「G7」の塾別合格実績

「大手塾」を対象に、今年の都立高校入試の塾別合格実績を調べてみました。

 

最も気になるのは、進学指導重点校、日比谷、西、国立、戸山、青山、八王子東、立川=「G7」の合格者数です。

 

3月の初旬に、各塾の合格者数を調べました。

 

 

 

市進 早稲田

アカデミー

ena Z会進

学教室

河合塾

Wings

臨海

セミナー

栄光

ゼミナール

SAPIX 駿台
日比谷 64 81 11 54 16 39 14 27 21
西 70 52 42 66 24 3 14 19 12
国立 56 49 57 31 13 15 12 5 1
八王子東 43 17 57 8 26 23 9 0 0
戸山 63 46 18 59 21 17 20 5 7
青山 46 32 23 32 34 24 23 0 3
立川 37 31 72 19 18 10 13 0 1
「G7」合計 379 308 280 269 152 131 105 56 45

 

 

 

先日、再度ホームページを確認したところ、合格者数が増加している塾がありました。

 

 

 

市進 早稲田

アカデミー

ena Z会進

学教室

河合塾

Wings

臨海

セミナー

栄光

ゼミナール

SAPIX 駿台
日比谷 65 81 11 55 16 39 14 27 22  
西 72 52 43 67 24 3 14 19 14  
国立 56 49 57 31 13 15 12 5 1
戸山 65 46 18 61 21 17 20 5 9  
青山 47 32 23 32 34 24 23 3 3
八王子東 43 17 57 8 26 23 9 2 0
立川 39 31 72 19 18 10 13 0 2  
「G7」合計 387 308 281 273 152 131 105 61 51
増加人数 8 0 1 4 0 0 0 5 6

 

 

 

なぜ、後になって少しずつ合格者数が増えるのかは、「謎」です。

 

次のようなことがいえるかもしれません。

 

・入試直後に合否を確認できないような「距離感」の生徒の入試結果を、自塾の実績に加えている

 

 

 

それにしても、やはり、教室数の多い塾ほど合格者数が多くなる傾向がありますね。

 

 

 

さて、今回、ちょっと趣向をこらして、「合格者数」以外の指標に注目してみました。

 

 

それぞれの塾の「1教室あたりの合格者数」を出してみました。

 

各塾ホームページを閲覧して、都内に展開している教室の数を数えたのですが、たくさん「出店」している塾の教室の数を数えるのは大変で、しばらくは目がチカチカして困りました。

 

もしかしたら、数えまちがいがあるかもしれません。

たくさん「出店」しているところは、まあ、少し教室数が違っていても、「1教室あたりの合格者数」は大差ない数値になると思いますが、それでも、まちがいはよくありませんから、合格者数や教室数のまちがいに気づいた方は、お知らせくださると大変助かります。

(入試日前後に開校した教室は省きました。)

 

 

 

 

Z会進

学教室

河合塾

Wings

駿台 SAPIX 早稲田

アカデミー

市進 臨海

セミナー

ena 栄光

ゼミナール

「G7」合格者数 273  152 51 61 308 387 131 281 105
都内集団教室数 8 18  8 15 66 38 43 145 153
都内個別教室数 0 0 0 0 15 86 19 34 163
1教室あたり 34.13  8.44 6.38 4.10 3.80 3.12 2.11 1.57 0.33

 

 

 

Z会の「1教室あたりの合格者数」は34.13人となっています。

にわかには信じがたい圧倒的な数字ですね。その中核となる「事業」を思うと、いろいろと考えてしまいますね。

 

 

 

「1教室あたりの合格者数」は、集団指導教室の数と個別指導教室の数を合わせて算出しました。

なぜなら、両者の合格者数を合算した数値が、「塾の合格者数」として記載されているからです。

 

個別指導部門を抱える塾は「合格者数」を「集団+個別」で算出しているのですから、「1教室あたりの合格者数」も「集団+個別」で出さなければならないわけです。

 

 

やはり、広域に展開している塾は、「1教室あたりの合格者数」が少なくなるようですね。

教室によって合格者数にばらつきがありそうです。

 

 

このデータから、塾組織は、広域展開することで指導力が低下することがはっきりとわかります。

 

広域展開することで多くの生徒を集めることができます。

「母数」を大きくすることで、全体の「合格者数」を増やすことができますが、「1教室あたりの合格者数」は低迷していきます。

 

 

 

「大手塾」は、大きく「デパート型」と「コンビニ型」に分けられます。

 

ターミナル駅などに大規模な拠点を構える「デパート型」の塾は、人材を集約的に稼働することができます。

 

他方、広域に小中規模の教室を展開する「コンビニ型」の塾は、人材が拡散することになります。

 

たとえば、「デパート型」は、「英」「数」「国」のそれぞれの「エース講師」を1か所に集めることができますが、「コンビニ型」はそれぞれが「教室責任者」として分散されて配置されることになるわけです。

