都立高校応募倍率確定

昨日、都立高校入試の志願変更の再提出が行われました。これによって、都立高校入試の応募倍率が確定しました。

 

昭和高校の倍率がかなり下がりました。

 

男子:1.83 →1.68

女子:1.93 →1.71

 

応募人員の増減をみてみましょう。

 

男子:243名 →224名(-19)

女子:231名 →205名(-26)

 

金曜日に、男子26名、女子28名の願書取下げがあったことがわかっています。

そして、本日、男子7名、女子2名が再提出を行った結果、応募人員と倍率が確定しました。

 

ですから、正確には、

 

男子:243-26+7=224名

女子:231-28+2=205名

 

という増減の経過がありました。

 

男子は去年の経緯をなぞるように推移しました。

女子は、流入する人員が少なくなることが、ある程度予想されていました。

出願時の倍率が、「昭和高校」としてはあまりにも高すぎ、再提出先として候補に考えていた受験生も躊躇するだろうと思われていたためです。

ですが、2名は少なすぎでした。もう何名かいるだろうと思っていました。

 

 

昭和高校の出願・志願変更の倍率の変化

 

出願時 志願変更後 取下げ 再提出 受験倍率
27年度 1.83 1.68 26名  7名
26年度 1.85 1.71 26名  8名 1.59
25年度 1.67 1.50 33名 11名 1.41
24年度 1.36 1.34 12名 10名 1.27
23年度 1.09 1.25 1.22
22年度 1.23 1.31 1.10

 

出願時 志願変更後 取下げ 再提出 受験倍率
27年度 1.93 1.71 28名  2名
26年度 1.49 1.48  8名  7名 1.45
25年度 1.69 1.62 16名  7名 1.60
24年度 1.53 1.48 11名  5名 1.46
23年度 1.21 1.23 1.14
22年度 1.25 1.28 1.19

 

 

 

「倍率をみる」ときには、単純に数字を比べるのではなく、「その高校」に「その倍率」が出ているということは、どういうことなのかを考えなければなりません。また、志願変更のような制度が設けられている場合、その数字がどう推移するのかを考えなければなりません。

 

 

 

もちろん、受験に大切なのは学力です。

 

過度に数字を分析することは、「趣味の領域」と紙一重です。

ものごとには限度というものがあって、倍率などというものは、適度に意識するくらいがよいと思います。

 

 

ですから、受験生には、「志願傾向分析」の100分の1も伝えません。

当然、受験生に必要な情報は、受験校の本年度の倍率(がどうなるか)だけです。

それ以外は、基本的にノイズです。

 

しかし、塾の教師としては、受験全体の見通しを持っていたほうがいいと思います。

倍率が何倍、という小さな事実を取り扱う場合であっても、その背後にある膨大な情報を意識しているほうが、職業人としては上等です。

 

 

 

このブログには、数日間の志願傾向分析の10分の1ほどの内容を書いています。

要点を記さないのは、出し惜しみをしたからではありません。

「企業秘密」のようなことはあまり考えてはいなくて、情報が広まってしまうことのデメリットがあるために、情報を選別したり省略したりしたのです。

 

 

自然科学における実験や観察とは違い、社会科学的なフィールドでは、「フィードバック」が起こってしまって、理論が破綻してしまうことが起こり得ます。

 

受験生の志願行動のパターンを読み切っても、その内容が世の中に知れ渡ってしまうと、その後は、受験生はその理論どおりには行動しなくなるのです。

 

人間は思考する動物ですから、裏をかく、裏の裏をかく、というような背反行動をとることができるからです。

 

 

このブログにそれほどの影響力があるかどうかは、まあ、ともかく、一般論として、余計なことは、まず言わないほうがいいですよね。

 

ですが、もちろん、当塾の生徒、保護者の方には、必要な情報を全てお伝えいたします。

 

 

 

さて、最終の応募倍率をみて気になったのは、西高です。

西は男女とも倍率が上がりました。

都立最難関のひとつである西高は、志願変更後に、志願者を減らすことが多いのです。

 

西高の男子の倍率が上がったのは、23年以来です。

この年度は、「西にしては」出願時の倍率が2.05と低かったのです。

(25年度は、倍率は上がっていませんが、1名の増員がありました。)

 

今年も、出願時の倍率が2.17と、比較的低かったことが原因かもしれません。

しかし、もしかすると、潜んでいた志願者がいたのかもしれません。

例年どおりの志願変更の日程であれば、最初から西に出願するはずの何人かの受験生が、今年は最後に西に「差し込む」という形を取ったということも考えられます。

 

 

