平成31年度 高校入試志願傾向分析①

昨年度の高校入試は、いくつかの私立大学附属校の倍率が上昇しましたが、本年度はやや沈静化しています。

 

ただ、東京都西部というか、都下というか、多摩地区というか、「この辺」の「私立志向」はまだ脈動している状態です。

 

しかし、まあ、10年前には、いずれの附属校も現在よりも数百人多く応募者を集めていたわけです。「当時の水準」に立ち戻るためには、まだ、いくつかの「起爆剤」が必要かもしれません。

 

今後の高校受験、そして大学受験の「動向次第」では、再度「私立志向」が加速するかもしれません。しかし同時に、小康状態に陥りそうな気配もあります。

 

 

 

東京都東部と西部とでは、少し「温度差」があります。

 

これは、ひとつは「地域性」によるものです。

それから、もうひとつ、「情報」の差が作用しているかもしれません。

 

 

東部では、附属校よりも、進学校→国立大受験というルートへの「信頼感」が維持されています。

 

大学受験の「全体像」が明らかになるにつれて、不安感が払拭されつつあるからです。

 

そもそも、国立大学に対する「思い入れ」というのか、「意欲」というか「信念」というか、ともかく何かそういうものが、西部よりも強くあるのかもしれません。

 

一方、西部は、相対的に、「安全志向」が作用して、都立よりも私立の附属の人気がやや高まっているという印象を持ちます。

 

また、私立大学附属校が西部に集中しているという地理的な条件も、「私立志向」が醸成される大きな要因のひとつです。

 

 

 

過去3年の進学指導重点校の受験者数を見てみましょう。

 

まずは男子です。

 

 

○進学指導重点校7校の過去3年間の受験者数の推移:男子

 

31年度 30年度 29年度
日比谷 258 237 254
戸山 268 265 237
青山 247 262 225
西 191 230 225
八王子東 159 191 170
立川 200 235 201
国立 202 198 185
 合計 1525 1618 1497

 

 

 

昨年から今年にかけて、7校全体では、受験者数が減少しています。

 

では、東部3校と西部4校に分けて、確認してみましょう。

 

 

○東部3校

 

31年度 30年度 29年度
日比谷 258 237 254
戸山 268 265 237
青山 247 262 225
合計 773 764 716

 

 

○西部4校

 

31年度 30年度 29年度
西 191 230 225
八王子東 159 191 170
立川 200 235 201
国立 202 198 185
 合計 752 854 781

 

 

東部の3校は受験者数が増加しています。

一方、西部4校は減少しています。

また、本年度、東部3校の受験者数の合計は、西部4校の合計を上回っています。

 

 

 

次に女子です。

 

○進学指導重点校7校の過去3年間の受験者数の推移:女子

 

31年度 30年度 29年度
日比谷 223 219 214
戸山 223 198 212
青山 235 230 224
西 172 167 183
八王子東 158 181 164
立川 183 188 177
国立 190 221 176
 合計 1384 1404 1350

 

 

 

やはり昨年から今年にかけて、7校全体の受験者数は減少しています。

 

東部3校と西部4校はどうでしょうか。

 

 

○東部3校

 

31年度 30年度 29年度
日比谷 223 219 214
戸山 223 198 212
青山 235 230 224
合計 681 647 650

 

 

○西部4校

 

31年度 30年度 29年度
西 172 167 183
八王子東 158 181 164
立川 183 188 177
国立 190 221 176
 合計 703 757 700

 

 

男子と同様に、昨年と比べて、東部3校は増加、西部4校は減少となっています。

 

 

 

男子、女子ともに、東京都東部では、都立の最上位進学校の人気は維持されていますが、西部には陰りがみられます。

西部のトップ層の受験生の何人かは、私立附属校に流れているとみられます。

 

ただし、これにはもう少し詳細な分析が必要です。

私立附属校の応募者数のデータなどを見てみると、思われているよりも、応募者が増えているわけではありません。

「私立志向」が膨張しているのは、むしろ、中堅~下位の私立高校です。

 

 

 

東西のグループ分けをする際に、西高をどう位置づけるべきか、というのはちょっと難しいところです。

 

男子は「減」、女子は「微増」でした。

 

男子の応募者の減少は、「大学合格実績」の影響です。昨年の実績で、西は国立に抜かれました。

西と国立は、立地的に募集が競合します。

そのため、本年度、男子の応募者が西から国立へ流れました。

 

 

一方、西高の女子は、本年度はやや受験者数を増やしましたが、近年、低倍率が固定化され、「隔年現象」が発動されなくなっています。

女子も、西の応募者を国立が吸収していると考えられます。

 

西高を西部に組み込んだのは、「全体」の傾向をとらえるために、西と国立の関係を考慮する必要があると感じたからです。

 

 

 

西部4校の中で、国立の男子は唯一、受験者数を維持しています。

上記のように、西高から応募者を奪っているためですが、それだけでなく、立川、八王子東から、応募者を吸引しています。

 

多摩地域全体でみると、国立の「一強体制」が築かれつつあるといえると思います。

 

 

特に八王子東は、大きな「反作用」を被っています。

男子、女子ともに募集が低調となり「最優秀層」を集めることができなくなっているために、大学合格実績が下降しています。そうなると、さらに募集が低調にならざるを得ません。「負のスパイラル」に陥りつつあります。

 

 

 

少し話がそれますが、八王子東を「蘇生」させるためには、教育委員会の「支援」が必要だと思います。学校単体の取り組みだけでは、なかなか再浮上は難しいと思います。

 

 

戸山高校の人気を上昇させた「チームメディカル」という取り組みは、東京都教育委員会の主導で導入されましたが、八王子東にも導入してみたらどうなのだろうと思ったりします。

 

それから、これは文部科学省の案件ですが、現在まだ、「SGH」(スーパーグローバルハイスクール)に指定されている都立高校はありませんが、できるのであれば、八王子東を「推薦」してもらいたいと思ったりします。

 

それから、地の利を生かして、首都大ともっと連携を深める制度を取り入れてみたり。

首都大への「進学枠」を増やしたり。

 

などなど。

 

 

 

八王子東は、確か10年ほど前にも、倍率がとても低くなっていたときがありました。

ちょっとハラハラしながら見守っていたのですが、入ってきた生徒を鍛え上げて送り出し、大学進学実績を落とさなかったのです。

 

私は、八王子東は、「きちん」としている素直な子を、真っすぐに伸ばしていく高校というイメージを持っています。

 

八王子東の強みを活かせるような、積極的な変革が求められていると思います。

 

 

 

 

(ivy 松村)

 

平成30年度 都立高校「自校作成」の国語

進学指導重点校の英数国の入試問題は、本年度から「自校作成」となりました。

各校が、5年ぶりに独自問題を作成するとあって、「業界」でも大きな注目が集まりました。

 

 

私は、各校がリリースしている「出題の方針」に注目していました。

 

これをみれば、各校の出題構成と内容が、かなり精密に把握できると理解していたからです。

 

特に気を配っていたのが、国語でした。

国語の「記述」がどうなるのか、が本年度の入試の大きなポイントでした。

 

 

 

日比谷、西、戸山の3校が、大問3で「記述」を課すことは数か月前から判明していました。

また、国立が、大問3で「記述」を出題しないことも、数か月前から判明していました。

 

 

4校は、「出題の方針」をホームページに掲載し、公表していました。

 

いずれの高校も、入試選抜という「プロジェクト」を周到に準備してきたということがわかります。

 

4校の入試問題は、「出題の方針」に沿って作問されています。

 

 

 

一方、青山、八王子東、立川の3校は、「出題の方針」をホームページに掲載していませんでした。

 

 

青山は、都立の入試日になっても、まだ昨年の「出題の方針」をホームページに掲載したままでした。しかし、意外にも、今年の入試問題を最も早くホームページに掲載したのは青山高校でした。

