平成30年度 都立高校「自校作成」の国語

進学指導重点校の英数国の入試問題は、本年度から「自校作成」となりました。

各校が、5年ぶりに独自問題を作成するとあって、「業界」でも大きな注目が集まりました。

 

 

私は、各校がリリースしている「出題の方針」に注目していました。

 

これをみれば、各校の出題構成と内容が、かなり精密に把握できると理解していたからです。

 

特に気を配っていたのが、国語でした。

国語の「記述」がどうなるのか、が本年度の入試の大きなポイントでした。

 

 

 

日比谷、西、戸山の3校が、大問3で「記述」を課すことは数か月前から判明していました。

また、国立が、大問3で「記述」を出題しないことも、数か月前から判明していました。

 

 

4校は、「出題の方針」をホームページに掲載し、公表していました。

 

いずれの高校も、入試選抜という「プロジェクト」を周到に準備してきたということがわかります。

 

4校の入試問題は、「出題の方針」に沿って作問されています。

 

 

 

一方、青山、八王子東、立川の3校は、「出題の方針」をホームページに掲載していませんでした。

 

 

青山は、都立の入試日になっても、まだ昨年の「出題の方針」をホームページに掲載したままでした。しかし、意外にも、今年の入試問題を最も早くホームページに掲載したのは青山高校でした。

その際に、今年の「出題の方針」もアップされました。

(ちなみに2番目は日比谷で、3番目は八王子東です。)

 

 

国語の入試問題は、すぐにはホームページ等に掲載できないので、現時点で問題を見ることはできませんが、「解答」と照らし合わせて「出題状況」を確認しました。

 

 

青山は、「出題の方針」で「記述」を示唆しないまま、「記述」を出題しています。

 

まあ、「出題の方針」で示された内容には「出題形式」自体への言及がなされていないので、「記述」が出題されたとしても、「出題の方針」に適合していないとは言えない、という「弁解」が、なんとか可能かもしれません。

 

 

この塾に青山を受ける受験生がいたら、ちょっと困ったことになったかもしれませんが、それでも、私は、青山の問題作りは評価できると考えています。

 

 

私は、一貫して、

 

・「記述」を出すべきである

・難度を上げるべきである

 

という主張をしてきました。

 

 

「解答」を見ただけの印象に過ぎませんが、青山高校の入試問題は、非常に熱が入っていると思います。

 

問題点は、入試選抜、もっといえば「生徒募集」が、ちょっと「ちぐはぐ」になっているということです。

 

英語でも、大問3の文章が、「物語文」なのか「説明文」なのかを明示していません。

おそらく、「出題の方針」は、実際の入試問題を想定しないまま作られたのではないかと思います。

「出題の方針」を出さなければいけないので、「とりあえず」あいまいな形でリリースして、後で問題を作り込んでいったのかもしれません。

 

 

「担当者」どうしの「連携」が取れていないとか、「生徒募集」を総括する人が総合的な指示を出していないとか、そういう部分があったのかもしれません。

 

 

 

そして、八王子東と立川です。

私は、2校の「資料」を手にし、「出題の方針」を確認することができました。

 

八王子東と立川は、ともに「入試説明会」で「グループ作成のものと同じような問題」を作ると説明していました。

 

それで、国語の入試問題で「記述」が出題されないという「予断」を持った受験生や受験関係者は多かったはずです。

しかし、八王子東と立川の「出題の方針」には、大問3について以下のように記されていたのです。

 

 

八王子東「文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容をまとめ、表現する能力などをみる。」

 

立川「文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容を適切にまとめ、表現する能力などをみる。」

 

 

ともに大問3で「表現する能力」を検査すると書かれてあります。

したがって、私は、両校は大問3で「記述」を出題すると判断しました。

 

 

 

八王子東は、「記述」を出題しました。これは、まったくの予想どおりでした。

 

一方、立川は、大問3で「記述」を出題しませんでした。

 

 

 

八王子東は、この一年、いろいろな面で非常に精力的な取り組みをしているのが伝わってきました。

とりわけ、今回の入試問題は気合が入っていると思います。

問題作りに「攻め」の姿勢があって、ちょっとグッときますね。

 

