平成29年度の南多摩中適性検査④

ところで、受検前、南多摩中の、今年の倍率の下落が話題になりました。

 

いろいろな「意見」や「分析」を拝見しましたが、故意なのか、あるいは見落とされているのか、ある「事実」に触れたものを目にすることはありませんでした。

 

 

端的に、都立中受検の「巨人」であるenaの占有率が高い中学ほど、倍率が下がっています。

 

 

 

都立中の「受検熱」がようやく冷却され、都立中全体の「志願者」が減少しています。

 

もう少しディテールに触れるならば、以下のような理由を挙げることができます。

 

①私立中の「受検熱」が回復しつつある

②公立中から都立トップ校への進学の評価が高まった

③「ライト層」が減少した

 

 

 

おそらく、都立中を「単独受検」する受検生は、いっそう大幅に減っているはずです。

 

小石川や桜修館などの東部の都立中学が、ある程度倍率を維持しているのは、私立中と併願する受験生が「流入」しているからです。

 

つまり、SAPIXや日能研など、私立受験を「本命」とする受験生が、東部の都立中の倍率を下支えしているわけです。

 

 

一方、多摩地区では、まだ、都立と私立難関校の併願が、それほど一般的ではありません。

 

「都立最難関」のひとつに位置付けられる武蔵中が倍率を下げているのは、そのハードルの高さから、「都立中単独受検」の層が武蔵の受検を敬遠し、他の都立中に流れたためなのでしょう。

さらに、武蔵は、小石川のように「私立難関校との併願」の受験生を吸引しているわけではないので、志願者数が減少しているわけです。

 

(立川国際は、ちょっと例外です。この中学は、都立中の中でも傑出した特色を持った中学であるということと、進学実績に対する評価の高まり、一般募集枠の少なさなどが要因となって、倍率の下落が抑制されています。)

 

 

 

南多摩中の過去の合格者の「塾別出身」を調べてみると、他の都立中と比べて、個人塾をはじめとする中小規模の塾の合格者が多いことがわかりました。

 

つまり、南多摩中の合格者は、6割ほどがena出身者によって占められ、残りは地域のあちこちの塾から集まっていたということになります。

 

 

enaは東京都西部を「根拠地」とし、東部へ展開中ですが、まだ、東部を「制圧」することができていないという見方もできます。

 

一方、「地元」ともいえる多摩地区では、完全に「一人勝ち」の状況です。

 

もともと多摩地区は「私立難関校との併願」が活発ではないので、「都立中単独受検」の「メリット・コスト・リスク」が割に合わないということが明らかになれば、志願者が散逸せざるを得ないわけです。

 

これは推測ですが、おそらく、南多摩中学受検者数に占めるena生の割合は高まっていると思います。

 

 

ちょっといろいろと考えさせられますが、とりあえず置いておいて、都立中入試が私立中入試に近接してきたということについて、です。

 

 

実際のことはよくわからないので、イメージでの話ですが、東部では、「私立難関校との併願」がいっそう活発化するかもしれません。一方、西部では、「独占」がいっそう強まるかもしれません。

また、東部と西部では、入試問題によって検査される「学力」に、格差が生まれるかもしれません。

 

 

(ivy 松村)

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