良い塾の条件とは何か②

塾の個性は、ほぼその教場の責任者によって形作られることになります。

どのような塾にしたいのか、という理念の薄い人間が教室運営の責任者になると、「ただ勉強を教えるだけの塾」の塾になってしまいます。

 

「勉強を教えるだけの塾」の何が悪いのか、と思った人は、根本的に教育という仕事には向いていません。というよりも、創造的な仕事に向いていないといっていいでしょう。

 

 

「教える」という行為の本質は、教える内容にあるわけではなく、それを定着させる工夫にあります。

 

たとえば、「A=B」という内容を生徒に理解させようとするとき、ただ、「AはBである」と声に出せばいいわけではありません。

それで事足りるのであれば、塾など必要ありません。

 

教師は、板書をしたり、ノートに筆記させたり、小テストをしたりすることで生徒にその内容を理解させようとします。こうした方法は極めて一般的なものです。

 

さらに良質な教師は、伝え方に工夫を凝らすでしょう。声を張ったり、何度も口にしたり、別の事柄に関連付けたり、ゴロ合わせにしたり、さまざまな方法を駆使して、その内容を生徒の記憶に刻もうとします。

「ギャグ」を織り込もうとする教師もきっといることでしょう。

 

それだけではなく、生徒が授業に集中するような環境づくりや、習慣づけを行います。

また、生徒とのコミュニケーションを通して、意欲を高めたり、落ち着かせたりといったケアを行います。

そういう総合的な戦略を通して、「A=B」を生徒の血肉にしていくのです。

 

つまり、塾という場所は、講師が「AはBである」と、覚える事柄を発表する場所として完結するだけであってはならないのです。

「A=B」という知識をより効率的に身につけられるように、全体がきめ細かにデザインされてあるべきなのです。

 

 

教場の責任者に、その意識とノウハウがあるかどうかで、その塾の指導力は大きく変わります。

 

 

 

私は、昔から、機会があれば、いろいろな塾や教室を見学させていただき、参考とさせてもらってきました。

 

最近は、ホームページやブログなどに塾内の様子を載せる塾も多くなったので、塾の運営について考える材料も増えてきました。

 

 

ちょっと話はそれますが、マネージメント能力のない、危うい塾の従業員は、ちょっとあり得ない写真を平気で掲載していたりします。

 

最近は解像度の高いデジカメが普及していますが、この時期には、ブログの画像を原寸大にすると、壁に貼っている掲示物から、生徒の名前や受験校が確認できるような写真が多くあってぞっとします。(「小さく」したら見えなくなると思っているのでしょう。)

整理されていない職員の机上や本棚が写り込んでいたりする写真もよく見かけます。

同僚の方は、ちょっと教えてあげた方がいいのではないか、と老婆心ながら思ったりします。

 

 

さて、私が塾を見るときに気にしているのは、机の上にカバンが置かれているかどうか、です。

 

カバンというのは原則、マナーとして、机の上においてはいけないものです。

大学の大教室などでも、大学生が講義の時間も平気でカバンを机の上に置いていることがありますが、もし、それが「普通」だという感覚を持っている人がいたら、ちょっと考えたほうがいいと思います。

 

驚くほど多くの塾が、このことに対して違和感を持っていないのですね。

非常によく見かけます。そして、結論からいえば、そういう塾は、意識が低いと言わざるを得ないと思います。

 

そして明確に、授業中に勉強と関係のないものが目に入ることは、勉強には決してプラスとはなりません。

 

「それくらいのことが勉強に関係あるのか」と思った人は、さらに意識が低いと思います。

 

 

心理学的には、授業中や自習時間に机にカバンを置きっぱなしにするのは、実は、幼い精神の表れであると考えられます。

これは、「自分のもの」に囲まれていると確認することで、安心したいという心理からくるものなのです。

塾の授業をストレスに感じている生徒ほど、カバンを机の上に置いたままにしようとします。

 

このような心理状態を放置することは、その生徒自身の受験にとってもよいことではないでしょう。

そのうえ、マナーにもとる行為です。

 

また、その他の生徒にとっては、そのカバンは目障りなものであることはまちがいありません。

 

一人の生徒が机の上にカバンを置くことによって、それが邪魔で、落ち着かない他の生徒が出てきます。すると、他にもカバンを置くようになる生徒が出てきます。自分のカバンが目に入ることで落ち着けるからです。最後には、カバンだらけの、視覚的に全くだらしない教室の光景となります。

 

その中で、淡々と授業を行っている塾の教師がいると、本当に鈍感なんだな、と思います。

 

 

同様に、ペットボトルなどの飲み物を机の上に置いて勉強している生徒がいても、全くなんとも思わない塾の人がいるのですね。

 

また、自習室で、イヤホンをつけて音楽を聞きながら勉強している生徒がいる塾もありました。

 

生徒が非常識であるというよりも、塾の人間の意識が低いのです。注意すればすぐに直ることです。

 

 

これらは、総じてダメな塾の条件であるといっていいと思います。

 

 

 (ivy 松村)

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