その際に、今年の「出題の方針」もアップされました。

(ちなみに2番目は日比谷で、3番目は八王子東です。)

 

 

国語の入試問題は、すぐにはホームページ等に掲載できないので、現時点で問題を見ることはできませんが、「解答」と照らし合わせて「出題状況」を確認しました。

 

 

青山は、「出題の方針」で「記述」を示唆しないまま、「記述」を出題しています。

 

まあ、「出題の方針」で示された内容には「出題形式」自体への言及がなされていないので、「記述」が出題されたとしても、「出題の方針」に適合していないとは言えない、という「弁解」が、なんとか可能かもしれません。

 

 

この塾に青山を受ける受験生がいたら、ちょっと困ったことになったかもしれませんが、それでも、私は、青山の問題作りは評価できると考えています。

 

 

私は、一貫して、

 

・「記述」を出すべきである

・難度を上げるべきである

 

という主張をしてきました。

 

 

「解答」を見ただけの印象に過ぎませんが、青山高校の入試問題は、非常に熱が入っていると思います。

 

問題点は、入試選抜、もっといえば「生徒募集」が、ちょっと「ちぐはぐ」になっているということです。

 

英語でも、大問3の文章が、「物語文」なのか「説明文」なのかを明示していません。

おそらく、「出題の方針」は、実際の入試問題を想定しないまま作られたのではないかと思います。

「出題の方針」を出さなければいけないので、「とりあえず」あいまいな形でリリースして、後で問題を作り込んでいったのかもしれません。

 

 

「担当者」どうしの「連携」が取れていないとか、「生徒募集」を総括する人が総合的な指示を出していないとか、そういう部分があったのかもしれません。

 

 

 

そして、八王子東と立川です。

私は、2校の「資料」を手にし、「出題の方針」を確認することができました。

 

八王子東と立川は、ともに「入試説明会」で「グループ作成のものと同じような問題」を作ると説明していました。

 

それで、国語の入試問題で「記述」が出題されないという「予断」を持った受験生や受験関係者は多かったはずです。

しかし、八王子東と立川の「出題の方針」には、大問3について以下のように記されていたのです。

 

 

八王子東「文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容をまとめ、表現する能力などをみる。」

 

立川「文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容を適切にまとめ、表現する能力などをみる。」

 

 

ともに大問3で「表現する能力」を検査すると書かれてあります。

したがって、私は、両校は大問3で「記述」を出題すると判断しました。

 

 

 

八王子東は、「記述」を出題しました。これは、まったくの予想どおりでした。

 

一方、立川は、大問3で「記述」を出題しませんでした。

 

 

 

八王子東は、この一年、いろいろな面で非常に精力的な取り組みをしているのが伝わってきました。

とりわけ、今回の入試問題は気合が入っていると思います。

問題作りに「攻め」の姿勢があって、ちょっとグッときますね。

 

八王子東の取り組みが変わってきた理由の1つは、昨年の入試で応募人数を大きく減らしてしまったことでしょう。

また、もうひとつは、このままでは進学指導重点校の指定が危うくなるという危機感だと思います。実は、八王子東は、難関4大学の合格実績が下降し、進学指導重点校の「基準」のひとつを満たしていません。ある意味で、「酌量」されて、昨年の進学指導重点校の再指定を受けたわけです。

 

 

ただ、八王子東も、統率が取れた「生徒募集」になっていなかった印象です。

「説明会」などで、魅力をアピールしきることができていませんでした。

 

「入試説明会」では、国語に関してけっこうユニークな内容のお話しがあったということですが、「記述」については触れられなかったようです。そのうえ、「独自問題」について「グループ作成と同じような問題」を出題すると表明していたそうなので、実際の入試問題を目にして、驚いた人も多かったのだろうと思います。

 

 

 

そして、立川です。「表現する能力をみる」と明言していながら、そのための設問が用意されていません。

 

立川の問題を見ましたが、国語は、ボーダーを押し上げる要因になりそうです。

大問3で苦戦した受験生は少なかったと思います。さらに、決定的なのが大問4で、ほとんどの受験生はここで無難に得点を確保できたはずです。

 

立川の国語の問題は、大問3・4と、大問5の「統一感」がバラバラで、しかも全体の「バランス」がとれていません。

大問5は、古文の先生が作っていると思います。これは「骨」のある問題でした。

しかし、多くの受験生は、大問3・4では時間を取られないので、大問5に十分な時間をかけることができたはずです。

 

 

 

立川は、「入試説明会」で合格者の「内申点」の情報などを明かしています。

たとえば、男子は「オール4」に届いていなくても、入試得点で「逆転」できることなどが、データで示されました。

こうした積極的な「情報開示」が、立川の男子の倍率を高めた要因のひとつとなりました。

 

しかし、入試問題が易化し、入試得点が高得点域で均衡してしまうと「内申点」が乏しい受験生にとっては不利な受験になるわけです。

 

 

青山や八王子東と同様に、立川も、「生徒募集」と「作問」が「ちぐはぐ」だったわけですが、他の2校とは違い、立川の場合、「作問」に対する「意識」がおろそかだったという印象です。

 

 

 

虚飾なしに、端的にいえば、日比谷、西の「情報」は、「信頼」できます。

むしろ、高校が出してくる情報を細部までしっかりと読み取ることが大事です。

 

戸山も堅実です。

 

 

国立は、実はちょっと「気がかり」です。

 

国立高校は、かつては国語の入試問題で「重厚で濃密な記述」を出題することで知られていました。現在は見る影もありません。

 

積極的な「差換え」を行わなかった近年の入試問題に大きな違和感を持っていましたが、今年の「自校作成」でも「守り」の姿勢を崩していません。

 

 

日比谷と西は、問題作りと採点に対して、「覚悟」を持っています。

 

「この御時勢」ですから、「採点ミス」などがあれば、大きな責任問題になるでしょう。

それでも、「記述」を増やしました。

 

それから、戸山、八王子東、青山も前に進む決意をしました。

 

 

でも、国立は、ちょっと「教育庁のほう」を気にし過ぎているような印象を受けます。

 

 

国立高校の「歴史」を調べてみると、この高校は、「立地」を含めて、けっこう「ラッキー」が重なって、進学校としての「地位」を向上させてきたことがわかります。

 

適切な言葉なのかどうか、あまり自信はありませんが、あえていえば、もしかすると「殿様商売」といえるのかもしれません。

 

 

「集まってくる生徒のパワーと能力」を最大限に引き出すことができるのは、伝統の「強み」なのかもしれませんが、逆にいえば、「集まってくる生徒の質」が変われば、一気に「高校の質」も変わってしまう危険性を持った高校だと思います。

 

 

ちょっと「今の方向性」は、怖い気がします。

 (ivy 松村)

学年末試験に向けてがんばろう

都立高校一般入試が終わりました。

 

受験生のみなさん、おつかれさまでした。

 

あとは、発表を待つのみです。

 

発表の日、私たちは朝から校舎で待機していますので、連絡をくださるようにお願いします。

 

それから、都立の合格発表日以降、私立の「繰り上げ合格」があるかもしれません。

もし、連絡があったら、一応お知らせくださるようにお願いします。

 

 

 

問題に目をとおしてみましたが、社会が難化していました。

ちょっと深い「知識」を聞いてくる問題が、数題出されました。

昨年の入試問題が満点の生徒も、今年の問題は少し点を落としました。

 

社会は、上位校の「平均点」も若干下がると思います。

 

 

自校作成校の国語の「記述」に注目していましたが、ほぼ予想通りの構成でした。

 

しかし、立川は、「出題の方針」に沿っていない構成でした。

立川高校の「出題の方針」では国語の大問3の「構成と内容」は、以下のように記されていました。

 

