「私立志向」について②

「私立大学の定員の厳格化」について考えてみましょう。

 

 

近年、私立大学の「合格難度」が上昇しています。

 

学生数が「超過」状態にあった大学に対して、「適正な収容力」に見合った「学生数」とするように、文部科学省からの「指示」があったためです。

 

「定員数」が減らされ、「合格者数」も減少しました。

 

そのために、「倍率」が高騰し、合否の「ボーダー」が著しく上昇しました。

 

 

 

もうすこし、「ディテール」を見てみましょう。

 

 

最難関の国立大学を目指した受験生のうち、少なくない人数が、国立だけでなく早慶などで厳しい結果となってしまいました。

 

従来であれば、早慶などの合格を得られたはずの「層」が、MARCHの合格のみに留まってしまうわけです。

 

それで、上位国立大学相当の学力を持った学生が、MARCHに流れます。

 

 

一方で、浪人が増えます。

 

この1、2年、浪人生の数が回復しているといわれています。

そのもっとも大きな理由のひとつは、私立大学の「収容力」が低下してしまったことです。

 

 

 

日本の経済状況がよくなかった時期には、地方の学生の、東京の大学への進学が下火となりました。

東京で「一人暮らし」をするのは、経済的に大きな負担です。

 

また、同時に、地方では「少子化」が著しく進行しました。

 

結果として、この15年ほどの間に、東京の大学に在籍する地方出身者の割合は低下しました。

 

 

他方、東京やその近県の大学進学者数が増加しました。

 

「地方からの参戦」が抑制される状況で、私立大学が「キャパ」を大きく超える数の「合格」を出したからです。

 

近年、都立高校をはじめ、「大学進学実績」を向上させる都内の高校が多く現れましたが、それは、上記のような、都内居住者に有利な「構造」が強化されたことが背景にあるわけです。

 

 

 

今年は、私立大学の合格者が絞られてしまいました。

その「あおり」で、「進学実績」が頭打ちになってしまった高校がありました。

 

「変化」をつかみ切れず、「合否の可能性」を読み違えてしまった高校も、あったかもしれません。

 

これから、いくつかの高校は、進学校としての「成長」を鈍化させてしまうかもしれません。

 

 

 

さて、本題の「私立志向」についてです。

 

私立大学の「難度」が上昇しました。

しかし、「私立大学離れ」は起こらないと思います。

 

むしろ、私立大学入試が激化するかもしれません。

 

 

国立大学と私立大学の両方を受験することは、「勉強量」において、非常に大きな負担になります。

 

上で述べたように、国立大学志望でありながらMARCHに進学することになる学生がいるわけですが、その中の何人かは、「私立大進学」に絞って受験勉強していれば、早慶の合格を得られた可能性が高かったのだろうと思います。

 

つまり、「現在の状況」は、ある意味で、国立大学受験の「リスク」がより高まっている、という側面があるわけです。

 

 

また、前回の記事でも述べたように、国立大学と私立大学を比べて、国立大学の「アドバンテージ」が、相対的により小さくなっているという見方が強まると、国立大学受験は回避されるでしょう。

 

「ハイリスク・ハイリターン」ではなく、「ハイリスク・ローリターン」の傾向が強まると捉えられることになるからです。

 

 

実際、国公立大学の受験者は、減少傾向にあるといわれています。

 

 

 

今年の「高校入試」でも、私立大学附属校の「倍率」が高騰しました。

また、「中学受験」でも、附属校の人気が再燃しています。

 

ある意味で、「中学受験」や「高校受験」は、「先物取引」のようなものであるといえます。

 

早期に、国立大学を回避する方向性が固まったのであれば、「大学受験」のタイミングを待つ必要はないわけです。

 

 

 

ところで、国立大学と私立大学の「差異」の捉え方、というのは、とても難しい問題です。

それだけではなく、「大学」に対する「目線」も、人によって「ばらつき」があります。

 

「その人」の主観的なものの見方、考え方、見通し、人生観、価値観、教育観、思惑あるいは思想そして経験などが、直接的に反映されてしまうからです。

 

人の言うことをうのみにせず、自分なりに調べたり、考えたりしましょう。

 

(もちろん、この記事も、うのみにしないようにしましょう。)

 

 

(ivy 松村)

 

「私立志向」について①

12月26日(水)から、冬期講習がはじまります。

 

冬期講習前の3日間は休校期間となります。

 

 

◎休校期間

・12月23日(日)

・12月24日(月)

・12月25日(火)

 

 

12月30日(日)と1月3日(木)は「入試特訓」です。

「入試特訓」の授業が行われるのみで、冬期講習の授業はありませんが、宿題や課題などに取り組みたいという人のために空き教室を開放しますので、どうぞ利用してください。

 

