平成30年度の南多摩中適性検査②

「適性検査Ⅱ」をみてみましょう。

 

 

大問1

 

〔問題1〕

 

さいころの展開図です。絶対に落とせない問題です。

 

 

〔問題2〕

 

「かけ算の答え」と「割り算の答え」を足して、7になる計算式を考える問題です。

使えるのは1から6までの整数のうち、異なる4つだけです。

 

□×□+□÷□=7 (□÷□+□×□=7)

 

 

答えが7になる「足し算」の式は、以下の3つです。

 

・4+3=7(3+4=7)

・5+2=7(2+5=7)

・6+1=7(1+6=7)

 

「4と3」、「5と2」、「6と1」の組み合わせになるものを考えます。

 

 

・4×1+6÷2

・5×1+4÷2

・5×1+6÷3

 

 

以上のような解答があります。

(「6と1」の組み合わせは存在しません。)

 

 

〔問題3〕

 

使われているさいころは、「1」の面を上に置いているので、「6」の面が下になっています。

したがって、2・3・4・5が横の面になっています。「2と5」、「3と4」は向かい合っているので、となりあうことはありません。「2と3」の組み合わせを除くと、以下の組み合わせが残ります。

 

・2と4

・3と5

・4と5

 

図6と同じように、8個のさいころを書いて「見えている面」の合計を出せば、「60」になることがわかります。

そうすると、太朗さんのいう「おもしろいこと」というのは、「1の面を上にした」さいころの「見えている面」の合計は、常に「60」になるということなのではないかと推測できます。

 

「6」以外の面はすべて4つずつ存在します。

したがって、「見えている面」の合計は、常に「60」になるわけです。

 

(1+2+3+4+5)×4=60

 

 

 

大問2

 

〔問題1〕

 

東京スカイツリーは634mです。

一方、東京タワーは、333mです。

 

私たちの目には、「近く」にあるものは大きく見え、「遠く」にあるものは小さく見えます。

東京スカイツリーは東京タワーの2倍の高さです。
東京タワーが、東京スカイツリーと同じ高さに見えるということは、東京タワーが自分の「近く」にあるためであるということになります。

 

 

〔問題2〕

 

・三大都市圏・・・東京都市圏(首都圏)・名古屋都市圏(中京圏)・大阪都市圏(近畿圏)

・三大工業地帯・・・京浜工業地帯・中京工業地帯・阪神工業地帯

 

東海道新幹線は、「三大都市圏」・「三大工業地帯」を結ぶ高速鉄道であるととらえることができます。

 

表1の「人口」の資料からは、さらに横浜と京都を説明に加えることができます。

表2の「工業地帯・工業地域」の資料からは、さらに東海工業地域を説明に加えることができます。

 

 

〔問題3〕

 

グラフと割合の計算です。

 

定規を用意するように、という指示があったので、「グラフ」かもしれないと受検生に伝えていたのですが、やはりそうでしたね。

 

図4は、家電製品や乗用車などの普及率が大きく上昇していることが示されています。

 

図3のグラフの「その他」の支出割合は、1965年から1990年の間に増加しています。それは、多くの家庭で家電製品や自動車などの「耐久消費財」を購入するようになったからだということがわかります。

 

「食料」の支出が減っているのは、いわゆる「エンゲル係数」が低下しているということを示しています。

 

 

 

「東京都」には、オリンピック・パラリンピックを盛り上げ、成功させたいという大願があります。

「都立中学」の入試問題に、そうした「意気込み」が反映されていると考えることができます。

たぶん、「都立高校」の入試問題にも、同じような「傾向」が見られるでしょう。

 

 

 

大問3

 

〔問題1〕

 

この問題が、本年度の入試の「要所」となりました。

 

「1㎠」は「1㎝×1㎝」、つまり「10㎜×10㎜」=「100㎟」です。

したがって、「4㎟」の25倍です。

 

しかし、「2.5倍」であると勘違いをした受検生が多くいたはずです。

 

「単位」をきっちりと「攻略」していない受検生は当然失点したでしょう。

のみならず、普段なら間違うはずのない学力レベルの受検生でも、何人かは失点をしてしまったのだろうと思います。

 