「文学的な文章を読み,叙述や描写などに即して,場面,登場人物の様子,心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容を適切にまとめ,表現する能力をみる。」

 

ところが、本年度の国語の入試問題の大問3は、選択問題のみの構成で、「表現する能力」は検査されませんでした。

 

 

立川の国語は、「平均点」が大きく上がりそうです。

 

 

 

一方、八王子東は、「記述」は出ないと考えていた人が多かったと思いますが、「記述」が出題されました。

 

 

 

さて、中2、中1の生徒たちは、学年末試験が待っています。

 

今日からはじまっている中学もありますね。

 

 

明日、明後日の「土日」は2時から校舎を開けていますので、家ではかどらない人は、勉強に来てください。

 

 

日野も八王子も、2年生は「走れメロス」、1年生は「少年の日の思い出」が試験範囲になっています。

 

解説や問題のプリントがありますので、もらってください。

 

 

それから、3学期の定期テストの過去問はあまりそろっていないのですが、あるものは閲覧できますので、確認したい人は一応問い合わせてみてください。

 

 

ないものは、ないので仕方ありません。

あるものは利用して、活かしてください。

 

 

「知性」を尊ぶ人間は、与えられた環境のなかで「許される限りの努力」をします。

 

 

まあ、見なくても大丈夫という人は、自力で頑張って、高得点をねらいましょう。

 

 

 

中3生も、最後の定期テスト、ぜひ、しっかり取り組んでください。

 

「ここ」で手を抜いてしまうような行動は、なんというか、いろいろなものを表象するように思います。

思わしくない結果であれば、「そのメンタリティ」が原因だと思いますし、良い結果であっても、「そのメンタリティ」では「先がない」と思います。

 

 

少しゆっくり過ごしてください。

 

そして、学校の先生への敬意を示し、自分の中学生活への「けじめ」のために、定期試験勉強のための時間を作るようにしてください。

(まあ、これは、私のただの個人的な希望ですが。)

 

 

今日、言い忘れてしまいましたが、中3は、月耀日と火曜日は一応「授業日」です。

 

 

 

それでは、みなさん、学年末テストに向けてがんばりましょう!

 

 

(ivy 松村)

 

 

日比谷、国立、八王子東の「正答率」の比較

私立高校入試が一段落し、次は都立高校入試です。

 

明日から、「都立のターン」です。

 

最後まで、気を抜かず、しっかり頑張っていきましょう。

 

 

 

都立の入試問題について、少し情報を書きます。

 

 

本年度は、「自校作成」が復活します。

 

日比谷、西、戸山、青山、国立、立川、八王子東、それに加えて国分寺、新宿、および墨田川は、それぞれの学校が独自の英数国の入試問題を作成し、実施します。

また、国際高校は英語のみ自校作成、白鷗、両国、富士、大泉、武蔵はグループ作成問題となります。

 

 

昨年度までは、「グループ作成」となっていました。

 

したがって、「差替え」が行われた問題を除いて、各校が「同じ問題」を使っていたわけです。

 

日比谷、国立、八王子東は、過去の入試の「正答率」を公表しています。

そこで、3校の昨年度の入試問題の「正答率」を比べてみました。

 

本年度の入試問題から、こうした比較はできなくなります。

 

3校の「正答率」を比べてみると、いくつかの興味深い事実が明らかになってきます。

 

 

 

まずは、英語です。

 

 

大問1 (リスニング)

 

日比谷 国立 八王子東 共通問題
問題A 1 ほぼ10割 98.6 94.3 72.3
2 ほぼ10割 99.2 99.1 87.8
3 9割強 90.0 84.4 56.6
問題B Q1 ほぼ10割 98.1 97.6 78.5
Q2 8割弱 56.2 53.3 26.1

 

 

 

正答率は、学校の「序列」を反映し、日比谷>国立>八王子東になっています。

 

特に、記述で答える問題BのQ2で、日比谷とそれ以外の2校の「正答率」に大きな差が生じています。

 

 

 

大問2 (会話文)

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 a ほぼ9割 84.8 78.1
b 97.5 97.6
問2 ほぼ10割 94.2 94.0
問3 9割強 81.7 66.1
問4 9割弱 96.4 91.3
問5 ほぼ10割 93.4 83.5
問6 ほぼ9割 82.0 74.6
問7 9割弱 94.5 90.4
問8 ほぼ7割 53.7 41.1
77.6 72.5

 

 

 

問3の「正答率」に差が出ています。

 

日比谷の「正答率」は「9割強」です。受験者のほとんど全員が正解を導いています。

一方、八王子東は、「66.1」です。「正答率」は3分の2程度にとどまっています。

 

この問題は整序(並べ替え)問題でした。

私立によくあるタイプの、「文章題に組み込まれている」整序問題です。

 

明八などによく出題される形式です。

 

 

日比谷を受ける受験生のほとんどが、難関私立高校の入試問題に対応する能力を有していることがわかります。

 

一方、八王子東は、問3のような、典型的な私立入試の問題パターンへの対応力が乏しい受験生が多くいることがわかります。

 

しかも、この問題は、完全な整序問題ではなく、特定の順番に配置される語の組み合わせを選ぶ問題です。つまり、「選択問題」だったわけです。

 

「6択」にまで正解の選択肢が絞られていれば、日比谷の受験生は正答にたどり着くことができます。

しかし、八王子東の受験生は、3分の1が対応できません。

 

 

八王子東は、「併願優遇」を利用した受験パターンを組み、ほとんど「私立型」の受験勉強をしていない受験生が多くいるのだろうと思われます。

 

 

さらに、問5、問6、問8のような、文脈・内容把握、読解の力を問うような問題でも、「正答率」に差が出ます。

 

 

昨年の日比谷の合格者のほとんどが、大問1・大問2をほぼ「全正解」していると思います。

 

 

「差」のつかない入試問題には意味がありません。

 

日比谷は、入試説明会で難度を上げると公言しています。

 

一方、八王子東は、「グループ作成問題」と同程度の難易度であると説明しています。

 

 

 

次に国語を見てみましょう。

 

大問1 (漢字の読み取り)

 

 

日比谷 国立 八王子東
(1) 10割弱 99.2 98.2
(2) 7割5分 66.5 59.6
(3) 9割弱 91.7 84.9
(4) 7割 67.0 58.0
(5) 9割5分 97.2 94.9

 

 

 

大問2 (漢字の書き取り)

 

 

日比谷 国立 八王子東
(1) 10割 99.7 97.3
(2) 9割 91.7 90.5
(3) 5割 42.7 32.1
(4) 8割強 81.4 74.8
(5) 9割弱 88.1 84.6

 

 

 

大問3 (文学的文章)

 

国立は、別問題でしたので、日比谷と八王子東の比較です。

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 7割 62.2
問2 9割 89.8
問3 10割弱 97.0
問4 9割弱 86.8
問5 8割 70.6
問6 8割 68.7

 

 

 

 

大問5 (融合文)

 

 

日比谷 国立 八王子東  
問1 5割 53.5 54.5  
問2 9割 90.0 85.6
問3 9割 86.1 81.3
問4 6割 54.3 49.8
問5 6割弱 52.1 48.8

 

 

 

問1が、わずかですが、八王子東の正答率が最も高くなっています。

また、「5割」という表記になっているので、日比谷がもっとも低くなっているのだと考えられます。

 

この問題は、選択肢「エ」を選んでしまって、不正解になった受験生が多かったのだろうと思います。

 

正答率が「逆転」している理由について、少し考えています。

 

 

 

最後に数学です。

 

(3校の入試問題のうち、「同一の問題」の「正答率」が表示してあります。)

 

 

 

大問1 (小問集合)

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 9割強 87.4
問2
問3
問4 8割強 87.5 80.2
問5 7割5分 63.2

