平成30年度都立高校最終応募倍率

都立高校の最終応募状況が明らかになりました。

 

 

G7(進学指導重点校)を見て見ましょう。

 

 

まず、倍率の比較です。

 

 男子

本年 昨年

 女子

本年 昨年
倍率 倍率 倍率 倍率
日比谷 2.37 2.47 日比谷 1.99 2.03
戸山 2.39 1.89 戸山 1.78 1.71
青山 2.04 1.98 青山 1.83 2.08
西 2.06 1.96 西 1.48 1.72
八王子東 1.55 1.34 八王子東 1.52 1.39
立川 2.00 1.67 立川 1.61 1.50
国立 1.67 1.57 国立 1.86 1.54

合計

2.01 1.84

合計

1.73 1.71

 

 

 

次に応募者数の推移を見てみましょう。

 

 

 男子 本年 昨年 増減  女子 本年 昨年 増減  
日比谷 313 326 -13 日比谷 243 248 -5  
戸山 316 282 34 戸山 217 233 -16  
青山 304 258 46 青山 251 250 1  
西 272 259 13 西 180 208 -28  
八王子東 205 177 28 八王子東 186 168 18  
立川 264 220 44 立川 197 182 15  
国立 220 207 13 国立 227 186 41  

合計

1894 1729 165

合計

1501 1475 26  

 

 

 

男子の応募者数は、昨年度に比べ、グループ全体で165人増加しています。

倍率は、1.84から、2.01に上昇しています。

 

女子の応募者数は、昨年度に比べ、グループ全体で26人増加しています。

倍率は、1.71から1.73に微増しています。

 

 

男子は、日比谷以外の高校の応募者が増えました。

特に、青山、立川、戸山の応募者が増加しています。八王子東も昨年比で大きく応募者を増やしました。

 

男子は、「チャレンジ」の出願が増えているようにも思えますが、もしかすると、私立との併願が活発化していることが原因かもしれません。

 

今後、入試の「欠席率」を確認することで、本年度の「受験動向」をより詳細につかむことができます。

 

 

女子は、「グループ全体」の状況は昨年と大きく変動はありませんが、「区部」と「多摩地区」で、受験動向に「違い」がみられます。

日比谷、戸山、青山、西の4校の応募者は昨年と比べて減っているのに対し、八王子東、立川、国立の応募者は増えています。

 

グループ内では、西高から国立へ人員の「流出」がみられます。

西の女子は、近年、いわゆる「隔年現象」にはまっているようです。

 

 

 

本年度の志願変更の状況を見てみましょう。

 

 

男子 増減 2/15 2/7 倍率  女子 増減 2/15 2/7 倍率
日比谷 -1 313 ←314 2.37 日比谷 -7 243 ←250 1.99
戸山 -16 316 ←332 2.39 戸山 -7 217 ←224 1.78
青山 4 304 ←300 2.04 青山 -4 251 ←255 1.83
西 -4 272 ←276 2.06 西 -1 180 ←181 1.48
八王子東 -15 205 ←220 1.55 八王子東 -3 186 ←189 1.52
立川 3 264 ←261 2.00 立川 2 197 ←195 1.61
国立 -11 220 ←231 1.67 国立 -17 227 ←244 1.86

合計

-40 1894

←1934

2.01

 合計

-37

1501

←1538

1.73

 

 

 

男子は、戸山、八王子東、国立から、人員が「流出」しています。

女子は、国立が「-17」となっています。

 

日比谷、西の二強には、大きな動きはありませんでした。

 

 

 

戸山の男子は、高倍率を嫌って、「流出」が起こっています。

 

本年度の戸山の高倍率の要因は、ひとつは、昨年よりも応募人数が減らされたことによるものです。さらに、昨年度の合格実績、とりわけ現役の合格状況の良さが訴求力となって、志願者を集めました。また、スーパーサイエンスハイスクール指定校、チームメディカルといったプロジェクトなど、進学指導体制の充実が信頼感を高めました。

 

一方、戸山の女子は、昨年に比べて倍率は微増していますが、応募者数は減少しています。

 

 

国立は、昨年度、目覚ましい大学合格実績をあげました。

本年度、多くの志願者がひきつけられましたが、高倍率を敬遠して、男女ともに人員が「流出」しています。

 

 

八王子東も、耳目を集める大学合格実績が要因となって、応募者を増加させました。

しかし、男子の倍率が例年に比べて高かったこともあって、志願変更による「流出」を招きました。

 

 

 

多摩地区にフォーカスして、本年度の応募状況を整理してみましょう。

 

八王子東の応募者が増加し、男女ともに倍率が1.5以上になりました。

 

八王子東、立川、国立の3校を比較すると、男子の人気は立川、女子の人気は国立に集まっています。

 

また、3校ともに応募者数を増やしています。

昨年に比べて男子が「+85」、女子が「+74」です。

 

特に女子は、区部の4校と比べて、大きな変化がありました。

区部の4校の応募者数は、昨年と比べて「-48」となっています。

区部では、依然として「慎重な出願」が基調となっています。

 

それに対し、多摩地区の3校は大きく応募者を増やしています。

 

 

 

志願変更は、一部、「再提出」を行わない者が出てくるので、「全体」としては「流出」が多くなりますが、ほとんどの受験生は、いったん「再提出」を行います。

 

志願変更は、より合格可能性の高い「下位」の学校に受験校を変更する受験生のほうが多いので、「最上位」の高校群からの「流出」は、相対的に活発になります。

 

人員の「流出」の状況をもう少し詳しく見てみましょう。

 

 

 男子 倍率 増減  女子 倍率 増減  
国立 1.67 -11 国立 1.86 -17  
立川 2.00 3 立川 1.61 2  
八王子東 1.55 -15 八王子東 1.52 -3  
国分寺 1.60 6 国分寺 1.60 3  
武蔵 1.65 -11 武蔵 1.52 15  
武蔵野北 1.46 0 武蔵野北 1.67 -12  
小金井北 1.92 -29 小金井北 1.82 -5  
町田 1.36 5 町田 1.53 7  
調布北 1.55 37 調布北 1.42 12  
多摩科技 1.87 1 多摩科技 1.87 -2  
日野台 1.56 18 日野台 1.33 10  
昭和 1.79 -17 昭和 1.79 -12  
南平 1.77 -7 南平 1.72 -8  

 

 

 

男子は、国立、八王子東、武蔵などから「流出」した人員は、低倍率を示していた調布北、日野台に吸収されました。

 

女子は、国立や武蔵野北から武蔵、町田、または調布北、日野台に「流出」しているようです。

 

本年度は、倍率が高い高校から低い高校へ、積極的な志願変更がみられました。そのため、「全体」の倍率が一定の範囲に収束する傾向が強まりました。

 

 

 

ところで、「進学校」を考えるうえで、南平高校はひとつの「基準」たりえると思います。

 

南平高校を含めた上記の高校群は、応募者数を増やしています。

特に男子は顕著で、全体で231人の増加です。

 

一方、上記以外の旧7学区~旧10学区の高校は、その多くが応募者数を減少させています。

 

 

そのおもな要因を2つ挙げることができます。

 

ひとつは、生徒数の減少です。

もうひとつは、私立高校の「授業料軽減制度」です。「ここ」がこの制度の「ボリュームゾーン」になると思います。

 

 

 

本年度の中学の卒業予定者は、昨年に比べて1685人減っています。

また、志望校調査によれば、都立高校を志望する生徒の割合も減少していることが確認できます。したがって、相対的に私立高校を志望する生徒の割合が高まっていると考えられます。

 

都立高校入試の最終応募者の人数は、その数値に呼応した減り方をしていません。

つまり、都立高校の応募者数の減少は抑制されています。しかし、これは「出願」の数なので、「内実」よりも数字が大きくなります。

 

また、本年度は、私立入試の動向に大きな変化があったので、それがどう影響しているのか、という部分もあります。

 

 

さて、重要な点は、中学卒業予定者および都立志望者は減っているのに、上位校の応募者は増えているという点です。

 

