外来語の出身 ②(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語について)

幕末・明治期の開国とともに、これまで日本人が知ることのなかった大量の知識や物品が、欧米から日本にもたらされました。

 

近代化に向けて国づくりを主導した当時の知識人たちは、新しい概念を、言葉を作り出すことで言い表し、日本に定着させていこうと考えました。

 

「経済」「社会」「自然」「科学」「文学」「美術」「物理」「出版」「写真」「図書館」「新聞」「意識」「理論」「空間」「国家」「警察」「工業」…

 

…このような、日本人によってつくられた漢語を「和製漢語」といいます。

 

そういえば、「野球」も「和製漢語」ですね。ということは、「投手」「打者」「盗塁」「三振」なども「和製漢語」ということになります。

 

もともとあった言葉に、日本人が新しい意味を含めた言葉も「和製漢語」に含みます。

 

「革命」「自由」「愛」などです。

 

 

和製漢語は、もちろん江戸時代以前にもつくられていましたが、西洋の文物を早急に吸収しなければならない幕末・明治期に、数多く作り出されました。これらの言葉は、現在の私たちの生活に欠かせない基本的な語彙となっています。

 

 

 

さて、幕末・明治期には欧米の考えや文物が大量に入ってきましたが、当然、すべてに翻訳語を与えることはできません。同時に、多くの「外来語」が日本に定着することになりました。

 

日本が、近代化の過程でお手本と考えていたのは、主にアメリカ、イギリス、ドイツ、そしてフランスでした。そのため、英語、ドイツ語、フランス語から導入された外来語がたくさんあります。

 

注意しなければならないのは、よく使用される、なじみのある外来語で、英語由来のものではない語彙が、意外に多いということです。当然、それらは英語話者には通じません。

 

現在の日本では、圧倒的に英語の影響力が強くなっています。外来語のほとんど、およそ8割以上が英語から導入されたものであると考えられます。

そのため外来語のほとんどは英語由来のものであるという観念が強まり、ドイツ語やフランス語から取り入れられた外来語であるのに、英語由来のものであると誤解されているものが少なくないのです。

 

 

 

ドイツ語由来の外来語…医学、登山、スキーに関するものが多い

 

オブラート、ガーゼ、ギプス、ワクチン、カルテ、ザイル、ピッケル、ゲレンデ、スキー

 

アルバイト、エネルギー、アレルギー、ホルモン、コラーゲン、アクリル、デマ、ディーゼル、エーテル

 

テーマ、ガーゼ、ノイローゼ、セレナーデ、ボンベ、ゼミナール、ナトリウム、カリウム

 

イデオロギー、ヒエラルキー、プロレタリアート、カテゴリ、ワンダーフォーゲル、メタン、

 

カルテル、コンツェルン、タクト、フィルハーモニー、シュラフ、リュックサック、バウムクーヘン

 

グミ、ヨーグルト、ベクトル、メルヘン(Märchen)、ワッペン、ヴィールス(ウイルス)…

 

 

 

フランス語由来の外来語…芸術、料理、服飾に関するものが多い

 

アトリエ、クレヨン、デッサン、レストラン、オムレツ、コロッケ(croquette)、ソース、ズボン、マント

 

デッサン、オブジェ、モルモット、シルエット、バカンス、スイス、リットル、メートル、グラム、コント

 

エチケット、コンクール、デジャヴ、バリカン、ブーケ、レジュメ、ジャンル、カモフラージュ、アベック

 

アンケート、グランプリ、クロワッサン、シュークリーム(chou à la crème )、アンコール、メトロ

 

マヨネーズ、エクレア、カフェ、ピーマン、ピエロ、フォアグラ、ポタージュ、グラタン

 

ブティック、エチュード、アバンギャルド、コラージュ、シュール、ブルジョア、プロレタリア

 

ルサンチマン、ルネサンス、ビバーク、ベージュ、ルポルタージュ…

 

 

ドイツ語、フランス語以外では、イタリア語やロシア語由来のものがいくつかあります。

 

 

 

イタリア語…音楽、食料に関するものが多い

 

オペラ、ソプラノ、アレグロ、フィナーレ、テンポ、マカロニ、スパゲッティ、ピザ

ソナタ、マニフェスト、フレスコ、アカペラ…

 

 

 

ロシア語…やはり革命や労働関係が多いのでしょうか

 

カンパ、コンビナート、ノルマ、インテリ、ツンドラ、ペチカ、トロイカ、ウォッカ

イクラ、アジト

 

 

 

もともと英語だと勘違いしていた言葉もけっこうありますね。

 

 

(ivy 松村)