八王子東の取り組みが変わってきた理由の1つは、昨年の入試で応募人数を大きく減らしてしまったことでしょう。

また、もうひとつは、このままでは進学指導重点校の指定が危うくなるという危機感だと思います。実は、八王子東は、難関4大学の合格実績が下降し、進学指導重点校の「基準」のひとつを満たしていません。ある意味で、「酌量」されて、昨年の進学指導重点校の再指定を受けたわけです。

 

 

ただ、八王子東も、統率が取れた「生徒募集」になっていなかった印象です。

「説明会」などで、魅力をアピールしきることができていませんでした。

 

「入試説明会」では、国語に関してけっこうユニークな内容のお話しがあったということですが、「記述」については触れられなかったようです。そのうえ、「独自問題」について「グループ作成と同じような問題」を出題すると表明していたそうなので、実際の入試問題を目にして、驚いた人も多かったのだろうと思います。

 

 

 

そして、立川です。「表現する能力をみる」と明言していながら、そのための設問が用意されていません。

 

立川の問題を見ましたが、国語は、ボーダーを押し上げる要因になりそうです。

大問3で苦戦した受験生は少なかったと思います。さらに、決定的なのが大問4で、ほとんどの受験生はここで無難に得点を確保できたはずです。

 

立川の国語の問題は、大問3・4と、大問5の「統一感」がバラバラで、しかも全体の「バランス」がとれていません。

大問5は、古文の先生が作っていると思います。これは「骨」のある問題でした。

しかし、多くの受験生は、大問3・4では時間を取られないので、大問5に十分な時間をかけることができたはずです。

 

 

 

立川は、「入試説明会」で合格者の「内申点」の情報などを明かしています。

たとえば、男子は「オール4」に届いていなくても、入試得点で「逆転」できることなどが、データで示されました。

こうした積極的な「情報開示」が、立川の男子の倍率を高めた要因のひとつとなりました。

 

しかし、入試問題が易化し、入試得点が高得点域で均衡してしまうと「内申点」が乏しい受験生にとっては不利な受験になるわけです。

 

 

青山や八王子東と同様に、立川も、「生徒募集」と「作問」が「ちぐはぐ」だったわけですが、他の2校とは違い、立川の場合、「作問」に対する「意識」がおろそかだったという印象です。

 

 

 

虚飾なしに、端的にいえば、日比谷、西の「情報」は、「信頼」できます。

むしろ、高校が出してくる情報を細部までしっかりと読み取ることが大事です。

 

戸山も堅実です。

 

 

国立は、実はちょっと「気がかり」です。

 

国立高校は、かつては国語の入試問題で「重厚で濃密な記述」を出題することで知られていました。現在は見る影もありません。

 

積極的な「差換え」を行わなかった近年の入試問題に大きな違和感を持っていましたが、今年の「自校作成」でも「守り」の姿勢を崩していません。

 

 

日比谷と西は、問題作りと採点に対して、「覚悟」を持っています。

 

「この御時勢」ですから、「採点ミス」などがあれば、大きな責任問題になるでしょう。

それでも、「記述」を増やしました。

 

それから、戸山、八王子東、青山も前に進む決意をしました。

 

 

でも、国立は、ちょっと「教育庁のほう」を気にし過ぎているような印象を受けます。

 

 

国立高校の「歴史」を調べてみると、この高校は、「立地」を含めて、けっこう「ラッキー」が重なって、進学校としての「地位」を向上させてきたことがわかります。

 

適切な言葉なのかどうか、あまり自信はありませんが、あえていえば、もしかすると「殿様商売」といえるのかもしれません。

 

 

「集まってくる生徒のパワーと能力」を最大限に引き出すことができるのは、伝統の「強み」なのかもしれませんが、逆にいえば、「集まってくる生徒の質」が変われば、一気に「高校の質」も変わってしまう危険性を持った高校だと思います。

 

 

ちょっと「今の方向性」は、怖い気がします。

 (ivy 松村)

学年末試験に向けてがんばろう

都立高校一般入試が終わりました。

 

受験生のみなさん、おつかれさまでした。

 

あとは、発表を待つのみです。

 