これについては、少し時間をかけて考える必要があります。

 

 

 

それにしても、本年度は、ちょっと「難しい部分」がありました。

実は、その「一部」は「このブログ」なんですよね…。

 

自分が思っている以上に、受験動向に影響を与えているようです。

 

ある理由で、アクセスの解析を全くやっていません。一度も見たことがないのです。それで、どれくらいの人が読んでいるのかも知らないまま書き続けているのですが、自分が思っているよりも多くの人が読んでいるみたいです。ある程度「計算」していたつもりだったのですが、「予想」を上回っているようです。

 

ちょっと確かめてみようと、情報をコントロールしてみたのですが、どうも、やっぱり、そういう気がします。

 

 

それで、この記事もどうしようか考えながら書いてみたのですが、う~ん。

 

どうなんでしょう。

 

 

 

 (ivy 松村)

 

 

平成30年度都立高校の出願状況

都立高校の出願状況が公表されています。

 

 

進学指導重点校(G7)の状況を見てみましょう。

 

 

まず、男子です。

 

 

男子

倍率の推移 応募者数の推移
30年度 29年度 28年度 27年度 30年度 29年度 28年度 27年度
日比谷 2.38 2.48 2.61 3.29 314 328 347 437
戸山 2.52 1.95 2.36 2.90 332 290 314 386
青山 2.01 1.97 2.60 2.44 300 256 340 366
西 2.09 1.98 2.21 2.17 276 262 294 289
八王子東 1.67 1.15 1.40 1.44 220 152 186 192
立川 1.98 1.82 1.50 2.10 261 240 199 279
国立 1.75 1.52 1.93 2.15 231 200 257 286

合 計

2.06 1.84 2.09 2.36 1934 1728 1937 2235

 

 

 

次に女子です。

 

 

女子

倍率の推移 応募者数の推移
30年度 29年度 28年度 27年度 30年度 29年度 28年度 27年度
日比谷 2.05 2.15 2.39 2.46 250 262 289 298
戸山 1.84 1.68 2.06 2.31 224 228 247 277
青山 1.86 2.05 2.60 2.23 255 246 309 303
西 1.48 1.84 1.53 1.74 181 223 184 209
八王子東 1.55 1.40 1.61 1.48 189 169 193 177
立川 1.60 1.50 1.49 1.46 195 182 179 175
国立 2.00 1.59 1.93 2.00 244 192 231 240

合 計

1.77 1.74 1.94 1.96 1538 1502 1632 1679

 

 

 

本年度は戸山高校が1クラス減、青山高校が1クラス増でした。

したがって、グループ全体の募集人数は、昨年と比べて大きな変化はありませんでした(+2)。

 

 

男子の倍率と応募者数は、2年前の水準に回復しています。

女子も若干回復しました。

 

 

減少傾向にあった男子の出願者数が再び増加に転じた理由の1つは、各高校の「ボーダー」となる「内申基準」が明らかになってきたことです。

学校の説明会などで、受験者・合格者の得点や内申の分布などの資料が公開されています。

 

都立入試の制度変更後、慎重な出願が大勢を占めていましたが、「データ」が蓄積されたことで、「戦略的」な出願が可能になってきました。

 

 

もう1つの理由は、「自校作成」が復活したことで、入試問題の難化が想定されていることです。

「内申」が乏しい受験生の「逆転」の「可能性」が高くなったことで、「差し込み」の出願が増えていると考えられます。

 

 

さらに、私立を「本命」とする受験生が増えたことも理由の1つとなっているかもしれません。

私立を「本命」とする受験生は、都立で「大勝負」をすることができます。

私立進学が「本筋」なので、「強気」で都立の出願ができるわけです。

 

 

 

「志望校調査」と比較して倍率が上昇しています。

 

 

それは「推薦入試」という「ファクター」が関与することで引き起こされます。

 

「志望校調査」は、推薦入試と一般入試の「合計の定員」をもとにして倍率を算出しています。

そこから、「推薦入試合格者」を引いて再び計算をすると、志望者数が一定であっても、倍率は上昇するのです。

 

 

推薦入試の定員が30人、一般入試の定員が120人の高校を例にして考えてみましょう。

「合計の定員」は、150人です。

その高校に250人が志望しているとすると、倍率は250÷150=「1.67」になります。

これが、「志望校調査」の倍率です。

 

推薦入試の定員が30人なので、推薦入試後30人が合格します。

単純な計算をすれば、志望者数は250−30=220人となります。

 

今度は一般入試の倍率を算出するわけですが、倍率は、220÷120=「1.83」になります。

 

 

「志望校調査」の時点から、志望者数が変わらなくても、一般入試の倍率は自然に「上昇」するわけです。

 

これが、「志望校調査」と比べて「一般入試」の倍率が「上昇」する第1の理由です。

 

 

 

さらに、都立を第2志望以下に設定している受験生の出願が行われるため、「出願者」は「志願者」よりも多くなります。

これが、2つ目の理由です。

 

私立と都立の両方を受験することを考えている受験生のうち、私立を第一志望とする受験生は、当然ながら「志望校調査」における都立高校の志望者には含まれないわけです。

 

私立の一般受験をする受験生のうち、都立を受験パターンに組み込んでいる受験生は、都立の出願を行います。

ゆえに、「志望校調査」に反映されていない出願が加えられ、倍率が上昇します。

 

ただし、このうち、私立に合格した受験生は、入試を欠席するので、実質倍率は下降します。これは、特に日比谷高校に顕著です。

 

本年度の高校受験の「私立併願」の状況は、受検欠席のデータを分析することで、ある程度明らかになります。

 

 

 

「志望校調査」の志望者数・倍率と「出願状況」における出願者数・倍率を比べてみましょう。

 

 

まず、男子です。

 

 

出願状況 志望校調査
出願者数 倍率 志望者数 倍率 増加
日比谷 314 2.38 276 1.67 71
戸山 332 2.52 355 2.16 9
青山 300 2.01 245 1.48 71
西 276 2.09 293 1.79 15
八王子東 220 1.67 226 1.38 26
立川 261 1.98 289 1.76 4
国立 231 1.75 275 1.68 -12
 合 計 1934 2.06 1959 1.70 184

 

 

次に女子です。

 

 

出願状況 志望校調査
志望者数 倍率 出願者数 倍率 増加
日比谷 250 2.05 254 1.67 26
戸山 224 1.84 238 1.57 16
青山 255 1.86 237 1.56 33
西 181 1.48 202 1.33 9
八王子東 189 1.55 218 1.43 1
立川 195 1.60 210 1.38 15
国立 244 2.00 302 1.99 -28
 合 計 1538 1.77 1661 1.56 72

 

 

上の表の「増減」は、「志望者数」から「推薦入試の合格者数」を引いた数と、一般入試の出願者数を比べたものです。

・「志望校調査の志望者数」-「推薦合格者」=「一般入試に出願するはずの志望者」

・「実際に出願した人数」-「一般入試に出願するはずの志望者」

=「増減」(「志望校調査」時の志願者数と一般入試の出願者の人数差)

 

上の表では、日比谷高校の男子の「増減」は「71」になっています。

これは、「志望校調査時」に日比谷を第一志望としていない生徒が、「計算上」71人、日比谷高校に出願しているということを示しています。

 

 

 

男子に「変化」が大きく現れている高校があります。

 

日比谷は、国私立を第一志望とする受験生の併願が多いため、出願時に応募者が増えます。

 

青山は、「志望校調査」時の低倍率に吸引されて、出願者が増加しました。

同様に、八王子東も応募者を増加させています。

 

一方、国立は、高倍率を避けて撤退した人員が出ています。

 

 

 

女子は、戸山、青山、立川など、「志望校調査」で低倍率だった高校が人員を吸引しています。

 

一方、女子もまた、国立から志望者が流出しています。

 

西の女子の倍率は今のところ抑制されていますが、少し変化があるかもしれません。

 

八王子東は、「倍率」は上昇していますが、「増減」は実は1人増だけです。

八王子東の女子の例に見られるように、「志望者」が増えなくても一般入試の倍率は上昇します。

 

