大学入試改革 (塾の機能④)

これまで、「塾の機能」についての考察を重ねてきました。要旨は以下の通りです。

 

・戦後の日本の教育は、「学力競争」を排除しようとした

・しかし、大学受験では、「学力競争」にもとづく選抜方法が維持されてきた

・そのため、保護者・生徒は学力獲得を重視し、学習支援、受験指導の需要が高まった

・公教育の内部ではその需要に応えることができないので、学習塾のような私的な教育機関がその受け皿として発達することになった

 

ところで、「大学入試改革」の議論が本格化してきました。一発勝負ではない「達成度テスト」の導入などが話題になっています。

 

この改革の行く末がとても気になります。学習塾関係者であれば、当然関心を持たざるを得ないわけですが、どことなく、受験業界は楽観視しているようにみえます。これまでに行われてきた「改革」がことごとく業界にとって追い風になってきたという経緯からかも知れません(一方で、学習塾業界は少子化に対しては過敏になっています)。

 

私は、入試制度を含めた大学改革の先行きによっては、発展を続けてきた学習塾産業は衰退へと向かうのではないかと危惧しています。もちろん、多様な教育的ニーズに応える私的教育がすべて消え去ってしまうことはないでしょうが、学習塾の数は減っていくことになるかもしれません。

 

大学に入るために必ずしも学習塾に通わなくてもよくなり、経営に行きづまる塾がたくさんでてくる可能性があると思うのです。思い切った構造的な大学改革が行われるということが前提となりますが。

 

学習塾の発展を促したのは、大学受験における激しい「学歴競争」の存在でした。もしも、それが緩和されてしまえば、学習塾はその存在理由を揺るがされることになるでしょう。

 

教育を行う場所には、時代の流れに揺るがない普遍的な存在理由が必要であると感じています。

(ivy 松村)

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