発表の日、私たちは朝から校舎で待機していますので、連絡をくださるようにお願いします。

 

それから、都立の合格発表日以降、私立の「繰り上げ合格」があるかもしれません。

もし、連絡があったら、一応お知らせくださるようにお願いします。

 

 

 

問題に目をとおしてみましたが、社会が難化していました。

ちょっと深い「知識」を聞いてくる問題が、数題出されました。

昨年の入試問題が満点の生徒も、今年の問題は少し点を落としました。

 

社会は、上位校の「平均点」も若干下がると思います。

 

 

自校作成校の国語の「記述」に注目していましたが、ほぼ予想通りの構成でした。

 

しかし、立川は、「出題の方針」に沿っていない構成でした。

立川高校の「出題の方針」では国語の大問3の「構成と内容」は、以下のように記されていました。

 

「文学的な文章を読み,叙述や描写などに即して,場面,登場人物の様子,心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容を適切にまとめ,表現する能力をみる。」

 

ところが、本年度の国語の入試問題の大問3は、選択問題のみの構成で、「表現する能力」は検査されませんでした。

 

 

立川の国語は、「平均点」が大きく上がりそうです。

 

 

 

一方、八王子東は、「記述」は出ないと考えていた人が多かったと思いますが、「記述」が出題されました。

 

 

 

さて、中2、中1の生徒たちは、学年末試験が待っています。

 

今日からはじまっている中学もありますね。

 

 

明日、明後日の「土日」は2時から校舎を開けていますので、家ではかどらない人は、勉強に来てください。

 

 

日野も八王子も、2年生は「走れメロス」、1年生は「少年の日の思い出」が試験範囲になっています。

 

解説や問題のプリントがありますので、もらってください。

 

 

それから、3学期の定期テストの過去問はあまりそろっていないのですが、あるものは閲覧できますので、確認したい人は一応問い合わせてみてください。

 

 

ないものは、ないので仕方ありません。

あるものは利用して、活かしてください。

 

 

「知性」を尊ぶ人間は、与えられた環境のなかで「許される限りの努力」をします。

 

 

まあ、見なくても大丈夫という人は、自力で頑張って、高得点をねらいましょう。

 

 

 

中3生も、最後の定期テスト、ぜひ、しっかり取り組んでください。

 

「ここ」で手を抜いてしまうような行動は、なんというか、いろいろなものを表象するように思います。

思わしくない結果であれば、「そのメンタリティ」が原因だと思いますし、良い結果であっても、「そのメンタリティ」では「先がない」と思います。

 

 

少しゆっくり過ごしてください。

 

そして、学校の先生への敬意を示し、自分の中学生活への「けじめ」のために、定期試験勉強のための時間を作るようにしてください。

(まあ、これは、私のただの個人的な希望ですが。)

 

 

今日、言い忘れてしまいましたが、中3は、月耀日と火曜日は一応「授業日」です。

 

 

 

それでは、みなさん、学年末テストに向けてがんばりましょう!

 

 

(ivy 松村)

 

 

高校の「説明会」

ずいぶん寒くなってきました。

 

何人かの生徒は、体調を崩してしまいました。

あせらずに、まずは、しっかりと健康を取り戻してください。

 

また、一緒に勉強をがんばっていきましょう。

 

 

 

英検の一次試験の結果を生徒のみなさんにお伝えしました。

 

今回は、中学2年生以上の生徒、準2級・3級の受検のみの検定実施となりました。

 

7割の生徒が一次試験の合格を手にしました。

(夏休みに実施した漢検の合格者は、全体で8割でした。)

 

 

一次試験を通過した人は、これから、二次試験の対策を始めています。

授業前後で面接の練習を行っていきます。

 

結果をお伝えした際にも言いましたが、二次試験日が、多くの中学の期末試験の間近になっています。計画的に学習を進めていきましょう。

 

 

期末テストが近づいてきました。

中学生の各学年の生徒たちに、期末テストに向けて取り組みを始めるように話しています。

 

 

今週の金曜日は、文化の日、祝日となっています。

 

中3は入試特訓演習を行います。

中2、中1の生徒のみなさんも、ぜひ、校舎に来て試験勉強に取り組むようにしてください。

 