 

八王子東は、志願変更時に女子、男子ともに倍率をさらに上昇させるかもしれません。国立から、まだ人員が流れる可能性があります。

 

 

 

「出願状況」に変化を与えるものは、他にもあります。

 

それは、「推薦入試受験者の動向」です。

 

都内の高校の推薦入試を受ける受験生は、必然的に受験校を第一志望に設定することになりますが、都立高校の推薦入試が不合格だった受験生のうち、出願先を変更する受験生がいます。

 

また、合格の「確約」を出さない私立の推薦入試の不合格者のうち、一般入試の受験パターンに都立を組み込んでいる受験生は、都立高校に出願をします。

そのなかで、実際には積極的に都立への進学を考えている受験生もいるのだろうと思います。

 

本年度の私立高校受験の動向を知るには、もう少し時間が必要です。

 

 

 

本年度は、新宿高校、国分寺高校などが出願者数を減らしています。

したがって、「リスク」を負ってより上位校を狙おうという受験生が増えているのだろうと思われます。

 

 

 

最後に、「多摩地区」の本年度の「状況」を考えてみましょう。

 

 

日比谷、戸山、青山、西の4校と、八王子東、立川、国立の3校の2グループの出願者数を比べてみます。

 

 

 

まず、男子です。

 

30年度 29年度 28年度 27年度
日比谷 314 328 347 437
戸山 332 290 314 386
青山 300 256 340 366
西 276 262 294 289

4校計

1222 1136 1295 1478

 

 

30年度 29年度 28年度 27年度
八王子東 220 152 186 192
立川 261 240 199 279
国立 231 200 257 286

3校計

712 592 642 757

 

 

日比谷、戸山、青山、西の四校の男子の29年度の出願者数の合計は1136人です。30年度の出願者数の合計は1222人です。

したがって、昨年度と比べて、日比谷、戸山、青山、西の4校は、出願者を計86人増やしています。

一方、八王子東、立川、国立の3校の29年度の出願者数の合計は592人です。30年度の出願者数の合計は712人です。

したがって、昨年度と比べて、120人が増加しています。

 

とりわけ、八王子東の増加が顕著です。

 

 

 

次に、女子です。

 

 

30年度 29年度 28年度 27年度
日比谷 250 262 289 298
戸山 224 228 247 277
青山 255 246 309 303
西 181 223 184 209

4校計

910 959 1029 1087

 

 

30年度 29年度 28年度 27年度
八王子東 189 169 193 177
立川 195 182 179 175
国立 244 192 231 240

3校計

628 543 603 592

 

 

日比谷、戸山、青山、西の四校の女子の29年度の出願者数の合計は959人です。30年度の出願者数の合計は910人です。

したがって、昨年度と比べて、日比谷、戸山、青山、西の4校は、出願者を計49人減らしています。

一方、八王子東、立川、国立の3校の29年度の出願者数の合計は543人です。30年度の出願者数の合計は628人です。

したがって、昨年度と比べて、85人の増加です。

 

 

女子は、2つのグループの「差」がより鮮明にあらわれました。

 

 

 

本年度、私立、都立ともに多摩地区の受験の動向に、変化が生じています。

その要因について、ちょっと思いあたるところもあります。

 

 

しかし、まあ、今回は、このへんで。

 

(ivy 松村)

都立高校の最終応募状況②

八王子東、立川、国立の3校の応募人数を確認してみましょう。

 

 

まず、男子です。

 

 

 男子 29年度 28年度 増減
八王子東 177 188 -11
立川 220 208 12
国立 207 241 -34
 計 604 637 -33          

 

 

次に女子です。

 

 女子 29年 28年 増減
八王子東 168 187 -19
立川 182 185 -3
国立 186 220 -34
 計 536 592 -56          

 

 

 

男子は、八王子東、国立ではなく、立川を志望する受験生が増えていることがわかりますが、3校全体で志願者をつなぎとめられなくなって、「流出」を招いています。

 

女子は、いっそう全体の志願者数が減少し、より「人員」の流出が大きくなっていることがわかります。

 

その一部は国分寺に流れています。

本年度、国分寺高校の、女子の応募が増加しています。

 

 

国分寺高校の年度ごとの応募状況を確認してみましょう。

 

  男子   女子
年度 倍率 人数合計 人数 割合 人数 割合
29 1.79 451 238 52.8% 213 47.2%
28 1.74 438 248 56.6% 190 43.4%
27 1.67 420 245 58.3% 175 41.7%
26 1.77 446 271 60.8% 175 39.2%
25 2.24 493 289 58.6% 204 41.4%
24 1.94 427 270 63.2% 157 36.8%

 

 

 

国分寺は、男女合同で合格者を出す高校ですが、従来、男子の応募が女子を大きく上回っていました。

上の表を見ると、年々女子の応募人数が増え、本年度は応募者に占める女子の割合が半数近くになっていることがわかります。

 

 

国分寺は、志願変更によって、応募者を減らし、倍率を1.82から1.79に下げています。

内わけを見ると、男子は「-1」、女子は「-6」です。

 

 

 

ざっくりとした「目安」ですが、都立の上位校は、だいたい倍率が1.8を超えてくると流出が活発になります。

また、1.4を下回ると、志願変更が刺激されるようです。

 

 

昭和の倍率上昇や、小金井北の倍率下降は、まったくの予想どおりでした。

 

昭和・男子 1.23→(+10)1.30

昭和・女子 1.16→(+24)1.36

 

小金井北・男子 1.85→(-15)1.70

小金井北・女子 2.00→(-15)1.84

 

 

小金井北を含めた、いわゆる「三北」とよばれる3校は、「都心の影響」を受ける立地なので、来年度の動向が少し気になります。

 

調布北の女子が、1.37→(+16)1.55となっています。

武蔵野北の女子は、1.92→(-9)1.84です。男子との「格差」が出ています。

 

調布北の男子は、1.32→(+1)1.33、武蔵野北の男子は1.39→(+5)1.44でした。

 

 

調布北、武蔵野北の男子の倍率は、大きく変動しませんでした。

特に調布北の来年の倍率は気になります。

 

 

 

「共通問題上位校」を追う位置の高校群になると、倍率1.6後半ぐらいが流出の「目安」になります。

 

 

南平・男子 1.68→(-11)1.60

南平・女子 1.73→(-7)1.67

東大和南・男子 1.69→(-13)1.59

東大和・男子 1.71→(-18)1.53

 

 

 

その他、気になったのは、武蔵の女子、1.58→(+9)1.87です。

 

武蔵は、1.6を下回ると、「ねらい目」だと目されるのかもしれません。

武蔵は、大学合格実績が伸長しています。

今後、トップ校を狙う学力の生徒にとって、特異な位置づけの高校になりそうです。

「受験倍率」がどれくらいになるのか、少し気になりますが。

 

 

(ivy 松村)

 

都立高校の最終応募状況①

都立高校の最終応募倍率が出ました。

 

日比谷・戸山・青山・西・八王子東・立川・国立の最終応募倍率の年度別推移を見てみましょう。

 

 

まず、男子です。

 

 男子 29年度 28年度 27年度
日比谷 2.47 2.52 3.25
戸山 1.89 2.35 2.76
青山 1.98 2.43 2.38
西 1.96 2.12 2.20
八王子東 1.34 1.41 1.50
立川 1.67 1.56 2.08
国立 1.57 1.81 1.98
 計 1.84 2.03 2.31

 

 

 

次に女子です。

 

 女子 29年度 28年度 27年度
日比谷 2.03 2.23 2.40
戸山 1.71 1.91 2.18
青山 2.08 2.34 2.11
西 1.72 1.53 1.75
八王子東 1.39 1.56 1.45
立川 1.50 1.54 1.52
国立 1.54 1.83 1.88
 計 1.71 1.85 1.90

 

 

 

男子も女子も全体の倍率が下がっています。

 

男子は、本年度は2倍を切り、グループ全体で「1.84」となりました。

 