 

 

大問2 (関数)

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 72.3 61.0
問2 (1) 58.1 53.1
(2) 65.7 55.9

 

 

大問3 (平面図形)

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 9割強 81.4
問2 (1) 6割5分 72.0
(2) 4割弱 25.2

 

 

 

問2(1)は証明問題ですが、日比谷と国立の「正答率」が「逆転」しています。

おそらく、日比谷の「採点基準」が厳しいのだろうと思われます。

 

 

 

さて、3校を比較して、いくつかのことがわかってきます。

 

 

ひとつは、受験生の「違い」です。

各校の「得点力」が判明し、それぞれの高校の「序列」があきらかになります。

また、「どのようなタイプ」の受験生が多いのかが、わかります。

 

 

 

もうひとつは、採点の「違い」です。

 

都立高校入試は、以前、「採点の誤り」の問題の影響で、一度「採点基準」を「厳格」に統制しようとする「動き」がありました。

 

たとえば、ある年には、英作文など、「内容」をほとんど考慮せず、「文法的に間違いのない文」であれば、一律「正答」とみなすような採点がなされました。

 

本年度は、「独自入試問題」を実施するわけなので、採点も「独自」の「基準」を用いることができます。

 

「自校作成」が復活するということで、どんな問題が出るのか、大きく注目されています。

しかし、「試験」ですから、どんな採点がなされるのか、というのも見過ごせない重要な「テーマ」ですね。

 

 

(ivy 松村)

町田市出身の日比谷、西、戸山の合格者数

今日は英検の二次試験でした。

試験のあと、校舎に来た生徒たちにどうだったか聞いてみましたが、みんなかなり良い感触だったようです。

この2週間、しっかり練習してきたので、落ち着いて対応することができたみたいです。

 

準2級は、対策した内容が多く出題されたので、答えやすかったみたいです。

 

3級は、5つ目の質問で、「〜へ行ったことがありますか」というような現在完了の疑問文が使われたようです。

2年生の生徒たちはまだ現在完了を習っていないので、少し戸惑ったそうですが、なんとか答えることができたみたいです。

 

前に英検について記事を書いたときに、現在完了の経験用法を用いた表現について言及した記憶があります。

「~をしたことがあるか」という質問は、極めて自然な話題のひとつだといえます。

ですから、英検がよりいっそう「実用的な英語」を志向するのであれば、こういった表現を試験に組み込むことは必然であるといえるでしょう。

 

今後、中3までに英検3級を目指す生徒には、現在完了について少し触れておく必要があるかもしれません。

 

 

受検したみなさん、おつかれさまでした。

 

これから、期末試験です。

切り替えて、しっかり取り組んでいきましょう。

 

 

 

今日は、期末試験勉強のために、午後から校舎を開けました。

 

中1~中3の生徒たちが集まって、しっかりと勉強をして帰っていきました。

 

特に、中3の生徒たちは、ある意味で、高校受験の最初の「山場」を迎えます。

どうか精一杯頑張ってほしいと思います。

 

 

 

さて、「出身中学別合格者数」の話です。

今回は、特に、町田市について見てみようと思います。

 

以前このブログに八王子東高校の倍率が下がっているという話を書いたことがあります。

その際に、八王子東の応募が低調となっている理由のひとつとして、旧第7学区の一角であった町田市から「人員」が流出していることを挙げました。

 

それで、今年、日比谷高校、西高校、戸山高校に合格した町田市出身者を調べてみました。

 

 

日比谷 西 戸山
町田第一中学校 1
町田第二中学校 2 1
南大谷中学校 1
南中学校 4
つくし野中学校 5 1 2
成瀬台中学校 1
南成瀬中学校 1 1
鶴川中学校
鶴川第二中学校 2 3
薬師中学校 1
金井中学校 1 2 2
忠生中学校 1
     計 15 6 11

 

 

 

本年度は町田市から3校に、計32人が合格しています。

 

 

かつては、学区制という「しばり」があったために、町田市の受験生は区部の都立高校を受けることができませんでした。

ゆえに、町田市に居住する都立高校志望の学力上位者は、八王子東に集中していたわけです。

しかし、学区制が廃止されたことで町田市出身の学力上位者が他のトップ校を受験できるようになりました。

 

 

 

町田市という「後背地」を失ったことは、大学合格実績にも影響を及ぼしています。

 

学区制の時代、八王子東の「高校ランク」は日比谷をもしのぎました。

八王子東は、西高と双璧を成す都立最高峰の地位にあったのです。

 

現在の八王子東は、都立最難関の一角を占めているとはいえ、都立トップ校の後塵を拝しています。

 

今年の八王子東は、都立高校の中で最も多く国公立大学の合格者を出しましたが、「東京一工」のような最難関大学に照準してみると、トップ校にかなりの差をつけられていることがわかります。最難関大学の実績は、かつてよりも落ちています。

 

 

 

八王子東高校は、町田市からアクセクしやすい立地ではありません。

 

特に、鶴川やつくし野など、小田急線や田園都市線の沿線の地域は、電車やバスの乗り換えが煩雑になります。

 

そのうえ、最寄り駅から高校への距離にも苦労させられます。横浜線で八王子駅まで行き、そこからバスに乗るか自転車、あるいは、八王子で乗り換えて北八王子駅か豊田駅で降りて自転車、徒歩などで十数分かけて高校に向かわなければなりません。

 

乗換案内等で調べてみましたが、最寄り駅から高校まで移動する時間を含めると、町田市の南部・東部からは、日比谷や西、戸山に通うほうが、八王子東に通うよりも通学時間が短くなります。

 

 

 

さらに、青山高校についても考える余地がありそうです。

町田市から青山へのアクセス時間は日比谷、西、戸山と同じくらいです。

 

青山のデータが手元にないので正確な人数はわかりませんが、進学実績を公表している町田市にある塾のホームページなどを調べてみると、合計で数人の青山高校の合格者が確認できました。

やはり、一定数の生徒が町田市から青山高校に進学しています。

 

 

 

そして、実は、町田市から立川高校や国立高校へのアクセス時間も、同じくらいなのです。

 

町田市内から立川駅や国立駅への移動時間は、都心のターミナル駅につく時間と変わりありません。

それどころか、むしろ遅い場合さえあります。

 

東京都内の鉄道路線は、東西の輸送を主としています。

したがって、西から東への移動は容易です。反面、南北の輸送力は脆弱です。

 

東京都の南部に突起するように位置する町田市から、公共交通機関を使って北上し、中央線の駅にたどり着くためには、非常に面倒で鈍重な経路をたどらなければなりません。

 

 

 

以上のように、町田市は「特殊な交通事情」を抱えているといえます。

 

日比谷、西、戸山、青山、立川、国立そして八王子東へのアクセス時間が、ほとんど変わりません。

 

そうなると、結果的に、町田市の受験生は、受験校を選択するうえで「通学時間」という要素を排除して検討することができるわけです。

 

 

 

ついでに、3校に合格した町田市出身の合格者の、過去4年間の推移をみてみましょう。

 

 

日比谷 西 戸山
29年度 15 6 11
28年度 10 12 5
27年度 16 15 1
26年度 11 11 6

 

 

 

今年は西の合格者数が減っています。

反面、日比谷、戸山の合格者数が増えています。

 

戸山高校は、「現役の進学」に強い高校です。

その点が、評価されてきたのかもしれません。

また、複々線化によって、小田急線を使った通学経路が見直されているのかもしれません。

 

 

 

ちなみに、今年を含めて過去4年間、日野市、八王子市出身の戸山高校の合格者は0人です。

日比谷は、今年日野市が0人、八王子市が2人です。

西は、今年日野市が1人、八王子市が9人です。

 

 

