社会の教科書、今と昔

社会科の教科書は、新しい発見があったり、社会情勢の移り変わりがあったり、社会・政治の仕組みが変化したり、別の学説が主流になってきたりすると、記載内容や表記が、それまでとは変えられてしまう場合があります。

 

 

高校の教科書には早々と学術的な研究成果や新情報が「反映」されますが、中学の教科書はすぐに「更新」されないこともあります。

併記したり注釈を入れたりして、「古い内容」を削らないような記述になっていることもあります。あるいは、断定的な表現を避け、解釈の余地を残すような記述となっていることもあります。

 

「混乱」を招かないための「配慮」なのかもしれません。

 

 

しかし、それでも、社会の教科書は時代とともにずいぶん変わりました。

 

中学生の保護者の方も、現在の教科書をご覧になって、ご自分の中学の頃とは内容が違っていることに、驚かれることがあるそうです。

 

実際に、現役の中学生と、保護者世代との間で、教科書の記載にどういった相違点があるのかみてみることにしましょう。

 

 

公民分野や地理分野の教科書は、時代の変化に合わせて、むしろ頻繁に、内容が「更新」されるべきであるといえます。

新しい制度の導入や、産業や社会の発展を反映して、教科書の内容が実情に合ったものに変えられることになります。

 

たとえば、「助役」や「公定歩合」といった用語が姿を消しました。

一方、「裁判員制度」「消費者庁」といった用語が記載されるようになりました。

 

また、「地球温暖化」「グローバル化」などの記述も見られるようになりました。

 

 

 

地理分野では、「四大工業地帯」が「三大工業地帯」になりました。北九州工業地帯が外されました。

 

日本の最大の貿易相手国が「アメリカ合衆国」ではなく「中国」になりました。

社会情勢や国際情勢は、日々変化しています。

こうした情報は、近いうちにさらにまた「更新」されることになるでしょう。

 

 

世界遺産も、世代によって、教科書に記載されていた登録数が違っています。

 

日本の世界遺産の登録年:

 

1993年12月

・法隆寺地域の仏教建造物 (奈良県)

・姫路城 (兵庫県)

・屋久島 (鹿児島県)

・白神山地 (青森県、秋田県)

1994年12月

・古都京都の文化財 (京都府、滋賀県)

1995年12月

・白川郷・五箇山の合掌造り集落 (岐阜県、富山県)

1996年12月

・原爆ドーム (広島県)

・厳島神社    (広島県)

1998年12月

・古都奈良の文化財 (奈良県)

1999年12月

・日光の社寺 (栃木県)

2000年12月

・琉球王国のグスク及び関連遺産群 (沖縄県)

2004年07月

・紀伊山地の霊場と参詣道 (和歌山県、奈良県、三重県)

2005年07月

・知床 (北海道)

2007年06月

・石見銀山遺跡とその文化的景観 (島根県)

2011年06月

・平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群― (岩手県)

・小笠原諸島 (東京都)

2013年06月

・富士山―信仰の対象と芸術の源泉 (静岡県、山梨県)

2014年06月

・富岡製糸場と絹産業遺産群 (群馬県)

 

 

現在の中学の教科書には、まだ「富士山」や「富岡製糸場と絹産業遺産群」は掲載されていませんが、次回の改定にあわせて、書き加えられることになるでしょう。

そして、「明治日本の産業革命遺産」も、無事登録されたあかつきには、当然教科書に記載されることになるでしょう。

 

 

 

歴史分野は、研究が進み、定説が覆ることが頻繁に起こります。また、より正確な名称、発音表記に置き換えられることもあります。

 

一部を、箇条書きで確認してみましょう。

 

 

・最古の人類・・・アウストラロピテクス → サヘラントロプス・チャデンシス

 

・日本最大の古墳・・・仁徳天皇陵 → 大仙古墳

 

・日本最古の貨幣・・・和同開珎 → 富本銭

 

・蘇我氏滅亡・・・645年大化の改新 → (645年「乙巳の変」)646年~ 大化の改新

 

・鎌倉時代のはじまり・・・1192年 → 1185年

 

・金剛力士像の制作者・・・運慶・快慶 → 運慶

 

・『徒然草』の著者・・・吉田兼好 → 兼好法師

 

・四大文明のひとつ・・・黄河文明 → 中国文明

 

・イスラム教の開祖・・・マホメッド → ムハンマド

 

・マルコ・ポーロの(口述による)著書・・・「東方見聞録」 → (「世界の記述」)

 

・モンゴル帝国の始祖・・・ジンギスカン → チンギス・ハン

 

・南北戦争のときのアメリカ合衆国大統領・・・リンカーン → リンカン

 

・イギリスに対するインド人の反乱・・・セポイの乱 → インド大反乱

 

・日清戦争のきっかけになった朝鮮半島の内乱・・・東学党の乱 →  甲午農民戦争

 

「非暴力」を貫いたインドの政治指導者・・・ガンジー → ガンディー

 

・女性解放運動家・・・平塚雷鳥 → 平塚らいてう(ちょう)

 

・サミット・・・先進国首脳会議 → 主要国首脳会議

 

・江戸幕府の直轄地・・・天領 → 幕領

 

・キリシタンを見つける方法・・・踏絵 → 絵踏  ※絵踏に使う「絵」が「踏絵」。

 

・「士農工商」 → 記載なし

 

・「慶安のお触書」 → 記載なし

 

・「四民平等」 → 記載なし

 

(ivy 松村)

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