受験パターンについて⑥(都立高校「推薦入試」)

⑥都立高校「推薦入試」+都立・私立「一般入試」

 

 

都立高校の「推薦入試」は、1月26日、27日に行われます。

 

都立高校の「推薦入試」は、「入学の縛り」があります。

したがって、日程に余裕があっても、私立の「推薦入試」とあわせて出願することはできません。

 

ただし、都外の「入学の縛り」のない「推薦入試」であれば、併願受験することが許されます。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」は、独特の選抜方法で知られています。

作文か小論文、それに集団討論と個人面接が課せられます。それに「内申点」を合わせて合否判定がなされます。

 

ほとんどの中学生は、「推薦入試」の直前まで、そのような「選考」を受ける準備もトレーニングもしていません。

ですから、地道に体得した成果を発揮するような受験ではなく、個人の「素に近い資質」が、入試得点に色濃く反映されるような受験になります。

つまり、訓練を積んで対応力を鍛える時間がほとんどないために、生来、性格的に「向いている」生徒に圧倒的に有利な入試になるわけです。

特に、集団討論や個人面接は、あがり症だったり、内向的だったり、表現が苦手だったりする生徒には、かなり「ハードル」の高い「試験」となります。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」について、「宝くじ」のようなもので、期待せずに、「一般入試」に向けて勉強して行くべきだ、という意見が根強くあります。

 

この考えの背景にあるのは、受験生が「過度の期待」を持ってしまうと、不合格だった場合に精神的ダメージが大きくなってしまう、という憂慮です。

 

しかし、個人的な考えを忌憚なく述べるならば、「そのようなメンタル」の受験生は、そもそも「向いていない」ように思います。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」について考察するときには、2つの「ファクター」に注目する必要があります。

 

ひとつは、受験生の「適性」です。

 

そして、もうひとつは、「内申」です。

 

「内申」、当たり前じゃないか、と思われる人も多くいるでしょうが、実は、毎年多くの受験生が「内申」を考慮することなく「推薦入試」に挑みます。

 

合格の可能性が、ほぼゼロの出願が、行われるのです。

 

 

たとえば、立川高校の「推薦入試」では、「内申」が「40」を切っている生徒は、合格の公算がほとんどありません。

 

ですから、「内申」が「40」を切っている生徒は「推薦入試」の出願に慎重になるべきです。

よほど、「自信」があって、「覚悟」がある受験生でなければ、その行為は徒労に終わる可能性が高いわけです。まして、スペシャルな「適性」を持たない生徒は、「逆転」も厳しいわけです。

 

 

多摩地区では、「オール5」=「45」の「内申」を持っている生徒の多くは、国高の受験を考えます。

おそらく、受験者のうち、「オール5」の生徒の数は、国高の方が西高よりも多いはずです。

 

立川や八王子東は、女子は「44」「43」、男子は「43」「42」の受験生が多くなります。

しかし、立川や八王子東の合格者の分布は、国高とあまり変わりません。

 

これらの高校の合格者の分布は、およそ「40」あたりが「ボトム」となっています。

女子の場合は、おそらく「40」以下では、合格率はゼロに近い1ケタとなっているのではないかと思われます。

(八王子東と国立には、ある年に「内申」が「40」を切っている受験生が合格していますが。)

 

 

「データ」等から得られる知見としては、都立の「推薦入試」に抜群の「適性」を持ち、さらに立川高校の評価基準に「運命的な」相性を持つ受験生でなければ、「素内申」が「40」以下の生徒は、出願を見合わせるべきであるということになります。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」は、「受けたいかどうか」、ではなく「受かる可能性があるかどうか」に基づいて判断しなければならないと思います。

 

私は、都立高校の「推薦入試」はいいものだと思っていますが、それは「展望」のある受験であることが前提です。

 

毎年、何百人、何千人もの受験生が、むなしい、無謀な挑戦に身を投じます。

「宝くじ」のつもりで期待することさえ「まちがっている」といえるケースも多々あります。

出願することが、そもそも「不合理」なのです。

 

「期待をするな」というのではなく、本来、「出願をするな」というべきなのです。

 

 

 

しかし、では、なぜ、そのような無茶な出願が横行するのでしょうか。

 

その大きな理由は、学校の先生が、「推薦」の「安売り」をしているからなのでしょう。

 

学校の先生からすれば、純粋な「温情」や「配慮」なのかもしれませんが、それは必ずしも受験生に恩恵をもたらすわけではありません。

 

「内申」が「38」の生徒は、上位校の「推薦入試」を受けることになっても、「逆転」はまず不可能なのです。

 

「推薦入試」の実態を知らない受験生は、「チャンスが増えた」と感じ、よろこび、張り切るでしょう。

しかし、ほとんど可能性のない「推薦入試」に向けて、精一杯頑張れば頑張るほど、「一般入試」に向けた受験勉強が削られるわけです。

その「矛盾」に陥っていることを、自覚することさえできないのです。

 

 

都立を第一志望とする受験生は、「推薦入試」を受けるべきかどうか、自分の「適性」と「内申」をよく検討して受験を考えるべきだと思います。

 

そして、その「情報」や「分析」を受験生に知らせることは、学習塾の役割になるでしょう。

 

 

 

ところで、一部の都立高校の「推薦入試」は、ある種の「アナーキー」に陥る危険な兆候が見えます。どうやら、「それ」を狙った出願が功奏するようになってきたみたいです。

武蔵、大泉、富士、白鷗などの「中学併設校」のことです。

 

ここで言及することで、すこしでも「正常」な「選抜」にもどりますように。

 

 

※この記事を書くにあたって、進学研究会さんや新教育研究会さんの資料を参考にさせてもらいました。

 

 

 (ivy 松村))

 

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