日野市、八王子市は、八王子東の「お膝元」であるというだけでなく、立川、国立へのアクセスが容易です。また、国分寺高校があります。身近な距離に複数の選択肢がそろっています。

そのため、「安易に」受験校を決める受験生も多く、区部への受験が活性化しません。

 

 

しかし、実は、八王子市や日野市から日比谷高校や戸山高校にアクセスする時間は、1時間程度なのです。

それは、町田市から日比谷や戸山にアクセスする時間とほとんど変わりありません。

 

むろん、西高へは、より短い時間でアクセスすることができます。

 

 

 

この数年、高校受験に関して考えさせられることが多々あるのですが、そのうちのひとつは、多摩地区の高校と区部の高校の、募集に対する「温度差」についてです。

 

うかうかしていると、「差」が広がってしまうような気がします。

 

 

(ivy 松村)

 

 

高校の国公立大学合格実績②(都立G7)

都立高校「G7」の大学合格実績を比べてみましょう。

 

 

まず、「東京一工」の現役の合格者数です。

 

 

現役 東大 京大 一橋 東工
日比谷 33 3 6 4 46
国立 6 3 18 7 34
西 14 2 7 6 29
戸山 5 3 12 7 27
青山 6 1 4 5 16
立川 1 3 5 1 10
八王子東  0  0 4 5 9

 

 

八王子東と立川の合格実績が、他校に引き離されていることがわかります。

 

 

 

次は、浪人生も加えた「合格人数」です。

 

 

合格人数 東大 京大 一橋 東工
日比谷 45 8 9 5 67
西 27 14 10 10 61
国立 17 6 26 9 58
戸山 10 5 14 7 36
青山 6 1 6 7 20
立川 2 5 7 5 19
八王子東 2 0 7 9 18

 

 

日比谷、西、国立の「特徴」がくっきりと表れています。

 

 

・日比谷→東大

・西→京大

・国立→一橋

 

3校の「ストロングポイント」が明確です。

 

(西に関しては「全方位」に強さを発揮するというという見方もできるかもしれませんが。)

 

 

国立の一橋大合格者26人というのは、特筆すべきものです。

これは、全国1位の「合格人数」となります。

 

よく知られているように、一橋大学は国立高校に隣接しています。

国高は、その「アドバンテージ」を最大限に生かしているということになりそうです。

 

 

 

浪人生を加えると、八王子東、立川と青山の「差」が小さくなっています。

 

青山の「東京一工」の浪人生の合格者は4人しかいませんが、八王子東と立川の浪人生の合格者はそれぞれ9人います。

 

 

 

「条件」をそろえて比べてみましょう。

 

「合格率」を算出します。

 

今年の各校の卒業生数をもとに、「100人あたりの合格者」を求めることができます。

100人のうち何人が合格したのか、を確認するわけです。

 

現役の合格者における「合格率」は、今年の卒業生の人数を用いて「適正な数値」を求めることができますが、浪人をあわせた合格人数を、今年の卒業生数で割って「合格人数の合格率」を求めるのは、少し「微妙」です。

 

それでも、「条件」をそろえて「合格率」を比べることで「見えてくるもの」があります。

精密なデータであるとはいえませんが、「参考」として、各校の「合格率」を算出して、比較してみましょう。

 

 

 

現役の「東京一工」の「合格率」と現役と浪人を合わせた合計の「東京一工」の「合格率」です。

 

 

 

卒業生

人数

現役

合格率 

合計

合格率 

日比谷 321 14.3 20.9
西 328 8.8 18.6
国立 369 9.2 15.7
戸山 357 7.6 10.1
青山 286 5.6 7.0
立川 314 3.2 6.1
八王子東 311 2.9 5.8

 

 

「序列」に変化は生じていないように見えます。

 

 

「東京一工」という指標は、非常に一般化されていて、多くの人がこれを「基準」として高校の「合格力」を測ろうとします。

 

これに基づくならば、日比谷、西、国立の「トップ3」に戸山が続き、青山、立川、八王子東の3校が遅れをとっているという「構図」になります。

 

 

特に、立川と八王子東が「苦戦」をしているという「見立て」になるわけです。

 

 

さらに、別の指標を用いて7校の比較をしてみましょう。

 

 

 

「東京一工」に、以下の大学の合格者数を加えたデータを確認します。

 

・北海道大学

・東北大学

・名古屋大学

・大阪大学

・九州大学

 

・筑波大学

・千葉大学

・横浜国立大学

・東京学芸大学

・東京外語大学

・お茶の水大学

・神戸大学

・東京医科歯科大学

・東京藝術大学

 

 

 

まず、現役の「難関国立大」の合格者数のデータです。

 

 

 

現役

日比谷 46 2 2 0 0 0 7 7 3 2 3 5 1 3 0 81 25.2
戸山 27 2 4 2 1 0 1 14 7 5 7 7 1 1 2 81 22.7
国立 34 7 5 1 0 0 4 5 7 3 8 2 1 0 2 79 21.4
西 29 5 2 2 3 1 5 4 3 1 4 4 1 1 0 65 19.8
八王子東 9 7 6 0 1 0 2 1 8 12 3 4 0 0 0 53 17.0
青山 16 3 0 1 3 0 3 7 2 1 6 1 0 1 1 45 15.7
立川 10 3 5 1 1 1 6 1 1 7 3 0 0 0 0 39 12.4

 

 

八王子東の実績が「上昇」していることがわかります。

 

次に、現役と浪人生を足した「難関国立大」の「合格人数」のデータです。

 

 

合格人数

日比谷 67 3 5  0 1 2 9 8 4 2 4 7 1 5 0 118 36.8
国立 58 11 9 1 2 2 7 11 13 4 11 2 1 1 2 135 36.6
西 61 9 4 2 4 2 7 6 3 2 6 4 1 2 1 114 34.8
戸山 36 6 6 2 1 1 1 16 10 6 7 7 1 1 3 104 29.1
八王子東 18 8 7 2 1 2 3 2 11 16 4 5 0 0 0 79 25.4
立川 19 9 8 3 2 3 8 1 5 12 5 0 0 0 2 77 24.5
青山 20 4 0 1 4 0 4 10 3 4 7 3 0 1 1 62 21.7

 

 

 

青山が遅れをとっていることがわかります。

 

 

立川の「浪人指向」が明確に表れています。

「現役」の数字は厳しくなりますが、現役と浪人を合わせた「合格人数」は他校に迫ります。

 

特に、東大、京大以外の「旧帝大」に強さを発揮しています。

北大、東北、名大、阪大、九大の計25人は、日比谷に並ぶ数字です。

 

 

八王子東は、「最難関」の下の「カテゴリー」で強さを発揮します。

横国10人、学芸16人です。

 

ちなみに、農工大26人、首都大27人です。

 

八王子東の受験指導の「真骨頂」は、校内中位層の学力を、中堅の国公立大学合格までに引き上げるところにあるのかもしれません。

 

 

 

最後に、7校の「国公立大学」の「合格者数」と「合格率」を見てみましょう。

 

まず、「現役」のデータです。

 

 

現役 現役

合格者

現役

合格率

八王子東 120 38.6
戸山 116 32.5
国立 119 32.2
日比谷 100 31.2
西 90 27.4
立川 86 27.4
青山 58 20.3

 

 

次に、現役と浪人を合わせた「合格人数」と「合格率」です。

 

 

合格者 合格

人数

合格率
八王子東 185 59.5
国立 201 54.5
立川 156 49.7
西 162 49.4
日比谷 158 49.2
戸山 158 44.3
青山 85 29.7

 

 

ともに八王子東がトップに立っています。

 

国立は、「母数」が多いということもありますが、国公立大学の合格者数が唯一200を超えました。(その中には、学位の認定されない「航空大学校」の合格者も含まれていますが。)

 

