高校の国公立大学合格実績⑤(都立中・高)

前回の記事では、都立中学の国公立大学の合格実績をみました。

 

さらに、「中高一貫校・高校 大学合格ランキング」における都立中学と都立高校の順位を確認しました。

 

そこで、気になるのは、都立中学の国公立大学の「合格力」が、都立高校と比較して「どれくらい」なのか、ということです。

 

都立中学と都立高校では、「生徒数」が大きく違うので、それぞれの「序列」を「合格人数」をもとにして測るべきではありません。

 

そこで、「合格率」を用いるわけです。

 

 

「東京一工」、「旧帝一工」、「難関国立」、「国公立大」の「合格率」のランキングを作成してみました。

 

 

まずは、「現役」です。

 

(「現役」の数を公表していない高校は含めていません。)

 

 

 

東京一工

旧帝一工

難関国立

国公立

小石川 17.5 小石川 20.1 小石川 31.8 小石川 40.3
日比谷 14.3 日比谷 15.6 日比谷 25.2 八王子東 38.6
国立 9.2 西 12.8 戸山 22.7 戸山 32.5
西 8.8 国立 12.7 国立 21.4 国立 32.2
戸山 7.6 南多摩 10.3 西 19.8 日比谷 31.2
南多摩 7.5 戸山 10.1 両国 19.4 新宿 29.9
桜修館 7.1 桜修館 9.7 新宿 18.9 武蔵 29.7
武蔵 5.7 青山 8.0 八王子東 17.0 両国 29.0
大泉 5.7 武蔵 7.8 桜修館 16.8 大泉 28.1
青山 5.6 八王子東 7.4 青山 15.7 南多摩 28.1
両国 5.4 大泉 7.3 武蔵 15.6 国分寺 27.8
九段 4.9 両国 7.0 九段 15.5 西 27.4
新宿 3.8 立川 6.7 大泉 14.1 立川 27.4
立川 3.2 新宿 6.3 国分寺 14.1 九段 26.1
八王子東 2.9 九段 5.6 小松川 13.4 三鷹 25.7
三鷹 2.6 三鷹 3.9 小山台 12.6 桜修館 25.2
国分寺 2.6 国分寺 3.8 三鷹 12.5 立川国際 24.1
白鷗 2.2 小山台 3.2 立川 12.4 白鷗 22.1
富士 2.1 三田 2.2 立川国際 12.4 小松川 22.0
小山台 1.6 町田 2.2 白鷗 12.4 青山 20.3
三田 1.3 白鷗 2.2 南多摩 12.3 駒場 20.2
小松川 1.3 富士 2.1 駒場 9.0 富士 19.9
町田 1.1 小松川 1.6 富士 7.3 多摩科技 19.2
多摩科技 0.9 多摩科技 1.4 町田 6.3 町田 18.1
小金井北 0.8 立川国際 1.4 三田 5.7 小金井北 18.0
立川国際 0.7 駒場 1.2 小金井北 5.0 武蔵野北 14.2
駒場 0.6 小金井北 0.8 武蔵野北 3.8 調布北 13.0
武蔵野北 0.4 武蔵野北 0.4 調布北 2.5 日野台 12.9
豊多摩 0.3 豊多摩 0.3 多摩科技 2.3 北園 12.7
日野台 0.0 日野台 0.3 日野台 2.2 三田 11.8

 

 

 

次に、浪人生も加えた「合格率」です。

 

 

 

東京一工

旧帝一工

難関国立

国公立

日比谷 20.9 西 25.0 小石川 37.7 八王子東 59.5
小石川 20.1 日比谷 24.3 日比谷 36.8 国立 54.5
西 18.6 小石川 24.0 国立 36.6 小石川 53.9
国立 15.7 国立 22.5 西 34.8 立川 49.7
戸山 10.1 戸山 14.6 戸山 29.1 西 49.4
武蔵 7.8 立川 14.0 八王子東 25.4 日比谷 49.2
大泉 7.8 八王子東 12.2 立川 24.5 戸山 44.3
桜修館 7.7 南多摩 11.0 新宿 23.0 武蔵 38.0
南多摩 7.5 武蔵 10.9 両国 22.6 国分寺 37.4
青山 7.0 桜修館 10.3 青山 21.7 新宿 37.1
立川 6.1 青山 10.1 武蔵 19.3 小山台 36.3
両国 5.9 新宿 9.4 九段 19.0 両国 35.5
八王子東 5.8 大泉 9.4 桜修館 18.7 大泉 33.3
新宿 5.7 九段 7.7 大泉 18.2 三鷹 32.9
九段 5.6 両国 7.5 国分寺 18.2 桜修館 32.3
富士 3.1 国分寺 5.4 立川国際 15.9 南多摩 32.2
立川国際 2.8 三鷹 4.6 小山台 15.5 九段 31.0
三鷹 2.6 立川国際 4.1 三鷹 15.1 立川国際 30.3
国分寺 2.6 小山台 3.5 南多摩 14.4 青山 29.7
白鷗 2.2 富士 3.1 白鷗 13.7 富士 27.2
小山台 1.6 町田 2.6 小松川 13.7 多摩科技 25.4
町田 1.5 三田 2.5 駒場 11.8 白鷗 25.2
小松川 1.3 白鷗 2.2 富士 9.4 駒場 24.3
三田 1.3 駒場 2.2 町田 7.0 小松川 24.2
多摩科技 0.9 小松川 1.6 三田 7.0 町田 21.1
小金井北 0.8 多摩科技 1.4 小金井北 5.0 小金井北 19.2
武蔵野北 0.8 小金井北 0.8 竹早 4.6 竹早 17.2
豊多摩 0.6 武蔵野北 0.8 武蔵野北 4.6 武蔵野北 15.9
駒場 0.6 豊多摩 0.6 調布北 3.3 北園 15.6
国際 0.5 国際 0.5 多摩科技 3.3 調布北 14.6

