう。

 

 

まずは、「現役」です。

 

 

武蔵現役 卒業生数 東京

一工

東京

一工

旧帝

一工

旧帝

一工

難関

国立

難関

国立

国公立

国公

29年度 192 11 5.7 15 7.8 30 15.6 57 29.7
28年度 197 18 9.1 28 14.2 51 25.9 82 41.6
27年度 191 16 8.4 21 11.0 42 22.0 74 38.7

 

 

次に、浪人生の合格者を加えた合格状況です。

 

 

武蔵 東京

一工

東京

一工

旧帝

一工

旧帝

一工

難関

国立

難関

国立

国公立

国公立

29年度 15 7.8 21 10.9 37 19.3 73 38.0
28年度 23 11.7 34 17.3 60 30.5 97 49.2
27年度 21 11.0 29 15.2 52 27.2 93 48.7

 

 

 

合格実績の下降をもたらす要因は、さまざまなものがありますが、なかには「ポジティヴな要因」も存在します。

 

 

合格実績を堅調に伸ばしていたある高校が、ある年に「足踏み」のような状態で「成長」を停滞させることがあります。

しかし、それは必ずしも「学力の低下」を原因としているわけではありません。

 

ある年代の受験生が、同調的に、リスクを背負って「より上位」の大学に挑戦するようなタイミングが訪れるわけです。

 

そうすると、その年、多くの卒業生が浪人の道を歩むことになるわけですが、次年度には、浪人生を含めた実績を伸ばすことになります。

 

こうした進学校の「成長段階」を、建物の階段の構造になぞらえて、「踊り場」と呼ぶことがあります。

 

今年の結果を糧とした受験生たちが来年に捲土重来を果たすのであれば、武蔵は、進学校としてさらなる「ステップ・アップ」を遂げることになるでしょう。

 

 

 

一方で、「ネガティブな要因」についても考える必要があります。

 

大きく2つの「見地」があります。

 

ひとつは、「入口」の「選抜」が適正に「機能」していなかった可能性です。

 

当該の学年の入学試験が、「入学させるべき生徒」を妥当に合格させるようなものではなかったのだとすれば、「出口」の実績が「苦しく」なるわけです。

 

 

個人的には、立川国際は「その可能性」を捨てきれないと思っています。

 

「対応力を求める部分」と、「学力の錬成度を測る部分」の「(得点)配分」を誤ってしまうと、「中学側が望まない逆転」が起きてしまいます。

また、特に、「作文」で、適切な採点基準のもとに得点の算出がなされなければ、受験生の学力と入試得点に齟齬が生じてしまいます。

 

 

都立中は、都内各地から多くの応募者を集める高倍率の受検になります。

ゆえに、応募者の「学力レベル」が低下したために「出口」の実績が下降するという事態は想定できません。

 

現実に、都立中学受検で不合格となった受検生で、西、国立、日比谷等の最難関の都立高校に進学し、難関国公立に合格する生徒が何百人といるわけです。つまり、ある意味で、彼らは中学側にとって「入学させるべき生徒」だったわけですが、こうした事実は、単純に、都立中受検は「十分な資質を有した応募者」を潤沢に集めているということを物語っているわけです。

 

多くの優秀な受検生が集まる都立中受検では、何よりもまず、「適切な選抜」を行うことが重要になります。

 

 

(武蔵の場合は、昨年は「高入生」の大学受験実績がよかったわけですから、「その点」からも分析する必要があります。そして、高校入試の場合は、どちらかといえば応募者の「学力レベル」が維持されているのかどうかが焦点になります。)

 

 

また、合格実績の下降をもたらすもうひとつの「ネガティブ要因」は、「道中」の指導です。

当該の学年の6年(ないし3年)の学習指導がうまくいっていなかった可能性も考えなければなりません。

 

 

 

ところで、卑近な話ですが、先日、本屋に足を運んだら、「中高一貫校・高校 大学合格ランキング」という雑誌が出ていました。

ちょうど都内の高校の大学合格実績を調べているときだったので、奇遇に思って、買っておいたのです。

 

それで、私は、あまりブログの記事を「書きため」せずに、書き終ったら投稿して、あとで見直して誤字などがあったら修正したりしているのですが、一応その雑誌に目をとおしてから「高校の国公立大学合格実績」の記事の続きを投稿しようと思って、いくつか書いたものをちょっと「寝かせておいた」のです。

 

 

で、「悲劇」が起きたのです。

 

 

原稿やデータが、消えてしまいました。(ノω・、) ウゥ・・・

 

 

 

実は、この記事は書き直したものなのです。

さすがにちょっと気落ちしてしまって、元の文章をうまく再現できませんでした。

実は、もうちょっといろいろ書いていたのですが。

 

いや~、まいりました。

 

 

 

「中高一貫校・高校 大学合格ランキング」を見てみると、都立では八王子東が最も高い順位でした。

気になったので、東京都のランキングのうち、都都立中高を抜粋してみました。

 

 

 

順位 学校名
8 八王子東
9 国立
13 西
14 小石川
15 日比谷
17 立川
20 戸山
25 新宿
31 両国
32 武蔵
33 小山台
34 三鷹
35 青山
36 国分寺
38 大泉
39 立川国際
42 桜修館
44 南多摩
51 小松川
54 白鷗
56 富士
59 町田

 

 

(ivy 松村)