「現役」では6番手だった立川は、浪人生を合わせた「合格率」で、3位に浮上しました。

 

 

多摩地区の3校が「合格率」の「トップ3」を占めています。

 

 

 

おそらく、多摩地区の3校と、日比谷、西、戸山の「受験指導」には「差異」があります。

 

前者のグループは、「国公立大学」という「カテゴリー」で最大限の成果を出そうとしているはずです。

また、「浪人→国公立大学受験」という「路線」が、現実的な選択として、受験の「戦略」に組み込まれているように思います。

 

一方、後者のグループは、校内の学力上位層に対して、医学部を含めた「最難関」へのチャレンジを積極的に「後押し」するような指導体制になっているのではないかと想像します。

 

 

 

多摩地区3校のうち、特徴的な八王子東の「方向性」は、ちょっと評価が分かれると思います。

「東京一工」のような「強力な指標」のもとでは「埋没」してしまい、印象が悪くなってしまうからです。

 

今の「方向性」では、「入口」の「応募者」に対する訴求力が弱まって、じりじりと「出口」の「ターゲットゾーン」が後退しそうです。「学芸に行くなら、八王子東。」というように。

 

そうなると、さらに最難関大学を目指す生徒の受験回避傾向が強まり、「負のスパイラル」に陥る可能性があります。

 

個人的には、「最難関の実績」というのは、やはり「進学校」の宿命だと感じます。

 

 

 

そして、青山は、ちょっと「劣勢」に立たされていますね。

 

それは、「青山高校、今年、現役で東大6人」という「部分」だけを見ていても、わからないわけです。

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

八王子東高等学校と南多摩中等教育学校

八王子東は、他の都立トップ校と比較して、募集に「かげり」が出てきました。

 

もともと、倍率が高騰しづらい高校でしたが、本年度、特に男子の応募が低調でした。

 

 

八王子東を志望する受験生が減少している理由は、おもに2つあります。

 

ひとつは、南多摩中が、「将来」高校受験で八王子東を目指すはずだった「潜在的な受験生」を吸収しているためです。

もうひとつは、「地元」の学力上位層が、他のトップ校に流れているためです。

 

 

 

南多摩中の受験層は、私立中と併願をしない「都立専願」の志望者が多いことがわかっています。

別のいいかたで述べるなら、「私立志向ではない受験生」が多くを占めているわけです。

 

他の都立中は、私立中と併願する受験生が主流になってきました。つまり、私立中受験を目指す「層」を取り込んでいるわけです。

 

一方、南多摩は、「公立中学→都立高校」というルートを採るはずだった「層」を、豊富に取り込んでいるわけです。

 

初期の南多摩中の入試問題が、適切な選抜ができるような水準のものであったか、疑問の余地はあるわけですが、それでも、地域から、一定人数の学力の高い生徒を「青田買い」できたことはまちがいありません。

 

 

 

八王子東高校と南多摩中等教育学校は、ともに八王子市にあります。

八王子市は、かつて、日野市、町田市とともに旧第7学区を形成していました。

 

旧第7学区の「序列」は、首席が八王子東、次席が南多摩中の前身である「南多摩高校」でした。

 

「南多摩高校」が一貫校となり、中学受験に「進出」したことによって、本来ならば高校受験時に学区のトップ校を受験するはずだった生徒が、南多摩中に引き寄せられることになったわけです。

 

 

興味深いデータがあります。

 

西高は、自校に入学した生徒の出身市区を公表しています。

 

八王子市から西高に進学する生徒は、南多摩中が開校して後、減少しています。

(南多摩中の入試の「初年度」は22年度です。この年の受験生は、25年度の西高の入試を受ける可能性があった学年です。)

 

 

 

         年度 28 27 26 25 24 23 22 21 20 19 18
八王子市出身の西高進学者数 7 8 14 16 21 20 14 22 21 20 13

 

 

 

このようなデータを公表しているのは西高だけです。もちろん、他の高校の状況とつき合わせてみなければ、確かなことはいえません。

まったくか細い論拠ではありますが、「高校受験時に、都立トップ校を志望する学力上位層」が、八王子市内で減少している可能性があります。

 

西高を受験するはずだった生徒が一定数、南多摩に入学してるというのであれば、いうまでもなく八王子東は、ということになります。

 

 

 

さて、八王子東の受験応募者数の低迷をもたらしているもうひとつの理由についてです。

 

それは、一言でいえば、「地政学的な要因」です。

 

 

実は、都立の進学指導重点校のなかで、八王子東はちょっと独特なのです。日比谷、西、国立、戸山、青山、立川が旧制中学を前身とする伝統校であるのに対し、八王子東は1976年に新設された高校です。

八王子東が「進学校化」した経緯も異彩を放っています。新設校のため「学校群制度」に組み込まれなかったことが「好条件」となって、恐るべきスピードで進学校としての地位を確立しました。学区内の学力上位層を確実に受容し、80年代中ごろには、学区内のトップに君臨する進学校にのぼりつめました。

 

 

ある意味で、八王子東は、学校群制度や学区制度という「しばり」を背景として、進学校として成長したわけです。

 

 

しかし、学区制が廃止されたことで、都内の受験生は他学区の都立高校への進学が可能になりました。

そのため、旧第7学区からの「流出」が活発になったのです。一方、「流入」は強く刺激されませんでした。

 

 

「立地的」に、旧第7学区は、東京都の「エッジ」に位置します。「エッジ」に流れる「人員」よりも、「中央」へ向かう「人員」が多くなるわけです。

 

 

また、2000年代に入って、他の都立トップ校が「独自入試問題」と「特別選考」を両輪として、都内各地から学力の高い生徒を集めようとしたのに対し、八王子東は「特別選考」を行うことがありませんでした。そのために、他のトップ校が受験者数を増加させていく中で、八王子東の受験者数は抑制されたのです。

 

この時期に、八王子東の「地位」は、相対的に低下しました。

 

 

 

多摩地区内で比較しても、立川や国立が旧第7学区、第8学区、第9学区、第10学区などから広範囲に受験応募者を集めているのに対し、八王子東は旧第7学区内の応募者に大きく依存しているといえます。

 

それは、「地元志向が強い」といういい方もできますが、端的に「エッジ」に人が流入しづらいともいえるわけです。

旧第7学区が、多摩地区という「回廊」の「最果て」に位置するため、学区が廃されても「人の流れ」が双方向に活性化されないのです。

 

また、学区制の廃止にともない、町田市の東部や南部は、小田急線や田園都市線、バス路線を使って東に抜ける「通学路」が活用できるようになりました。この地区では、八王子東を「迂回」する受験が既定になっています。

もちろん、中央線、京王線の沿線では、「中央」へ向かう「流圧」が強まります。

 

首都圏の交通網は、「都心」に人を運ぶ「設計」になっているわけです。

まったく単純に、その「機能」にもとづいて、旧学区内から「人員」が流出するわけです。

 

 

八王子東のほか、旧第7学区の日野台、町田といった高校の倍率が停滞するのも、このような立地条件を理由のひとつとして挙げることができます。

 

 

そしてまた、南多摩中も、「募集面」では、同様の構造をかかえているわけです。

 

 

 

当塾は、日野市西部、豊田駅近くの多摩平にあります。

八王子東高校までは徒歩十数分、南多摩中等までは一駅です。

 

地元の進学校の良い部分は、よくわかっているつもりです。

 

生徒たちには、八王子東や南多摩を目指して頑張ってほしいと思っています。

 

 

しかし、両校には、「変化」の必要な時期が来ているのかもしれないと思ったりもします。

 

 

 

少し「テーマ」からはずれますが、学校の「特徴」について閑話。

 

現代は、学校が受験生を集めるためには、大きな「特徴」が必要とされる時代です。

 