「算数」の試験であれば慎重に対処できたはずの問題であっても、「適性検査」では、落としてしまうことがあります。

「適性検査」は、問いの説明や構成、解答形式がより複雑で、さらにスピードが求められます。

正確に、速く問題を「処理」しなければならないことが「あせり」を生み、受検生の「注意力」を散漫にしてしまいます。

 

 

〔問題2〕

 

会話文を読んで図をみれば、解答を導ける問題でした。

 

 

〔問題3〕

 

・「図5」→① 夏になると雨が降るので、地表の砂はかわいた状態ではなくなる

・「図6」→×

・「図7」→② 夏になると強い風が吹く回数が減るため、砂が巻き上げられなくなる

・「図8」→③ 夏になると東に向かう風が弱まるため、砂が日本まで運ばれない

 

 

 

今年の入試は、かなり易化しました。

「ボーダー」は相当高くなりそうです。

 

 

本年度の南多摩中の入試の「ポイント」を2つ挙げることができます。

 

1つ目は、調査書の点数の比重が高まったということです。

入試問題が易化するということは、多くの受検生の得点が、高得点域で均衡するということを意味します。したがって、調査書の点数が乏しい受験生は、「逆転」が難しくなります。逆にいえば、調査書の点数=学校の成績が良い受検生ほど有利になります。

 

2つ目は、私立中受験の勉強をしてきた受験生ほど有利になる「傾向」がいっそう強まったことです。

「適性検査Ⅰの問題1・問題2」は、私立中の入試問題と遜色ありません。

「適性検査Ⅱ」は、よりいっそう私立中入試に近接しました。

 

「共通」の入試問題を作成するということは、ある意味で、都立中の「適性検査」の「一般化」「普遍化」を促しているといえると思います。

それは、また同時に「易化」を進行させています。

つまり、「訓練を積んだ受験生」にとって「解きやすい」問題であるということです。

 

 

 

南多摩中は、これまで、「理科」や「算数」などの理系科目で、難解な問題が出されることが多くありました。そのため、理系科目を攻略することは、合格へ大きく近づくことを意味しました。

しかし、理系科目が易化しています。おそらく、大問1と大問3では、受検生の得点に大きな「差」はつかないでしょう。

 

したがって、今年の南多摩の入試は、「適性検査Ⅰの問題3」=「作文」が、合格への「鍵」になったかもしれません。

 

 

(ivy 松村)

 

平成30年度の南多摩中適性検査①

私立中、都立中の入試が終わりました。

おつかれさまでした。

 

南多摩中の入試問題の分析をしてみようと思いますが、ちょっと。

 

南多摩中を受けた生徒は、読まない方がいいと思います。

いずれにしろ、間もなく「結果」が出ます。

 

「塾の人間」は、過去に目を向けます。そういう「習性」なのです。

でも、「受験生」の目は未来を向いていなければなりません。

 

 

人生の大きな「節目」を乗り越えて、ひとつ、大きな財産を手に入れました。

 

明日から中学準備講座です。

さっそく、人生の次のステージの勉強を始めましょう。

 

 

 

まず、「適性検査Ⅰ」です。

 

「問題1」は第二の自己表現のタイプである「攻撃的自己表現」について記述する問題でした。

 

「どのように何を守ることですか」と問われているので、

 

①どのように、

②何を守る

 

という2つの「要素」を組み込んで解答を作ります。

文末は「~こと。」です。

 

 

①ですが、以下の箇所を解答に使えます。

 

第二段落「自分のことだけをまず考えて行動し」

第十二段落「自分が正しいかのように言い張り、相手を黙らせようとしたり、同意させようとしたりする」

同「自分と異なる意見やものの見方に耳を傾けようとせず」

 

 

②ですが、以下の箇所を解答に使うことができます。

 

第十一段落「自分の言い分や気持ちを通そうとする」

 

 

「自分のことだけを考えて行動し、自分の言い分や気持ちを守ること。」

「自分が正しいかのように言い張り、自分の言い分や気持ちを守ること。」

「異なる意見やものの見方を尊重せず、自分の言い分や気持ちを守ること。」

 

上のような解答であれば、大きく点数を落とすことはないと思います。

 

 

 

「問題2」は「アサーティブな自己表現」における「葛藤が起こる可能性」があるのはどのようなときかを答える問題でした。

 

解答の文末は「~とき。」です。

 

 

「葛藤」という言葉の意味を知らない、あるいは類推できなければ、解答を導くことができません。

 

