受験パターンの確認

中3の受験パターンがほぼ固まってきました。

 

まだ少し流動的な部分はありますが、「おさえ」と「本命」、第2志望、第3志望あたりまでは煮詰まりました。また、受験パターンに推薦入試を組み込むかどうかについても、話を詰めることができました。

 

後は、出願のタイミング、変更のタイミング等の確認です。

 

先ほどまで、生徒たちの受験校の募集要項などを確認していたのですが、受験校を減らせるパターンが見つかりました。受験パターンに組み込んだ高校の中で、より志望順位の高い高校の結果が判明した後に、出願できるところがありました。

先に受験をした「志望順位の高い高校」に合格していれば、その高校に出願をしなくてもよくなります。

 

入試日に変更があった高校では、出願の日程も変わることがあるのですね。

また、日曜日に窓口業務を行わないために、出願等の日程がずれる場合もありそうですね。

 

私立高校の受験料は2万円以上します。決して安くはない費用です。

「将来」のために必要な投資は、過不足なく行わなければなりません。

 

 

 

東京都の中学生は、都外の私立高校の「併願推薦」を受けることができます。入学の「しばり」がない「推薦入試」です。これを活用することで、併願の幅を広げることができます。

 

そういった入試制度を設けている高校の併願の基準に届いている場合には、中学校の入試相談をとおして「併願推薦」を受けるのか、「併願優遇」の一般入試を受けるのか、という選択が可能になります。

 

都立の推薦入試を受ける生徒で、緊張しがちな生徒は、都立の推薦入試の前に貴重な「面接の経験」を積むことができる受験パターンに大きな意味があるでしょう。

一方、英数国の三教科の「試験の経験」を重視するならば、都内の私立高校入試の前に一般入試を受けることに意味があるでしょう。

 

 

また、複数回の入試日が設けられていて、どれかの日を選んで受験すればいいというような場合もあります。「合格の可能性」が読めない受験では、複数回受験も考えなければなりませんが、「合格の可能性」が非常に高いと太鼓判を押してもらっているならば、いずれかの1回だけ受験すればいいわけです。

その場合には、土日を避けて平日に受験したほうがよいでしょう。

率直にいって、貴重な休日を半日潰すよりも、学校を休んで入試に行くほうが、受験生にとって「メリット」が大きいはずです。

 

 

 

合格後の手続きの流れも確認しておく必要があります。

 

「延納」等が認められている高校に合格したときには、その制度を利用しない手はありません。その場合、数万円の「延納金」「手続き金」等の名目の費用を振込まなければならないことがあります。また、出願の際に希望を出しておかなければならない場合もあります。

募集要項等をしっかり確認して、不必要な出費をしなくてもいいようにしておきたいですね。

 

 

また、合格した高校の入学手続きの期日に余裕がある場合には、当然ですが、より志望順位の高い高校の合否が判明するまで手続きを保留するべきです。

 

逆に、都立やその他の入試の結果が判明する前に、入学金等の振込の期日が締め切られてしまう場合には、それまでに手続きをしなければなりません。

決して安くない費用ではありますが、これは「権利」を買うのだと考えていただくしかありません。

 

「本命」の合否がわかる前に、より志望順位の高い高校の「入学の権利」を確保しておかなければならないのです。

 

 

 

私立入試の結果次第で、都立の志願変更を行うことを考慮している人は、その日程と、私立高校の合否のわかるタイミングを確認し、「結果」にあわせて「自動的」に対応できるように準備しておく必要があるでしょう。

 

 

うそのような話ですが、昨年度、ある塾で、志願変更ができなくなってしまった受験生がいたのだそうです。中学時代に、こことは別の塾に通っていた高校生に聞いた話なのですが、同じ塾に、私立の難関校に合格したら都立の受験校を「引き上げ」ようとしていた生徒がいたそうなのですが、ギリギリになって再提出に間に合わないということを知り、仕方なくその生徒は志願変更をせずに受験することになったのだそうです。

 

たぶん、ある私立高校の合格発表の日と、都立の志願変更日が重なっていたので、その私立高校の合否を確認してから志願変更できると思い込んでいたのだと思います。

もちろん、都立の志願変更の手続きは午前中に行わなければなりません。

そして、おそらく、その私立高校の合格発表は午後からだったのでしょう。

昨年度は、都立も含めて高校入試の日程変更が多かったので、勘違いされたのかもしれません。

実は、去年、私も入試の日程を確認したときに、ほんの一瞬、同じことを考えてしまったのですが、やっぱり誤認したままのケースがあったのですね。

 

「他山の石」といってしまうのもしのびないことではありますが、気をつけなければ、と思います。

 

 

 

中3生には、生徒それぞれの受験校の出願の締切日や方法、合格発表の日と確認方法、受験料や入学金等の費用、手続き日などを一覧にしてお渡ししています。

今日渡せなかった人には、次回授業日にお渡しします。出願等の参考にお使いください。

 

 

いよいよ受験の「本域」に突入していきます。

気を引き締めていきましょう。

 

 

 (ivy 松村)

 

内申点の重要性と定期テスト対策

ようやく、すべての中学校の期末試験が終了しました。

生徒のみなさん、本当にお疲れ様でした。

 

 

全体的な印象として、定期テストが難化していると感じました。

 

保護者の方や塾の教師で、まだ「ゆとり」の頃の定期テストのイメージを持っている人がいらっしゃたら、認識を改めなければならないと思います。

 

問題を見ると、中学の先生方が、張り切ってテストを作成されているのが伝わってきます。

一筋縄ではいかない骨太の問題も数多く見受けられました。

 

実技教科は、「マニアック」な出題をする先生がいらっしゃいますね。

また、社会や国語でも、かなり驚かされる出題が目立ちました。

 

 

 

当然のことながら、都立高校を第一志望に考えている生徒は、中学の成績をできる限り高く保っておかなければなりません。

 

都立高校の「受験」は、中学校の内申点に左右されます。

しかし、焦点は、もはや「入試」における得点に内申点が含まれるというような素朴な事実ではありません。内申点によって、ほぼ、受験校が「振り分けられる」ような時代になってきているということです。

 

「リアリティー」の重心は、内申点の「1」の差が合否を分ける、という観念ではなく、内申点の「1」の差によって受験校が決まる、という認識に移りつつあります。

 

これまでは、内申点を持っていないと「勝負に勝てない」という話だったのですが、今は、「勝負できない」という事態になっているのです。

 

 

 

本年度は、特別選考の廃止と、実技教科をより重視した点数配分とする受験制度への変更がありました。また、今後数年は、マークシート方式の導入によって、問題が易化するのではないかと考えられています。そうなると、「持ち点」のない受験生の「一発逆転」はより厳しくなっていくでしょう。

 

 

さらに、都立高校受験の「激戦化」もあいまって、今後の都立高校受験の流れは、より「安全志向」になっていくと思います。

 

