「自校作成」復活について

夏期講習の第Ⅲ期が終了しました。

 

明日、明後日と2日間の休みを挟んで、8月6日から第Ⅳ期のスタートです。

 

 

 

ところで、前回のブログでも触れたとおり、東京都教育委員会のホームページで「自校作成」の復活が報じられています。

 

 

 

現在、日比谷高校、西高校、国立高校、戸山高校、青山高校、八王子東高校、立川高校は、共同で英数国の入試問題を作成しています。「グループ作成」と呼ばれている制度です。

この制度が改められ、以前と同じように、それぞれの高校が独自に入試問題を作成することになったわけです。

また、同様に「グループ作成」を行っていた、新宿高校、国分寺高校、墨田川高校も、再び「自校作成」を行うことになりました。

 

「自校作成」の問題が使用されるのは、平成30年度の入試からです。

 

 

 

「グループ作成」の体制は4年で終止符が打たれることになるわけですが、その意味するところを理解できている人はまだ少ないと思います。

 

 

 

実は、「自校作成」を認められている高校の中でも、「独自の入試問題」を作ることに熱心な高校と、そうでない高校があります。

 

過去の「入試問題」を比べてみればわかることですが、きちんと作り込んでいる高校とそうでない高校があります。さらに、いくつかの高校で、年度によって作問の質が落ちる教科があったりします。

 

細心の注意を払って入試問題の質を管理しようと考える高校と、そうでない高校があるわけです。

 

 

「グループ作成」が行われている現在も、ある程度、それぞれの学校ごとの「温度差」を垣間見ることができますが、これには「ブラックボックス」となっている部分もあります。

 

一般的には、「独自問題への差換え」に意欲的な高校は、入試問題の質を管理することへの関心が高いと考えることができるわけですが、作問の「担当」となった高校は「差換え」を行うはずがないので、「差換え」の頻度だけを判断材料にすることはできません。

 

 

 

さて、現在の都立高校入試の状況は、平成25年度以前の「自校作成」の時代とは明確な違いがあります。

 

ひとつは、八王子東以外の高校で行われていた「特別選考」が廃止となったことです。

もうひとつは、内申点の換算方法が変更され、実技教科の比重が高まったことです。

 

 

 

一連の都立高校入試の「改革」によって、かつてとは比べものにならないほどに「入試問題の質」の重要性が高まりました。

低質な入試問題を作成してしまうと、瞬く間に高校の「没落」を招くことになります。

 

 

 

まっとうな知性を持った「入試担当者」であれば、入試問題の「難度」を高めるでしょう。

 

 

当然のことながら、内申点のアドバンテージを極力小さくしたいわけです。

 

試験の得点力は乏しいが、内申点を豊富に確保している受験生。

あるいは、試験の得点力はめざましいが、内申点に恵まれていない受験生。

 

どちらの受験生を入学させたいでしょうか。

 

 

 

浅はかな考えの持ち主は、「難しい問題を作ると受験生に嫌われる」と考えそうです。

難しい問題を嫌う受験生も「残念」ですが、そのような考えの人間も「残念」です。

 

まともに思考すれば明らかですが、「ぬるい試験」は受験生の質を低下させるだけでなく、「選抜機能」を麻痺させます。

 

 

 

「逆転」の可能性が高い入試に、聡明な受験生が集中することになるでしょう。

 

 

 

現在、日比谷・西・国立・戸山・青山・八王子東・立川の7校(私は「G7」と呼称していますが)の間に、はっきりとした序列ができつつあります。

それぞれの高校の「入試問題」の質の「差」は、その序列の形成と無関係ではないと思います。

 

結局、入試問題は「高校の質」を象徴的に示します。入試問題をおろそかにする高校が、他校を圧倒するほどに進路指導に尽力するということはありえません。

 

 

おそらく今後、入試問題を入念にマネージメントする高校とそうでない高校の間に、さらに大きな「壁」が作られることになると思います。

 

 

 

「自校作成」への回帰は、「採点の誤りの問題」との関連性からも興味深く思います。

 

端的に、「採点の誤り」が顕在化するのは「他校のチェック」が介在するからです。しかし、「自校作成」の入試問題に対して「他校」は「口出し」できないわけです。

 

「自校作成」は、「採点基準」を排他的に設定できるので、作問の自由度が上がることになります。

 

 

つまり、以下のような結論に至るわけです。

 

 

まっとうな知性を持った「入試担当者」であれば、記述問題を加増するでしょう。

 

 

(ivy 松村)

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。