 

解答には、第二十、二十一段落が使えます。

 

「意見や考えが一致せず、合意が得られないとき。」

 

 

 

いずれ学校から正式な「解答例」が公表されます。

 

「解答例」はいろいろな「情報」を示唆してくれますが、ちょっと注意しなければならないことがあります。

 

それは、「解答例」は、決して「的確な解答」というわけではないということです。

実は、都立中や都立高校の「記述問題」の「解答例」は、かなり「ルーズ」に書かれています。

 

「解答例」とかけ離れた表現で書いても、「内容」と「解答形式」に不備がなければ正解になります。

 

当たり前といえば当たり前の話ですが、「決まり切った答え」を求めるような入試問題ではないので、「解答」は「特定の様式の文」に収束しないのです。

 

さらに、学校側が、採点に「幅」を持たせるために、あえて課題文中の言葉を外して「解答例」を作ることもあります。

 

 

つまり、自分の解答に使用した「文中の箇所」や「語彙」が「解答例」に近似しているかどうか、だけで「正誤」や「部分点」を判断してはいけないということです。

 

「解答例」こそが「規範」であると勘違いしてしまうと、正しい筋道の思考が滞ってしまうので、受験勉強が「手詰まり」になってしまうこともあります。

「解答例」にたどり着くためにはどのように考えるべきなのか、というアプローチにこだわりすぎてしまうと、他の「間違っていない考え」も排除されてしまいます。

 

「解答例」は唯一の「正解」というわけではなく、ひとつの「例」にすぎません。

これは、都立中に限らず、あらゆる入試に挑む受験生が注意しておかなければならないことのひとつなのかもしれません。

 

 

 

「問題3」は「手順」が指示されています。

 

 

1 自分の主張を理由とともに、具体的に書く。

2 想定される別の意見を書く。

3 別の意見をいう人の意図をふまえ、歩みよりの提案をする。

 

 

人によって意見が分かれる「テーマ」を選ぶ必要があります。

つまり、自分に対する「反対意見」を提示する必要があるわけです。

ただし、それに「反論」するわけではなく、「歩み寄りの提案」をしなければなりません。

 

①自分の主張「~すべき」

②理由「~ためだ」

③別の意見「~という考えもある」

④別の意見をいう人の意図「~ためだろう」

⑤歩み寄りの提案「~することで、双方が納得できるのではないか」

 

 

 

都立中の「受検」では、「いりたま作文」というのが猛威を奮っていて、かなうのであれば、都立中の先生にどう思われるのか率直な「本音」を聞きたいと日頃思っているのですが、今年の南多摩の問題は、「いりたま崩し」だと思います。

 

「いりたま」を念頭において、これに依存して作文を書こうとした受検生は、大きく点数を落としたと思います。

 

都立中の「作文」は、ちょっと読めないところがあって、「いりたま」ががっちりハマる年もあれば、強烈な「いりたま崩し」となる年もあります。

 

「いりたま作文」というものについて都立の先生方が知らないはずはないので、「いりたま」がハマるような出題がなされたときには、先生方がある種の「諦念」のもとに「いりたま」に迎合したのかな、と思ったりします。しかし、その後、また、「いりたま崩し」が見られたりします。

 

そのうちだんだん、出題傾向の変化は「意図的なもの」ではなく、単に作問の担当が替わって、当年の担当者が「自分好み」の問題を作っているだけなのかな、と思うようになりました。

 

 

 (ivy 松村)

 

 

平成29年度の南多摩中適性検査④

ところで、受検前、南多摩中の、今年の倍率の下落が話題になりました。

 

いろいろな「意見」や「分析」を拝見しましたが、故意なのか、あるいは見落とされているのか、ある「事実」に触れたものを目にすることはありませんでした。

 

 

端的に、都立中受検の「巨人」であるenaの占有率が高い中学ほど、倍率が下がっています。

 

 

 

都立中の「受検熱」がようやく冷却され、都立中全体の「志願者」が減少しています。

 

もう少しディテールに触れるならば、以下のような理由を挙げることができます。

 

①私立中の「受検熱」が回復しつつある

②公立中から都立トップ校への進学の評価が高まった

③「ライト層」が減少した

 

 

 

おそらく、都立中を「単独受検」する受検生は、いっそう大幅に減っているはずです。

 