トップレベルの「偏差値」を有した生徒でも、八王子東や立川、国立を狙うのではなく、町田や日野台、「三北」を受験するようなことが、一般的になってくるかもしれません。

 

 

 

最近3年間の、多摩地域の高校の偏差値の推移を見てみましょう。

(晶文社「高校受験案内」2013→2016)

 

武蔵北    (男)65→67      (女)65→67

町田       (男)64→66      (女)64→66

小金井北 (男)62→66      (女)62→66

日野台    (男)61→62      (女)61→64

調布北    (男)61→64      (女)60→61

昭和       (男)58→60      (女)58→61

多摩科技 (男)55→61      (女)55→61

 

 

 

都立の上位校志望者が飽和しているので、志願者の「玉突き」が起き、「2番手校」(共通問題上位校)が軒並み「水準」を上げています。今後は、その影響がさらに「下部」へと波及することとなりそうです。

 

つまり、都立高校受験全体が、難化→安全志向の「玉突き」に巻き込まれることになると考えられるのです。

 

 

高校受験は、大学受験とは違い、「浪人」の選択が現実的ではないので、「保守的」な戦略が基調とならざるを得ません。「合格したい高校」ではなく、「合格できる高校」を受験する決断が非常に重くなってくるのです。

 

 

 

もし、立川高校にぎりぎり合格できるかどうかという生徒が、立川を受けたいと言い出したとしたら、私は、頭の中にいくつかの受験パターンを思い浮かべます。立川高校に相応する私立高校を押さえることが、受験の戦略の基礎になります。しかし、その「ぎりぎり」のラインが高騰しています。

 

一方で、私たちの考え方とは違い、「お決まりの併願優遇パターン」で受験をさせる塾もあるのだろうと思います。立川高校を受ける受験生は、判を押したように「この私立高校」だと。しかし、こちらも、都立高受験が厳しくなってきていることを感じ取っているはずです。

 

考え方は両者対照的ですが、「安全策」へと移行する場合には、結局、同じ方策を取ることになります。立川高校の受験を取りやめ、都立の受験校を「下げる」のです。

 

 

最近、週刊誌の大学受験の高校ランキングの「決定版」や、合格者数以外のランキングなどの特集で、気になったものをパラパラと見たりするのですが、私立高校のなかには、都立高校にずいぶん差を開けられたところもあります。

 

「併願優遇の私立高校」と、立川高校の大学合格実績をよく比べてみると、たぶん、びっくりされるのではないでしょうか。

 

大学の進学実績を比べた場合、100:30ぐらいになるかも知れません。生徒数やその他の条件をそろえた場合には、その比率はさらに大きなものになると思われます。さらに、授業料や校風などの面での負担も考えられます。

 

 

「賭け」としては、あまりにも「リスキー」なのです。

都立高受験がダメだったときの「デメリット」が大きすぎるのです。

 

そして、「安全策」で「2番手校」を受験し、そこに進学する方が、「メリット」が存外に大きいのです。「併願優遇の私立高校」と比べても、進学実績は2倍以上にはなるでしょう。

 

 

 

以前であれば、入試問題の「得点力」を極限まで磨くことで、立川高校の合格を勝ち取るという戦略が「セオリー」でした。合格の可能性をより確実に担保するものは、内申点ではなく、「得点力」だったのです。

 

「自校作成」時代の立川高校の問題は、年度にもよりますが、全体として、国語の点が取りやすく、数学が難しい傾向にありました。ですから、特に数学の得点力が高い生徒は、少々内申点が乏しくても、「特別選考枠」を狙って強気の受験を提案することができました。

 

要するに、内申点を上げるために定期テストの勉強をするよりも、問題演習をこなして「得点力」を上げる「受験勉強」が「有効」だったのです。

 

 

しかし、今は状況が変わってきています。

 

内申点が「足りない」という状況は、立川高校の合格点に届くかどうか、という問題に直面しているのではなく、立川高校を受験するべきかどうか、という命題を突きつけられるということなのです。

 

(いうまでもないことですが、これは「合格できると言えるかどうか」という問題ではなく、「合格できると思えるかどうか」の問題です。)

 

 

 

ivyは、最も定期テスト対策に力を入れている塾のひとつであると自負しています。

 

定期テストの2週間以上前から定期テスト対策用の教材を配ったり、対策講義を行ったりします。

土日や授業のない曜日に、補習や解説授業が行われます。

 

テストの1週間前は、通常授業の時間を、テスト勉強に使えるようにします。

 

そうすると、生徒は1週間分の授業料の「対価」を受け取っていないではないか、と突っ込まれそうです。

少し説明します。

 

ivyの中学部は、「月例テスト」を授業日以外に行っています。

それに対し、多くの塾は、「授業内」で塾のテストを行っています。

3教科のテストに3時間かけるとすると、毎月あたり0.5週間分の「ロス」を出していることになります。そうすると、年11回の「月例」テストを行うとして、5.5週分、つまり1か月半の授業時間を浪費して、テストを実施しているということになります。

 

ivyは、なるべく入試に近い形で、3教科を連続で受験する経験を積んでもらいたいと思っています。ですので、原則として、毎月第2土曜日に、「月例テスト」のために生徒に集まってもらっています。もちろん、都合のつかない場合には、別日での受験も認めています。

 

ivyが、1週間分の授業時間を使って中学校の定期テスト勉強を行うのは、1、2学期に2週ずつ、3学期に1週ですから、年に5週です。

 

 

しかし、あえていうなれば、実際には、「授業」の時間は減っていないのです。

私は社会の担当ですから、できる限りの時間を取って、学校別の社会の講義を行いましたが、合計で、この2週間の「授業」時間は30時間を超えていると思います。

杉田先生の数学や理科の講義にしてもそうです。

 

その他、生徒の要望にそって、問題や教材、プリント等を用意しました。

1人あたり50枚近くのプリントを渡していると思います。

 

 

 

ivyが定期テスト対策に力を入れるのは、いまや、それが「受験の一部」であるといっても過言ではないからです。

 

 

生徒たちは、真剣に取り組んでいました。

3年生は、勉強の「やりかた」を少しつかんできたように思います。

しかし、1、2年には、まだ、「定期テストの勉強の仕方」が理解できていない人もいますね。

その度ごとの経験を無駄にせず、正しい勉強法を身につけてもらいたいと思います。

それもまた、定期テスト勉強の意義です。

3年になるまでに「形」ができてくるといいなあ、と思っています。

 

(ivy 松村)

 

都立高校推薦入試

明日から都立高校の推薦入試が始まります。

 

1日で終わらせる高校もありますが、基本的には2日かけて行われます。

 

1日目は集団討論と作文、2日目は面接を行う高校が多いようです。

面接の待ち時間が長くならないための配慮ですね。

1日目の終わりに指示があり、2日目は面接の時間に合わせて集合するようになっています。

 

ivyでは、都立高校推薦入試対策に力を入れて指導してきました。

作文指導・添削、個人面接練習・指導、集団討論演習・指導など、合計で15時間を超える時間を費やして対策を行いました。

 

