塾の機能②

前回の記事で、学習塾が、子供に、学力の差をもたらす機能を担っているということを述べました。

それはつまり、学習塾は、子供たちの「学力競争」を支援する役割を持っているということです。その学習塾が社会的な広がりをみせているという現状は、以下のようなことを物語っているといえるでしょう。

 

①学校教育において、「学力競争」が働いていない

②多くの保護者・生徒は、「学力競争」のための学習機会を求めている

 

①について考えてみましょう。

公立の小中学校教育は、残念ながら、学習指導の面で、保護者・生徒に不信感を持たれています。しかし、それは学校関係者の技量や資質が足りないためではありません。

 

戦後の公教育のシステムは、教育機会の平等を理念として設計されました。そのため、公立学校の義務教育は、教育上の格差を縮めることを志向しました。ですから、公教育においては、なるべく「下」の生徒を引き上げ、「上」を突出させないというような、平準化の原理が働いているのです。

 

次に②について考えてみます。

保護者・生徒はより高い学力を身につけたいと考えています。それは、入試を突破し、より高い「学歴」を獲得したいと思っているからです。

 

日本は、学歴が社会的評価につながる社会です。そのことに賛否、議論はありますが、それは反面では、身分や出身で出世が決まるわけではないことを意味します。私たちが生きているのは、合理的な、近代社会だということでもあるのです。(ちなみに、業績や能力で人物を評価することをメリトクラシーと呼びますが、日本は「学歴メリトクラシー」の社会であるといえます。)

 

つまり、社会構造的に、保護者・生徒は受験に向けて動機づけられているのです。そして、その受験という「選抜競争」があるにもかかわらず、公的な学校教育だけでは十分な学力を得ることができないという現実が存在しているというわけです。そのために、学習塾が必要とされているということがみえてきます。


(ivy 松村)

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