入試の「加点制度」について

私立高校入試の「加点制度」について考えてみましょう。

 

まず、「加点制度」には、「内申」によって「加点」が与えられるものがあります。

それには、「入試相談」をとおす形式のものと、そうでない形式のものがあります。

 

たとえば、法政大学高校は、「内申」によって入試得点に「加点」を行いますが、「入試相談」の必要はありません。

 

一方、帝京大学高校も「内申」によって入試得点に「加点」を行います。しかし、こちらは「入試相談」が必要です。帝京大学高校の受験は、「併願優遇」の「基準」に届いていれば「加点」がもらえることになっています。

これは、いわゆる「加点タイプの併願優遇」です。「併願優遇」と名の付く出願は、必ず「入試相談」が必要なので、中学校の三者面談の際に「併願優遇」で受験したいと伝えておかなければ、「基準」に届いていたとしても、「加点なし」の受験になってしまいます。

 

 

「併願優遇」は、「優遇の内容」によって、2つのタイプに分けられます。ひとつは、「合格の確約」があるタイプです。そして、もうひとつが「加点」がもらえるタイプになるわけです。

 

また、帝京大学高校の「併願優遇」は、「入学の縛り」もありません。

 

帝京大学高校の「併願優遇」は、内申の高い受験生に「加点」を与えるが、合格しても「入学の縛り」がない、というものになります。

 

つまり、法政大学高校と帝京大学高校の受験は、ほとんど同じ「構図」の受験であるというわけです。その違いは、「入試相談」を行って出願するかどうか、というものです。

 

ただし、その加点の仕組みは大きく違います。

法政大学高校の「加点制度」はその区分が細かく設定されています。

帝京大学高校の場合は、「基準」が一律に設けられていて、しかも、それはなかなか「ハイレベル」です。

 

法政大学高校の「加点制度」はホームページに詳細が載っています。

帝京大学高校の「基準」は、学校か塾に聞いてみるとわかると思います。

 

 

「加点」の要素のひとつとして、「内申」を考慮する高校があるということですね。

 

 

 

次に、「入学の縛り」を受け入れる「対価」として得られる「加点」について考えてみましょう。

 

多くの私立高校は、自校への入学を最優先に考えている受験生を「優遇」する制度を設けています。

典型的に、「専願・単願」と呼ばれる出願形式です。

 

「単願・専願」には、2つのバリエーションがあります。

ひとつは、「合格の確約」が得られるものです。この場合、通常は、出願の「基準」が設けられています。

 

もうひとつは「加点」が得られるものです。

受験生は、「合格すれば、必ず入学する」という約束をすることで、入試に有利な「下駄」をはかせてもらえるわけです。

 

もし、第一志望の高校がこの制度を設けている場合には、これを利用しない理由は見つかりません。

 

 

さらに、「加点タイプの単願・専願」を用意している高校について、考えてみましょう。

 

「単願・専願」で出願する受験生に「加点」を与える高校は、その「序列」に傾向が見られます。「難関校の一歩手前」くらいの「ランク」の高校が目立ちます。

 

あまり「ランク」の高くない高校の場合、「加点」ではなく、「合格の確約」を出して、入学する生徒を多く集めようとします。したがって、「加点タイプの単願・専願」が採用されません。

 

また、「ランク」の高い高校の場合は、その高校を第一志望とする受験生が多く集まるので、「単願・専願」というような「インセンティブ」が、適切に機能しません。

 

したがって、「単願・専願」の出願に対して「加点」を行うのは、中位・中堅という位置付けの高校が多くなるわけです。

 

 

「加点タイプの単願・専願」の「受験」も、「入試相談」が必要な場合とそうでない場合があります。

そのうち、「加点タイプの単願・専願」であるという「建前」になっていても、実質的に「合格の確約」を出すような高校の場合には、必ず「入試相談」をすることになります。

 

 

 

「加点」の3つ目の項目は、「複数回受験」です。

 

MARCHの付属校などの人気のある私立上位校の推薦入試の多くは、ほぼ一般受験と同じ形式の「受験」となります。つまり、受験者のうち、合格点に達した者が合格し、そうでなかった者が不合格になるわけです。

結局のところ、こうした高校の推薦入試は、「複数回受験」の機会として機能します。

 

推薦入試が不合格となり、一般受験を受けることになった受験生に対して、「加点」を行う高校がありますが、これは、「複数回受験」をする受験生に対して行う「優遇措置」であると考えることができるわけです。

 

しかし、こうした高校は、推薦入試を出願することができる「内申」の「基準」を設けていることがほとんどなので、本質的には、「内申」と「専願・単願」(推薦入試には「入学の縛り」があるので)を複合させた二重の「指定条件」を満たした生徒に対して行う「加点」であるとみなすべきなのかもしれません。

 

 

また、一般受験でも、複数回の受験日を設けている高校で、2回目(さらに3回目)の入試得点に、「加点」を与える高校もあります。

 

 

 

まとめてみましょう。

 

入試の「加点」の項目は、以下の3つになります。

 

 

①内申

②単願・専願

③複数回受験

 

 

「加点」は、「受験」において、説明不要の、簡潔明瞭な「アドバンテージ」となりますが、それを得るためには、何かしらの「対価」が必要になるわけです。

 

また、「加点」に関しては、その「情報」を持っていなければ、その「権利」を持っていても活用することができません。

 

学校や塾、高校の説明会などをとおして、詳細な情報を集めたうえで検討することが大切です。

 

 

(ivy 松村)