小石川や桜修館などの東部の都立中学が、ある程度倍率を維持しているのは、私立中と併願する受験生が「流入」しているからです。

 

つまり、SAPIXや日能研など、私立受験を「本命」とする受験生が、東部の都立中の倍率を下支えしているわけです。

 

 

一方、多摩地区では、まだ、都立と私立難関校の併願が、それほど一般的ではありません。

 

「都立最難関」のひとつに位置付けられる武蔵中が倍率を下げているのは、そのハードルの高さから、「都立中単独受検」の層が武蔵の受検を敬遠し、他の都立中に流れたためなのでしょう。

さらに、武蔵は、小石川のように「私立難関校との併願」の受験生を吸引しているわけではないので、志願者数が減少しているわけです。

 

(立川国際は、ちょっと例外です。この中学は、都立中の中でも傑出した特色を持った中学であるということと、進学実績に対する評価の高まり、一般募集枠の少なさなどが要因となって、倍率の下落が抑制されています。)

 

 

 

南多摩中の過去の合格者の「塾別出身」を調べてみると、他の都立中と比べて、個人塾をはじめとする中小規模の塾の合格者が多いことがわかりました。

 

つまり、南多摩中の合格者は、6割ほどがena出身者によって占められ、残りは地域のあちこちの塾から集まっていたということになります。

 

 

enaは東京都西部を「根拠地」とし、東部へ展開中ですが、まだ、東部を「制圧」することができていないという見方もできます。

 

一方、「地元」ともいえる多摩地区では、完全に「一人勝ち」の状況です。

 

もともと多摩地区は「私立難関校との併願」が活発ではないので、「都立中単独受検」の「メリット・コスト・リスク」が割に合わないということが明らかになれば、志願者が散逸せざるを得ないわけです。

 

これは推測ですが、おそらく、南多摩中学受検者数に占めるena生の割合は高まっていると思います。

 

 

ちょっといろいろと考えさせられますが、とりあえず置いておいて、都立中入試が私立中入試に近接してきたということについて、です。

 

 

実際のことはよくわからないので、イメージでの話ですが、東部では、「私立難関校との併願」がいっそう活発化するかもしれません。一方、西部では、「独占」がいっそう強まるかもしれません。

また、東部と西部では、入試問題によって検査される「学力」に、格差が生まれるかもしれません。

 

 

(ivy 松村)

平成29年度の南多摩中適性検査③

「適性検査Ⅱ」を見ていきましょう。

 

 

まず、「大問1」です。

 

 

〔問題1〕は、立方体の「切断」です。

 

これは、私立中受験の勉強をしてきた生徒に有利な問題でした。

「切断面」の図形を覚える勉強をしてきているからです。

 

 

「解答例」では、「三角形イクケ」と「三角形イシタ」が挙げられています。

 

「三角形イシタ」の「切断面」は、正六角形になりますが、「異なる3個の点を結んでできる正三角形」という設問なので、整合します。

 

 

その他「三角形アオソ」も正解になります。

ほとんどの受験生は、簡潔に求められる「三角形イクケ」と「三角形アオソ」のバリエーションを解答しているでしょう。

 

 

 

〔問題2〕は、難度の高い問題でした。

 

線対称の軸が3つあるというヒントをもとに、図2に三本の線を引いて考えます。

 

並べたフロアマットの中心にある「き」の真ん中から放射状に線が引かれることになります。

 

白色と黄色を、放射状に「安定的な組み合わせ」で並べればよいということを理解する必要があります。

 

つまり、正三角形の角を「回転」させても色のパターンが変わらないように配置するわけです。

 

 

また、白色と黄色を「交互」に配置したくなりますが、片方の色が9枚以上、あるいは、7枚以下になるパターンがあるので、白色や黄色を連続して並べることもできると気づかなければなりません。

 

 

 

〔問題3〕も難しい問題でしたが、〔問題2〕ほど難解ではありません。

 

 

「上向きの正三角形」の数と「下向きの正三角形」の数を足せば、並べたフロアマットの数になります。これには、容易に気づけると思います。まあ、「当たり前」です。

 

さらに、「見かけ上の辺の数」は「上向きの正三角形」の数の3倍であることに気づくことができれば、部分点を確保することができるでしょう。

 

 