これだけ多くの時間をかけて都立推薦対策を行った生徒は他にはないと思います。

後は、生徒のみなさんが、今日までの対策を通して培ったこと、身につけたことを出し切ってほしいと願うのみです。

 

 

塾の中には、都立の推薦入試は「受かったらラッキーだ」と教え、とにかく一般受験の勉強をするように指導するところもあるようです。

 

それも、ひとつの考え方なのかもしれません。

 

実際、都立の推薦は、内申+「素質」が大きく結果にあらわれる入試です。

「表現すること」「伝えること」が苦手な生徒が、短期間でその「素質」を身につけることはなかなか厳しいものです。

 

もちろん、私たち人間は、訓練や練習を通して能力を伸ばしていくことができます。

苦手なことを「一生苦手」とするかどうかは、自分の取り組み次第です。

 

時間をかけて訓練を積んでいけば、考えをまとめて文章を書いたり、論理的に意見を述べたり、相手の発言の趣旨をくみ取って応答したりすることができるようになります。

 

しかし、受験生の貴重な時間を悠長に使うことはできません。

 

時間のない中で、効率的ではない対策に時間をとるくらいなら、はじめから割り切って、都立推薦対策をしない、という選択もあるのでしょう。また、労力や経費の面での問題もあるのでしょう。

 

 

ですから「推薦入試に費やす時間を少なくし、その分を勉強に使うようにすれば、それだけ合格の可能性が増すのだ」というようなことをいう人がいます。そういう人は、究極的には推薦入試を受けることも時間の浪費であると考えます。しかし、本当にそうでしょうか。

 

それは、時間を消耗品としてとらえる発想です。

一面では正しいですが、発想が硬直していると思います。

 

人間の成長は時間には比例しません。

 

時間を節約したからといって、そのことが学力を伸ばすことに直接つながることはありません。

人を成長させるものは、経験と感動と発見です。

毎年推薦入試対策を行っていますが、集団討論が導入されて以降、特にそのことを強く感じます。

短期間でこれほど人は成長するのか、と思わされるのです。

 

私は都立の推薦入試はよいものだと思っています。

塾の教師として何をすべきなのか、ということも明確にわかってきました。

出来れば今後、全員に受けてほしいと思っているくらいです。

間違いなく、その経験が財産になります。

 

 

 

一般入試の受験勉強との兼ね合いの中で、できる限りの推薦入試対策を行いました。授業前、授業後、それから授業のない日、面接や討論で「ダメ出し」を受けまくって、作文を何度も書き直しました。

 

それでも可能性は、なかなか厳しいと思っています。

その理由も生徒のみなさんに伝えました。

 

そして、そのうえで、それでも全力で推薦入試対策に取り組むことの意義を伝えました。

「あきらめ」と「覚悟」は違います。

 

 

今日は、最後の推薦入試対策特訓でした。

最後の討論演習で、一人ひとりの可能性を目にしました。

その輝きに、魂が震えました。

 

 

都立高校推薦入試は、高校受験全体の中の一部のパートであると同時に、ゴールへの扉でもあります。

 

私たちは、ここでゴールするのだという意志を持って準備してきました。

そのために使った時間も労力も、無駄になることはありません。

人生においても、受験においても。

 

もし、その扉をこじ開け、志望校の一員になることができたら、いっしょに喜びを分かち合いましょう。

 

 

 (ivy 松村)

塾の「併願優遇」?

私立高校に「合格の可能性」を直接きくことができる「入試相談」は、家庭や塾がお願いすることもできます。

 

それが、内申の「基準」にもとづいたものであれば、学校が行うものと変わりがないことになります。そうであれば、家庭や塾が別ルートで「入試相談」をする意味はありません。

 

しかし、そこで、「別の基準」を認めてくれる高校が、かなりあると聞きいています。

「Vもぎ」「Wもぎ」「北辰テスト」などの模試の成績によって、「併願優遇」を出してくれるケースがあるそうなのです。

 

公式には、「併願優遇」は内申点にもとづいて実施されなければならないとされているので、中学校の先生は、このような「相談」ができるというということを教えてはくれません。

 

また、高校受験を全体的に組み立てるという意識のない個人塾や、受験の制度をよく知らない塾は、こうした模試の活用の仕方を知らないので、「外部の模試など受けなくてもいい」といった指導を行うこともあるので要注意です。

 

 

秋になって、私立高校の「学校説明会」や「入試説明会」が数多く開催されますが、そこで、直接、模試の成績をもとに「合格の可能性」を聞くことができると思います。

(「説明会」は、第一志望の学校に行って、学校の雰囲気を味わって、やる気を出すものだと考えている人は、どちらかといえば、勘違いをしていると思います。)

 

そこで、例えば、「Vもぎ」の偏差値60以上を2回取っていれば、「併願優遇」措置をとり、「確約」を認めてくれるというような「別の基準」を教えてもらえるでしょう。

 

 

学校の内申がそれほどよくない生徒でも、テストでの得点力があれば、有利な「併願優遇」のカードを手にすることができるのです。

 

模試の成績によって「併願優遇」を認めるというケースは、どうやら一般的にあるということのようです。

 

中3生は、2学期以降は月に1度くらいのペースで会場模試を受けておいた方がいいと思います。そのことが、あとで意味を持ってくることがあるかもしれません。

 

 

さて、しかし実は、このような、模試の成績で「併願優遇」を認めることは、正式なものではありません。もちろん、ホームページや募集要項などにも一切書かれていません。

 

内申以外の「基準」で高校が「併願優遇」の措置を取ることを、行政は快く思っていないのです。

 

ですから、こうした話は、もしあるとすれば、高校側と、家庭や塾などの受験者側が「直接」確認し合うはずなのですが、最近は、かなり大雑把な扱いになってきているのかもしれません。

 

 

先日、河合塾が、「独自」の基準で受験生に「併願優遇」を約束していたことが明るみになって、ニュースになりました。

 

河合塾模試で「入試優遇」? 組合が指摘 文科省通知に反する恐れも

 

河合塾といえば、大学受験予備校のイメージがありますが、中学生が通う高校受験のコースもあります。

今回の「併願優遇」の件も、高校受験のコースでの話です。

 

 

ニュースによれば、河合塾は、塾の模試の成績によって「併願優遇」がとれると、保護者に説明をしていたそうです。

 

これは、もちろんルール違反なのですが、大手チェーンの塾では、よくある話なのかもしれません。

 

私立7校がこれを認めていたということなのですが、多分、私が想像している高校と一致しているのではないかと思います。

「併願優遇」に積極的な高校は少し調べればわかります。

 

 

それにしても、個人的に興味深く思われたのは、これを指摘したのが河合塾の労働組合だということです。

塾独自の基準で「併願優遇」がとれるのであれば、それは塾としての利点です。

その利点を世間に告発して「会社」に不利益を与えているわけです。

こんなことをすれば、従業員である自分たちが困るだけでなく、受験生にも影響が出てしまいます。

 