 

 

さて、少し「受験」の話を。

 

昨今、「私立志向」が伸長しているといわれています。

 

さまざまな「要因」が「動向」に影響を及ぼしているわけですが、少し整理して考えてみましょう。

 

 

◎私立志向の要因:

 

①好景気

②私立大学の定員の厳格化

③「私立高校」の教育費支援制度(いわゆる「授業料無償化」)

④大学入試制度改革

⑤都立高校入試改革

 

 

 

いろいろな「記事」などに目を通したりしているのですが、他の「要因」の印象が強すぎるためか、どうも①の「好景気」という「要因」はあまり論じられていないようです。

 

 

近年、「アベノミクス」の成果で、「好景気」が続いています。

 

「アベノミクス」は、ある特殊な状況を作り出しています。「好景気」の効果は限定的で、「恩恵を受けている人たち」と「そうでない人たち」は分断されています。

つまり、「所得の格差」が広がっているわけですが、まあ、それはちょっと置いておきましょう。

 

端的にいえば、結婚し、子供を生み育てている世帯の収入は全体としては上がっているわけです。特に東京圏はそうだと思います。

 

現在は、ある程度「経済的な見通し」がなければ、子供を持つことが難しい時代です。

別のいい方をするならば、子供のいる「家計」は、安定的な経済基盤に支えられているわけです。

つまり、それは「好景気」の効果を存分に受けられるようなもので、たとえば、「ボーナスの額が過去最高になった」とか、そういうことです。

 

要するに、経済的に余裕のある「子を持つ家庭」が増えつつあるわけです。

 

 

 

そこで、「私立志向」という話の「流れ」になるわけですが、それとは別の観点に着目したいと思います。

 

すなわち、就職活動で、学生側に「有利」な状況です。いわゆる「売り手市場」というものです。

 

現在の経済状況であれば、たとえばMARCHなどの難関私立大学に入ることができれば、「十分に良い就職」が可能であると考えられるわけです。

 

 

そのため、リスクや負担を負って国立大学を目指す「必要」が薄まったといえます。

反対に、私立大学および私立大学附属校の人気が高まるわけです。

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

過去問の「リスニング」

今日授業後に卒業生が進路の報告に来てくれました。

 

高1、高2のころ、推薦で大学進学を考えているということで、定期試験に向けて、校舎に来て勉強していました。高3になって、どうしているかな、と思っていたのですが、部活動のために、数か月「合宿」のような状況の中、勉強していたそうです。

がんばりましたね。

 

おめでとうございます。

また、そのうち顔を出してください。

 

 

 

さて、先日の「入試特訓」についてもう少し。

 

 

日曜日の「入試特訓」では、「共通問題クラス」は25年度の入試問題、「自校作成コース」は25年度の西高の独自問題でした。

 

 

25年度は、「記述問題」の全盛期で、英国社などの文系科目の「記述」や「作文」で、得点を取り切れなかった生徒がいました。

 

 

また、英語では、いつもとは違う「リスニング音源」を使ったことで、点数を取り切れなかった生徒がいたのかもしれません。

 

 

都立高校の「過去問」を販売している出版社は意外と多くあります。

それで、個人的にいろいろな出版社の過去問を集めているのですが、今回は、ちょっとマイナーな出版社が刊行している「過去問」の音源を使用してみたのです。

 

 

実は、都立高校入試で実際に使われているリスニングの音声は、過去問に付属している「リスニング音源」とは異なっています。

過去問に付属している「リスニング音源」は、公開されている「原稿」をもとに、各出版社が「再現」して録音したものなのです。

 

ですから、出版社ごとに「リスニング音源」の「声」が違うのです。

 

 

普段の過去問演習は、「東京学参」や「声の教育社」の音源を使うことが多いのですが、いつもとは違う「声」も経験してもらうことにしたのです。

 

 

少し聞き取りづらい声だったかもしれません。

 

そのせいなのかどうか、わかりませんが、〔問題B〕の「Q2」は全員間違えていました。

 

しかし、まあ、この設問の正答率は7.9パーセントですから、もともと「難しい問題」ですが。

 

 

ある生徒は、「she saw old Tokyo.」というフレーズの「old」がうまく聞き取れずに、「all」にしてしまいました。

 

この問題が出題された「当該の入試」でも、「同じような間違い」が多かったということなので、「実際の入試問題」でも、やはり「old」が聴き取りづらかったのかもしれません。

 

 

別の「リスニング音源」であれば、聞き取れていたのかもしれません。

 

 

 

かなり「マニアック」というか、「ディープ」な話になってしまいますが、「リスニング音源」のなかでは、私は、「東京学参」がいちばんフェイバリットです。

 

