平成30年度都立高校の出願状況

都立高校の出願状況が公表されています。

 

 

進学指導重点校(G7)の状況を見てみましょう。

 

 

まず、男子です。

 

 

男子

倍率の推移 応募者数の推移
30年度 29年度 28年度 27年度 30年度 29年度 28年度 27年度
日比谷 2.38 2.48 2.61 3.29 314 328 347 437
戸山 2.52 1.95 2.36 2.90 332 290 314 386
青山 2.01 1.97 2.60 2.44 300 256 340 366
西 2.09 1.98 2.21 2.17 276 262 294 289
八王子東 1.67 1.15 1.40 1.44 220 152 186 192
立川 1.98 1.82 1.50 2.10 261 240 199 279
国立 1.75 1.52 1.93 2.15 231 200 257 286

合 計

2.06 1.84 2.09 2.36 1934 1728 1937 2235

 

 

 

次に女子です。

 

 

女子

倍率の推移 応募者数の推移
30年度 29年度 28年度 27年度 30年度 29年度 28年度 27年度
日比谷 2.05 2.15 2.39 2.46 250 262 289 298
戸山 1.84 1.68 2.06 2.31 224 228 247 277
青山 1.86 2.05 2.60 2.23 255 246 309 303
西 1.48 1.84 1.53 1.74 181 223 184 209
八王子東 1.55 1.40 1.61 1.48 189 169 193 177
立川 1.60 1.50 1.49 1.46 195 182 179 175
国立 2.00 1.59 1.93 2.00 244 192 231 240

合 計

1.77 1.74 1.94 1.96 1538 1502 1632 1679

 

 

 

本年度は戸山高校が1クラス減、青山高校が1クラス増でした。

したがって、グループ全体の募集人数は、昨年と比べて大きな変化はありませんでした(+2)。

 

 

男子の倍率と応募者数は、2年前の水準に回復しています。

女子も若干回復しました。

 

 

減少傾向にあった男子の出願者数が再び増加に転じた理由の1つは、各高校の「ボーダー」となる「内申基準」が明らかになってきたことです。

学校の説明会などで、受験者・合格者の得点や内申の分布などの資料が公開されています。

 

都立入試の制度変更後、慎重な出願が大勢を占めていましたが、「データ」が蓄積されたことで、「戦略的」な出願が可能になってきました。

 

 

もう1つの理由は、「自校作成」が復活したことで、入試問題の難化が想定されていることです。

「内申」が乏しい受験生の「逆転」の「可能性」が高くなったことで、「差し込み」の出願が増えていると考えられます。

 

 

さらに、私立を「本命」とする受験生が増えたことも理由の1つとなっているかもしれません。

私立を「本命」とする受験生は、都立で「大勝負」をすることができます。

私立進学が「本筋」なので、「強気」で都立の出願ができるわけです。

 

 

 

「志望校調査」と比較して倍率が上昇しています。

 

 

それは「推薦入試」という「ファクター」が関与することで引き起こされます。

 

「志望校調査」は、推薦入試と一般入試の「合計の定員」をもとにして倍率を算出しています。

そこから、「推薦入試合格者」を引いて再び計算をすると、志望者数が一定であっても、倍率は上昇するのです。

 

 

推薦入試の定員が30人、一般入試の定員が120人の高校を例にして考えてみましょう。

「合計の定員」は、150人です。

その高校に250人が志望しているとすると、倍率は250÷150=「1.67」になります。

これが、「志望校調査」の倍率です。

 

推薦入試の定員が30人なので、推薦入試後30人が合格します。

単純な計算をすれば、志望者数は250−30=220人となります。

 

今度は一般入試の倍率を算出するわけですが、倍率は、220÷120=「1.83」になります。

 

 

「志望校調査」の時点から、志望者数が変わらなくても、一般入試の倍率は自然に「上昇」するわけです。

 

これが、「志望校調査」と比べて「一般入試」の倍率が「上昇」する第1の理由です。

 

 

 

さらに、都立を第2志望以下に設定している受験生の出願が行われるため、「出願者」は「志願者」よりも多くなります。

これが、2つ目の理由です。

 

私立と都立の両方を受験することを考えている受験生のうち、私立を第一志望とする受験生は、当然ながら「志望校調査」における都立高校の志望者には含まれないわけです。

 

私立の一般受験をする受験生のうち、都立を受験パターンに組み込んでいる受験生は、都立の出願を行います。

ゆえに、「志望校調査」に反映されていない出願が加えられ、倍率が上昇します。

 

ただし、このうち、私立に合格した受験生は、入試を欠席するので、実質倍率は下降します。これは、特に日比谷高校に顕著です。

 

本年度の高校受験の「私立併願」の状況は、受検欠席のデータを分析することで、ある程度明らかになります。

 

 

 

「志望校調査」の志望者数・倍率と「出願状況」における出願者数・倍率を比べてみましょう。

 

 

まず、男子です。

 

 

出願状況 志望校調査
出願者数 倍率 志望者数 倍率 増加
日比谷 314 2.38 276 1.67 71
戸山 332 2.52 355 2.16 9
青山 300 2.01 245 1.48 71
西 276 2.09 293 1.79 15
八王子東 220 1.67 226 1.38 26
立川 261 1.98 289 1.76 4
国立 231 1.75 275 1.68 -12
 合 計 1934 2.06 1959 1.70 184