おそらく、河合塾の組合は、正義感から不正を告発したのではないのでしょう。

組合は、会社側への何らかの警告か報復・意趣返し、あるいは取引の材料として、こうした行為に及んだのだろうと思われます。もしかしたら、何かゴタゴタがあるのかもしれません。

 

 

外部の人間には、もちろん何があったのかは分かりませんが、少し、河合塾には同情してしまいます。ある意味で、組合側の行為は「おきて破り」に近いものだと思います。

 

 

しかし、河合塾はすごいなあ、と思いました。

「高校側が公開した情報を保護者に説明している」というコメントを出しています。「強者の言い訳」ですね。

 

今年、高校側が、河合塾の生徒に「併願優遇」を出すのか、気になりますね。

 

 

 

塾が「併願優遇」を用意するということはどういうことなのか、ということを考えてみました。

 

こういうことは、本来秘匿されるべきことだと思うのですが、ニュースになってしまったので、明るみに出てしまいました。そこで、新聞記事から読み取れることを推測してみます。

 

他の高校を第一志望とする受験生の受験者数を増やすことを、メリットとしてとらえている高校はたくさんあります。

 

高校側としては、「併願優遇」の受験生が第一志望に受かってしまっても、受験料の収入があります。入学することになれば、塾で鍛えられた学力の高い生徒を獲得することができます。見込みよりたくさん入学することになってしまったら、次年度で「調整」するようです。前年の入学者が多かった次の年に、入学者が絞られることがあります。

 

さらに、高校側としては、大手チェーンの塾はたくさんの受験生を抱えているので、一度に多くの受験生と交渉できるというメリットもありそうです。話がまとまれば、何百人もの受験生を一回の交渉で獲得することができます。

 

 

一方、塾側としても、「渡りに船」「魚心」の話になります。学校や本人の事情で、内申が低くて「併願優遇」が取れない生徒にも、「おさえ」を確保させることができるからです。

 

また、想像どおり、それが塾としての大きな「営業」資源になるということが、今回の報道ではっきりしました。

 

保護者に対して、「うちの塾にいれば、受験にこんなに有利になるんですよ」という話しをしてしまったということですね。そしてそれは、本来なら許されないことであり、また、やるにしても隠れてやらなければいけないことだったわけです。

 

そして、このニュースの一番のキモは、「併願優遇」の「基準」に、自分たちで運営している模試の成績を使っていたという点でしょう。

 

もちろん最後は「信頼関係」なのでしょうが、微妙なのは、その模試を実施し、採点するのが、塾のスタッフであるということです。(まあ、今となっては「信頼関係」は、微妙どころの話ではないのかもしれませんが。)

 

そう考えると、実は、有名塾に入ることの最も大きな利益は、塾による「併願優遇」にあるといえるのかもしれません。

(本当にそれが「一番のメリット」だとしたら、塾としてはショボ過ぎるとは思いますが。)

 

 

 

最後に、塾の情報管理について考えてみました。以下は雑記のようなものです。

 

内申以外の基準を用いて「併願優遇」を認めているというような場合、高校側は合格に特別な便宜を図っているわけですから、それが知られたときに、印象が悪くなるのは高校側です。ましてや、文科省の通知を無視して行っていたわけです。

ですから、高校の方は、内密に、という約束をするのですが、そういった「秘密」は塾側から「だだもれ」になってしまうことがよくあります。

 

塾の方は、秘密情報に関して危機意識が薄いのでしょう。

場合によってはアピール材料になるのですから、なおさら秘密にしておくことは難しかったのかもしれません。

高校側からすれば、生徒や保護者を集めて、「密約」をばらされるとは思ってもみなかったのではないかと思います。

 

今後も同じような、塾がらみの「情報流出」「情報漏えい」のニュースが聞かれるかもしれません。

ベネッセのニュースもありました。「進研ゼミ」などの顧客の個人情報が流出した事件です。ベネッセから流出した顧客名簿を買った学習塾もかなりあったそうです。

 

 

そもそも、大手塾の情報管理には杜撰なところがあるのかもしれません。

 

大手チェーンの組織形態が、人員集約的ではないため、情報は基本的に拡散してしまいます。

何十、何百とある校舎・教室間を情報が行きかうような組織構造になっているのです。

プライベートなやり取りと重要な極秘情報が、全く等価に、同じようにメールで送受信されているのではないかと思います。

そのせいで、情報に対する扱いが不用意になることがあるのかもしれません。

 

 

大手塾の宿命として、学生講師で授業を「回す」という営業形態をとっていることにも問題があります。さらに、大手塾の中には、学生アルバイに営業などの電話をさせるようなところもあるそうですが、一般企業では、普通、「外部」の人間は顧客の個人情報にアクセスできないようなシステムになっています。

 

大手学習塾チェーンは、教務や営業といった基幹業務を「アルバイト」にゆだねています。そうしなければ「店舗」を運営できないような、脆弱なビジネスモデルとなりつつあるのだといえるでしょう。

いってみれば、外部の人間がコアな情報に触れることができる、危ない情報管理体制になっているのです。

 

 

 

 

さて、ivyでも、スタッフが私立高校にうかがって、情報交換をさせていただくことがあります。

 

やはり塾としては、受験生には「おさえ」の高校を用意してあげたいですし、本命の高校になんとかして入れてあげたいと思います。

その気持ちは、どんな塾にいようと、変わらないものなのだろうな、と思います。

 

 

私たちは小さな塾ですから、謙虚に、誠実に受験指導していきたいと思います。

 

 (ivy 松村)

「私立安心校」(「都立併願③)

「都立併願」の最大のデメリットは、都立高受験の結果が厳しいものであった場合、自動的に進学先が固定されてしまうことです。

 

これまでにも何度も述べてきましたが、塾教師の目から見て、学校の先生が勧める「併願校」は、受験生の学力に見合ったものでないことがかなり多いのです。

 

見方を変えてみるならば、「都立併願」は、何人かの受験生にとっては、「確約」の見返りに、自分の学力より「ランクの低い高校」に入学する義務を負うというものなのです。

 

 

理想を述べるならば、都立がダメだったときに、進学先として納得のいく、満足できる、愛着の持てる私立高校に入学する権利を得たうえで、都立高校入試に挑むのが望ましいと思います。そのような高校を仮に「私立安心校」と呼ぶことにしましょう。

 

「私立安心校」は、必然的に、「確約なし」の受験になりますから、難しい入試になります。

しかし、「私立安心校」の合格を勝ち取ることができれば、都立入試に向けて弾みにもなりますし、精神的にも余裕をもって都立入試に挑めます。当然、良い結果が出る可能性は高くなりますし、万が一、都立の結果が厳しいものであったときにも、ダメージは最小限にとどめることができます。もしかしたら、かえってよかったという場合もあるのかもしません。

 