女子は、「1.74」です。

昨年度は倍率を大きく下げることはありませんでしたが、本年度は下落しています。

昨年度は男子に強く「安全志向」があらわれ、本年度は女子に波及しました。

 

 

 

では、本年度、志願変更によって、倍率がどのように変化したのか確認してみましょう。

 

 

まず、男子です。

 

 男子 増減

倍率

志願変更前
日比谷 -2 2.47 ←2.48
戸山 -8 1.89 ←1.95
青山 2 1.98 ←1.97
西 -3 1.96 ←1.98
八王子東 25 1.34 ←1.15
立川 -20 1.67 ←1.82
国立 7 1.57 ←1.52
 計 1 1.84 ←1.84

 

 

 

次に、女子です。

 

 女子 増減

倍率

志願変更前
日比谷 -14

2.03

←2.15
戸山 5 1.71 ←1.68
青山 4 2.08 ←2.05
西 -15 1.72 ←1.84
八王子東 -1 139 ←1.40
立川 0 1.50 ←1.50
国立 -6 1.54 ←1.59
 計 -27 1.71 ←1.74

 

 

 

西高の女子は、昨年の低倍率に引き寄せられていた層が流出しました。

 

八王子東の男子が「+25」、立川の男子が「-20」です。

八王子東の男子は、低倍率に刺激された層が流入しました。

 

おそらく、立川からの志願変更が一定数あったはずです。

 

立川と八王子東は、校風は対照的ですが、学力レベルも、立地も近いので、両校の受験を視野に入れていた受験生のうち、倍率の差に促されて受験校を替えたのでしょう。

 

 

 

本年度は、特に、八王子東、立川、国立の3校の倍率が、「抑制」されているのがわかります。

 

多摩地区は、そもそも「都立志向」が強いということもあって、中学校や学習塾の受験指導は、都立入試に大きく傾いています。

 

また、都立高校に進学しない場合の「リスク」が「都心」に比べて大きくなることも、多摩地区のトップ校の倍率が沈静化される理由のひとつです。地域内に、トップ校を受験する学力層の、国私立の代替校が少ないために、都立入試の「比重」が大きくなるのです。

 

さらに、特別選考枠の廃止、内申点の換算方法の変更などによって、「逆転をねらう受験」の勝算が薄まってしまったわけです。

 

以上のような背景ゆえに、多摩地区では、慎重な出願が主流になりつつあります。

 

 

 

過去3年の志願変更による「人員」の流出と流入を見てみましょう。

 

 

まず、男子です。

 

 男子 29年度 28年度 27年度
日比谷 -2 -12 -5
戸山 -8 -2 -19
青山 2 -22 -9
西 -3 -12 3
八王子東 25 2 8
立川 -20 9 -3
国立 7 -16 -22
 計 1 -53 -47

 

 

次に女子です。

 

 女子 29年度 28年度 27年度
日比谷 -14 -19 -8
戸山 5 -18 -16
青山 4 -30 -16
西 -15 0 1
八王子東 -1 -6 -3
立川 0 6 7
国立 -6 -11 -15
 計 -27 -78 -50

 

 

 

志願変更による流出と流入がどのように起きるのかは、倍率をはじめとする相対的な受験の情勢や、受験生の個々の志願状況に左右されます。

 

28年度、27年度は、取下げ・再提出の日程に「土・日」がからんだために、従来よりも受験のスケジュールに「余裕」ができました。

そのために、志願変更が少しばかり「戦略的」に使われることがあったようです。

一部の高校の合格発表を確認してから再提出することが可能になったことで、志願変更が活発になったのかもしれません。

 

志願変更による「人員」の流入や流出は、その人数の増減「だけ」で判断することはできませんが、トップ校の受験層では、積極的に志願変更を使う受験生が減っているのかもしれません。

 

「入試結果」の予測の精度が高まっているために、どこを受験するか、「ぎりぎりまで悩む必要がなくなってきている」からです。

 

 

ただ、本年度は、八王子東の男子があまりにも低倍率だったために、立川やその他の高校に一旦は応募した受験生の志願変更を刺激しました。

 

 

 

(ところで、私は上掲の高校群を、「グループ作成の7校」ということで「G7」と名付けてみたのですが、来年から自校作成となるので、このネーミングは何だかしっくりこなくなってしまいました。「進学指導重点校」←長い…。何か、いい呼び方はないものなのでしょうか。)

 

 

 

(ivy 松村)

 

平成29年度都立高校の志願傾向分析

都立高校の「倍率」について書きます。

 

日比谷・戸山・青山・西・立川・八王子東・国立の過去3年の倍率の推移を見てみましょう。

 

 

まずは男子です。

 

 

29年度 28年度 27年度
日比谷 2.48 2.61 3.29
戸山 1.95 2.36 2.90
青山 1.97 2.60 2.44
西 1.98 2.21 2.17
立川 1.82 1.50 2.10
八王子東 1.15 1.40 1.44
国立 1.52 1.93 2.15
 計 1.84 2.09 2.36

 

 

 

八王子東が低迷しています。

また、国高も昨年から大きく倍率を下げています。

 

東、国高から「流出」した「人員」は、立川に流れていると思います。

 

国立からの流出は、過酷な競争を避けるためでしょう。

八王子東は、すこし人気が落ちてきているように思います。

 

 

 

続いて女子です。

 

 

29年度 28年度 27年度
日比谷 2.15 2.39 2.46
戸山 1.68 2.06 2.31
青山 2.05 2.60 2.23
西 1.84 1.53 1.74
立川 1.50 1.49 1.46
八王子東 1.40 1.61 1.48
国立 1.59 1.93 2.00
 計 1.74 1.94 1.96

 

 

 

西の女子だけが、倍率を上げています。

昨年の低倍率の「反動」とみてよいでしょう。

 

立川はほぼ横ばい、それ以外の高校は倍率を下げています。

 

 

 

応募者の増減を見てみましょう。

 

男子です。

 

 

29年度 28年度
日比谷 -19 -90
戸山 -24 -72
青山 -84 -26
西 -32 5
立川 41 -80
八王子東 -34 -6
国立 -57 -29
 計 -209 -298

 

 

 

次に女子です。

 

 

29年度 28年度
日比谷 -27 -9
戸山 -19 -30
青山 -63 6
西 39 -25
立川 3 4
八王子東 -24 16
国立 -39 -9
 計 -130 -47

 

 

 

最近の2年で、男子は全体で500人以上も応募者数を減らしています。

女子も、177人の減少です。

 

 

特別選考枠の廃止、内申点の換算方法の変更によって、トップ校へのチャレンジが抑制されました。

さらにつけ加えると、入試問題の易化によって「逆転」が難しくなったことも心理的に作用しているかもしれません。

 

 

従来であれば、トップ校を狙っていた受験層が、より「下位」の高校に流れているわけです。

 

この2年、トップ校から「人員」が流出しているので、その受け皿となる「下位」ランクの高校のうち、集中的に応募者を集めた高校の倍率が急上昇するという現象が見られました。本年度も、その傾向が続いています。

 

同様の理由で、大泉・富士・白鷗・両国・武蔵などの「中学併設校」全体の倍率も回復傾向にあります。

 

トップ校のうち何校かは倍率を下げますが、おそらく、八王子東は倍率を上げてくるでしょう。

また、併設校も倍率を上げる高校があるでしょう。

 

 

 

本年度、トップ校から「下位」の高校に「人員」が流れる傾向は、「区部」に顕著に見てとれます。特に「共通問題上位校」の「倍率」が高まっています。

 

 

29年度 28年度  27年度
小山台 1.61 1.76 1.74
1.84 1.78 1.51
駒場 1.81 1.59 1.94
1.94 1.63 1.80
竹早 2.04 1.57 1.62
2.53 1.95 1.88
三田 2.05 1.78 2.70
2.20 2.17 2.48
小松川 1.36 1.79 1.53
1.07 1.40 1.33
城東 1.57 1.61 1.85
1.55 1.46 1.93
豊多摩 2.41 2.11 2.02
2.40 2.00 1.95
北園 2.20 1.90 1.88
2.18 2.05 2.33
上野 1.89 1.98 1.97
1.58 1.78 1.78
文京 2.03 1.76 1.73
2.05 2.11 1.77
井草 1.49 1.31 1.44
1.47 1.36 1.57

