平成27年度都立高校入試のリスニング②

近年の都立高校入試、英語の大問1、リスニング問題の「問題B」についてみてみましょう。

 

 

平成27年度(163語)「ラジオ放送のニュース」

平成26年度(171語)「ラジオ放送によるイベント案内」

平成25年度(141語)「留学生のスピーチ」

平成24年度(141語)「外国人歌手へのインタビュー」

平成23年度(130語)「東京観光のバスツアーのガイドの説明」

平成22年度(138語)「テレビ番組に出演した外国人歌手からのメッセージ」

平成21年度(126語)「修学旅行の行動予定の説明」

 

 

まず、注目したいのは、その「長さ」です。

平成26年度から、使われる語数が多くなっていることが確認できます。

それだけ、放送される時間、処理しなければならない情報が増えました。

 

また、平成26年度と本年度は、英語による文章が読み上げられる前に、「ラジオ放送」であるという情報しか与えられなかったので、それだけ高度な聴き取りが求められることになりました。

 

例えば、25年度以前の問題では、これから放送される英語の文章の、「内容」を事前に把握したうえでリスニングを行うことができました。

「外国人歌手へのインタビュー」や「バスガイドの説明」であることなどが、英文を放送する前に、日本語で知らされていました。

すると、「今度の曲は・・・」「次に向かうのは・・・」といった内容が予期できます。

 

しかし、この2年では、何について述べられているのかという「内容」も「英語で」聴き取らなければならなくなっています。

 

 

 

正答率をみてみましょう。

 

 

Q1 Q2 大問正答率
平成27年度
平成26年度 13.6 9.1 38.1
平成25年度 42.4 7.9 65.5
平成24年度 44.8 30.0 55.4
平成23年度 41.6 40.7 66.0
平成22年度 52.7 11.1 55.9
平成21年度 34.6 26.3

59.5

 

 

都立高校入試の英語のリスニングテストは、選択問題を3問出される「問題A」と、記述解答が2問要求される「問題B」の計5問の出題となっています。

 

上の表の「Q1」「Q2」は、「問題B」の2問の各年度の正答率です。

「大問正答率」は、「問題A」と「問題B」を合わせたリスニングの大問1全体の正答率です。

 

 

平成22年度の「Q2」の正答率は11.1%と低下しました。難度の高い問題が出されたのです。しかし、翌年には「修正」されて、40.7と再び易化しました。

 

 

平成25年度では「Q2」は7.9%と、著しく低下しています。しかし、「大問正答率」は非常に高くなっています。

この年の「問題A」の正答率が、86.5%、97.7%、92.5%と、非常に高くなっているからです。

 

おそらく、「問題B」の「Q2」を難化させるために、バランスを取ったのでしょう。

 

 

そして、平成26年度で、「問題A」「問題B」ともに難化します。

問題Bは「Q2」だけでなく、「Q1」も難化し、それぞれ正答率は9.1%、13.6%となります。

さらに、「大問正答率」も大幅に下降し、38.1%となりました。

 

本年度は、26年度に低下した正答率が、「修正」されて上昇するのか、難化傾向が規定となり押し下げられたままとなってしまうのか、という今後の方向性を確認する年度だったのです。

 

結論としては、今後、リスニングは難化することになりそうです。

本年度も「問題B」で厳しい問題が出されました。

 

 

ただ、予兆はありました。

平成26年度のリスニング問題において、かつてないほどに低い正答率が認められたにもかかわらず、東京都教育委員会は、この年度のリスニング問題に関して以下のように総括していました。

 

「…比較的単純な内容については、概要や要点を聞き取る能力が身に付いていると考えるが、やや複雑な内容についての概要や要点を適切に聞き取る能力が十分ではないと考えられる。」

 

つまり、正答率が低いのは、入試問題のせいではなく、生徒の能力が不足しているからだという見解を示していたのです。

ですから、おそらくは「修正」するのではなく、難化の方向に舵を切るのではないかと思われていました。

 

 

 

実際に、東京都の中学3年生がどれくらい正答するのかは、集計を見てみなければわかりません。今年は、かなり気になります。

 

 

答案再現で以外と難しいのが、この英語の大問1の「問題B」です。

 

入試本番よりも答案再現を優先させるわけにはいきませんので、基本的に記述解答はメモらせず、生徒が校舎に帰ってきてから、覚えている範囲で書いてもらいます。

(記述内容も必ず解答用紙にメモをさせるような、どうしようもない塾もこの世にはあるのでしょうか?)

 

うろ覚えになっていることもよくあって、その場合は、結局、不正解として計算することになります。

 

 

 

(ivy 松村)

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