 

 

 

「現役」では、圧倒的な「強さ」を見せる小石川ですが、「総合」では、都立トップ校が肉薄します。

 

 

都立中は、「総合」のランキングを落とす傾向がみえます。

 

 

つまり、都立中は、浪人生の合格が少ないわけです。

逆にいえば、「現役志向」が強いということになります。

 

一方、立川、八王子東、国立、西、日比谷といった都立高校は、浪人生の合格が多いので、「現役」よりも「総合」のランキングが上昇します。

 

 

 

国公立大学合格者のうち、浪人生が占める割合を確認してみましょう。

 

 

 

高校 国公立 現役 浪人数 合格者浪人率
立川 156 86 70 44.9
西 162 90 72 44.4
国立 201 119 82 40.8
日比谷 158 100 58 36.7
八王子東 185 120 65 35.1
青山 85 58 27 31.8
富士 52 38 14 26.9
戸山 158 116 42 26.6
国分寺 117 87 30 25.6
小石川 83 62 21 25.3  
桜修館 50 39 11 22.0
三鷹 50 39 11 22.0
武蔵 73 57 16 21.9
立川国際 44 35 9 20.5
新宿 118 95 23 19.5
両国 66 54 12 18.2
九段 44 37 7 15.9
大泉 64 54 10 15.6
南多摩 47 41 6 12.8
白鷗 57 50 7 12.3

 

 

 

気になるのは南多摩です。

 

南多摩中は、「浪人の世代」が1学年だけなので浪人生の数が少ないということもありますが、現役の実績に比して、浪人をして難関大学に再チャレンジする生徒が少ないことがわかります。

 

これは、いろいろな伝聞情報も総合したうえでの推測ですが、南多摩中の生徒は、上位層と下位層で、学力差の乖離が非常に大きいのではないかと思われます。

 

 

現代は、高校の「学力ランク」が高い高校ほど「浪人率」が高くなります。

 

そして、高校の「学力ランク」が下がるにつれて、現役の大学進学率が高くなります。

これは適切な言葉ではないかもしれませんが、ある意味で「妥協」するわけです。

 

 

具体的にいえば、立川や八王子東には大学受験に「妥協」をしない生徒が多く、南多摩には「妥協」をする生徒が多いということになります。

 

 

都立高校は、入学者の「学力レベル」がある程度均衡しています。

とりわけトップ校に集まる生徒の「能力」や「意志」といったものは、強い同質性を持っているわけです。

 

一方、都立中学は、一部の中学を除いて、生徒の「学力レベル」が「散漫」になっているのではないかと思われます。

 

 

たとえていうならば、1つの学校に、トップレベルの進学校と中堅以下の高校が「混在」しているイメージです。

 

都立中では、一定数の生徒の学力停滞がおこる傾向が、都立高校よりも顕著にみられます。

そのような生徒の「構成」の違いが、大学合格実績にあらわれます。

 

 

 

さて、各高校のデータを集めていて特に気になった高校が、国際高校です。

 

国公立大学への進学者が多くありません。

おそらく理数系を苦手とする生徒が多いからなのでしょうが、問題は、生徒一人ひとりの「好き嫌い」の話に終始できないように思います。学校全体で理数系科目が苦手な生徒が多ければ、受験指導のバランスを欠いてしまうおそれがあるわけです。

特殊な高校なので、他の高校と単純に比較することはできませんが、しかし、たとえば、東京外語大学などへの進学者はもう少しいてもいいように思えたりもします。

 

海外の大学への進学者が多くいますが、特に韓国と台湾への留学者が多くを占めています。その国にルーツがあったためなのかもしれません。

昨年に比べて、アメリカ合衆国の名門大学への進学者が増えています。しかし、こうした進学先は、「一般的な」公立中学から入学した生徒にとっても「現実的な進路」なのかどうか、ちょっとわからないような気もします。

 

 

「国公立大学の合格実績」という観点からみると、国際高校は「入口」の難易度と「出口」の実績が釣り合っていないという結論になります。

 

 

 

 (ivy 松村)

 

 

 

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