 

 

さて、この時期、多くの高校で「説明会」が開かれています。

 

現在、土曜日の授業はお昼過ぎから行っているので、「説明会」に参加すると授業に出られなかったり、遅刻したりすることもあります。

それでも、「説明会」を優先してよいと言っています。

実際に高校を見ておくことはやはり大切なことです。

しかし、あちこちの高校を見て回ることが「目的」になってしまわないように気を付けましょう。

 

 

 

学校見学や高校の「説明会」に際して、注意してもらいたいと思っていることについて書きます。

 

まず、生徒のみなさんは、実際に足を運んだ高校を受験するかどうか、さまざまな面から検討をするわけですが、その「観点」を定めておくことはとても大事だということについてです。

 

「文化祭」などに行って、高校の「雰囲気」をみようとする生徒、けっこういますが、ちょっと気をつけなければなりません。

 

「文化祭」などのイベント時は、「日常の学校生活」を見ることは難しいと思います。

 

まあ、もし、高校を選ぶのに「イベントが盛り上がるかどうか」を気にしているのであれば、それは「野暮」というものなのかもしれませんが。

 

 

そのうえで、あえて一言つけ加えるならば、「文化祭」というのは、実は、巧妙な「陥穽」です。

 

 

はっきりいえば、「文化祭」に力を入れている高校は、「浪人率」が高くなります。特に都立の上位進学校でその傾向は顕著です。容易に想像がつくと思いますが、高3生の受験勉強が滞るからです。

 

 

高校進学に際して、「楽しい高校生活」というものを重視することは、極めて自然なことです。

私も、生徒のみなさんが充実した高校生活をおくってくれることを切に願います。

 

しかし、言うまでもないことですが、高校は「次の進路への準備期間」でもあるわけです。

「見たい部分だけ」で判断しないようにしましょう。

 

 

 

もうひとつ大事なのは、自分は、高校を「選ぶ立場」であると同時に、高校に「選別される立場」であることを忘れてはならないということです。

 

いろいろ調べたり、「説明会」などで話を聞いたりしているうちに、高校のことや受験のことに詳しくなります。人情として、いろいろな「可能性」を考えたくなります。

しかし、肝心の「学力」が備わっていなければ、「絵に描いた餅」となってしまうわけです。

 

受験生が何よりも優先すべき、最も重要なことは、「学力」です。

 

 

結局、「入りたいと思えるかどうか」という基準で「その高校」を見ることに「リアリティーを感じられるかどうか」という問題に行き着きます。

 

現実には、「入れる高校」を受験するという選択に、多くの受験生は「リアリティー」を感じることでしょう。

 

 

受験の結末は、今はだれにもわかりません。

 

が、最後には、「学校見学」によって得られた知見をすべてかなぐり捨てて、進むべき道に進むしかないということも、あり得ない可能性ではありません。

 

 

言ってみれば、「選ぶ立場」というのは、ある意味で「幻想」です。

 

数多くの高校を見学して、どれを受験すべきか思いを巡らせる、それはまさしく甘美な時間ですが、その後に「現実の選択」を迫られたときには、「いろいろな不都合」を引き受けて、「消去法」を行わなければなりません。

 

 

塾は、「目標を高く持とう」と、生徒に声をかけますが、それは、生徒の意欲を高め、その効果によって学力を伸ばそうという意図によるものです。

 

「目標」と「期待」は違います。

 

「目標」には、それを達成するための「実際の取り組み」が伴っていなければなりません。

 

猟師は、狸狩りに出かけることなしに「皮算用」ばかりをしてはいられません。

 

同じく受験生は、日々の学習の継続を疎かにするべきではありません。

 

 

 

また、「説明会」では、すべての情報を「鵜呑みにしない」ということも大事だと思います。

 

それは、「良い情報」ばかりでなく、「悪い情報」にもいえることかもしれません。

 

 

立川高校は、毎年夏に1年生が参加する「臨海教室」を開いています。

そこでは、伝統行事の「遠泳」が行われます。

 

水泳が苦手な生徒にとっては、ちょっと気になるところです。

 