近年、中学や高校が「特徴」を打ち出そうとして、反対に、まったくありきたりなアイデアに飛びついてしまうのが目につきます。

大きく分けて、学校が打ち出す「特徴」のパターンは3つあります。

 

①進学コース

②英語関係

③理系関係

 

 

どれも「月並み」ですね。

 

そこで、私は考えてみたのですが、いっそのこと「文系実学方向」に特化した学校にしてみたら面白いのではないでしょうか。

 

たとえば、中学・高校のうちから専門的に法律を学びはじめ、早期に司法試験を目指す高校とか。

あるいは、報道やジャーナリズム、政治を学べる高校とか。

他にも、起業、経営を学ぶ、とか、金融を学ぶような学校があってもいいと思います。

 

何だかよくわからない高校が「人寄せ」のためにやるのではなくて、都内有数の進学校が本域でやるというのであれば、すごく意義深い挑戦になると思います。

 

「大学入試の先」を見すえた教育です。

 

 

正直いって、「文化祭がさかんだ」とか、「部活がさかんだ」というのも、現代の進学校にとっては「割とありふれた特徴」のひとつとなりつつあります。

 

 

これからの時代、学校の「魅力」を形作っていくのに、「専門性に触れる」ということが意外といいのではないかと、密かに思っています。

 

 

「逆流」を起こすには、「そこを目指す理由」が必要なのです。

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

冬期講習を終えて

冬期講習が終了しました。

参加してくださった生徒のみなさん、お疲れさまでした。

 

今年の冬期講習、とても充実したものになりました。

 

小4の国語は、文章題と知識系の問題をたくさんこなしました。

物語は、少しずつ自分の力で読めるようになってきましたね。

 

小5の国語も、文章題と知識系の問題をどんどん進めました。

「漢字の組み立ての問題」では、日頃の成果を発揮しました。

 

小6の都立コースでは、漢字テストと作文の書き直し。

授業のない日にも塾に来て、算数や作文にしっかり取り組みました。

 

小6の特訓コースは、毎日過去問と解説の日々。

だんだんと、得点力がついてきました。いっそうがんばりましょう。

 

中1は、毎日の小テストを意欲的に取り組んでいました。

今回の講習で勉強の面白さを実感できるようになってきたようです。

 

中2の国語は、文章の「構造」を考えながら読むことと、記述問題へのアプローチを中心に学習しました。英語は、入試に直結するようなハイレベルな内容の文法を扱いました。

 

中3は、文法パターン演習、リスニング、過去問演習、解き直し、レポート、全訳&チェック、そして単語オリンピック(再)。盛りだくさんでした。

 

 

本日は最終日でしたが、中3の生徒たちは、まだ余力がありそうな様子でした。

明日、明後日をしっかりと活用してください。

 

毎日12時間ぐらい塾にいて勉強していましたが、よどみなく、やるべきことを見すえて取り組むことができたのは、とても良かったです。

正直、「まだまだ」という部分ばかりですが、そのタフさと素直さは、すごく大きな武器となっています。やはり、「合宿」は非常に大きな意味をもちました。

 

 

 

さて、中2には、本日、告知していたとおり、八王子東の16年度の入試問題を解いてもらいました。

講習には、少しばかり「ヒリヒリ」するような刺激があっってもいいのです。

 

初めて入試問題を解いて、さまざまな感慨を持ったことだろうと思います。

一人ひとりに、その点数をどう受け止めるべきか、少し話をしました。

 

 

ある生徒に、登る山は、高い方がいいに決まっている、今の自分が満足のいく点数を取れるような高校であってほしくないだろう、と伝えました。

 

 

みんな、「漢字がやばい」という初めての経験をしたようです。

「記述がエグい」という感想も聞かれました。

 

 

八王子東は平成15年度から入試問題の「自校作成」を行っています。

15年度は少し「クセ」のある問題だったので敬遠し、16年度をチョイスしました。

 

今回、どの年度の問題を使うのか決めるために、改めて、古い「自校作成」の入試問題を見なおしました。

初期の八王子東の「自校作成」の入試問題、「緊迫感」があります。「気合入っているな」という感じで、引き込まれます。「都立の入試問題の形式」からはみ出ていこうとする「エネルギー」がみなぎっています。

 

 

一方、近年の八王子東、なんだか「スクウェアな感じ」が強まってきているように感じます。

入試問題、学校が公開する情報、卒業生や在校生の声、様子。

そして進学実績。「東大目指すよりも、中堅の国公立」。みたいな。

 

本年度の都立高校の志望校調査で、八王子東の倍率が低迷していますが、いろいろと考えてしまいますね。

 

 

生徒たちが目指す場所は、その魂を激しく揺さぶるような、高い山であってほしい。

 

 

 

今日、過去問を解いた中2の生徒たちは来年、受験に挑みます。

 

 

「自校作成」が復活します。

 

 

今日の日を第一歩に、一年をかけて「高み」を目指す生徒たちは、どんな入試問題と対峙することになるのでしょうか。

 

 

(ivy 松村)

 

 

受験パターンについて⑥(都立高校「推薦入試」)

⑥都立高校「推薦入試」+都立・私立「一般入試」

 

 

都立高校の「推薦入試」は、1月26日、27日に行われます。

 

都立高校の「推薦入試」は、「入学の縛り」があります。

したがって、日程に余裕があっても、私立の「推薦入試」とあわせて出願することはできません。

 

ただし、都外の「入学の縛り」のない「推薦入試」であれば、併願受験することが許されます。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」は、独特の選抜方法で知られています。

作文か小論文、それに集団討論と個人面接が課せられます。それに「内申点」を合わせて合否判定がなされます。

 

ほとんどの中学生は、「推薦入試」の直前まで、そのような「選考」を受ける準備もトレーニングもしていません。

ですから、地道に体得した成果を発揮するような受験ではなく、個人の「素に近い資質」が、入試得点に色濃く反映されるような受験になります。

つまり、訓練を積んで対応力を鍛える時間がほとんどないために、生来、性格的に「向いている」生徒に圧倒的に有利な入試になるわけです。

特に、集団討論や個人面接は、あがり症だったり、内向的だったり、表現が苦手だったりする生徒には、かなり「ハードル」の高い「試験」となります。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」について、「宝くじ」のようなもので、期待せずに、「一般入試」に向けて勉強して行くべきだ、という意見が根強くあります。

 

この考えの背景にあるのは、受験生が「過度の期待」を持ってしまうと、不合格だった場合に精神的ダメージが大きくなってしまう、という憂慮です。

 

しかし、個人的な考えを忌憚なく述べるならば、「そのようなメンタル」の受験生は、そもそも「向いていない」ように思います。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」について考察するときには、2つの「ファクター」に注目する必要があります。

 

ひとつは、受験生の「適性」です。

 

そして、もうひとつは、「内申」です。

 

「内申」、当たり前じゃないか、と思われる人も多くいるでしょうが、実は、毎年多くの受験生が「内申」を考慮することなく「推薦入試」に挑みます。

 

合格の可能性が、ほぼゼロの出願が、行われるのです。

 

 

たとえば、立川高校の「推薦入試」では、「内申」が「40」を切っている生徒は、合格の公算がほとんどありません。

 

ですから、「内申」が「40」を切っている生徒は「推薦入試」の出願に慎重になるべきです。

よほど、「自信」があって、「覚悟」がある受験生でなければ、その行為は徒労に終わる可能性が高いわけです。まして、スペシャルな「適性」を持たない生徒は、「逆転」も厳しいわけです。

 

 

多摩地区では、「オール5」=「45」の「内申」を持っている生徒の多くは、国高の受験を考えます。

おそらく、受験者のうち、「オール5」の生徒の数は、国高の方が西高よりも多いはずです。

 

