塾の「IT革命」やぁ~

最近、よくグーグルアースを使って生徒に地理の解説をしています。

石油化学コンビナートや製鉄所を示したり、平野や盆地の位置や河川の流れを確認したり、大変便利です。

 

学校の音楽の定期テストの際、ユーチューブで「魔王」を聞いたり、「モルダウ(ブルダバ)」を聞いたりすることもあります。歌舞伎や人形浄瑠璃を鑑賞することもできます。

 

 

学習には「情報の取得」という側面があります。ですから、情報機器や情報端末をうまく使うことで、より効率的で効果的な学習が期待できます。

 

しかし、それは、学習者がその「道具」を適切に扱えることが前提です。

 

パソコンやスマホを学習ツールとして使おうという試みが増えてきていますが、あまりうまくいっていないようです。たぶん、それは、「自主学習」の教材としてそのソフトやアプリを設計しているからだと思います。

 

学習意欲が低い人は、結局、学習に利する「道具」であっても、それを積極的に活用しようとはしないのです。

 

勉強と情報技術を結合させるには、やはり「教える側」の企画・計画、誘導が必要となります。

 

 

学習塾が、授業などに情報技術をうまく取り入れるようになれば、「塾の光景」は今とは違ったものになっていくのかもしれません。

 

 

現在、「電子黒板」というものが普及しつつあります。

テキストや画像などを表示したり、タッチで操作や入力をしたり、文字を書き込んだりできる「大きなパソコン画面」を「黒板」として使うわけです。

 

もう少し操作性が向上し、さらにコスト面でのメリットが高まれば、導入する塾も増えるだろうと思います。

 

 

 

近年、多くの大学で、資料作成や「プレゼン」のスキルを身につけるような講座が設けられています。

中学・高校でも、コミュニケーションの技能を重視し、そういった知識を学ぶための授業を行うところもありますね。

 

 

「プレゼン」を行う際には、スライドショーを使って要点を示したり、グラフや画像を表示したりしながら行うようなやり方が普及してきました。

その、スライドで映し出すための資料を作成するソフトが「パワーポイント」です。

 

まともな大学のまともな学生であれば、パワーポイントを使った授業計画を立てることはそれほど大変なことではないでしょう。

 

大学生講師や若い塾社員の人たちのなかには、「アナログ」な板書の授業をするよりも、情報機器を駆使して授業をする方が向いている人もいるのだろう、と思います。

 

 

 

一般企業では、プレゼンや会議、発表などの場で、パワーポイントを使った説明を行うことが常識になっています。学会での発表も同様です。大学の授業でも、熱心な若手の教員は、ほとんどの人がパワーポイントで授業を行います。

 

パワーポイントの利点は、わかりやすい視覚効果を使うことで、聴衆に説明を理解してもらいやすくなるという点です。しかし、パワーポイントを使うメリットはそれだけではありません。

 

パワーポイントの隠れた効用は、発表者が説明の手順や筋道を前もって規定することで、綿密な発表計画を練り、それにもとづいて発表に臨むことができるという点です。

 

聴衆に発表内容を理解してもらうためには、発表者が落ち着いて手際よく話を進めていくことが大事です。パワーポイントを使って資料を作成し、「リハーサル」などを行いながら準備をすることで、「本番」でのスピーチ内容や、話すテンポなどをより最適なものへと調整することができます。

 

 

塾や学校は、時代の流れに疎いところがあって、まだまだ情報技術を、教育にうまく取り入れられていないように思います。それは、逆の面からいえば、変化の見込みが大きいということでもあります。

 

パワーポイントには、大きな可能性を感じます。

 

 

「電子黒板」のような「ハード」と、パワーポイントなどを活用した「ソフト」の両面を十分に活かすことができれば、塾の「サービス」はより質の高いものになると思います。

 

 

 

ところで、少し前に、若い塾講師とベテラン講師の、興味深い意見のやり取りを見聞きしました。

 

若い講師は、授業の「ノウハウ」や教材などを「オープン」に公開し、共有できるようにして、全体の教務レベルを一定に保つことが重要だと主張していました。未熟な講師が授業を行うことは、全ての人にとって損害であり、「一人前」の講師が育つ時間はできるだけ短い方がいいし、そのために全体がバックアップするべきなのだ、という意見です。

 

一方、ベテラン講師は、楽をして「教務資源」を手に入れることは講師に必要な経験をスポイルすることになるし、試行錯誤して自分のパーソナリティにあったスタイルを模索する動機を失わせてしまう、と反論しました。そのうえで、「ノウハウ」の共有は「平準化」された授業の複製を作り出すことでしかなく、逆に教務レベルの低下をもたらすことになると説きました。

 

(一応念のために述べておきますが、ベテラン講師が、すなわち「良い講師」というわけではありません。「ベテラン」は、往々にして、独善的で硬直した指導に陥りやすいのです。学校の先生にも同じことがいえますが、情熱を失った「ベテラン」は、ひどいものです。)

 

 

2つの意見の相違は、どちらか一方だけが正しいというわけではないのだろうと思います。

 

ただ、ある程度まともな塾企業は、必然的に前者の「共有型」へと傾斜するはずです。

後者の「職人型」は、人材への負担が大きすぎて、離職率を高めてしまいます。

 

近年では、徹底した「職人型」の塾(教室)は、大手塾を独立した人が集まって開いたような個人塾にしか見られなくなってしまいました。

 

理想的なのは、教務の「共有化」を促進しながら、「研修」等を通して、教務レベルを底上げしていくことですね。

逆に、最悪なのは、「共有化」も行わないうえ、「研究」の時間も取れないほどの仕事量を課すような塾企業です。(悲劇的なことに、これが一番多いですよね。)

 

 

 

さて、話を戻して、私が関心を抱いているのは、授業コンテンツの「パッケージ化」の可能性です。

たとえば、パワーポイントで作成した授業用の素材を「共有」することができれば、非常に「効率的」です。

 

板書は手書き文字で行うもの、というような固定観念を捨ててしまえば、「板書」の内容を完璧な形で「共有」できるのです。また、画像や音声、動画等の補助的な資料も有効に活用できます。さらに、「雑談」等の素材も「共有」することが可能になるかも知れません。

 

 

 

それで、若い人がパワーポイントをはじめとした情報技術をベテランに教え、ベテランが若い人に教務技術を伝授するという双方向の「共有化」ができれば、お互い「Win-Win」ではないか!と思ったわけです。

 

まあ、これは、戯れ言というか、絵空事ですね。世の中のほとんどの塾組織は、こうした「協働」というものを「大変苦手」にしています。まして、他塾と連携して教務力向上のためのプロジェクトを進めるということなど、想像もできません。

 

 

 

最近、 情報技術と教務の「ノウハウ」を融合するアイデアについていろいろと考えています。それらは、世の中の企業では珍しくないアイデアだと思いますが、塾の世界では、イメージできる人は少ないみたいです。

 

 

ここは小さな塾ですので、「共有化」というようなことは是非もないことですが、来るべき「IT革命」に備えて、今も少しずつ準備をしています。

 

 

 

 (ivy 松村)