昨年、学校説明会だったか合同説明会だったかそれとも別の機会だったか、ある生徒が「遠泳」について訊いてみたところ、それが原因で「うち」を受けない生徒もいるねえ、というようなことを言われたそうで、それちょっとどうなんだろうねえ、などと話題にしていたところ、ちょうど立川高校に通う生徒が来たので、そんなこと言われたそうだよ、と話をふってみたら、あ、僕のときも同じようなことを言われました、というので、ちょっと驚いて、詳しく話を聞いてみると、数年前にその生徒が質問したときには、「遠泳」は本当に大変だという話を「素」で聞かされて、立川を受けるのをやめようか悩んでしまったということです。

 

まあ、結論からいえば、「遠泳」はとてもきつい経験かもしれませんが、怖気づいて受験をあきらめるほどのことではありません。

 

長年続けられている伝統行事ですから、先生方も泳ぎが苦手な生徒をどう指導すればいいのかということを熟知しているわけです。

 

泳ぎが苦手な人は少しばかり嫌な思いをするかもしれませんが、たった3泊4日の「臨海教室」を不安がって志望校をかえるのは、ちょっともったいないように思います。

 

それどころか、むしろ、水泳が苦手な生徒にとっては、素晴らしい経験となるかも知れません。立川高校の1年生は、夏休みの「臨海教室」に向けて水泳の特訓をするそうです。苦手を克服するチャンスとなるかもしれません。

 

 

いずれにしろ、2、3の「ネガティブな情報」が気になって、その高校を受ける気が失せたのなら、つまり、それまでの「縁」だったのということなのでしょうが、それでも一度は「冷静」になって、「それ」は本当に受け入れられない難点なのかどうか、考えてみるべきだと思います。

 

 

それにしても、その先生たち、ちょっと気になりますね。

「生徒集め」に「駆り出される」先生は、どんな先生が多いのかな、とちょっと考えさせられました。

優秀な生徒を集めたいと考える高校は、自校の魅力を存分に語ることができ、機知にあふれた受け答えのできる人を派遣するように思いました。

 

 

 

ついでに、「説明会」で生徒が聞いた情報ですが、「自校作成」を行ういくつかの高校が積極的に本年度の入試の難度を上げるという話をしている昨今、ある高校は、「グループ作成」の問題と同じような難易度を維持するという話をしていたそうです。

 

う~ん、ホンキかいな・・・。書きたいことはいろいろとありますが、ひとつだけ。短絡的な人は、入試問題が簡単だと合格しやすい、と考えるかもしれませんが、そう単純な話ではありません。

 

まあ、これも「鵜呑みにしない」ほうがいいかもしれません。

 

 

 

あ、あとこれもついでに書いておきますが、よく、大手の学習塾が高校の先生を呼んで「学習塾主催の説明会」を行っていますが、行く必要はありません。

 

普通に考えたらわかりますが、特に都立高校の先生が、ある特定の塾にだけ入試に関する特別の情報を提供するということはあり得ません。

 

高校で行われる説明会にいったほうが、充実した資料と確かな情報を手にすることができます。

 

 

全てが、とはいいませんが、「あれ」に申し込むと、合格発表の後に「確認」の電話が来て、びっくりさせられるかもしれませんよ。

 

 

(ivy 松村)

 

 

高校の国公立大学合格実績②(都立G7)

都立高校「G7」の大学合格実績を比べてみましょう。

 

 

まず、「東京一工」の現役の合格者数です。

 

 

現役 東大 京大 一橋 東工
日比谷 33 3 6 4 46
国立 6 3 18 7 34
西 14 2 7 6 29
戸山 5 3 12 7 27
青山 6 1 4 5 16
立川 1 3 5 1 10
八王子東  0  0 4 5 9

 

 

八王子東と立川の合格実績が、他校に引き離されていることがわかります。

 

 

 

次は、浪人生も加えた「合格人数」です。

 

 

合格人数 東大 京大 一橋 東工
日比谷 45 8 9 5 67
西 27 14 10 10 61
国立 17 6 26 9 58
戸山 10 5 14 7 36
青山 6 1 6 7 20
立川 2 5 7 5 19
八王子東 2 0 7 9 18