 

 

次に女子です。

 

 

出願状況 志望校調査
志望者数 倍率 出願者数 倍率 増加
日比谷 250 2.05 254 1.67 26
戸山 224 1.84 238 1.57 16
青山 255 1.86 237 1.56 33
西 181 1.48 202 1.33 9
八王子東 189 1.55 218 1.43 1
立川 195 1.60 210 1.38 15
国立 244 2.00 302 1.99 -28
 合 計 1538 1.77 1661 1.56 72

 

 

上の表の「増減」は、「志望者数」から「推薦入試の合格者数」を引いた数と、一般入試の出願者数を比べたものです。

・「志望校調査の志望者数」-「推薦合格者」=「一般入試に出願するはずの志望者」

・「実際に出願した人数」-「一般入試に出願するはずの志望者」

=「増減」(「志望校調査」時の志願者数と一般入試の出願者の人数差)

 

上の表では、日比谷高校の男子の「増減」は「71」になっています。

これは、「志望校調査時」に日比谷を第一志望としていない生徒が、「計算上」71人、日比谷高校に出願しているということを示しています。

 

 

 

男子に「変化」が大きく現れている高校があります。

 

日比谷は、国私立を第一志望とする受験生の併願が多いため、出願時に応募者が増えます。

 

青山は、「志望校調査」時の低倍率に吸引されて、出願者が増加しました。

同様に、八王子東も応募者を増加させています。

 

一方、国立は、高倍率を避けて撤退した人員が出ています。

 

 

 

女子は、戸山、青山、立川など、「志望校調査」で低倍率だった高校が人員を吸引しています。

 

一方、女子もまた、国立から志望者が流出しています。

 

西の女子の倍率は今のところ抑制されていますが、少し変化があるかもしれません。

 

八王子東は、「倍率」は上昇していますが、「増減」は実は1人増だけです。

八王子東の女子の例に見られるように、「志望者」が増えなくても一般入試の倍率は上昇します。

 

 

八王子東は、志願変更時に女子、男子ともに倍率をさらに上昇させるかもしれません。国立から、まだ人員が流れる可能性があります。

 

 

 

「出願状況」に変化を与えるものは、他にもあります。

 

それは、「推薦入試受験者の動向」です。

 

都内の高校の推薦入試を受ける受験生は、必然的に受験校を第一志望に設定することになりますが、都立高校の推薦入試が不合格だった受験生のうち、出願先を変更する受験生がいます。

 

また、合格の「確約」を出さない私立の推薦入試の不合格者のうち、一般入試の受験パターンに都立を組み込んでいる受験生は、都立高校に出願をします。

そのなかで、実際には積極的に都立への進学を考えている受験生もいるのだろうと思います。

 

本年度の私立高校受験の動向を知るには、もう少し時間が必要です。

 

 

 

本年度は、新宿高校、国分寺高校などが出願者数を減らしています。

したがって、「リスク」を負ってより上位校を狙おうという受験生が増えているのだろうと思われます。

 

 

 

最後に、「多摩地区」の本年度の「状況」を考えてみましょう。

 

 

日比谷、戸山、青山、西の4校と、八王子東、立川、国立の3校の2グループの出願者数を比べてみます。

 

 

 

まず、男子です。

 

30年度 29年度 28年度 27年度
日比谷 314 328 347 437
戸山 332 290 314 386
青山 300 256 340 366
西 276 262 294 289

4校計

1222 1136 1295 1478

 

 

30年度 29年度 28年度 27年度
八王子東 220 152 186 192
立川 261 240 199 279
国立 231 200 257 286

3校計

712 592 642 757

 

 

日比谷、戸山、青山、西の四校の男子の29年度の出願者数の合計は1136人です。30年度の出願者数の合計は1222人です。

したがって、昨年度と比べて、日比谷、戸山、青山、西の4校は、出願者を計86人増やしています。

一方、八王子東、立川、国立の3校の29年度の出願者数の合計は592人です。30年度の出願者数の合計は712人です。

したがって、昨年度と比べて、120人が増加しています。

 

とりわけ、八王子東の増加が顕著です。

 

 

 

次に、女子です。

 

 

30年度 29年度 28年度 27年度
日比谷 250 262 289 298
戸山 224 228 247 277
青山 255 246 309 303
西 181 223 184 209

4校計

910 959 1029 1087

 

 

30年度 29年度 28年度 27年度
八王子東 189 169 193 177
立川 195 182 179 175
国立 244 192 231 240

3校計

628 543 603 592

 

 

日比谷、戸山、青山、西の四校の女子の29年度の出願者数の合計は959人です。30年度の出願者数の合計は910人です。

したがって、昨年度と比べて、日比谷、戸山、青山、西の4校は、出願者を計49人減らしています。

一方、八王子東、立川、国立の3校の29年度の出願者数の合計は543人です。30年度の出願者数の合計は628人です。

したがって、昨年度と比べて、85人の増加です。

 

 

女子は、2つのグループの「差」がより鮮明にあらわれました。

 

 

 

本年度、私立、都立ともに多摩地区の受験の動向に、変化が生じています。

その要因について、ちょっと思いあたるところもあります。

 

 

しかし、まあ、今回は、このへんで。

 

(ivy 松村)

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