「私立高校の授業料無償化」について

東京都の「私立高校の無償化」が大きな話題になっています。

少しだけ所感を書きたいと思います。

 

私は、小池さんは、「私立学校より」の教育政策を行うのではないかという懸念を持っていました。このままいけば、そうなりそうです。

 

小池さんが、「私立高校の無償化」へ傾斜した経緯や動機については、さまざまな憶測や分析がなされています。

 

 

近代以降、「政治的」という言葉は、「権力闘争における権謀」「利害調整やトラブル処理」「選挙対策」「世論誘導と情報統制」など、さまざまな意味を含有するものとなりました。

 

 

「私立高校の無償化」は、まさに「政治的」な決定なのだろうと思います。

いきづまりの打破、目線そらし、妥協の産物などなど。

 

 

 

これを「バラマキ」の一形態であると指摘する人もいます。

「教育費」の「バラマキ」によって支持率が上がることはあっても、下がることはありません。その意味では、手を出したくなる政策の一つです。問題は「財政」ですが。

 

 

 

さて、この「無償化」によって、私たちの税金は、どのように世をめぐるのでしょうか。

 

私立高校に通う生徒のいる家庭は、経済的な恩恵を受けるのでしょうか。

 

もちろん、少なからず家計の支出は抑えられるでしょう。しかし、その「経済効果」は、その歳出額の規模に比して、極めて限定的なものにとどまるでしょう。

 

 

私たちが注意深く見なければならないのは、無償化の対象が「授業料」であるという点です。

 

「授業料」の負担は、軽くなるのでしょう。

 

 

で、私立高校は?

 

 

想像力を働かせましょう。

 

制服や体操服等の費用、教材費、冷暖房費、図書購入費、修学旅行積立金、施設費、同窓会費…これらはどうなるでしょう。

 

 

言い分は、こうです。

 

今まで、「授業料」、なんとか払えてましたよね。「授業料」を払わなくてもよくなったのですから、余裕ができますよね。だったら、少しくらい「他」が値上がりしても、大丈夫ですよね。

 

 

「無償化」は、家計を助けることよりも、ある種の私立高校を儲けさせる「結果」が見え透いているように思えます。

 

本当に「都立高校ではなく、私立でも大丈夫」ですか?

 

 

もちろん、「誠実な私立高校」もたくさんあります。

しかし、そうではない高校がより多くあることは、よく知られた事実です。

 

 

 

もう少し「きわどい」指摘をするならば、「余裕があるはずだ」、という「推定」によって、学校は「寄付」を期待するでしょう。また、「各種団体」も同様の期待をするでしょう。つまり、特定団体に対するものではない、家計への「バラマキ」は、ある種の「ロンダリング効果」があるわけです。

 

 

 

2年前に、私立高校の学費について調べました。

 

参考までに:私立高校の学費 (→「授業料」以外の額が、大きくならないとでも?)

 

 

 

もし、私が毎年数十億の「教育予算」を使えるなら、迷うことなく、都立高校を充実させます。

都立高校の数を増やし、複数回受験の制度を作ります。

それによって、受験生の進学先は、より妥当に学力を反映したものとなるでしょう。

 

 

なぜ、ほとんどの都立高校は、一般入試選抜を1度だけしか行わないのでしょうか。

 

「ある面」からとらえると、それに「あぶれた」生徒を、私立高校に収容させるためであることがわかります。

 

 

 

毎年計上されることになる何十億の予算を使って、都立高校に通える生徒を増やすというのでは、ダメなのですか?

 

 

 

私立高校が困る?

 

高い学費を払っても、その学校に通わせたい、という家庭がある限り、その学校は困ることはないでしょう。

 

そのような学校が増えることは、間違いなく、私たちの社会を豊かにします。

たとえば、「渋幕」のような学校は、ひとつの光明である、といえるのかもしれません。

 

 

それで、「私立高校の無償化」によって、魅力的な高校は増えるのでしょうか。

まともな想像力を働かせれば、即座に思い描くことができます。むしろ、堕落することは明らかです。

 

 

 

少し考えてみればわかります。一体、「どのような私立学校」が困っているのか。

 

 

また、少し調べてみれば、実際には、困る、困ると大声でわめいているのがどのような高校なのか、わかるかもしれません。

 

 

 

それにしても、「困る」のは誰なのでしょう。

 

生徒たちですか?それとも、「利益を気にしている人たち」ですか?

 

 

 

(私立学校の実態について、以下の記事でもふれました。参考までに:私立学校と東京都教育委員会

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

 

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