 

 

日比谷、西、国立の「特徴」がくっきりと表れています。

 

 

・日比谷→東大

・西→京大

・国立→一橋

 

3校の「ストロングポイント」が明確です。

 

(西に関しては「全方位」に強さを発揮するというという見方もできるかもしれませんが。)

 

 

国立の一橋大合格者26人というのは、特筆すべきものです。

これは、全国1位の「合格人数」となります。

 

よく知られているように、一橋大学は国立高校に隣接しています。

国高は、その「アドバンテージ」を最大限に生かしているということになりそうです。

 

 

 

浪人生を加えると、八王子東、立川と青山の「差」が小さくなっています。

 

青山の「東京一工」の浪人生の合格者は4人しかいませんが、八王子東と立川の浪人生の合格者はそれぞれ9人います。

 

 

 

「条件」をそろえて比べてみましょう。

 

「合格率」を算出します。

 

今年の各校の卒業生数をもとに、「100人あたりの合格者」を求めることができます。

100人のうち何人が合格したのか、を確認するわけです。

 

現役の合格者における「合格率」は、今年の卒業生の人数を用いて「適正な数値」を求めることができますが、浪人をあわせた合格人数を、今年の卒業生数で割って「合格人数の合格率」を求めるのは、少し「微妙」です。

 

それでも、「条件」をそろえて「合格率」を比べることで「見えてくるもの」があります。

精密なデータであるとはいえませんが、「参考」として、各校の「合格率」を算出して、比較してみましょう。

 

 

 

現役の「東京一工」の「合格率」と現役と浪人を合わせた合計の「東京一工」の「合格率」です。

 

 

 

卒業生

人数

現役

合格率 

合計

合格率 

日比谷 321 14.3 20.9
西 328 8.8 18.6
国立 369 9.2 15.7
戸山 357 7.6 10.1
青山 286 5.6 7.0
立川 314 3.2 6.1
八王子東 311 2.9 5.8

 

 

「序列」に変化は生じていないように見えます。

 

 

「東京一工」という指標は、非常に一般化されていて、多くの人がこれを「基準」として高校の「合格力」を測ろうとします。

 

これに基づくならば、日比谷、西、国立の「トップ3」に戸山が続き、青山、立川、八王子東の3校が遅れをとっているという「構図」になります。

 

 

特に、立川と八王子東が「苦戦」をしているという「見立て」になるわけです。

 

 

さらに、別の指標を用いて7校の比較をしてみましょう。

 

 

 

「東京一工」に、以下の大学の合格者数を加えたデータを確認します。

 

・北海道大学

・東北大学

・名古屋大学

・大阪大学

・九州大学

 

・筑波大学

・千葉大学

・横浜国立大学

・東京学芸大学

・東京外語大学

・お茶の水大学

・神戸大学

・東京医科歯科大学

・東京藝術大学

 

 

 

まず、現役の「難関国立大」の合格者数のデータです。

 

 

 

現役

日比谷 46 2 2 0 0 0 7 7 3 2 3 5 1 3 0 81 25.2
戸山 27 2 4 2 1 0 1 14 7 5 7 7 1 1 2 81 22.7
国立 34 7 5 1 0 0 4 5 7 3 8 2 1 0 2 79 21.4
西 29 5 2 2 3 1 5 4 3 1 4 4 1 1 0 65 19.8
八王子東 9 7 6 0 1 0 2 1 8 12 3 4 0 0 0 53 17.0
青山 16 3 0 1 3 0 3 7 2 1 6 1 0 1 1 45 15.7
立川 10 3 5 1 1 1 6 1 1 7 3 0 0 0 0 39 12.4

 

 

八王子東の実績が「上昇」していることがわかります。

 

次に、現役と浪人生を足した「難関国立大」の「合格人数」のデータです。

 

 