この問題は、「下向きの正三角形」を無視して考えるとわかりやすくなるかもしれません。

 

「下向きの正三角形」の辺は、すべて「上向きの正三角形」の辺と重なっています。

 

「下向きの正三角形」を取り除いてみると、すべての辺が、「上向きの正三角形」の辺であることがよくわかります。

 

つまり、「見かけ上の辺」は、すべて、「上向きの正三角形」の辺であるといえるわけです。

 

言うまでもなく、三角形の辺の数は3つです。

 

ですから、「上向きの正三角形」の数の3倍が、「見かけ上の辺の数」となるわけです。

 

 

 

大問2を見てみましょう。

 

 

〔問題1〕は、確実に得点を取らなければならない問題です。

 

地面は温まりやすいので、8月の日中、土中は高温になります。

グラフをみれば、藁を敷くことで、畑の土の中の温度が上がり過ぎないようにしていることがわかります。

 

 

〔問題2〕は、割合の計算です。これも落とせない問題です。

 

 

〔問題3〕は、「特色のある農業」の問題です。

 

私立中入試の「社会」に限らず、都立中入試でも、近郊農業、促成栽培の知識は必須です。

 

「中学受験」のための勉強をしてきた受検生の多くは、容易に何を答えればよいのか気づくことができたと思います。

 

 

 

大問3は理科です。

 

 

〔問題1〕は、解答しやすい問題でした。

 

時間を計るためには、「振り子」のように、一定の速度で動いたり、「太陽」や「ろうそく」のように、時間の経過にしたがって状態や形状が変化したりするものを使えばよいわけです。

 

 

〔問題2〕は表とグラフを照らし合わせれば、容易に解答できる問題でした。

 

 

〔問題3〕も、「無難」な問題でした。

 

実験の「手順」や「きまり」を問う問題は、都立中入試では、割と「定番」です。特に、南多摩中の入試問題では、この種のテーマは、過去に頻繁に取り上げられてきました。

 

 

今年の「大問3」は、複雑な内容ではなかったので、しっかり対処できた受験生が多かったのではないかと思います。

 

 

 

総論としては、私立中入試に近づいている、といえると思います。

 

 

記号や数値を答える問題が目立ちました。

 

記述の「量」は多いですが、大問2,3に関しては、それほど複雑な答えが求められているわけではありません。

むしろ、その「内容」は、「受験勉強」に即したものでした。

 

 

ある意味で「易化」しています。したがって、これまで以上に「逆転」が難しい入試になったように思います。それは、つまり、「取りこぼし」をしてしまったら、厳しい結果に近づくということでもあります。

 

 

今年の入試問題が「堅い内容」であるということは、正統な受験勉強を積んできた生徒が得点を取りやすいということでもあります。

 

(ivy 松村)

 

 

平成29年度の南多摩中適性検査②

南多摩中の「適性検査Ⅱ」は全問「共通問題」が使用されています。

 

全体としては「堅い内容」だったように思います。

 

前年のような「変化球」はありませんでした。

 

 

 

ところで、すごくどうでもいい話かもしれませんが、私、実は、けっこう入試問題を予想するのが得意なのです。昨年も、「歴史」が出題されることを見抜きました。

 

 

元来、身のまわりのことや世の中の出来事を考察したり分析したりするクセがあるのですが、入試問題の「出題の流れ」や「作問者の心理」を考えるのが好きなのですね。

 

 

「歴史」は、どこかのタイミングで、必ず出題しなければならなかったのです。

 

 

「都立中側」からすれば、受検生の「学力」を検査するうえで、「歴史」は、実は「ノイズ」になります。

 

「歴史」は、初等教育、中等教育では、「知識(つまり、暗記)」中心の学習がメインになります。

ところが、都立中入試では、「知識」に依存する作問は戒められています。

一方で、「歴史」は、「出題範囲」に含まれているため、「無視」できないわけです。

 

 

ある意味で、都立中は、国私立中に比べて、作問の自由度が低いといえます。

許容された形式や素材のなかで、「素質」の高い生徒を「選抜」しなければなりません。

 

科学的、客観的、合理的な思考力を検査するためには、「歴史」ではなく「地理」の問題が適切なのです。

 

そのため、都立中入試はスタート以来、「地理」に偏った入試問題が続きました。

 

 