 

 

男女ともに、2倍を超える倍率、2倍近くの倍率の高校があります。

もともと高倍率の人気校もあれば、大きく倍率を上げてきている高校もあります。

 

本来であれば、ある「水準」を超えてくると、倍率は下落傾向に転じるのですが、上掲のうちの何校かは、「上」からの流入が止まらないので、高倍率が維持されているのです。

 

 

 

一方、多摩地区に目を転じると、昭和の下落と、小金井北の上昇が目につきます。

 

 

29年度 28年度 27年度
町田 1.46 1.35 1.49
1.44 1.50 1.36
日野台 1.35 1.47 1.41
1.57 1.34 1.58
武蔵野北 1.39 1.27 1.74
1.92 1.69 1.47
小金井北 1.85 1.07 1.65
2.00 1.41 1.47
調布北 1.32 1.71 1.71
1.37 1.83 1.87
昭和 1.23 2.11 1.83
1.16 2.12 1.93
南平 1.68 1.47 1.80
1.73 1.53 1.30

 

 

前年、「2.11」だった昭和の男子は、「1.23」にまで倍率を落としています。女子は「2.12」から「1.16」と、より大きく倍率を落としました。

人数の増減をみると、男子は「-118」、女子は「-114」の減少です。

 

一方、小金井北は、男子「1.07」→「1.85」、女子「1.41」→「2.00」と、大きく倍率を上げています。

人数の増減をみると、男子は「+78」、女子は「+54」です。

小金井北は、倍率が下降局面を迎えるまでは2倍を超える高倍率でした。

本年度は、人気を回復した形です。

 

 

両校の倍率の推移は、ある一つの単純な「法則」をなぞっています。

すなわち、「高倍率→低倍率」/「低倍率→高倍率」というように、過年度の倍率が当年の倍率に影響するというものです。

 

 

多摩地区では、ここ数年、倍率の「乱高下」に見舞われた高校がありました。

 

その大きな原因は都立中高一貫校の開校です。

 

過去に、多摩地域では、武蔵・立川国際・三鷹・南多摩といった都立中高一貫校が設立されたために、漸次、地域の都立高校の募集人数が縮小され、同レベルの他の高校に受験生が集中し、倍率が高騰するという現象が起きました。

 

町田・日野台なども、一時大きく倍率を上げたことがあります。

 

これらの高校は、「高倍率→低倍率」/「低倍率→高倍率」という「波」を何度か経て、次第に倍率が安定してきました。

 

日野台は、今年は少し倍率が上がるのではないかという予想もありましたが、志願変更前の応募では、大きな変動はありませんでした。(もちろん、これから変動する可能性はありますが。)

 

 

多摩地区の「共通問題上位校」は、「都心」に比べて、倍率の高騰が起こりづらくなってきました。

それは、「高校入試の潮流」が、「都心」よりも多摩地区にいち早く訪れたためではないかと思います。

 

 

一言でいえば、それは「安全志向」です。

かねてからこのブログで指摘してきたように、都立高校入試は、「安全志向の玉突き」が起きつつあります。

 

都立高校入試の制度の変化が影響し、「一か八か」の受験が退潮的になっています。

別のいいかたをするなら、堅実な受験が支配的になってきているということです。

 

トップ校の志願者が激減し、その「あおり」で「二番手校」の倍率が上昇、やがてその「下位」の高校に志願者が流れるという、「玉突き」が進行中です。

 

もちろん、大学の合格実績などを要因として、個々の高校の「直接的な」倍率の変動は起こりますが、全体の「志願傾向」を「玉突き」になぞらえることができると思います。

 

 

 

多摩地区は、中高一貫校の開校によって、早期に「二番手校」の倍率の上昇が誘引されました。

そのために、「都心」に先駆けて、倍率の上昇・下降の「バイオリズム」が起動してしまったわけです。

 

 

多摩地区の「安全志向の玉突き」は、すでに次の段階に移行しつつあるとみることができます。

 

 

「二番手校」を受験する学力水準の受験生は、一時、潜在的な受験者数が膨張することになります。

そのことをよく理解している受験生たちは、同じレベルの高校群の中から、「なるべく合格しやすい高校」を探します。言うまでもなく、「倍率」がその大きな指標となります。

 

結果、過年度に低倍率だった高校に応募者が殺到したり、過年度に高倍率だった高校が極端に避けられたりする現象が起こります。

 

こうした倍率の振幅を経て、やがて、「二番手校」の倍率は、一定の水準に収束していきます。

 

現行の都立高校入試の制度下では、「安全志向」の心理が強く作用するので、倍率が安定すれば、志願者は、より「下位」へと流れます。

 

 

 

都立高校の普通科の平均の倍率は「1.56」、全日制の総合では「1.51」です。

ものすごくざっくりと展望を述べるならば、現行の制度が継続されていくのであれば、私立に流れる受験生も増加するはずなので、やがて、各都立高校の倍率はおおむね「1.4~1.5」程度(上位校に限ればもうすこし高い水準)に均衡することになるでしょう。(もちろん、さまざまな要因がからんでくるので、そんなスパッとはいきませんが。)

 

つまり、何か大きな制度の変更や状況の変化がもたらされない限り、全体の志願傾向が「なだらか」になり、それぞれの高校の倍率の「幅」が小さくなっていくわけです。

 

 

そういうわけで、昭和や小金井北の倍率も、やがて「安定」に向かうのではないかと思います。

 

 

 

さて、志願変更ですが、毎年、気になる倍率の変動が見られる高校がありますが、全体としては、志望校調査→応募→志願変更で、極端に倍率が上下する高校は意外と少ないのです。

 

 

多くの受験生は、過年度の倍率に大きな注意をはらいつつ受験校を決めます。

それなのに、志願変更の際に、倍率を気にして受験校を差し替える受験生はそれほど多くありません。

 

 

それはなぜなのでしょう。

 

 

最近気づいたことなのですが、過年度の倍率がもっとも意識されるのは、入試の半年も前のことなのです。

中3になった生徒は、夏から秋にかけて、複数の高校の見学や説明会に出向いて、いくつかの候補の中から、受験校を絞っていきます。

おそらく、その前の段階で、過年度に倍率の髙かった高校は、候補から外れてしまうのです。

 

倍率をみて委縮してしまい、かなり早い時期に、高倍率の高校は受験する対象ではなくなるのでしょう。

その高校を見学することもないし、その高校の情報も集めないままになってしまうのです。

 

応募倍率が公表されて、低倍率で「ねらい目」であることが明らかであっても、「差し込む」受験生が主流にならないのは、その学校の名前やランクは知っていても、「その学校に通う」というイメージを持てないために、受験をするという決断にいたらないからなのではないかと思うようになりました。

 

 

 

結論としては、1年生、2年生のみなさんは、表面上の「倍率」に惑わされずに、受験校を考えましょう、ということですね。

「間際」になって、その高校を受験することが現実になるかもしれません。

 

 

 (ivy 松村)

 

都立高校の志願傾向分析番外編③

都立高校のなかで、合格発表の際に、募集人数よりも多く合格者を出す高校があります。

都立上位校と多摩地区の高校を中心に、本年年度の入試で、合格者の増員があった高校を確認してみましょう。

 

 

 

増員
日野 18
多摩科技 16
神代 16
日比谷 16
小平 11
日野台 10
日比谷 10
昭和  8
西  8
戸山  8
富士森  7
国際  7
南平  6
新宿  6
翔陽  5
西  5
国立  5
立川  5
八王子東  5
国分寺  5
駒場  4
狛江  4
青山  4
両国  4

 

 

 

日野、神代、小平の女子の合格者の増員は、「男女枠緩和」によるものです。

これらの高校は、募集人数の1割の合格を、男女合同で出します。

 

