都立高校入試の志願傾向の分析③(昭和高校)

本年度の都立高校の応募倍率で、注目されるのが、高倍率となった昭和高校です。

男子1.83、女子1.93となっています。

 

昭和の倍率は、この数年間で、大きな変化を示しています。その推移をみてみましょう。

 

 

昭和高校の出願・志願変更の倍率の変化

 

 

出願時 志願変更後 取下げ 再提出 受験倍率
27年度 1.83  ? 26名  ?  ?
26年度 1.85 1.71 26名  8名 1.59
25年度 1.67 1.50 33名 11名 1.41
24年度 1.36 1.34 12名 10名 1.27
23年度 1.09 1.25  -  - 1.22
22年度 1.23 1.31  -  - 1.10

 

出願時 志願変更後 取下げ 再提出 受験倍率
27年度 1.93  ? 28名  ?  ?
26年度 1.49 1.48  8名  7名 1.45
25年度 1.69 1.62 16名  7名 1.60
24年度 1.53 1.48 11名  5名 1.46
23年度 1.21 1.23  -  - 1.14
22年度 1.25 1.28  -  - 1.19

 

 

昭和高校は、23年度までは、倍率が1.2~1.3に抑えられ、志願変更後も大きく変化することがないため、比較的計算しやすい受験校でした。

 

しかし、近年の4年間で、倍率が急上昇しています。23年度では男子の出願時の倍率が1.09でしたが、本年度では1.83となりました。また、女子も、23年度の1.21から、1.93にまで上昇しました。

 

データをみてみると、男女ともに24年度に倍率が顕著に上がっていることがわかります。

 

これは、一種の「玉突き現象」によるものであると考えられます。

 

 

昭和と同じ旧第八学区には、かつて北多摩高校という進学校があったのですが、都立高校改革に伴い、都立中高一貫校の立川国際中学として、改組されました。

その移行期間が22年度に終わり、23年度に北多摩高校の募集が停止されます。

 

つまり、同じ地域内で、生徒の収容力が低下したのです。

 

ところが、この年の昭和の倍率は、上昇するどころか、むしろ低下しています。

 

当時の北多摩高校を受験するのに相応の学力を持った生徒は、昭和をその代替校としてみなしていなかったのです。北多摩高校と昭和は同じ学区でしたので、明確な序列が意識されていました。つまり、昭和は「北多摩の下」として考えられていたので、北多摩高校の学力水準の生徒は、旧学区の外に受験校を求めることになったのです。

 

 

そうすると、昭和は、一見、旧北多摩高校の募集停止の影響を受けていないようにみえます。

 

しかし実は、昭和高校の24年度の倍率の上昇は、23年度の北多摩高校の生徒募集停止の影響が、時間差で、一年後に昭和にもたらされたものであると考えられるのです。

 

 

23年度の旧北多摩高校の募集停止によって、志願者を増加させたのは、男子では小金井北、日野台です。女子は町田、三鷹、南平などです。これらの高校は、この年度の倍率が著しく上昇しました。

 

当然、これらの高校の受験は難化し、厳しい入試になりました。

 

そして、次の年の24年度では、上記の高校は倍率を下げ、昭和の倍率が上昇することになったのです。

 

 

そして、25年度は、北多摩高校と同様に、南多摩高校、三鷹高校が中高一貫校化し、高校の募集を停止しました。当然、立地的にも昭和はその影響を受け、倍率を上昇させました。

(同様に小金井北、武蔵野北、調布北、町田、日野台などがその影響を受けています。)

 

 

以上のような、他の高校の募集状況の影響を受けた「玉突き」によって、まず、昭和は志願者を増加させました。

 

26年度は、女子の倍率はいったん落ち着きますが、男子の倍率はさらに上昇を示します。

 

そして、本年度は、これまでとは逆に、周囲の人気校から志願者を奪い、男女ともに非常に高い倍率となりました。

 

校舎の新築という「追い風」を受けて、男女ともに志願者をさらに増加させたのです。

やはり、きれいな校舎というのは、生徒にとって魅力的です。

 

 

 

数年前に、入試応援で昭和に行ったとき、校庭のすみに、使われなくなった椅子や机が無造作に置かれているのを見て、何やら複雑な気持ちになったのを覚えています。

 

先日、新しい校舎を見ました。まだ工事を行っていましたが、きっと、学校見学に訪れた生徒たちは、大きな魅力を感じたに違いありません。

 

 

さらにまた、志願者増の理由として、本年度の入試で、他校に先駆けてマークシートの実施を行うことが、好印象となっているということも考えられます。これも、新しいもの好きの人をひきつける要素となり得ると思います。

 

立地や校風、制服などに魅力を感じている生徒も多いようです。

 

昭和高校は、今、時代の流れに乗って、新しい校舎とともに、まさに大きく変化しようとしているのかもしれません。

 

 

 

さて、本年度は、さすがにこれほどの高倍率ですから、志願取下げ手続きを行った受験生も多くでました。男子は26名、女子は28名です。

 

「現時点」での昭和高校の倍率は、男子1.63、女子1.69です。

 

 

昭和を受ける受験生にとっては、これから何人が再提出してくるのかが気になるところですね。

 

一応、予測をたててみましたが、今年はちょっと読みづらいところもあります。

 

 

立川の男子の倍率が高いのが気になります。立川の男子は、昨年度も高い倍率でしたが、今年度はさらに倍率を上げてきました。昨年度は、国分寺の志願者の減少が関係していると思います。

本年度は、国高が募集人員を減らしたことも影響しているのかもしれません。

これが、どのような流れを作るのか興味があります。

 

また本年度は、戸山、青山、国際高校などの「成り行き」が気になります。

 

 

(ivy 松村)

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