実際、昨年まで「歴史」の出題がなかったために、ちまたの塾講師の間で、「都立中は『歴史』を出題しない」という「固定観念」が広がりつつありました。

 

「公立中学」にとって、これは看過できないわけです。

受検生に「歴史を捨てた」受検勉強をされるのは「マズい」わけです。

 

 

「出題の流れ」を考えると、「出題者側」は、「歴史」を「投入する」タイミングをうかがっていた、といえるのかもしれません。

 

共通問題の初年度で「変化球」を出すのは避けたい、だから、共通問題の2年目の昨年に「歴史」が出題されるのではないかと、考えたわけです。

 

 

 

で、今年です。

 

「出題の流れ」から考えれば、今年は「地理」が出題されるだろう、と予測できるわけです。

 

私は、気候か、あるいは産業に関するトピックになると予想しました。

また、資料としてグラフが用いられ、「割合」を扱う出題になると見込んでいました。

 

結論からいえば、「大問2」(文系)は、5~6割くらい当たった、という感じです。

 

 

同様に、「大問1」(算数)は、昨年は「条件」「速さ」の出題だったので、ことしは「図形」を予想しました。

そして「大問3」(理科)は、昨年は「生物」だったので、今年は「化学」、したがって「観察」ではなく「実験」が狙われると予想していました。

 

 

割とよく当たったように思いますが、それを証言してくれるのは、そのことを伝えた生徒だけで、ブログをお読みになっている方からすれば、「後出し」でしかないのですが…。まあ、一応。

 

 

(ivy 松村)

 

 

平成29年度の南多摩中適性検査①

本年度の南多摩中の適性検査について書きます。

 

 

まず、「適性検査Ⅰ」ですが、「記述問題」が2題だされました。

 

〔問題1〕は、「①問題を解く」ということと、「②問題を提起する」ということを「③比べて」、「問題を提起した人の方が偉い」と筆者が述べる「④理由」を説明します。

 

したがって、解答の「形式」は以下のようになります。

 

 

「問題を解くということは~であるが(~であるのに対し)、問題を提起するということは~から(であるため)。」

 

 

または、

 

「~するだけで終わってしまう「問題を解く」ということ(人)に比べて、~しようとする「問題を提起する」ということのほうが~からである。」

 

というような形式でもよいでしょう。

 

 

3段落目、「問題の提案」=「問題の提起」という対応に気づけば、この段落の内容を使って解答を組み上げればよいということがわかります。

 

「解答例」では、「問題を解く」という内容を説明するうえで、6段落目の「与えられた質問に答える」という箇所が用いられていますが、3段落の「他人が求めることに答えるだけ」という部分を使えば、より簡潔にまとめられるように思います。

 

その直後の「自分にとってもっとも快適な生き方があるはずなのに、それをさぐってこなかった」という箇所をつかって、「もっと快適な生き方をさぐる」ことが「問題を提起する」ことであるという説明が可能です。

 

 

「解答例」では、

 

・「問題を解く」→「かんたん」

・「問題を提起する」→むずかしい」

 

という「説明」になっていますが、個人的には、「問題を提起する」ということは「主体的」な行いであるからだ、という「説明」のほうがしっくりきます。

 

あるいは「積極的」「能動的」「建設的」「生産的」といった言葉を使ってもよいでしょう。

 

 

 

〔問題2〕は、傍線の直前「答えがあるかもわからない。もしあっても、たくさんある中から選ぶのは大変。だったら、質問なんかしなくてもいい……。」という箇所を使って解答を作ります。

 

また、3段落目「面倒くさい」、6段落目「そもそも質問をしないという態度」というワードを使ってもよいでしょう。

 

7段落目に「質問とは、思考停止を脱却することです」とあるので、「質問をしない=思考停止」という内容を書けば得点になるはずです。

 

 

 

〔問題3〕は、いわゆる「作文」ですが、構成が指定されています。

構成の指定によって、受検生は「自動的」に「作文」を書くことができます。

これは、「記述問題」が2題用意されたために、「作文」の負担を軽くするための措置だったのかもしれません。

 

 

受験業界では、よく、「作問者の意図を考えるように」、というような「指導」が行われます。

「作問者の意図」を考慮して「作文」の内容を検討するのであれば、「周りに質問をすることで、状況の改善をはかったり、打開策を探ろうとしたりする」という「解答の方向性」が求められているように思います。