都立高校と私立高校では、費用面で大きな差があります。私立高校に入学することになれば、相応の学費を支払うことになるのですが、「私立安心校」に支払うのと「都立併願校」に支払うのとでは、大きな違いがあるように思います。

 

「絶対に都立に受かってほしい」と思うだけで、「私立に入学する可能性」を意識から追いやってしまっていると、「都立に行くのだから、私立は併願で受験すればいい」という発想になってしまいます。

「私立に入学する可能性」を考えれば、少しでも上の私立高校に合格したほうがいいということがわかると思います。

 

 

要は、どこに「リスクをかける」のか、ということだと思います。

 

「都立併願」を選択し、私立入試のリスクを回避した場合は、都立の入試結果によってリスクが生じます。

 

一方、私立入試にリスクをかけて「私立安心校」入学の権利を得ることができれば、都立の入試結果に対するリスクは軽くなります。

 

 

・「都立併願」・・・「ノーリスク」私立入試(「併願校」確保) × 「ハイリスク」都立入試

・「私立安心校」・・・「ハイリスク」私立入試 × 「ローリスク」都立入試(「私立安心校」確保)

 

 

傾向として、中学校の先生は、前者で受験を組み立て、塾の教師は後者で組み立てることが多いと思います。

 

 

しかし、「都立併願」に頼らない受験パターンを組むためには、新たな「リスク」を引き受けなければなりません。

「私立安心校」を受験するために、別の「おさえ」が必要になります。

「併願優遇」がなければ、その「おさえ」も「実力勝負」で取りに行かなければならなくなります。

 

ですから、一般的に、進学塾では、複数の私立高校の受験を提案します。

 

都内の私立高校は、おもに2月10日~2月12日に入試日を設定してありますから、3回の受験が可能です。

また、国立大附属高校を含め、それ以降に受験日を設定している高校もありますので、場合によっては、さらに受験校を増やすことができます。

 

帰結として、

 

・「おさえ」(すべり止め)

・「相応校」(受かっておきたい高校)

・「チャレンジ校」=「私立安心校」

・+都立高校

 

という受験パターンが典型になります。

 

さらに、他県の高校は2月10日以前に受験日が設定されているので、ここで「おさえ」を確保し、「チャレンジ校」の受験を増やすことも考えられます。

 

 

私立の入試結果によって、志願変更を行い、都立の受験校を変更します。

 

「チャレンジ校」合格 → 都立上位校

「相応校」合格 → 都立進学校

「おさえ」合格のみ → 都立進学校 or 都立中堅校

 

 

 

受験校を増やすことで、当然デメリットも生じます。入試対策の面で時間的、労力的に負担感が大きくなってしまいますし、費用の面でも負担が増えてしまいます。

一方、「都立併願」組は、都立受験に集中できるという見方もできます。

 

こうした複数の私立高校の受験を勧める塾の姿勢に、疑念を持たれる受験生や保護者の方もいらっしゃると思います。塾は、合格実績を稼ぐために、多くの高校を受験させようとしているのだと思われてしまうのです。

もちろん、塾によってはそういう意味合いを含めて受験を勧めるところもあると思います。

 

しかし、さまざまな要素を勘案して、「塾の視点」から総合的に「高校受験」全体をデザインしようと考えたとき、上記のような組み立てが、自然と浮かび上がってくるのもまた、事実なのです。

 

 

 

「都立併願」についてまとめてみましょう。

 

「都立併願」のメリット:

 

・「おさえ」の高校を確保できる

・都立高校入試に専念できる

・受験にかかる費用を抑えることができる

 

 

「都立併願」のデメリット:

 

・都立がダメだったときに、思い入れのない高校に進学することになる

・「入試の経験」を積むことができない

・「志願変更」のきっかけがなくなる

 

 

(ivy 松村)

「入試の経験値」(「都立併願」②)

受験生の多くは都立高校を第一志望にしています。そして、都立高校の入試は、当然リスクのある「実力勝負」です。

 

ですから、学校の先生は、万が一都立がダメだったときのために、私立の進学先を「確保」するように動きます。

 

そこで、「都立併願」という、合格を「確約」するかわりに、「しばり」がつけられる受験パターンが示されることになります。

 

この「都立併願」という受験パターンは、学校の先生が得意とする、最も基本的な高校受験の様式です。

 

「都立併願」の受験は、通常は、「おさえ」の私立併願校と「本命」の都立高校の2校のみの受験になります。

 

学校の先生は、用意する調査書を最小限にとどめておきたいと考える方が多いので、極力受験校を減らそうとする傾向があります。

ですから、その意味でも、学校の先生にとっては、このパターンは理想的です。

 

もし、都立に無事合格できれば、言うことはありません。最も効率的で経済的に受験を終えたということになります。

 

 

 

「塾の視点」から都立高校受験を考えたときには、別の受験パターンが典型として浮かび上がってきます。

 

 

「都立併願」は、「入試の経験値」が上がっていかない怖さがあります。

 

このパターンにはめられてしまうと、本番である都立高入試の前までに、1度しか入試を経験できません。しかも、「都立併願校」の入試は、「確約あり」であることを伝えられているので、「真剣勝負」にはならないのです。

 

 

「ガチンコ」勝負の私立入試で結果を出せれば、大きな経験を積むことができるだけでなく、精神的ゆとりと、確かな自信を手にすることができます。

 

「入試の経験値」を積んだうえで都立高校入試を「最終戦」として戦う受験生に比べて、「入試の経験値」の少ない受験生が苦戦する傾向は否めません。

 

そのような観点からみても、実力よりも上の都立高校にチャレンジしたいと思っている受験生には、塾としては、「併願優遇」を勧めたくないのです。

 

 

 

また、「都立併願」の受験パターンを組んでしまうと、都立の「志願変更」の「きっかけ」が失われてしまうというデメリットが生じます。

 

都立高校の入試では、入学願書を提出した後で、一度だけ、願書を取り下げて、受験校を変更することができます。今年度は、取り下げが2月13日、再提出が2月16日になっています。

 

これは、私立高校の入試結果をふまえて都立の受験校を決めなさい、という配慮です。

 

例えば、「私立の上位校に合格したので、都立はさらに上の高校にチャレンジする」といった変更や、「私立で受かっておきたかった高校がダメだったので、都立は、確実に受かる高校に下げよう」といった変更ができるのです。

 

もう少し付け加えるなら、私立入試を経験して、受験生は都立高入試への手応えをつかむことができます。その感触を頼りに、都立の見通しを持つことができます。

 

つまり、都立受験をふまえたうえで私立受験を組んでおけば、私立高校入試の結果を材料として、都立受験を再度組み直すことが可能なのです。

 

一方、「都立併願」組には、そういった志願変更を考え直す「材料」がありません。

 

「都立併願」での受験が決まるのは、12月の三者面談です。そこから、「志願変更」まで2ヶ月間あります。その間に学力が伸びることもあれば、伸び悩むこともあるでしょう。しかし、2ヶ月前に決められた形を崩すことができないのです。