中学併設型のグループ作成校は、出願時の倍率が2倍近くになったところがありました。

昨年度の倍率が低く抑えられたため、本年度に「揺り戻し」があることは、予想されていました。

 

その中で、対照的に、本年度出願時の武蔵の倍率は低調した。

しかし、志願変更によって、武蔵の男子の倍率は1.29から1.81にまで上昇しました。女子は、1.10から1.29となりました。

 

じつは、武蔵の男子の倍率が、志願変更後に急上昇することはわかっていました。

もし、ivyに、武蔵を「ねらい目」だと考える生徒がいたら、まず止めていたでしょう。

 

近年の志願変更の傾向をみれば、武蔵の最終倍率が1.6を超えることは、誰もが予想できます。

 

 

武蔵高校の出願時の倍率と志願変更後の倍率の変化

 

出願時 志願変更後
27年度 1.29 →1.81
26年度 0.94 →1.68
25年度 1.56 →1.59
24年度 2.22 →1.96
23年度 1.67 →1.67
22年度 1.75 →1.46

 

 

 

24年度は、前年に、一足早く都立中高一貫校となった学校群が、大学受験で期待以上の合格実績の結果を出した年でした。都立中高一貫校に対する大学進学指導の信頼が高まったのです。

 

そのため、武蔵、白鷗、大泉、富士、両国といった中高一貫校の中学併設型の高校は、24年度に軒並み倍率を上昇させました。

 

その24年度を除いて考えてみると、武蔵の「受験需要」はだいたい募集の1.6倍程度存在することがわかります。

 

志願変更は、出願時の「差異」を調整する機能を果たしています。

 

 

そして、武蔵の高校受験が怖いのは、募集人員が少ないため、志願者のわずかな増加で倍率が急上昇してしまうことです。

 

本年度の武蔵の男子の募集人員は31名で、出願時の応募者は40名、最終応募者は56名です。

ですから、志願変更によって増えた人員は、16名ということになります。

それによって、倍率は1.29から1.81に上昇しました。

 

ところで、青山高校の男子の募集人員は150名です。

青山の倍率を、1.29であると仮定して、そこに16名の増員があった場合、倍率がどうなるか計算してみると、1.39です。

 

 

この数字をどうとらえるのか、はその人次第です。実際の青山の男子の倍率は2.38倍であり、200人以上が厳しい結果となる予定です。

 

しかし、青山の志願者は、非常に高い倍率を覚悟して受験の意思を固めています。

一方、武蔵の志願者のうちの何人かは、「倍率の低さ」をみて出願したはずです。

 

その志願者に、1.81という高倍率がつきつけられることになったのです。

 

 

 

 

青山は、これまで、出願時の倍率が2倍近くなるにもかかわらず、志願変更によってさらに倍率が上がる特殊な傾向のある高校でした。

 

西、日比谷、戸山などの上位校からの「引き下げ」によって志願者が増えていたのです。

 

 

青山高校には、本年度、志願者が増える要因がありました。

昨年度、大学合格実績を残し、引き続き進学指導重点校の一角として存続することになったのです。

 

本年度、青山は募集人員を、男女計250名から286名に増やしました。

 

しかし、募集人員の増加を上回る応募があり、出願時の倍率は、男子2.44、女子2.23という倍率になっていました。

 

この倍率は、青山高校の「限度」を越えています。

そして、本年度は、志願変更によって倍率は下降し、青山の倍率は、男子2.38、女子2.11となっています。

 

 

 

2.10と、出願時に高倍率となっていた立川高校の男子は、応募人員を3名減らしたのみで、最終応募倍率は2.08倍となりました。

 

おそらく、立川の倍率をみて、出願を取下げた受験生はそれなりの人数になると思います。

しかし、それと同じくらいの再提出があったため、倍率が高止まりしているのだと思います。

 

 

立川の男子の応募には、かつてであれば国分寺高校を受験したであろう受験生が流れています。

 

国分寺は男女を分けずに募集する高校ですが、男子の応募の割合が高く、過去には、その割合が65%にせまる年度もありました。

 

26年度を境に、国分寺は倍率を低下させますが、それにともなって、この2年間、男子の応募数を著しく減少させています。それに呼応するかのように、立川の男子の倍率が上昇しています。

 

同じ地域内で、特別選考枠を持つ立川に挑戦しようという受験生が増えているのかもしれません。

 

また、本年度、募集人員を減らした国立高校は、例年よりもやや高い倍率になっていました。

そのため、国立高校から立川に志願変更した受験生が少なからずいたのではないかと思われます。

 

国高の男子の倍率は、2.15から1.98に減少しています。

 

 

 (ivy 松村)

 

 

 

 

 

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