 

 

 

それにしても、今年は、即日「解答例」がリリース されたので、「検討」が容易になって、助かりました。

 

 

 (ivy 松村)

 

 

平成28年度の南多摩中適性検査

本年度の南多摩中の適性検査について、少し書きます。

 

 

「適性検査Ⅰ」の作文は、ある意味で南多摩らしい問題でした。

昨年の「変化」から、従来の方向に回帰した印象です。

 

 

「適性検査Ⅱ」は、昨年に比べて難化した印象ですが、「文系」が得意な生徒に有利な構成になっていたと思います。

逆にいえば、「理系タイプ」の受検生は苦戦した人も多かったのではないかと思います。

 

 

 

「大問1」の問1、問2は、「図1」と同じようにマス目を数行書いて、条件にしたがってA車、B車、C車を前進させて「状況」を視覚化していけば、比較的容易に答えが出せます。

 

問2は問1よりも条件が複雑になりますが、〔ルール④〕を簡潔に設定すれば10回以内で答えを出せるので、「内容と手順」が理解できれば、時間的な負担はそれほど大きくなりません。

 

また、問3も、定規を使って、条件通りに①と②の間を通るように車③の棒線を引いたりすることで、「時速」の候補を絞り込むことができます。ある程度「見当」をつけて、「横に3マス、縦に5マス」進めばよいと気付くことができれば、解答に近づけます。

 

「理系」が苦手な生徒にとっては、時速を求めて「部分点」を確保できれば、非常に大きな加点となります。

 

 

「大問1」は、「手作業」によって解答を導くことができるものでした。

普段は「算数」で点数を落としてしまうタイプの生徒のなかで、今回の問題が有利に働いた受検生がいるかもしれません。

一方で、問2の説明を理解しきれなかったり、問3に対応できなかったりした受検生も、多くいたのではないかと思います。

 

 

 

「大問2」の問1では、「歴史」の出題がありました。

 

「歴史」の問題は初出だったので、対応できなかった受検生も多かったと思います。

 

ちなみに、私は、本年度「歴史」が出題されると予想していました。

1月14日のブログに書いています。いやあ、本当に出てしまいましたね。

 

 

しかし、この問題は難しかったと思います。

 

年表の貴族・武士の政権の変遷という「テーマ」を読み取ることが求められていますが、これはちょっと厳しかったかもしれません。

 

ほとんどの受験生は、年表で挙げられている2人の「3代将軍」のうち、金閣を建てたのは足利義満であると知っています。

しかし、解答に「何」を書いていいのかわからなかった受検生が多かったはずです。

 

問題の構造に気づいた一部の生徒は、1394年のできごとを解答に組み込んで、部分点を得たかも知れません。

 

おそらく、「武士」と「貴族」というワードを用いていれば、まとまった得点になるのでしょう。

 

また、「寝殿造」が貴族の邸宅であることもヒントになっていますが・・・。

 

 

問2は、「右京」と「左京」が、右左「逆」となること、「大通りごと」の区画になることに注意しなければなりませんでした。

 

 

ちなみに、公立中高一貫校受検対策の教材に「アインストーン」というものがあるのですが、改訂される前の古い版に、類例が載っていました。

同じように西本願寺と東寺の住所を問う問題です。

それをやったことのある受検生は有利だったかもしれません。

 

 

 

問3は、「数値」の問題ですが、計算が、複雑ではありません。

やはり、「文系より」の生徒に有利だったと思います。

 

解答には、「堰の改良」が「カラフトマス」が川を遡上できるようにするためのものであることを書く必要があります。

 

 

 

「大問3」は理科ですが、「生物」だったので、やはり、「理系」全般が苦手な受検生にとっては「助かる」出題になりました。

 

問1は、幼虫の4個目の節の模様に惑わされなければ、正解を導くことができます。

問2は、「割合」を見落としてしまう受検生がいるかもしれません。

問3は、「最後」の問題ですが、「手につく」問題なので「先」に解いておくべき問題でした。

 

 

 

全体としては、昨年度に比べて「難化」したように思いますが、やはり、受検生の「タイプ」によって、本年度の問題の印象は大きく変わると思います。

 

ボーダーはあまり高くならないような気がしていますが、どうでしょうか。

 

