都立中学の志願傾向分析①

都立中の受験データを比べてみましょう。

 

すべての都立中のデータを分析しましたが、全部扱うと「ゴチャゴチャ」してしまうので、南多摩、武蔵、小石川を比べてみましょう。

 

 

今回は、「受験欠席」のデータです。

 

応募した人数のうち、試験を受けなかった人数です。

 

 

まず、南多摩です。

 

 

年度

   受験欠席

     欠席率

  男   女   計
29   9   6 15 2.5% 1.4% 1.9%
28 10   8 18 2.5% 1.6% 2.0%
27   4   8 12 1.0% 1.6% 1.4%
26   7   6 13 1.6% 1.1% 1.3%
25   7 11 18 1.3% 1.7% 1.5%
24 13 18 31 2.4% 2.8% 2.6%
23   8 19 27 1.4% 2.6% 2.1%
22 12 18 30 1.8% 2.1% 1.9%

 

 

 

次に、武蔵中です。

 

 

年度    受験欠席      欠席率
  男   女   計
29 21 15 36 7.4% 6.0% 6.7%
28 10 9 19 3.2% 3.4% 3.3%
27 21 15 36 6.2% 5.9% 6.1%
26 15 15 30 4.7% 6.0% 5.3%
25 24 17 41 6.3% 4.8% 5.6%
24 23 22 45 6.0% 6.1% 6.0%
23 27 21 48 6.2% 5.0% 5.6%
22 32 22 54 6.6% 5.0% 5.8%
 21 33 40 73 4.6% 6.1% 5.3%
20  52 44 96 5.7% 4.6% 5.1%

 

 

 

そして小石川中です。

 

 

年度    受験欠席      欠席率
  男   女   計
29 41 37 78 7.8% 7.8% 7.8%
28 45 44 89 8.2% 9.4% 8.7%
27 29 27 56 5.8% 7.1% 6.3%
26 27 43 70 4.8% 9.8% 7.0%
25 24 51 75 4.6% 11.2% 7.6%
24 50 36 86 8.1% 7.0% 7.6%
23 53 43 96 7.4% 7.7% 7.6%
22 34 34 68 5.5% 6.7% 6.0%
 21 34 35 69 4.9% 6.5% 5.6%
 20 81 42 123 9.8% 5.1% 7.5%

 

 

 

3校のうちで、もっとも「受験欠席」が少ないのが南多摩です。

もっとも多いのが小石川です。

 

 

受験を欠席する理由として、以下のようなものが考えられます。

 

 

①体調不良、事故、諸般の事情

②受験する気が無くなった

③志望順位の高い中学に合格した

④同日に行われる別の受験を選択した

 

 

 

都立中入試がはじまったころには、とりあえず出願してみよう、というような物見遊山的な応募が見られ、受験者数も膨れ上がりました。それにともなって、気軽に受験を「キャンセル」する応募者が一定数存在しました。現在は、よくも悪くも都立中受験の「シビアさ」が広く知られるようになり、②のような欠席は少なくなりました。

 

 

近年の「受験欠席」の理由のおもなものは③と④になるでしょう。

 

③は、2月3日の朝までに受験結果が判明する「私立中併願受験者」ということになります。

 

私立中入試は2月1日に始まります。

2月1日当日、あるいは、2月2日に「本命」の合格を得た受験生は、「基本的に」都立中の受験を取りやめます。

 

 

また、私立中受験では、「流動的な受験パターン」を組む受験生がいます。

すなわち、2月3日に入試を行う複数の中学にそれぞれ出願をしておき、直前に受験校の「変更」が可能となるように準備しておくような受験パターンです。これは、「ダブル出願」などと呼ばれることがあります。

2月1日、2日の結果などを考慮して、前日や当日に、どの中学を受験するのかを決めるわけです。

 

2月3日は、国立大附属中学の入試日でもあります。

何人かの受験生は、国立、都立、私立の中学を、「同日併願」しているわけです。

 

当然、そのうちの何人かは都立中ではなく別の中学を受験するという戦略を取ることになるので、都立中の「受験欠席」が生じることになります。

 

 

 

以上のような点を鑑みれば、都立中の「受験欠席者数」は、私立中との併願がどれくらい活発なのかを測る指標のひとつであると考えることができるわけです。

 

 

ただし、すこし注意が必要です。

 

「私立中との併願」と一言でいっても、「内実」は様々です。

 

都立中受験者の中には、私立中に進学する意思はまったくないけれども、「調整」のために私立中を受験するようなグループがいます。

また、私立を「本命」とする受験生のなかにも、都立への進学意欲の高い受験生もいれば、万が一の「保険」のひとつと考えている受験生もいます。

 

 

都立中に出願する受験生の中には、たとえば、東海大菅生や八王子学園といった中学と併願受験する受験生がいるでしょう。これらの中学は、「適性検査型」の入試も行っているので、併願のハードルはいっそう低くなります。都立中入試に比重を置いた受験勉強をしていても十分に対応できる併願です。

あるいは、穎明館や桐朋を併願する受験生もいるでしょう。このランクの中学になると、国私立向けの勉強をしていなければかなりきつくなります。

さらに、私立武蔵中あたりになると、今度は都立中入試との親和性が高くなります。

 

 

「都立専願」の受験層が私立に手を広げる、という場合もあるでしょう。

逆に、私立を「本命」とする受験層が、都立に手を広げるという場合もあります。

そして、私立と都立の受験を「一体的」にとらえている受験層があるわけです。

 

こうした多様な受験の「戦略」を、すべてまとめて「私立中との併願」と言ってしまうのは、少し乱暴なのかもしれません。

 

 

私は、このブログで「都立中の私立併願」についての記事を何回か書きましたが、私が「論点」としているのは、どちらかというと、国私立中入試を照準とした勉強をしてきた受験生が都立中受験をどのくらい「視野」に入れているのか、というものです。

 

「正味」の話をしてしまえば、「都立専願」の受験生が私立中を「併願」することについては、都立中の「受験動向」を探るうえで、それほど深い考察や分析にはならないわけです。「併願」してもしなくても、「状況」は変わりません。

 

(こういういい方をすると短絡的な誤解をする人がいるので付け加えますが、「都立中受験」は、非常に重要なテーマであり続けます。)

 

 

 

※都立中の受験は「受検」と表記する慣例があるということなのですが、この種のテーマを論じるときには使いわけが煩雑になってしまうので、 すべて「受験」に統一しました。まあ、正直、もう全部「受験」でいいのではないかと思っていますが。

 

 

 

 (ivy 松村)

 

 

 

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