 

過去問演習などの得点が伸び悩んで不安を感じたとしても、思い切って「志願変更」をするだけの明確な理由となりにくいのです。「本番で何とかがんばる」などといって、不安を抱えたままの入試に突入してしまいます。

 

 

「都立併願」という受験パターンは、私立入試を都立入試のために活かすことができないというデメリットがあるのです。

 

(ivy 松村)

 

「塾の視点」(「都立併願」①)

「都立併願」について考えてみたいと思います。

 

 

・「都立に行きたい」→わかります→「私立のおさえはどこでもいい」→理解不能です

 

受からなかったとき、「どこでもいい」私立に進学することになってしまいます。

「絶対都立に受かるから大丈夫!」というような、知性のない精神論は無意味です。

意気込みはもちろん大事なものですが、やる気と結果は別物です。

 

「都立に行きたい」→わかります→「でも、受からないかもしれない」→その可能性はあります→「だから、行きたいと思える私立に合格しておかなくては」

 

このような発想で受験を考えなければならないと思います。

 

 

 

「都立併願」で受験をした場合、都立高入試の結果によっては、「併願校」へ進学することになってしまいます。

 

その高校が、十分に魅力のある学校だと思えるのであれば、問題はありません。しかし、もしも、そうではないのなら、どうして、その高校へ進学する「しばり」を自らに課してしまったのか、という話になってしまいます。

 

 

あまりにも不用意に「都立併願」を選択する受験生が多すぎる、と感じています。

 

第一志望の都立高へ進学したい気持ちを「100」だとしたら、まあ、併願校は「50」ぐらいでしょうか。人によって違うと思いますが、そこには大きな差があるものだと思います。

 

他の可能性を考えてみる必要があります。「都立併願」で受験しなければ、「80」や「90」の私立校を受験することができるのです。

 

もちろん、そこにはリスクがありますが、そういった受験もあるのです。

「別の道」について考えたことはありますか?

 

「50」を確実に手に入れる安全な道と、「90」を求めるいばらの道。

 

どちらを選ぶのかは、その人の置かれている状況や価値観によるものなので、一概にどちらが賢明であるとはいえません。

 

問題は、今の中学生は、強力に「50」の道へと誘導されていて、「別の道」へのルートは、さも危険で異常なもののように伝えられているということです。

 

「都立併願」が当たり前で、一般受験をするのはとんでもないことのように言われたことはありませんか。

 

 

 

もちろん、「都立併願」が悪いわけではありません。この制度を使うことが、本当に有意義になる生徒もたくさんいます。多くの受験生にとっては本当にありがたい制度です。特に、学力が不安定な受験生は、絶対に「併願優遇」で受験するべきです。

 

しかし、学力の高い受験生であればあるほど、この制度は足かせになり、デメリットになるのです。

 

 

「都立併願」のデメリットがあまりにも認知されていないために、毎年、「50」の高校に進学することになってしまう生徒がいます。しかも「90」の高校に合格するだけの力を持っているのに。これは、不条理だとは思いませんか。

 

 

それは学校の先生のせいでもなく、受験生・保護者の方のせいでもありません。はっきりいってしまえば、通っている塾のせいです。

 

学校の先生に任せれば、「都立併願」に固められてしまうことは、わかりきっています。でも、何もしない塾がほとんどです。

(もしかしたら、私立上位校の入試対策を指導できない塾なのかもしれません。)

 

 

学校の三者面談で決まった形を追認するだけの塾が本当に多いです。そんな塾に通っている受験生・保護者は「自衛」しなければなりません。自分で情報を集めて、自分で判断しなければならないのです。

 

このブログの目的のひとつは、1人でも2人でも、そんな受験生を救うことです。そのために、連日何時間もかけて書いています。

 

 

 

学校の先生は、「おさえ」があれば「大丈夫」だから、都立は好きなころを受けてもよい、と言います。

 

しかし、「おさえ」に進学しなければならないという「リスク」も考えるべきだろうと思います。

 

特に、進学指導重点校やハイレベルな争いになる激戦の都立進学校を受験する場合。

一か八かで可能性の低いチャレンジ校を一縷の望みをかけて受験する場合。

そんなリスクのある受験で、どうして、受かることだけを考えることができるでしょうか。

 

「都立併願」のパターンで一番危ないのは、緊張するタイプの生徒が、ギリギリ合格できるかどうかのレベルの都立高校を受けるときです。

 

逆に、図太いタイプの生徒は、あっさり受かってしまうこともあります。結果オーライというやつです。

 

何事にも功罪はありますから、一概にはいえませんが、「第一志望がダメだった」という結果の意味が、受験のパターンによって大きく変わってくるのです。

 

 

「おさえ」があるから「大丈夫」だといって、「都立併願」で受験をして、都立がダメだったとき、本当に「大丈夫」だったね、と思えますか?

 

 

 

これまでの受験指導の経験から、「塾の視点」で受験を見ていない受験生や保護者の方が、けっこうたくさんいらっしゃることがわかってきました。

 

「塾の視点」とは、要するに、戦略的に受験を考えるということです。

きちんとした「まともな」塾は、置かれている状況や条件の中で、よりよい成果を得るために、受験をどうとらえ、どう行動するべきなのかということを常に考えています。

 

「塾の視点」から受験というものを知っていただくことは、受験生・保護者の方にとっても有意義なのではないかと考え、ブログに書かせてもらっています。

 

「家庭の視点」「学校の視点」そして「塾の視点」で受験を見直したときに、受験に「別の道」がみえてくることがあるかもしれません。

 

 

もちろん、大前提として、受験生は、自分の学力、家庭の事情などを考慮して、現実的に、志望校を考えなければなりません。

 

そして、どのようなパターンで受験に挑むのか、その決断をするのは、受験生とご家庭です。

 

誤解のないよう、念のため再度付け加えますが、私は「都立併願」で受験するべきではないといっているのではありません。

私が懸念しているのは、受験の全体像を知らされないで、判断を迫られている受験生・保護者が数多くいらっしゃるのではないかということです。

 

「塾の視点」もふまえて考えた結果、やはり「都立併願」で受験しよう、と決められたのであれば、その受験を、私たちは最大限サポートしていきます。

 

(ivy 松村)

高校受験を見渡す③(私立一般入試と都立高一般入試)

実力勝負となる「確約なし」の一般入試は、「オープン」と呼ばれることがあります。

一発勝負の入試では、「実力勝負」とはいっても、学力どおりの結果がでるとは限りません。

「運も実力のうち」などといいますが、現実に、「番くるわせ」は毎年起こっています。「実力」的には合格するはずのランクの高校であっても安心はできません。

 

そうした、「怖さ」も含めて、受験を考えなければなりません。

 

 

3.「本来の一般入試」 (「確約なし」)

 

①加点あり

②加点なし

 

 

私立の一般入試では、推薦入試受験者に加点を行う高校があります。

内申点の基準を満たしている受験者に対して、加点を行う高校もあります。

 

