「事前受験」について

あちこちの中学で、仮内申が出はじめました。

中3の保護者面談/三者面談も順次ご案内しています。

 

本日の面談で、少し気になったことがあったので、ちょっと書いておこうと思って筆をとりました。

(いや、実際には、両手でキーボードをたたいているわけですが。)

 

 

さて、気になったのは、中学の先生の「殺し文句」です。

曰く、「行く気のない高校」を受けるのはおかしい、と。

 

これ、毎年毎年、受験生が聞かされる定型句ですが、この考えは非論理的で、全く思案する必要はないものであることを、世の中の受験生に知らせておきたいと考えました。

 

 

ご家庭と受験生本人が、熟慮されたうえで「主体的に」受験校を決めたのであればよいのです。

お決めいただいた受験日程に沿って、最高の結果を出すために、全力でサポートします。

 

しかし、もし、中学の先生の「決め台詞」に圧迫されて、受験を控えるというようなことがあるとすれば、それは、不条理だなと思ったのです。

 

 

 

都内(と神奈川)の私立高校の受験は、例年2月10日からはじまります。

 

2月10日は、多くの有力な私立高校の入試が行われます。

2月10日が本命、あるいは志望ランクの高い高校の入試日となっている受験生は、その日が、まさに「本番」となるわけです。

 

塾をはじめとする「受験関係者」は、いきなりやってくる「本番」で、受験生たちが十分に力を出し切れないという可能性を懸念します。

 

ですから、2月10日の前に、「予行演習」あるいは、「練習試合」のような意味で、他県の高校の受験を勧めたりするわけです。

 

もちろん、そのような「事前受験」は、つまりは「行く気のない高校」の受験となります。

 

 

しかし、それは憂慮すべきことではありません。

 

 

なぜなら、埼玉や千葉の私立高校は、自校の入試を「本番」前の「事前受験」に使ってもらうことを望んでいるからです。

つまり、「行く気がない」ということを受け入れているわけです。

 

もちろん、内心では、なんとか優秀な生徒に来てもらいたいと思っていらっしゃるでしょうが、距離などを考えたときに、通学するのはあまり現実的ではない、とわかっていらっしゃるわけです。

 

 

それでも、高校側にメリットがあります。端的にいえば、それは受験料収入です。

多くの生徒が出願をしてくれることは、高校にとっても非常に大きなプラスになるわけです。

 

受験生と高校、双方にメリットがあります。

「お互い」が「お互い」の立場を理解し、そのうえで、それぞれの「役割」を果たすことが両者に利益をもたらすわけです。

 

両者が共に満足し、お互いが「勝者」となるような良い関係のことを、最近の経済用語で「win-win(ウィンウィン)の関係」といいます。

 

 

 

受験生が2月10日より前に他県の受験をすることで、「誰か」が不利益を被るということはないのです。

 

そもそも、「受験」は受験生の「権利」です。

 

高校側がどんどん受けてくださいといってくれている受験を抑止される筋合いはないわけです。

 

 

 

先日、サッカーの日本代表がワールドカップの出場を決めました。

「我らがチーム」は、「本番」の前に、いくつかの調整試合を行うでしょう。

 

それで、「勝ち点」が増えるわけでもない試合をするのはおかしい、などと言う人が世の中にいるでしょうか。

 

当然、日本サッカー協会やスタッフは、チームが「本番」でより良い結果を得るために、可能な限りの万全の「準備」をしようとするでしょう。

 

「本番」前の調整試合は、大きな意味を持ちます。(極めて当たり前のことですが、その調整試合の相手が、「失礼なことをされた」などと思うことはありえない話です。 )

 

同じように、受験も、命運をかけた大一番の前に、できるだけの「準備」をするべきだという考えが、多くの人に提唱されるようになっているわけです。

 

 

 

ものすごく単純な所見を申し上げています。

 

それは、「本番」の緊張を和らげるために、事前に入試に慣れるための「準備」をしておきましょう、というまったくありふれた意見です。

 

それで、そうした受験生の「要望」を受けて、では、うちの受験を利用してもらってもかまわないですよ、といってくださる高校があるということですね。

 

 

もちろん、そのような「準備」を必要としない受験生もいるでしょう。

 

過去に、今まで生きてきて一度も緊張したことがない、と豪語する生徒もいました。

 

しかし、私たちは「塾」ですから、受験に際していろいろと心を砕くことが、「仕事」なわけです。

 

 

 

言うまでもないことかもしれませんが、最終的に「受験」を決めるは、受験生のみなさんとご家族です。

私の意見も、ある意味で「塾の側」の理屈 にすぎません。

最終的には、受験生のみなさんとご家族が、いちばん納得のいく形で「受験」をしていただくのがよいと考えています。

 

 

あと、念のため一応申し述べておきますが、高校に斡旋を依頼されているとか、そういったことは一切ありませんよ。(まあ、「そういう塾」もあるかもしれませんが。)

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

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