都立の理社について

都立高校を志望する受験生が理社の勉強をどう進めていけばよいのか、というのは、受験生だけでなく、「業界」の人間にとっても気になるトピックのひとつだと思います。

 

「トップ校を目指すなら、理社は90点以上!」というような「目安」も、「界隈」でよく聞かれるものです。

 

 

実際には、日比谷、西、戸山を受験する生徒の平均点は、80点前後に収束します。

したがって、例えば、1問「5点」に統一されている社会の場合であれば、トップ校の、より精緻な「目安」としては「85点」が「ライン」となると思います。(理科は、「80点」を「ライン」としてもいいと思います。)

 

ざっくりと、3問から4問の不正解までは「許容範囲」であるといえます。

もちろんそれは、内申点や他教科の学力によって変わるものであるということは、いうまでもありません。

 

 

また、記述問題の部分点がどのように採点されるのか、その「誤差」を考慮する必要もあるでしょう。

 

記述問題の採点基準は、「採点の誤り」の問題の影響で、一昨年度に一度、統一されました。採点基準の統一は大きな混乱を招き、昨年度は、再度、各校の基準で採点することになりました。

本年度も、各校がそれぞれの基準で採点することになるはずです。

 

そうなると、同じ内容の記述であっても、高校によって得点が変わるかもしれません。

 

たとえば、A校であれば、ある語彙が不足している場合には「-1」とされるが、B校であれば満点の正答であると認められるというようなことも考えられます。

 

ある高校の「基準」では物足りない解答であっても、別の高校の「基準」で測れば、申し分ない解答であるとみなされるというようなことは十分にありえるはずです。

 

 

実は、過去のいくつかの高校の「平均点」を見比べて、学校ごとの採点基準の差を示唆する事例を見つけたのです。

すなわち、2つの高校の学力ランクの序列と、ある年の理社の平均点が逆転していたのです。

 

A校は、B校よりも学力ランクが高く、普通ならば理社の平均点は「A校>B校」となるはずなのですが、ある年の平均点が「A校<B校」となっていたのです。

両校の学力差は、必ずはっきりと現れるべきはずのものだったので、B校の採点基準は「甘かった」のだろうと思われます。

 

 

この2年は、都立高校入試の「採点」に対して、「シビア」な視線が注がれています。

そのため、各校の採点基準の「幅」がどのように現れるのか、気になりますが、ちょっとわかりづらくなっているかもしれません。

 

 

まあ、このように、採点基準にも「ブレ」があることが予想されるわけです。

過去問を解いて「85点」だったとしても、自分の実力が本当に「その点数」に届いているのかどうかは、厳密にはわからないわけです。受験校相応の採点基準で記述問題を採点しなければならないわけですが、塾の指導にはそういった「目利き」も必要なのかもしれません。

 

 

 

こうした「データ」は、受験勉強の「方向性」を定めるうえでの「ヒント」にもなります。

 

受験生のタイプにもよることなので、一概に型どおりにいえないことですが、理社の点数の「目安」を「80点」とするか「90点」とするかによって、受験勉強の「配分」が変わってくるでしょう。

 

社会でいえば、受験勉強がしっかりと習慣化され、指導者のいうことを素直に聞くことができる生徒であれば、安定的に「80点」を取れるようになるのはそれほど難しいことではないと考えます。

 

しかし、「80点」を「90点」に伸ばそうとすれば、そのために必要な労力と時間が激増します。

 

単純に、「80点」を「90点」にしようという努力よりも、「60点」を「70点」にしようという努力のほうが効率的で合理的な場合が多いと思います。

「10点の上乗せ」を試行しようというときには、苦手な教科を強化するほうが「近道」であることが多いでしょう。

 

 

社会で、安定的に「80点」を取れるようになった受験生は、もし、苦手な教科を抱えているのであれば、それらを重点的に鍛えるべきです。

理社で「80~90点」取れるのであれば、トップ校に迫るほどの学力がついています。

その上さらに社会の勉強を重ねても「ロス」が大きすぎるわけです。

 

 

 

よく、理社は点数を取りやすい教科なので理社に労力と時間をかけて勉強するべきだ、という人がいますが、私はあまりそのような考えをしません。

 

私は、都立志望の受験生であっても、社会の指導にあまり時間をかけない方だと思います。

基本的に、週に1回過去問を解かせて、解説をするだけです。

他の教科の勉強時間を奪わないように、なるべくコンパクトな入試対策を行おうと考えているからです。

 

 

受験勉強の「配分」は重要です。

 

社会の勉強をせっせとやり続けるよりも、その分、数学の計算問題を一問でも多く解いたほうがいい場合もあるわけです。

 

 

ということで、都立志望の受験生は、しっかりと苦手な教科に取り組んでいきましょう。

(もちろん、理社が苦手な生徒は、逆に理社を特訓するべきですが。)

 

 

(ivy 松村)

 

 

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