私立の難関校では、「併願優遇」などの制度がないところがほとんどなので、(加点を含めた)入試の得点で合否が決まります。

 

ひたすら、第一志望の高校の過去問を解いて、万全の準備をして、本番に挑まなければなりません。

 

 

注意しなければならないのは、「併願優遇」制度がある学校を「オープン」で受験する場合です。

「併願優遇」の枠で多くの合格者を出す高校は、相対的に「オープン」の一般受験での合格者の割合が少なくなっています。そのため、「オープン」での受験者の合格ラインが想定よりも高くなり、厳しい入試になることがあります。

 

つまり。「併願優遇」が取れれば、非常に「おいしい」形になるけれども、「オープン」で受けるのは得策ではない高校があるのです。

 

地域によって、「『おさえ』といえばこの高校」というような受験の定番があるものですが、もし、その高校をおされられなかった場合は、その形にとらわれずに、別の受験パターンを考えた方がいいかもしれません。

 

 

Ⅱ.「都立高校一般入試」

 

都立高校

 

 

受験生の多くは都立高校を第一志望に考えています。

都立高校入試は、「高校入試」の中で、最後の受験になります(通常であれば)。

最後の大一番、受験勉強の集大成として、持てる力を最大限に発揮するために、都立高校を受験する受験生は、2月24日にピークを持っていくように準備しなければなりません。

 

そのためには、私立高校の受験を、都立入試に向けてのプロセスとして捉え直す必要があると、私は考えています。

 

つまり、よいコンデションで都立高校の入試を迎えられるように、私立高校の入試を活用するべきであるということです。

 

「都立高校に合格するために」、私立高校の受験をどう組み立てるのか、という視点は、都立高校受験を考えるうえでとても重要であると思います。

 

 

 

原理原則からいえば、義務教育は中学校までで、高校は、「行かせてもらう」ところです。生徒にも、高校に進学できることは恵まれたことであって、感謝しなければならないことなのだと、よく言っています。

 

しかし、時代によって、価値観や標準となることがらは変わってくるものです。現代は、高校に進学することが極めて一般的な時代ですから、そのことに特別な感慨を抱くことはなかなか難しいことだと思います。「行かせてもらえるだけありがたく思え」というような言葉にリアリティーはありません。

 

生徒たちは、むしろ、大変なプレッシャーを背負い、高校受験という「勝負」に駆り立てられているのです。それが、「今」という時代です。

 

 

毎年、私立の「おさえ」なしに、都立高校だけを受験する生徒がいることを話に聞きます。

 

ご家庭の考えもあるので、断定的にコメントすることはできませんが、たとえ、私立に通学させないという方針であっても、どこか、私立高校の入試を経験しておくべきだと思います。

 

それが今の時代の標準であって、周りと同じステップで受験を経験させることは、必ず大きな意味になるはずだと、私は思っています。

 

経済的に大変な家庭もあるとは思いますが、日野市には、受験チャレンジ支援事業というものがあります。

 

都立高校入試の前に、一回、入試を経験するだけで、どれだけ精神的に助かるだろう、と思います。

 

 

 

「入試の経験値」というものがあると、私は感じています。

 

困難や試練を乗り越えるほどに、人間という存在は成長していくものです。

仕事がら、「入試」あるいは「受験」という経験が、生徒をどれだけ成長させるだろうか、ということをよく考えます。

 

これまで多くの受験生をみてきましたが、「入試の経験値」を多く積んだ生徒ほど、精神的に強く、たくましくなり、最後の大一番に最大限の力をぶつけていけるようになっていると思います。

 

都立高校の入試は、「ラスボス」のようなものだといえるかもしれません。

 

 

 

どのように転ぶかわからない「怖さ」というものが、受験にはあります。

 

であるからこそ、自分がやれること、正しいと信じていることはやり切りたい、というのが私の考えです。

(このブログの記事を書くこともその一環です。)

 

 

「入試の経験値」を少しでも多く積むべきであるという持論は、そのような思いから出てきたものです。

 

もちろん、すべての人に当てはまるとは思いません。入試を経験し、その結果によって、慢心してしまったり、ショックを引きずってしまったりする生徒もいるでしょう。

 

そうならないように全力でサポートするのが私たち塾教師の仕事だと思っています。

 

 

 

 

最後に。

いろいろと書かせていただいていますが、別の考えをお持ちの方はたくさんいらっしゃるはずだと思います。当たり前ですが、私の受験に対する考え方が、唯一正しいものではありません。

 

受験生・保護者の方は受験に際して、いろいろと悩まれたり、考えたりされていると思います。もし、参考になれば、という思いで書いております。

 

(ivy 松村)

高校受験を見渡す②(併願優遇)

2.併願優遇

 

①「確約あり」で「しばりあり」(第一志望がダメなら入学義務)

②「確約あり」で「しばりなし」

③「確約なし」(加点あり)で「しばりあり」(合格し、第一志望がダメなら入学義務)

④「確約なし」(加点あり)で「しばりなし」

 

 

私立高校の受験には「併願優遇」という制度があります。この制度が非常にわかりづらいのは、高校によって運用の仕方や中身が違い、場合によって、名称と内容がかけ離れたものになっているからです。

 

「併願」というのは、「併せて出願する」ということで、第一志望以外の高校を受験することを指しています。

 

その意味では、ほとんどの受験生は複数の高校を受験するわけですから、「併願」をしているわけです。しかし、「併願優遇」という制度の念頭にあるのは、「その高校以外に進学することを希望している」受験生に、なんとか入学してもらいたいという、高校側の事情です。

 

逆にいえば、「『おさえ』の高校を確保したうえで第一志望の入試に挑みたい」という受験生のニーズに応える形で生徒を募集しているということにもなります。

 

 

具体的には、「基準」以上の受験生に対して、「第一志望がダメだったらうちに来てください」という「しばり」をつけて、「優遇」措置をとるというものです。

 

この「基準」、「しばり」、「優遇」の内容が各高校で画一ではないのです。それぞれバリエーションがあり、さらに、表面的な内容と、実際の内容に違いがある(裏設定がある)ことがあります。

 

 

 

・「基準」について

 

「基準」は、9科の内申、5科の内申、3科の内申によるものがあり、どれかを満たしていればいい場合と、複数の基準を満たしていなければならない場合があります。

 

さらに、漢検、英検、数検などの検定合格が加味されることがあります。その場合も、学校によって、その点数や加点方法が違います。

 

また、部活動(部長経験)、生徒会活動、特別活動、リーダーとしての実績などが点数として上乗せできる学校もかなりあります。

 

そして、なによりも知っておかなければならないことは、学校によっては、「入試相談」によって、基準を「考慮」してもらえるということです。

 

 

・「優遇」について

 

「優遇」とは、受験に有利になる措置のことです。その内容は2つあります。「加点」と「確約」です。

 