合格人数

日比谷 67 3 5  0 1 2 9 8 4 2 4 7 1 5 0 118 36.8
国立 58 11 9 1 2 2 7 11 13 4 11 2 1 1 2 135 36.6
西 61 9 4 2 4 2 7 6 3 2 6 4 1 2 1 114 34.8
戸山 36 6 6 2 1 1 1 16 10 6 7 7 1 1 3 104 29.1
八王子東 18 8 7 2 1 2 3 2 11 16 4 5 0 0 0 79 25.4
立川 19 9 8 3 2 3 8 1 5 12 5 0 0 0 2 77 24.5
青山 20 4 0 1 4 0 4 10 3 4 7 3 0 1 1 62 21.7

 

 

 

青山が遅れをとっていることがわかります。

 

 

立川の「浪人指向」が明確に表れています。

「現役」の数字は厳しくなりますが、現役と浪人を合わせた「合格人数」は他校に迫ります。

 

特に、東大、京大以外の「旧帝大」に強さを発揮しています。

北大、東北、名大、阪大、九大の計25人は、日比谷に並ぶ数字です。

 

 

八王子東は、「最難関」の下の「カテゴリー」で強さを発揮します。

横国10人、学芸16人です。

 

ちなみに、農工大26人、首都大27人です。

 

八王子東の受験指導の「真骨頂」は、校内中位層の学力を、中堅の国公立大学合格までに引き上げるところにあるのかもしれません。

 

 

 

最後に、7校の「国公立大学」の「合格者数」と「合格率」を見てみましょう。

 

まず、「現役」のデータです。

 

 

現役 現役

合格者

現役

合格率

八王子東 120 38.6
戸山 116 32.5
国立 119 32.2
日比谷 100 31.2
西 90 27.4
立川 86 27.4
青山 58 20.3

 

 

次に、現役と浪人を合わせた「合格人数」と「合格率」です。

 

 

合格者 合格

人数

合格率
八王子東 185 59.5
国立 201 54.5
立川 156 49.7
西 162 49.4
日比谷 158 49.2
戸山 158 44.3
青山 85 29.7

 

 

ともに八王子東がトップに立っています。

 

国立は、「母数」が多いということもありますが、国公立大学の合格者数が唯一200を超えました。(その中には、学位の認定されない「航空大学校」の合格者も含まれていますが。)

 

「現役」では6番手だった立川は、浪人生を合わせた「合格率」で、3位に浮上しました。

 

 

多摩地区の3校が「合格率」の「トップ3」を占めています。

 

 

 

おそらく、多摩地区の3校と、日比谷、西、戸山の「受験指導」には「差異」があります。

 

前者のグループは、「国公立大学」という「カテゴリー」で最大限の成果を出そうとしているはずです。

また、「浪人→国公立大学受験」という「路線」が、現実的な選択として、受験の「戦略」に組み込まれているように思います。

 

一方、後者のグループは、校内の学力上位層に対して、医学部を含めた「最難関」へのチャレンジを積極的に「後押し」するような指導体制になっているのではないかと想像します。

 

 

 

多摩地区3校のうち、特徴的な八王子東の「方向性」は、ちょっと評価が分かれると思います。

「東京一工」のような「強力な指標」のもとでは「埋没」してしまい、印象が悪くなってしまうからです。

 

今の「方向性」では、「入口」の「応募者」に対する訴求力が弱まって、じりじりと「出口」の「ターゲットゾーン」が後退しそうです。「学芸に行くなら、八王子東。」というように。

 

そうなると、さらに最難関大学を目指す生徒の受験回避傾向が強まり、「負のスパイラル」に陥る可能性があります。

 

個人的には、「最難関の実績」というのは、やはり「進学校」の宿命だと感じます。

 

 

 

そして、青山は、ちょっと「劣勢」に立たされていますね。

 

それは、「青山高校、今年、現役で東大6人」という「部分」だけを見ていても、わからないわけです。

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

受験パターンについて⑥(都立高校「推薦入試」)

⑥都立高校「推薦入試」+都立・私立「一般入試」

 

 

都立高校の「推薦入試」は、1月26日、27日に行われます。

 

都立高校の「推薦入試」は、「入学の縛り」があります。

したがって、日程に余裕があっても、私立の「推薦入試」とあわせて出願することはできません。

 

ただし、都外の「入学の縛り」のない「推薦入試」であれば、併願受験することが許されます。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」は、独特の選抜方法で知られています。