 

「声の教育社」の「音源」は、男性の声が、かなりシブいというか、シブすぎるというか、けっこう年配の方の声で、「若い男の子の声」としてはちょっと違和感があります。

 

 

「東京学参」の男性の声は、若々しくて、さわやかです。

 

それから、「東京学参」の女性の声は、はっきりしていて非常に聞き取りやすい美しい声です。多分、「役者」の方なのではないかと勝手に想像するのですが、彼女は、一人で、さまざまな年齢や性別の「声」を使い分けていて、いつも聞き入ってしまいます。

 

 

とはいうものの、まったく皮肉なことに、「受験勉強」としては、「聞きやすい声」というのは、難点でもあります。

実際の入試問題で使用される声が、相対的に「聴き取りにくい声」であるかもしれないからです。

 

特定の「聞きやすい声」に慣れてしまうと、入試本番で、うまく放送を聞き取れなくなってしまうかもしれません。

 

 

 

もしかすると、今回の演習で、「いつもの声」を使用していたとしたら、「Q2」を正解できたかもしれません。

しかし、どのようなタイプの音でも、じっくりと聞きとる練習をしておくことも大切です。

 

 

しっかりと準備を進めていきましょう。

 

 

 (ivy 松村)

 

What will we get after the days we study as much as possible ?

新しいパンフレットが完成に近づいてきました。

 

インタビューなどに協力してくださった在塾生・卒業生のみなさんとご家庭に、「サンプル」をご確認いただいております。

ご面倒をおかけして恐縮ですが、誤記や、訂正のご要望などがございましたら、校舎まで仰せ付けくださいますよう、お願い申し上げます。

 

 

さて、パンフレットの件で、何人かの卒業生のご家庭に連絡をさせていただいた際に、近況などを伺わせていただきました。

 

みなさん、大変ながらも充実した高校生活を送っているそうですね。

期末試験を終えた人は、少しゆっくり過ごしているところだと思います。

 

 

塾の方でも、試験期間中、毎日勉強をしに来ていた高校生たちが減り、少し寂しい気分ですが、小6、中3は、いよいよ入試に向けて、スパートをかけていく時期になってきました。

校舎にも、刻々と緊張感が漂ってきました。

 

 

 

昨日は、「入試特訓」の第一回目でした。

 

 

中学生の「入試特訓」は、今年度は「全5回」と、例年に比べて少なめですが、それは、普段の授業で十分な演習量を確保できているために、余裕をもってスケジュールを組んでいるからです。

 

これまでは、「入試特訓」の日程と、期末テストや公開模試、学校説明会などが重なってしまって、かなり無理をして参加していた生徒もいました。

 

今年は、早期に進学先が内定した生徒が多かったので、通常の授業で行う入試問題演習を効率的に行うことができています。

 

たとえば、国語は、すでに都立高校の「共通問題」だけで10回ほど演習を行っています。

 

 

「都立共通問題」のコースは、「入試特訓」で5回、冬期講習で毎日8回の演習を行うので、両方に参加する生徒は、さらに13回分の演習をする機会を得られます。

 

 

都立高校の入試までに、30回分ほどの演習を行うことができると思います。

 

 

 

と、「このようなこと」を書くと、「そんなにやる必要がるのか」という「疑問」を持つ人がいるのだろうと思います。

なかには、いろいろな理由をこじつけて、そんなにやっても効果はない、という批判めいたことをいいたくなる人もいるかもしれません。

 

 

しかし、現実に、「都立共通問題」は、たくさん解くことがもっとも有効な対策となります。都立の問題を熟知している人は、同様の考えを持つと思います。

 

 

まあ、勉強のやり方や指導の方法はさまざまあるので、何が「正解」なのかということを、確定的に述べることはできないわけですが、あえて個人的な「考え」をいうのであれば、「なるべくたくさん受験勉強をする」ということを否定するというのは、なんというか、残念というか、あまり合理的ではない思考です。

 

 

 

そういえば、パンフレットのインタビューに答えてくれた卒業生が、印象的なことを言っていました。

 

 

「定期試験の勉強をするのがフツーになってた。」

 

 

何が「フツー」なのかは「その人」によって違うわけですが、少なくとも、その生徒にとっては、今や試験に向けて勉強するのが「フツー」なわけです。

 

 

「高校で、周りの生徒が、定期試験が近づいてきても全然勉強してなくてビビる。」

 

「周りの生徒は、勉強しはじめても、15分ぐらいで集中が切れてボーとしていて、やばいと思う。」

 

 

 

・・・「昔の自分」を見るようで、いろいろと、思うところがあるようです。

 

 

 (ivy 松村)