「加点」は、入試で得た得点にさらに「優遇」措置としての得点が加算されるものです。

内申点によって、加点の点数が違っている場合もあります。つまり、内申点40以上で+10点、内申点35以上で+5といように。

 

「確約」は、「よっぽどのことがないかぎり合格できる」と高校側が認めているということです。

通常、「併願優遇」というと「確約」がもらえるということだったのですが、最近は「加点」に切り替える学校も増えてきました。

 

しかしまた複雑なのは、公式には「加点」措置であるという説明になっていても、実際には「確約」を出す高校もあるということです。

 

「入試相談」を通して、高校に聞いてみないと、高校側が「合格できると考えているかどうか」は、わかりません。

 

 

・「しばり」について

 

最も一般的な「しばり」のタイプは、「都立校高がダメだったら、うちに来てください」というものです。これはよく、「都立併願」と呼ばれますが、中学校の先生は、都立第一志望の生徒に対して、ほぼ例外なくこれを勧めます。

 

第一志望が都立ではない受験生には、私立を第一志望とする「併願」を認めている高校もあります。

 

これらは、いずれにしても、「併願優遇」の高校を「第二志望」に設定することを条件としているわけです。

 

「優遇」の内容が「確約」の場合には、「第二志望」の高校の合格が確定しているわけですから、後は、第一志望を受けるだけになります。

この場合には、学校の先生は、2校以外の受験は基本的に認めません。過去に「併願校」以外の入学を強行する「約束破り」があったようです。

 

中には、「自分の学校」を第三志望にしてもよいとしている高校もあります。

 

そして、「しばり」が全くないのに「優遇」措置を取ってくれる高校もあります。入学義務がないので、さらに別の私立高校の受験が可能になります。

 

「確約あり」で「しばりなし」の高校があれば、「おさえ」の受験としては理想的です。

 

高校側は、優秀な生徒に入学してもらいたいと考えているので、内申点などによって、「確約」を出すことがあるのです。

また、ある場合には、ある種の「信頼関係」によって、この形を、高校側が了承してくれることがあります。

 

あるいは、「しばり」なしで、「加点」を行う高校もあります。

 

この場合には、法政大学高校のような、内申によって加点が行われる高校の「オープン入試」とあまり変わらないものになります。

いずれにしても、内申の高い受験生が有利になりますから、成績の良い生徒を集めることができます。

もしかすると、「入試相談」で何か話し合いがあるのかもしれません。

 

 

 

わかりやすく整理してみましょう。

 

「基準」は省きます。

 

①.「確約あり」で「しばりあり」

②.「確約あり」で「しばりなし」

③.「確約なし」で「しばりあり」(加点あり)

④.「確約なし」で「しばりなし」(加点あり)

 

 

①は、最も一般的なもので、典型的な「併願優遇」の形です。

 

②は、受験生にとって最も「おいしい」形です。デメリットがありません。

 

③は、「加点」タイプですが、実は「確約」がもらえるという場合もあります。

 

④は、加点分だけ、入試に有利になるというものです。

 

 

(ivy 松村)

高校受験を見渡す①(推薦入試と単願・専願入試)

高校入試の入試制度のうち、「推薦入試」と「単願」/「専願」についてみてみましょう。

 

 

一.「推薦入試」

 

推薦入試は、合格したときには入学義務が生じます。ですから、原則として「入学を希望する高校」の受験であるということになります。

 

受験をするうえで、推薦入試が戦略的に活用される場合もあります。

都立高校のように、一般入試とは異なった内容・形式の推薦入試を実施している高校の場合には、それぞれの試験に対して相性というものが出てきます。当然、推薦入試のほうが有利になるタイプの生徒もいます。

また、一般的には、内申は高いが得点力が物足りないタイプの生徒は、推薦入試のほうが向いているといえます。

 

そのような観点から、塾の方でも、生徒の個性を考えて、推薦入試を受けてみたらどうかと提案する場合もあります。

 

 

Ⅰ.「都立高校 推薦入試」(合格すれば入学義務)

 

都立高校の推薦入試には出願の基準はありませんが、あまりにも無謀な出願は、学校の先生に許可されないでしょう。

 

Ⅱ.私立高校 推薦入試

 

①「確約あり」(入学義務)

②「確約なし」(合格すれば入学義務)

 

ほぼすべての私立高校では、出願の基準が設けられています。

内申などによる加点措置が設けられている場合もあります。

 

①は「入試相談」を通して出願します。実質上の進路決定になります。

「確約あり」の場合には、学校の先生から、一般受験の出願を見合わせるように指示があるはずです。

 

②は、通常、難関私立高校で行われるものです。その高校を第一志望としていて、かつ、内申などの基準を満たしている受験生は、推薦入試と一般入試、あわせて2度の受験機会を持つことができます。

 

 

高校によっては、推薦入試の結果が不合格であっても、一般入試に向けて大きなメリットが得られる場合があります。

学校によっては、推薦入試の受験者は、一般入試での加点などの優遇措置を受けられます。

 

 

 

二.「一般入試」

 

Ⅰ.「私立高校一般入試」

 

1.単願 / 専願

 

「単願 / 専願」といういい方には、「その高校しか受験しない」「他の高校も受験するが、受かれば、必ずその高校に進学する」というような定義もあるそうですが、内容としては、「その学校だけに進学したい」という意思を明らかにするものです。

推薦入試と同じく、合格したときには入学義務が生じます。ですから、やはり原則として「入学希望の高校」を受験するということになります。

 

多くの高校で、出願に基準が設けられています。

 

①「確約あり」(入学義務)

②「確約なし」(加点などの優遇あり)(合格すれば入学義務)

 

 

①は、「入試相談」を通して出願します。実質上の進路決定になります。

「確約あり」の私立の推薦入試もそうですが、最もスムーズに生徒の進学先を確定させることができるので、学校の先生は、内申点を持った生徒に対して、このパターンを提示することが多いです。

 

②は、合格したときに、必ずその高校に進学するという約束と引き換えに、加点などの優遇措置を受けるものです。

「第一志望優遇」といったような表記の場合も内容はほとんど変わりません。

 

②の体裁となっていても、実質的には「確約」をもらえる場合もあるそうです。

中学校の先生は、リスクを背負った受験をさせることはありませんので、「合格可能性がわからない」場合には、別の「おさえ」の学校を受けるように指示があるはずです。

当然、「おさえ」の学校は、「しばり」がなく、かつ、確実に合格できるところでなくてはなりません。

 

 

 

「推薦入試」、「専願 / 単願」は、合格とともに入学義務が生じます。ですから、入学するのに十分納得がいく高校がその入試制度を行っていて、さらに、出願の基準を満たしている場合に活用するものです。

 

そして、「確約あり」と「確約なし」では意味合いが違うので注意が必要です。

「確約あり」の場合は、成績や(スポーツなどの)能力にによって進路を確定させるもの、「確約なし」の場合は、「第一志望」の受験が「複数回受験」や「加点」といった部分で有利になるというものです。

 

(ivy 松村)