立川や八王子東は、女子は「44」「43」、男子は「43」「42」の受験生が多くなります。

しかし、立川や八王子東の合格者の分布は、国高とあまり変わりません。

 

これらの高校の合格者の分布は、およそ「40」あたりが「ボトム」となっています。

女子の場合は、おそらく「40」以下では、合格率はゼロに近い1ケタとなっているのではないかと思われます。

(八王子東と国立には、ある年に「内申」が「40」を切っている受験生が合格していますが。)

 

 

「データ」等から得られる知見としては、都立の「推薦入試」に抜群の「適性」を持ち、さらに立川高校の評価基準に「運命的な」相性を持つ受験生でなければ、「素内申」が「40」以下の生徒は、出願を見合わせるべきであるということになります。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」は、「受けたいかどうか」、ではなく「受かる可能性があるかどうか」に基づいて判断しなければならないと思います。

 

私は、都立高校の「推薦入試」はいいものだと思っていますが、それは「展望」のある受験であることが前提です。

 

毎年、何百人、何千人もの受験生が、むなしい、無謀な挑戦に身を投じます。

「宝くじ」のつもりで期待することさえ「まちがっている」といえるケースも多々あります。

出願することが、そもそも「不合理」なのです。

 

「期待をするな」というのではなく、本来、「出願をするな」というべきなのです。

 

 

 

しかし、では、なぜ、そのような無茶な出願が横行するのでしょうか。

 

その大きな理由は、学校の先生が、「推薦」の「安売り」をしているからなのでしょう。

 

学校の先生からすれば、純粋な「温情」や「配慮」なのかもしれませんが、それは必ずしも受験生に恩恵をもたらすわけではありません。

 

「内申」が「38」の生徒は、上位校の「推薦入試」を受けることになっても、「逆転」はまず不可能なのです。

 

「推薦入試」の実態を知らない受験生は、「チャンスが増えた」と感じ、よろこび、張り切るでしょう。

しかし、ほとんど可能性のない「推薦入試」に向けて、精一杯頑張れば頑張るほど、「一般入試」に向けた受験勉強が削られるわけです。

その「矛盾」に陥っていることを、自覚することさえできないのです。

 

 

都立を第一志望とする受験生は、「推薦入試」を受けるべきかどうか、自分の「適性」と「内申」をよく検討して受験を考えるべきだと思います。

 

そして、その「情報」や「分析」を受験生に知らせることは、学習塾の役割になるでしょう。

 

 

 

ところで、一部の都立高校の「推薦入試」は、ある種の「アナーキー」に陥る危険な兆候が見えます。どうやら、「それ」を狙った出願が功奏するようになってきたみたいです。

武蔵、大泉、富士、白鷗などの「中学併設校」のことです。

 

ここで言及することで、すこしでも「正常」な「選抜」にもどりますように。

 

 

※この記事を書くにあたって、進学研究会さんや新教育研究会さんの資料を参考にさせてもらいました。

 

 

 (ivy 松村))

 

立川高校と八王子東高校の推薦入試について

立川高校と八王子東高校の推薦入試について書きます。

 

 

立川は、集団討論・個人面接の「配点」が200点、小論文が300点です。

 

 

集団討論・個人面接の得点分布を見ると、高得点を取っている受験生が多いことがわかります。

190点以上が11人、180~190点以上が8人、170~179点以上が10人います。

 

 

立川高校は、積極的に発言するタイプの生徒が集まる学校です。

また、そういった生徒を評価する校風があります。

 

「積極的」というのは、堂々と「自分の」意見を述べるということです。

(当たり前ですが、それは「独自の」という意味ではありません。)

 

そして、立川の集団討論のテーマは、「社会問題」に寄っています。

社会的なニュースに関心を持っている生徒にとっては、環境問題や国際関係といったテーマは発言しやすいものだと思います。

逆に、新聞などを読む習慣のない受験生は苦しくなると思います。

 

 

個人面接では、過去に、「思いがけない質問」をされた、という生徒がいました。

 

これは、個人的な印象も含めた上での意見ですが、立川高校は、「型」にはまった「お利口さん」ではなく、物怖じすることなく、機敏にものごとに対処できるような人物が評価されるように感じます。

 

 

小論文は「配点」が高く設定されていますが、得点は抑えられています。

300点満点となっていますが、150~160あたりが得点分布の「山」になっています。

昨年度は240点以上を取った生徒が1人しかいません。

 

小論文で「突き抜けた」ものが書ければ、他を大きく引き離すことができます。

 

小論文では、グラフや表などの資料の「読み取り」の訓練が必須です。

また、近年では、人文科学系の題材がつかわれる傾向が出てきました。

「コミュニケーション」に関して、考えをまとめておくといいかもしれません。

また、時間があれば哲学・心理学・言語学などのトピックについてまとめておくと役に立つかもしれません。

 

 

 

あと、立川高校の推薦入試を受ける受験生は、必ず、「推薦合格のみなさまへ」を受験前に読んでおきましょう。

 

 

 

八王子東も、集団討論・個人面接の「配点」が200点、小論文が300点です。

 

 

八王子東は、どちらかというと落ち着いていて、堅実で、そつなくものごとをこなしていくようなタイプの生徒が集まる印象があります。

(通っている生徒からすると、「そんなわけはない!」とツっこまれそうですが。)

 

集団討論・個人面接の得点分布を見ると、110~139点がかなり高い「山」になっています。

もしかすると、「典型的」なタイプの受験生がこの辺りに集中するのかもしれません。

 

この得点域にいる限り、合格は厳しくなります。

推薦入試で求められている人材は、どちらかというと「個性」をもった生徒だと思います。

 

データを見る限り、八王子東の受験生は集団討論・個人面接で「苦戦」をしているように見受けられますが、逆にいえば、「ここ」で点数を固めることができれば、かなり優位になります。

 

 

集団討論のテーマには、コミュニケーションやマナー、モラルといった題材が使われる傾向があります。

こうした内容は、中学生にとっては、身近でありながら漠然としたものなので、討論しづらいと思います。

 

大きな「ヒント」を述べるならば、「公共性」というものを、八王子東は重視しています。

 

 

小論文の得点分布は、210~224点の帯域に密集しています。

ある意味で、小論文では「差」がつきにくいといえます。

 

小論文対策として、やはり、グラフ、表などの数値の「読み取り」の訓練は必須です。

そして、「学び」「人生」といった(普遍的価値を持つ)抽象的な概念について、思考を巡らせる力を測ろうとしているように思います。

 

おそらく、「小論文」から逸脱して、身近な「体験」を書き連ねた「作文」を仕上げてしまう受験生が多くいるはずです。

そういった解答は、点数が上がってこないと思います。

そして、それが理由で、小論文の得点が「だんご」になっているのだと思います。

 

調査書が「厳しい」受験生にとっては、小論文が「鍵」になるかもしれません。

 

 

 

両校だけでなく、都立高校の推薦入試を受ける生徒が気にかけておかなければならないのは、「傾向の変化」です。

 

集団討論が導入されて4年目です。

入試問題の形式や傾向は「3年」を単位にして変わることが多いので、4年目の本年度に、新しい出題の形が試される可能性があります。

 

やはり、小論文も、3年程度を目安として、内容が大きく変わることがあります。

 

 

受験生は、もちろん、過去問をはじめとする「情報」をもとに受験対策を行っていくものですが、都立の推薦入試の場合は、より包括的で柔軟な準備が必要です。

 

同レベルの別の高校の問題なども見ておくとよいかもしれません。

 

 

 

さて、実は、本年度はこの塾に都立高校の推薦入試を受ける生徒はいません。

 

にもかかわらず、忙しくてたまらないこの時期に、このような文章を書いているわけです。

(「だからこそ」書ける、ともいえますが。)

 

 

 

これは、応援のつもりです。

直接的ではなくても。

 

 

(ivy 松村)