 

いずれにしても、「取り急ぎ」のチェックです。

見落としや勘違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。

 

 

 

(ivy 松村)

 

都立中受検、終了

都立中の受検が終わりました。

 

 

この1年、さまざまなことを乗り越えて、この「最後の章」にたどり着きました。

受験指導をする機会をいただけたこと、その場に立ち会えたことをうれしく思います。

 

 

作文の授業で、ずっと繰り返し伝えてきたのは「成長」ということの「意味」と「価値」についてでした。

 

今日という日が、自分をどれだけ成長させてくれたのか、いつか気づく日が来るでしょう。

 

この素晴らしい経験を後押ししてくださり、支えてくださったお家の方に、必ず、感謝の気持ちを伝えてください。

 

 

 

手ごたえを感じている問題もあれば、手がつかなかった問題もありました。

 

期待や不安、安堵や後悔、全部含めて「受検」です。

あとは6日後を待ちましょう。

 

 

おつかれさまでした。

 

 

(ivy 松村)

入試の日

2月3日がやってきて、入試本番です。

 

ドキドキしますね。

 

 

定番の、緊張をほぐす方法がいくつかあります。

 

①まわりの受験生を「野菜・果物」にたとえる。

②アホっぽい受験生を探す。

③宇宙の神秘について思いを巡らせる。

 

など。

 

 

あと、シンプルに「笑う」という方法もあります。

 

 

人間の体は、笑いながら緊張できないようになっています。

無理にでも、声を出して笑ってみましょう。

 

「はーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ・・・!」

 

 

きっと、まわりの人から「おかしな人がいる」と思われるでしょう。

(やっちまったな~‼)

 

 

 

今日の授業でも言いましたが、「緊張」は悪者ではありません。

 

「緊張」は、がんばりたいという気持ちのあらわれです。

 

緊張していても、あせる必要はありません。

「緊張」といっしょに戦って、力を出し切れるのなら、それでいいのです。

 

 

 

疲れてきたら、背伸びをして深呼吸をしましょう。

体の血液を循環させて、脳に、酸素を送り込みます。

 

 

思いっきり力を発揮して、帰ってきてください。

 

待っています。

 

(お守りと「ハンコ」を忘れずに)

 

 

(ivy 松村)

 

 

都立中受検コースの授業②

都立中の入試には、「地図から情報を読み取る」問題が出されます。

 

よくある問題のひとつが、「道順の説明」です。

 

また、距離、面積、方位、高度、地形、土地利用などを説明する問題もあります。

 

さらに、地図を比べて、地域の特徴や土地利用の工夫などについて考える問題もあります。

 

そして、昔と今の地図を比較して、地域の様子や生活の「変化」を読み取るような問題があります。

 

 

 

今回宿題にしたのは、静岡市の「変化」についてでした。

 

1959年と2012年の静岡東部の地図を比較して説明する問題です。

 

水田が広がっていた場所が、住宅地になっています。

たくさん人が集まって暮らすようになったということですね。

 

(これを「都市化」と呼びます。)

 

 

次に、なぜ人が集まってくるのか、を考えなければなりません。

その場所で暮らすことが、生活にとってプラスになるからです。

つまり、「仕事」があるからです。

「工場」がたくさんできたことと関係があるのです。

 

(「産業」と「都市化」にはつながりがあります。)

 

 

さらに、なぜこの地域に多くの工場が建てられたのか、を考えます。

2つの地図を比べて、目につく大きな違いは、「東名高速道路」ができたことです。

工場「生産」と交通「出荷」の関係に気づくことができれば、原材料や製品を輸送するのに便利だから、高速道路の近くに工場が建てられたことに気づくことができます。

 

(「工場の立地」は、地理学と経済学の重要なテーマです。)

 

 

このような「因果関係」を結びあわせて、解答を作ります。

 

 

 

 

都立中の受検勉強は、最初とまどってしまうと思います。

これまでとは違う勉強だからです。

 

これまでは、やり方を説明されて、「こうしなさい」という勉強でした。

 

都立中の受検勉強は、「見て(読んで)、考えて、書きなさい」という勉強です。

 

 

今は大変でしょうが、やっていくうちに、きっと手ごたえを感じるようになると思います。

 

いっしょにがんばりましょう。

 

 

(ivy 松村)