塾の機能①

塾の「機能」という表現に違和感をおぼえる人もいるかもしれません。

「機能」というのは、社会学にとって重要な概念で、端的に説明しますと、「社会に対する何かしらの貢献」をあらわすものです。

 

「塾の機能」の分析が、2000年代半ばごろから活発になります。それまでの学習塾に関する研究は教育学、心理学のものが多く、そこでは、学習塾は、学校や、子供の発達にとって良くない存在だという認識が強くありました。

 

塾が社会学の研究の対象になってきたことは、近年、学習塾が社会的に認知されたことと関係があると思います。学習塾が日本社会の中でどのような役割を果たしているのかに、関心がもたれるようになってきたからでしょう。

 

森いづみさんは、「なぜ学習塾が発達するのか」という論文のなかで、学習塾は「学力面での差異化の機能を担っている」と述べています。つまり、子供たちに学力差をつけるために学習塾は存在しているということです。当然ながら、学習塾に通う生徒は、通わない生徒よりも高い学力を身につけることができます。

 

子供たちに「差」をつけるのはよくないとする立場からは、学習塾はよく思われません。しかし、子供の才能や意欲に応じて、学力を伸ばすべきだという立場からすれば、学習塾は必要とされます。

 

現在、学習塾がこれほどまでに一般化し、社会に根付いているということは、学習塾の「学力面での差異化の機能」(学力を身につける機会)が求められているということです。

 

それは、逆にいえば、保護者、生徒が学力を伸ばしたいと思っているにもかかわらず、公教育(公立小中学校)が、その期待や希望に十分に答えていないということです。


(ivy 松村)

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