 

 

 

しかし、「デパート型」の塾も、その教室の運営体制をよく確認する必要があると思います。

 

大規模な教室では、1学年で10クラス以上を設置しているようなところもあります。

 

「デパート型」の塾は、ほぼ全てが学力別のクラス編成を行っているわけですが、下位クラスと上位クラスを同じ「熱意」で指導するようなところがあるかどうか、なかなか難しいと思います。クラス数が増えれば増えるほど、指導に偏りが生じるはずです。

 

 

上のデータは「1教室あたりの合格者数」ですから、拠点が少なく、集約的な教室運営を行っている「デパート型」の塾に有利な「数値」が出ます。

 

たとえば、仮に「クラス数」や「生徒数」などのデータが採取でき、「1クラスあたりの合格者数」や「塾全体の合格率」などを算出した場合には、「デパート型」の塾の「実績」は、上掲の「数値」にくらべて著しく低下することになるでしょう。

 

教室数が少ない「デパート型」の塾が、仮に、それぞれの教室を平均3クラス体制で運営しているとすると、単純に「1クラスあたりの合格者数」は上に挙げた「1教室あたりの合格者数」の3分の1になるわけです。

 

おそらく、実際には、より多くのクラスが設置されているでしょうから、「1クラスあたりの合格者数」は「3人」を下回るのではないかと思います。

 

 

まあ、どこの塾も、だいたい同じくらいの指導力になるのかもしれません。

(おざなりの結論でまとめようとしてみました。)

 

 

しかし、Z会は、・・・いや、まあ、いろんな意味ですごいなあ、と・・・。ちょっと「特殊」な数字ですよね。

 

 

 

「大手塾」はその「スケールメリット」を活かして、「巨大」な合格実績を上げることができます。

そして、その成果を最大の武器として広告宣伝を行います。

 

 

大手にとって「都合のよい数値」ばかりが取り上げられるのもフェアではないように思うので、「1教室あたりの合格者数」を出してみました。

 

 

個人塾や中小塾の人たちは、もっとこういう「リアル」な情報を積極的に発信していくべきだと思います。

 

 

 

最後に、塾の合格者数を調べていて、興味深いデータが得られたので、掲載しようと思います。

 

 

今年の都立西高の塾別合格実績です。

 

 

 

合格者数
市進 72
Z会進学教室 67
早稲田アカデミー 52
ena 43
河合塾Wings 24
SAPIX 19
栄光ゼミナール 14
駿台 14
学志舎 5
志學舎 4
湘南ゼミナール 3
TOMAS 3
臨海セミナー 3
北上田塾 2
茗渓塾 2
セキッズ英会話スクール 2
進学塾キャラベル 2
進学教室ティースリー 1
小倉塾 1
ひのき進学教室 1
青藍学院 1
ユリウス 1
ビクトリア・アカデミー 1
合計 337

 

 

 

西高の今年の推薦入試の合格者は63名でした。

また、一般入試の合格者は266名でした。

 

したがって、今年の西高の合格者は、合計で329名ということになります。

 

しかし、不思議なことに、各塾のホームページで確認できた西高の合格者数の合計は337名となっています。

 

実際に合格した人数よりも多い「合格者数」が確認できるわけです。

 

 

この数字の乖離は、さらに大きくなるはずです。

 

必ず、私が確認していない「実際の合格者」が存在するからです。

 

塾に通うことなく合格した生徒がいるはずです。

また、ホームページに合格実績を掲載しない塾もあるでしょう。

そして、私が見落としている可能性もあります。

 

 

 

これは一般論ですが、「0」を「1」であると言い切るのは、非常に大きな覚悟が必要です。

「無い」のに「有る」と「うそ」をつくことは、大きな心理的負担になります。

 

一方、たとえば「50」を「51」であると言い切るのは、前者にくらべて「ハードル」がかなり低くなります。

 

 

こういった点も、「スケールメリット」のひとつなのかもしれません。

 

 

 

ああ、ひょっとすると、他塾の合格者数をチラチラと見て、あと何人「上乗せ」できる、と計算する役割の人がいる可能性もあるのでしょうか。

 

それで、お互いがギリギリまで「上乗せ」しようとして、それにもかかわらず個人塾や中小の塾の実績までは面倒で確認しないから、結局「上限」を越えてしまって、「合格者数」が飽和してしまうのかもしれませんね。

 

 

 

合格者の「水増し」の問題は、塾業界にとっては古典的な問題です。同時にまた、根の深い問題です。そして、切実な問題であり、同時に、かなり喜劇的な問題です。

 

 

 (ivy 松村)

One thought on “「G7」の塾別合格実績

  1. SAPIXの「1教室あたりの合格者数」を訂正しました。SAPIXは、都内に15教室ありますが、誤って5教室でカウントしていました。申しわけありませんでした。訂正することができて助かりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。