英語の試験問題について考えたこと

生徒には、期末試験が終わった教科の問題用紙を持ってきてもらって、どんな問題が出たのかチェックしています。

 

 

英語は、難化している学校が多いと感じます。中間テストでも、生徒たちは特にリスニングに苦戦をしたようです。

 

定期テストで出題されるリスニングの放送の、原稿を読むスピードがとても速くて聞き取れない、という生徒が多くいます。

 

学校の先生は、多分、教材会社から提供を受けた音源でリスニング問題を作るのだろうと思います。今年は教科書が改訂されたので、リスニングの素材も一新されたのでしょう。

 

直接その放送を聞いていないので何ともいえない部分があるのですが、近年の「英語学習のリスニング」の音声は、よりいっそう、一般的な表現を使って自然な口調で話されるものが使われるようになってきた印象です。

 

 

入試問題のリスニングも、この2、3年で急激に「難化」しています。

特に私立難関校の問題は、「へヴィ」です。

青山学院や明大明治のリスニングは「量」と「スピード」だけでなく、「思考力」を問うような問題が増加していますが、さらに、アナウンサー然としたはっきり聞き取りやすい発音の音声ではなく、「普通の人の声」が使われるようになってきました。

 

英語を使った「実際の生活」を想定しているわけです。

 

 

「中学生に求められる英語」が、「勉強のための英語」ではなく「実践的な英語」になってきているのでしょう。

 

その「方向性」が、教材や入試問題におけるリスニングの「難化」を推し進めているように思います。

 

 

 

最近の中学の英語の定期テストに見られる傾向は、さらに2点あります。

 

ひとつは、英作文の重視です。

状況に合致した発話内容を英文で書かせたり、3文程度の自己紹介や説明文を書かせたりする問題が多く出されるようになりました。

 

もうひとつは、「初見の文章題」です。

授業で一度も扱われていない文章を用いた作問が増えています。

 

 

「聞く」「書く」「読む」「話す」という「4技能」にもとづく評価に厳格な先生が増えてきたのだと思います。

 

(生徒によると、英語の授業では「スピーチ」や「プレゼン」などをすることもあるそうなので、「話す」という技能は、定期試験ではなく授業内で評価する仕組みになっているようです。)

 

 

 

一般的に、「対応力」が求められる出題の比重が高まると、試験の難度は大きく上昇します。

 

上記のような試験は、「反復的な学習」を行うだけでは得点を伸ばすことが困難です。真面目に、地道に取り組むだけでは点数を取れないわけです。

 

 

 

いろいろ思うところはあるのですが、ひとつの懸念が想起されました。

それは、「学力判定」という「出口」だけが、さらに「実践的な英語」へと傾斜すれば、「英語の格差」がより広がっていくのではないかということです。

 

 

中等教育(や初等教育)で「実践的な英語」を身につける機会を増やし、日本人の「英語力」を高めるのだ、というような「牧歌的な期待」の実現には、「コンテンツ」の充実が不可欠です。

 

しかし、「実践的な英語」を身につけるために必要な「指導」を、学校の授業だけでまかなうことは難しいわけです。

 

したがって、処方箋のないままに現状が固定化されてしまえば、「実践的な英語」を身につける「リソース」を生活環境の中に持っている生徒が、そのアドバンテージを活かして「優秀な学業成績」を手にする反面、そうではない多くの生徒は、「実践的な英語」が求める「結果」に到達できず、英語に疎外されるわけです。

こうして、英語教育の「空洞化」と「二極化」が強まるかもしれません。

 

 

塾としての「ソリューション」のひとつは、英検の活用なのでしょうか。

 

 

 

生徒たちが格闘してきた英語の問題を見ながら、ちょっと考えました。

 

 

 

さて、七生中、打越中、加住中、横山中、二中、四中は、明日が期末試験の最終日です。

 

生徒のみなさん、頑張ってきてください。

 

 

(ivy 松村)

 

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