高校の国公立大学合格実績③(データの「信頼性」について)

私は、高校の大学合格実績を調べるのに、高校のホームページから資料を入手しています。

また、毎日新聞出版が毎年発行しているサンデー毎日特別増刊の「高校の実力」という冊子を参考にしています。

 

「高校の実力」は、調査会社が取材したデータをもとに、全国の進学校の「大学合格者数」を掲載しています。

 

書かれてある「説明」によれば、ほとんどの私立大学は「高校別合格者数」を公表しているのだそうです。

 

一方、国公立大学は、その多くが「高校別合格者数」を公表していません。

「高校別合格者数」を公表していない国公立大学の合格者数の調査は、各高校に対して実施したアンケート調査をもとにしているということです。

 

したがって、基本的には、多くの国公立大学の合格者数は、各高校がホームページで告知している合格者数と変わらないものになります。

 

 

しかし、比較してみると、合格人数が違うこともあります。

 

もちろん、なにかしらの「ミス」の可能性がありますが、そうではない場合には、合格人数に「変化」があったために、高校が合格者数を「更新」したのだということになります。

 

そのほとんどは、人数が増えているケースです。

おそらく、アンケート調査の後に、合格の報告があり、判明した合格者を加算したのだろうと考えられます。

 

 

また、ごくまれに合格人数が減っていることもあります。

 

高校が、雑誌のアンケートに答えた後に、自校の合格者数を減らしたのだとすれば、それは、ちょっと「イレギュラー」であるように思います。

 

 

 

さて、「高校の実力」によれば、以下の国公大学などが「高校別合格者数」を公表しているとされています。

 

・岡山大学

・金沢大学

・京都工芸繊維大学

・千葉大学

・筑波大学

・東京農工大学

・鳥取大学

・広島大学

・横浜国立大学

 

 

上記以外の公立大学では、大阪市立大、大阪府立大、首都大学東京などが「高校別合格者数」を公表しているそうです。

 

「高校の実力」では、これらの大学の合格者については、大学から直接データを入手し、それをもとに合格者数を記載しているということです。

 

 

 

以下のように考えることができます。

 

・「高校別合格者数」を公表していない大学の合格者数については、高校がリリースしている資料のほうが「信頼性」が高い

・「高校別合格者数」を公表している大学の合格者数は、「週刊誌の情報」のほうが「信頼性」が高い

 

 

また、次のような「興味」をかきたてられました。

 

 

果たして、高校は、どこまで正確に合格者数を把握できているのだろうか。

 

 

大学が、本当に、合格者の出身高校の正確な情報を流しているのであれば、少なくとも当該の大学の合格者数について「実数」が明らかとなるわけです。

 

一方、高校がリリースしている合格者数は、基本的に、受験生の「報告」もとに作成されています。

(私立大学などの合格者数を確認するのに「週刊誌の情報」を取り入れる高校もありますが。)

 

都立高校のホームページには、まだ「報告」に来ていない卒業生に向けて、連絡をよこすように呼びかけているものも見られます。

 

つまり、高校が把握できていない「受験結果」があるわけです。

 

 

両者を照らし合わせることで、「受験結果の回収」の実像が、わずかばかりでも垣間見えるのではないかと考えたわけです。

 

 

 

そこで、上記の大学のうち、千葉大、筑波大、横国大の3大学の合格者数について、都内のいくつかの高校をピックアップして、チェックしてみました。

 

 

もちろん、同じ数の合格者数の高校もありましたが、合格者数が違う高校も多くありました。

調べた高校のうち、3分の1ほどの高校で、合格者数に違いが見られました。

 

また、興味深いことに、高校が公表している合格者数のほうが多かったのです。

 

 

 

筑波大学

  千葉大学

横浜国立大学

週刊誌

合格者

高校

合格者

週刊誌

合格者

高校

合格者

週刊誌

合格者

高校

合格者

西         5 3 -2
駒場東邦 4 3     9 8 -2
学芸大附属         6 5 -1
小松川 6 5         -1
豊島岡     8 7     -1
本郷     9 8     -1
城東     4 5 1 0 0
筑波大附駒場     4 5     +1
青山         2 3 +1
国立     10 11     +1
九段         1 2 +1
駒場         7 8 +1
八王子東         10 11 +1
都立武蔵     0 1     +1
麻布     13 14     +1
國學院久我山     2 3     +1
国分寺     3 4 4 5 +2
日比谷 8 9     3 4 +2
吉祥女子         12 13 +2
錦城     4 5 3 4 +2
戸山     15 16 8 10 +3
小山台     6 8 6 7 +3

 

 

 

このような数値の「不同一」が起こる原因は、限られています。

「大学の情報」が正確でないか、「週刊誌の情報」が正確でないか、または、「高校の情報」が正確でないか、です。

あるいは不正確な情報が複合しているのかもしれません。

 

もちろん、何が間違っているのかは、「だれにも」わからないことですが。

 

 

 

私も、度々「入力ミス」などをしてしまう人間なので、その「差異」は単なる「何かの間違い」である可能性を常に考えます。

 

しかし、「週刊誌」の合格者数を一応「現実のもの」と仮定して読み解くのであれば、「高校側が集めた情報」か「高校が公表している情報」のどちらか、またはどちらもが正確ではないのだということになります。

 

 

合格者数が少なくなるケースは、容易に想像が可能です。

その場合は、高校に「合格」を報告していない合格者がいるわけです。

 

 

一方、合格者数が増えているケースです。

 

その場合は、合格していないのに「合格」の報告をしているものがいるということになります。

 

考えてみれば、「虚偽の合格報告」の可能性はあります。

 

これは、広く一般にあり得る「可能性」について検討するものですが、合格しても行くつもりはないけど、一応、「後期試験」を受けました、と。で、合格したけれど、浪人するつもりです、と。

 

実際には、不合格だったけれど、体面を保つために「そういう報告」をするような人間は、世の中に、思いの他存在するのではないかというような気がします。

 

 

あるいは、他にも、いくつかの理由が思いつきますが。

 

 

 

それにしても、情報の「信頼性」は大きく揺らぎます。

 

 

 

けっこうあれこれ考えましたが、結局、「それ以外」のほとんどの国公立大学については、週刊誌も「高校の情報」に依存しているわけです。

結果としては、いろいろなものを飲み込んで、高校がリリースしている合格者数に依拠して、分析や考察をしてみようということにしました。

 

「情報源」が同一であるほうが、いくぶん、気分的に許容できるような気がしたわけです。

 

 

(ivy 松村)

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>