そうすると、その「枠」のなかで、より高い点数を取った人数の多い方が合格者を多く出すことになるのですが、その場合、「相手」の募集人数を「奪う」形になるわけです。

 

いずれの高校も女子の方が募集人数よりも多く合格者を出しています。

そうすると、これらの高校は、女子の方が、男子よりも相対的に高い得点を取った生徒の割合が多かったということになります。

 

「男女枠緩和」は、女子が合格者を増やすことが多くなります。

それは、女子の方が男子よりも高い内申点を持っている受験者が多く、そのアドバンテージが大きくなるためだと考えられます。

 

 

多摩科技の場合は、高専との競合で、合格辞退が出ることが予想されていたためです。実際に、12名の合格辞退者が出ています。

 

日野台の男子も、おそらく同じ事情を考慮して合格者を増員したのだと思いますが、こちらは、3名の合格辞退にとどまっています。

 

南平が5名の合格辞退者を出していますので、現在、高専との競合で、高専が優位になるのはこの辺の「ライン」なのでしょうか。

 

 

昭和の男子や富士森の女子も合格者が増員されています。

これらの高校は高倍率の受験となったために、生徒の収容量を大きくする処置だったのかもしれません。

 

 

 

最後に、合格辞退者の数もみてみましょう。

 

 

 

 合格辞退者
多摩科技 11
日比谷 10
日比谷  7
南平  5
戸山  4
日野台  3
青山  3
調布北  2
小金井北  2
昭和  2
狛江  2
東大和南  2
翔陽  2
西  2
西  2
八王子東  2
国分寺  2
町田  1
武蔵野北  1
調布北  1
小金井北  1
日野台  1
昭和  1
多摩科技  1
小平  1
東大和南  1
神代  1
調布南  1
青山  1
国際  1
国際  1
大泉  1
富士  1
富士  1
白鷗  1

 

 

 

都立高校入試は、国私立高校入試の結果がほぼ出そろった後に行われますが、都立高校の入試日の時点で、入試結果が流動的な受験生がいます。

 

受験の状況によっては、都立高校に合格した後で入学を辞退することになる場合があります。

 

 

近年の高専の入試の合格発表は、都立高校の入試日の後に行われます。

高専と都立両方に合格した受験生で、高専を第1志望とする受験生は、都立の合格を辞退することになります。

 

また、都立高校の合格発表の直後に「繰り上げ合格」を行う私立高校があります。

その結果によって、都立の合格を辞退する受験生が出てきます。

 

 

 

 (ivy 松村)

都立高校の志願傾向分析番外編①

都立の上位校と多摩地区の高校を中心に、今年の都立高校の倍率の推移を表にまとめてみました。

 

 

 

実質倍率 受験倍率 差換後  出願時  志望校調査
日比谷 1.62 1.81 2.52 2.61 1.73
日比谷 1.69 1.83 2.23 2.39 1.60
西 1.55 1.64 2.12 2.21 1.60
西 1.29 1.34 1.53 1.53 1.11
国立 1.60 1.66 1.81 1.93 1.73
国立 1.68 1.73 1.83 1.93 1.82
戸山 1.76 1.86 2.35 2.36 1.92
戸山 1.58 1.62 1.91 2.06 1.72
青山 2.07 2.14 2.43 2.60 2.15
青山 2.06 2.11 2.34 2.60 2.48
立川 1.38 1.43 1.56 1.50 1.43
立川 1.47 1.49 1.54 1.49 1.55
八王子東 1.29 1.34 1.41 1.40 1.28
八王子東 1.50 1.53 1.56 1.61 1.47
新宿 1.91 1.95 2.13 2.12 1.94
国分寺 1.59 1.62 1.74 1.75 1.60
国際 2.31 2.48 3.00 3.16 2.17
大泉 1.24 1.32 1.90 2.10 1.36
大泉 1.00 1.00 1.26 1.03 0.77
富士 1.09 1.16 1.48 1.77 1.31
富士 1.00 1.06 1.29 1.00 0.77
白鷗 1.00 0.90 1.23 1.00 0.64
白鷗 1.00 0.87 1.06 0.87 0.69
両国 1.14 1.29 1.39 1.00 0.87
両国 1.25 1.29 1.29 1.10 0.87
武蔵 1.47 1.52 1.81 1.39 0.95
武蔵 1.41 1.45 1.61 1.74 0.72
町田 1.26 1.29 1.38 1.35 1.19
町田 1.39 1.40 1.45 1.50 1.45
武蔵野北 1.25 1.28 1.36 1.27 1.24
武蔵野北 1.52 1.55 1.63 1.69 1.76
調布北 1.40 1.44 1.62 1.71 1.39
調布北 1.62 1.66 1.74 1.83 1.53
小金井北 1.08 1.10 1.26 1.07 1.24
小金井北 1.31 1.34 1.41 1.41 1.68
日野台 1.32 1.43 1.49 1.47 1.45
日野台 1.29 1.31 1.41 1.34 1.22
南平 1.41 1.47 1.58 1.47 1.34
南平 1.54 1.58 1.60 1.53 1.50
昭和 1.73 1.83 1.90 2.11 1.96
昭和 1.88 1.91 1.96 2.12 2.17
多摩科技 1.65 1.83 2.01 2.12 1.60
狛江 1.50 1.53 1.74 1.94 1.78
狛江 1.50 1.55 1.66 1.66 1.82
清瀬 1.11 1.12 1.19 1.12 1.03
清瀬 1.16 1.17 1.23 1.06 1.14
小平 1.66 1.49 1.61 1.77 1.75
小平 1.61 1.80 1.91 2.03 2.46
東大和南 1.61 1.64 1.70 1.66 1.72
東大和南 1.55 1.58 1.62 1.70 1.62
神代 1.49 1.34 1.47 1.25 1.13
神代 1.42 1.64 1.72 1.71 1.81
調布南 1.40 1.44 1.62 1.82 2.03
調布南 1.75 1.77 1.90 2.14 2.20
小平南 1.55 1.56 1.66 1.68 1.34
小平南 1.70 1.74 1.79 2.07 1.52
翔陽 1.37 1.41 1.46 1.51 1.35
成瀬 1.55 1.59 1.67 1.65 1.53
成瀬 1.54 1.56 1.59 1.60 1.33
上水 1.47 1.49 1.53 1.71 1.48
日野 1.24 1.12 1.17 1.11 1.03
日野 1.30 1.47 1.53 1.51 1.31
富士森 1.52 1.53 1.56 1.55 1.54
富士森 1.56 1.65 1.68 1.93 1.99
東大和 1.22 1.24 1.26 1.14 1.43
東大和 1.17 1.18 1.21 1.04 1.21
松が谷 1.57 1.59 1.64 1.83 1.73
松が谷 1.60 1.62 1.63 1.87 1.96

 

 

 

私国立の高校に進学することを決めた受験生は、都立高校の入試を「棄権」します。ですから、「実際の受験者」の数は、応募人数より少なくなるのが一般的です。

 

「実際の受験者」を募集人数で割ったものが「受験倍率」です。

 

 

そして、「実質倍率」というのは、「実際の受験者」を「実際の合格者」で割ったものです。

 

入学辞退者が出ることを想定して、合格者数を募集人数よりも多く出す高校があります。

「実際の合格者」が何人になるのかは、合格発表当日にならなければわかりません。

 

この「実質倍率」が、最終の倍率となります。

 

 

今年は、「実質倍率」が2倍を超えたのは、青山の男女と国際高校だけでした。

 

 

日比谷高校や西高校は、最難関の私国立と併願している受験生が多いので、「受験棄権者」が多く出ます。また、「実際の合格者」の数も増員されます。そのため、「実質倍率」が大きく下降します。

 

日比谷の「実質倍率」は男子が1.62(←1.81←2.52←2.61)です。

日比谷の女子は1.69(←1.83 ←2.23←2.39)となっています。

 

西は、男子が1.55(←1.64 ←2.12←2.21)です。

西の女子は1.29(←1.34←1.53←1.53)です。

 

 

 

興味深い推移を示したのは、小金井北の男子です。

小金井北の男子の「実質倍率」は1.08 (←1.10←1.26 ←1.07)

 

最初の出願時の倍率が1.07と低調だったために、志願変更によって、1.26と倍率が上昇しました。そして、16名もの受験放棄者が出たために、「受験倍率」は大きく下降しました。さらに、2名の合格者の増員があったために、「実質倍率」は1.07となっています。不合格者は、8名です。

 

 

小金井北の男子は、来年の倍率の推移が気になりますね。

 

 

(ivy 松村)

 

都立高校の最終応募倍率について

都立高校の「最終応募」の倍率が発表されています。

 

所感などをいくつか書きたいと思います。

 

 

まず、日比谷高校ですが、男子、女子ともに志願変更後に倍率が下がりました。

 

◎日比谷高校

・男子 2.52(-12人)←2.61  ※昨年3.25

・女子 2.23(-19人)←2.39  ※昨年2.40

 

 

日比谷の男子は、例年に比べて低倍率で推移しました。

昨年度の最終応募では、3倍を超える倍率でした。

本年度の日比谷高校の男子は、昨年度の最終応募人数と比べて「-97」となっています。

 

 

私は、日比谷高校の男子の倍率は、本年度はもしかすると上昇するかもしれないと思っていました。

 

まあ、そういった予想をたてること自体は極めて平凡な行為です。

 

しかし、個人的に、痛恨を感じていることがあって、それは、その予想をこのブログに書いてしまったことです。

それは、もしかすると、志願傾向にやや「影響」を与えたかも知れません。

 

 

いずれにしても、都立高校入試における最大の「挑戦」であるといえる、日比谷の受験が強く抑制されているという、本年度の状況です。

 

これは、都立高校受験全体の「安定志向」を象徴しているように感じています。

 

 

 

立川高校は男子、女子ともに志願変更後に倍率が上がりました。

 

◎立川高校

・男子 1.56(+9人)←1.50  ※昨年2.10

・女子 1.54(+6人)←1.49  ※昨年1.46

 

 

立川は、倍率が上昇すると予想していました。

おそらく、多くの関係者がそう考えたでしょう。

 

 

ところで、志願変更の予想をする際に少し注意が必要なことがあります。

それは、「取下げ」「再提出」の増減によって最終応募人数が確定し、倍率が算出されるという当たり前のメカニズムに対する想像力についてです。

 

本年度の立川の男子は、志願変更によって「+9」となりましたが、これは増減の結果として「9人増えた」ということであって、「絶対数」に「9」が「上乗せ」されたわけではありません。

もちろん、頭では分かっているはずのことですが、私たちは「増えた/減った」という結果が示す数字だけにとらわれてしまいがちです。

 

たとえば、昨年度の立川高校の志願変更の前と後の応募人数について、多くの人は「大きな変化がなかった」と感じたことでしょう。

倍率が2倍を超え、激戦となった昨年度の立川の男子の応募人数は、志願変更前の279人の応募が276人へと推移し、志願変更後に「-3」となりました。

 

しかし、その内実は、取下げを行った受験生が28人、再提出を行った受験生が25人おり、応募人数は「印象」よりも大きく増減していたわけです。

その「結果」として「-3」の「微減」となっていたのです。

 

 

私は、本年度の都立高校入試を「安全志向」という「切り口」からとらえようとしているので、増減の数が気になっています。

 

 

 

都立高校入試の「最難関」に位置づけられている、日比谷、西、国立、戸山、青山、八王子東、立川の「G7」(安易なネーミングですが)全体の応募人数の推移をみてみましょう。

 

 

年度 男子(人数) 女子(人数)
28 1884 1554
27 2188 1629
26 2122 1562
25 2098 1551
24 2180 1599

 

 

 

男子は、昨年に比べて「-304」、女子は「-75」人となっています。

 

女子と比較して、本年度の「学力上位層」の男子の受験生が「G7」の受験を回避する傾向にあることが読み取れます。

 

昨年度の「G7」全体の男子の倍率は2.31です。本年度は2.03と、大きく下降しています。

一方、「G7」全体の女子の倍率は昨年度が1.90、本年度は1.85となっています。

 

女子の志願傾向は、男子と比較して、本年度の都立高校入試制度の変更による影響が少ないといえます。

対照的に、男子は「安全志向」の色彩が強くなっていることがうかがえます。

 

 

また、志願変更の前と後では、男子が「-53」、女子が「-78」となっています。

 

 

 

さて、本年度、志願変更による都立の各高校の倍率の変化を見て私がもっとも興味をかきたてられたのは、大泉高校の男子でした。

 

◎大泉高校

・男子 1.90(-6人)←2.10  ※昨年1.74

・女子 1.26(+7人)←1.03  ※昨年1.48

 

 

中学併設校である大泉、富士、白鷗、両国、武蔵の5校は、おおむね予想通りの倍率の推移を示しました。

これらの高校は、応募倍率が低迷していましたが、志願変更後に上昇がみられました。

(そのうちの何人かは、「G7」からの「流入」であると考えられます。)

 

 

昨年度の中学併設校の最終応募時の倍率は、特に男子が高く、富士、白鷗、両国は2倍を超え、武蔵も最終的には1.81倍となりました。

この学校群の男子のなかで、大泉の1.74という倍率は最も低い数値となっていました。

 

本年度は、昨年度の高倍率の反動で、中学併設校全体の高校の募集が低調となりました。

 

去る12月の中学校長会による本年度の都立高校「志望予定調査」で、ほとんどの中学併設校の志望予定者は、募集人数を下回りました。

倍率が「1」を越えたのは、大泉の男子、富士の男子だけでした。この時点で大泉の男子は1.36、富士の男子は1.31です。

(実はこのとき、大泉の男子は中学併設校全体のなかで最も高い倍率になっていました。)

 

 

その後、大泉の男子の倍率は、推薦入試の応募状況をふまえて、意味深い変化を示します。

 

推薦入試の倍率が発表されたときに、まず、大きな驚きがありました。

大泉の男子の倍率が、0.88となっており、「1」を割ってしまっていたのです。

(一方、富士の男子は3.00倍でした。)

 

 

推薦入試における倍率の「インパクト」が大きく作用して、出願時の大泉の男子の倍率は、2.10と大きく上昇します。

 

「今年の大泉の男子は入りやすくなっている」という反射的な判断があったのかもしれません。

 

・推薦入試の倍率0.88 → 一般入試の倍率2.10

 

 

この推移は、なかなか「芸術的」です。

 

本年度の中学併設校の倍率が全体的に低迷していたので、2.10という高倍率もまた、大きな「インパクト」がありました。

 

 

問題は、この倍率の「行末」でした。

この倍率は大きく下がるのか、それとも高止まりするのか。

 

 

大泉に出願した男子の受験生は、自分も、「まわり」も、「倍率を強く意識していることを意識」しています。

自分自身が「そう」であるように、「まわり」も推薦入試の倍率をみて、「ねらい目」だという判断で出願したのだろうと思っているわけです。

 

 

高倍率の入試は、誰にとっても嫌なものです。

しかし、激戦を嫌って志願変更する受験生が多くいれば、最終応募の倍率は下降するはずです。

 

もしかすると、「降りる」か「受ける」かの、「鶏の我慢比べ」が静かに繰り広げられていたのかもしれません。

 

 

結果的に、応募人数は志願変更によって「-6」となり、倍率は1.90となりました。

意外に少ない数字だと感じました。

 

 

本年度の大泉の男子の倍率の推移は、多くの示唆があって、本当に興味深く思いました。

 

 

 

 

ところで、本年度、私は都立高校受験をする生徒を受け持っていません。

ですので、この都立高校の志願傾向分析は、いってみれば道楽のようなものです。

まあ、少なくとも今年に関しては、切実な必要性はないわけです。

 

では、どうしてこのようなものを発信しているのかというと、結局は私が「数寄者」であるからなのだろうとは思いますが、それでも、少しばかりの「善意」があったりするわけです。

 

思慮深い人にとっては、「それなりに価値のある情報」だと思うわけです。

このブログの情報に触れて、考えを深めたり、行動を変えたりする人が、もしかするといるのかもしれないと思ったりするわけです。

 

 

去年、このブログをはじめたばかりの頃、ときに「批判的」な文章を書くことがありました。

たぶん、「あまりよくわかっていない塾」にいらだっていたのですね。

 

アクセス数の解析などをやったことがないので、いったいどのくらいの人がこのブログを読まれているのか見当もつかないのですが、以前から読まれている方がいらっしゃれば、私の「ニュアンス」が変わってきたことに気づいておられるかもしれません。

 

 

本当に「変化」を求めるのであれば、「変化」が訪れるようなやり方をしなければならないのだと、思うようになったのです。

 

 

不遜ないいかたになってしまうかもしれませんが、生徒たちに学んでもらいたいと思うのと同じように、いろいろな人に「受験」のことや「勉強」のことや「塾」のことについて知ってもらいたいと思うわけです。それが、ひとつのモチベーションになっています。

 

 

究極的には、塾の世界に、自分と同じような感性で物事をとらえている人がいるのかどうかを知りたいという希望があります。

 

 

ただ、「志願傾向分析」は、今後どう展開しようか考えているところではありますが。

 

 

(ivy 松村)

 

 

都立高校の応募倍率(志願傾向分析)②

都立高校の応募倍率で、やはり気になるのが立川の男子です。

 

昨年の応募倍率「2.10」から、大きく下がり、本年度は「1.50」となっています。

昨年の応募人数は279人でした。

本年度は199人ですので、昨年と比べて「-80」となっています。

 

 

 

実は、立川高校は2年前に大学合格実績が若干低迷しました。

(ちょっと気になって調べてみたのですが、もしかしたら、「授業時間の変更」が原因のひとつだったのかもしれません。昨年度は回復しています。)

 

本来なら、進学校の大学合格実績の伸び悩みは、次年度の応募に影響します。

しかし、昨年度、立川の男子の応募倍率は、2倍を超え、近年で最も高い数値となりました。

 

 

一昨年度と昨年度に立川高校の男子の倍率が大きく上昇した理由については、昨年度の「志願傾向分析」で言及しています。

 

近接する国分寺高校が一足早く特別選考を廃止したために、地域内で、内申点にとらわれない受験が可能な高校が、立川と国高のみになったことがおもな原因であると考えられます。

 

従来、国分寺は男子の応募が多い高校でした。

その国分寺が特別選考を廃止したことで、得点力で勝負したいと考える男子の受験生の「需要」が立川に集中した結果、高倍率の受験となったのです。

 

 

 

受験倍率は二つの要因によって規定されていると考えることができます。

それは、「内部的要因」と「外部的要因」です。

 

大学合格実績などの、高校が持つ「魅力」や「価値」は「内部的要因」ととらえることができます。

一方、入試全体のシステムや制度、「他校の動向や事情」は「外部的要因」とみなすことができます。

 

ある高校の「内部的要因」が減退することになっても、相対的に「外部的要因」にアドバンテージがあれば、応募の「相場」は下落することなく維持されるでしょう。

逆に、「内部的要因」が充実していても、「外部的要因」が作用して、受験生が集まらないということもあり得ます。

 

 

立川高校の場合、一昨年の大学合格実績は振るわなかったわけですから、昨年度の「内部的要因」の「スタッツ」は低下していたわけです。しかし、他校に比べて受験制度の面で大きな訴求力があったために、応募にかげりがさすことなく、倍率が上昇したのだと考えることができます。

 

一方、本年度、すべての都立高校の入試で特別選考が廃止され、内申点の換算方法が変更されました。

これは、「外部的要因」の変化です。立川高校は、本年度は、昨年度の高倍率のインパクトや、入試制度の変更が大きく作用して、受験生の応募人数を減少させています。

 

 

 

本年度はすべての都立高校で特別選考が廃止されたために、各高校の「条件」は横並びになってしまいました。

 

立川の「男子」は特に、特別選考という制度と「校風」がマッチしていたために、これまではこの制度を有することが非常に大きな「強み」となっていました。

 

今回の倍率の「下落」は、その反動であるとみることもできます。

 

 

やはり、特別選考の廃止は本年度の都立高校入試に大きな影を落としていると思います。

(町田高校の男子の倍率の低下も、同じように特別選考の廃止が影響しているのかもしれません。)

 

さらに、内申点の算出方法が変わり、合否のボーダーが読みづらくなっているために、「安全志向」の出願が多くなっているのだと思います。

 

 

 

地域的、学力的に募集の対象となる生徒が重なる立川高校と八王子東高校は、比較して語られることが多いのですが、近年、立川は八王子東を「逆転」しているとみなされていました。

しかし、本年度の動向からすると、立川と八王子東の序列に再度変化が起こりそうな気がします。

 

 

また、国分寺高校の応募が「回復」してきたことで、周辺の上位校の倍率が若干下がっているように思います。

 

 

(多摩地域の都立高校の階層性に着目して志願傾向をみると、さらに「流れ」が見えてきます。)

 

 

(ivy 松村)

 

都立高校の応募倍率(志願傾向分析)①

都立高校の「倍率」が出ています。

 

やはり、気になるのは日比谷高校です。

男子の倍率が3を割っています。

 

 

25年度の入試までは、2月7日が都立高校の出願の1日目となっていました。

この日は、慶應義塾志木高校などの難関校の試験日なので、都立のトップ校の男子の倍率は、2日目に大きく変化していました。

 

日比谷の場合は、例年2日目に50人近くの応募人数の増加がみられました。

 

本年度は2月4日、5日と、従来よりも3日も早くなりました。

ほとんどの高校で、2日目の応募は1,2人増えたかどうか、という状況です。

 

その中で、本年度の日比谷、青山、西、戸山などで、「若干多め」の応募人数の増加がみられました。

もしかすると、慎重になっている受験生の何人かが1日目の倍率を確認してから出願したのかもしれません。

 

 

 

日比谷の男子の倍率は、例年、志願変更時に下降する傾向にありましたが、本年度は、逆の動きが起こってもおかしくないと思います。

 

日比谷の男子は昨年度に比べて志望者数が「-90」となっています。

 

都立の進学指導重点校のなかでは、西高の男子だけが「+5」となっていますが、あとは軒並み男子の応募人数を減らしています。

戸山は「-72」、国立が「-29」です。

そして、立川が「-80」です。

 

 

青山の分析には少し注意が必要です。

青山は、倍率は「2.23」→「2.60」と上昇しています。

 

しかし、応募人数をみてみると昨年度の366人の応募から、本年度は340人となっており、「-26」となっているのです。志願者は減少しています。

 

青山高校は、今年募集人数を減らしたため、応募人数の減少にもかかわらず、倍率が上昇しているのです。

 

 

 

本年度の都立高校入試は、「安全志向」の受験生が多くなっているのではないかと感じます。

 

トップ校の倍率が下がっているのは、もしかすると、本年度は「本来の志望レベル」から1、2段「下げた」出願をしている受験生が多くなっているからなのかもしれません。

 

 

 

倍率が上昇しているのは、「下げてきた」受験生と、「本来の志望レベル」の受験生が「合流」する「ダム」のような位置づけになる高校です。

 

本年度は、男子では新宿高校、多摩科技、昭和などがそれにあたります。

 

新宿高校は、女子は「-37」となっていますが、男子は「+48」となっています。

多摩科技は男子「+46」、昭和は「+37」です。

 

 

女子の志願傾向の「流れ」も少し見えてきました。

 

女子の場合、本年度は国際高校が「-108」となっています。

昨年度の超高倍率の反動です。(下がった、といっても、本年度の倍率は3.16ですが。)

 

おそらく、グループ作成校の女子の応募が男子ほど減っていないのは、国際高校からの「逆流」が起こっていることも一因となっているのだろうと思います。

 

また、本年度は八王子東の女子の倍率が上昇しています。

 

 

(ivy 松村)