作文か小論文、それに集団討論と個人面接が課せられます。それに「内申点」を合わせて合否判定がなされます。

 

ほとんどの中学生は、「推薦入試」の直前まで、そのような「選考」を受ける準備もトレーニングもしていません。

ですから、地道に体得した成果を発揮するような受験ではなく、個人の「素に近い資質」が、入試得点に色濃く反映されるような受験になります。

つまり、訓練を積んで対応力を鍛える時間がほとんどないために、生来、性格的に「向いている」生徒に圧倒的に有利な入試になるわけです。

特に、集団討論や個人面接は、あがり症だったり、内向的だったり、表現が苦手だったりする生徒には、かなり「ハードル」の高い「試験」となります。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」について、「宝くじ」のようなもので、期待せずに、「一般入試」に向けて勉強して行くべきだ、という意見が根強くあります。

 

この考えの背景にあるのは、受験生が「過度の期待」を持ってしまうと、不合格だった場合に精神的ダメージが大きくなってしまう、という憂慮です。

 

しかし、個人的な考えを忌憚なく述べるならば、「そのようなメンタル」の受験生は、そもそも「向いていない」ように思います。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」について考察するときには、2つの「ファクター」に注目する必要があります。

 

ひとつは、受験生の「適性」です。

 

そして、もうひとつは、「内申」です。

 

「内申」、当たり前じゃないか、と思われる人も多くいるでしょうが、実は、毎年多くの受験生が「内申」を考慮することなく「推薦入試」に挑みます。

 

合格の可能性が、ほぼゼロの出願が、行われるのです。

 

 

たとえば、立川高校の「推薦入試」では、「内申」が「40」を切っている生徒は、合格の公算がほとんどありません。

 

ですから、「内申」が「40」を切っている生徒は「推薦入試」の出願に慎重になるべきです。

よほど、「自信」があって、「覚悟」がある受験生でなければ、その行為は徒労に終わる可能性が高いわけです。まして、スペシャルな「適性」を持たない生徒は、「逆転」も厳しいわけです。

 

 

多摩地区では、「オール5」=「45」の「内申」を持っている生徒の多くは、国高の受験を考えます。

おそらく、受験者のうち、「オール5」の生徒の数は、国高の方が西高よりも多いはずです。

 

立川や八王子東は、女子は「44」「43」、男子は「43」「42」の受験生が多くなります。

しかし、立川や八王子東の合格者の分布は、国高とあまり変わりません。

 

これらの高校の合格者の分布は、およそ「40」あたりが「ボトム」となっています。

女子の場合は、おそらく「40」以下では、合格率はゼロに近い1ケタとなっているのではないかと思われます。

(八王子東と国立には、ある年に「内申」が「40」を切っている受験生が合格していますが。)

 

 

「データ」等から得られる知見としては、都立の「推薦入試」に抜群の「適性」を持ち、さらに立川高校の評価基準に「運命的な」相性を持つ受験生でなければ、「素内申」が「40」以下の生徒は、出願を見合わせるべきであるということになります。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」は、「受けたいかどうか」、ではなく「受かる可能性があるかどうか」に基づいて判断しなければならないと思います。

 

私は、都立高校の「推薦入試」はいいものだと思っていますが、それは「展望」のある受験であることが前提です。

 

毎年、何百人、何千人もの受験生が、むなしい、無謀な挑戦に身を投じます。

「宝くじ」のつもりで期待することさえ「まちがっている」といえるケースも多々あります。

出願することが、そもそも「不合理」なのです。

 

「期待をするな」というのではなく、本来、「出願をするな」というべきなのです。

 

 

 

しかし、では、なぜ、そのような無茶な出願が横行するのでしょうか。

 

その大きな理由は、学校の先生が、「推薦」の「安売り」をしているからなのでしょう。

 

学校の先生からすれば、純粋な「温情」や「配慮」なのかもしれませんが、それは必ずしも受験生に恩恵をもたらすわけではありません。

 

「内申」が「38」の生徒は、上位校の「推薦入試」を受けることになっても、「逆転」はまず不可能なのです。

 

「推薦入試」の実態を知らない受験生は、「チャンスが増えた」と感じ、よろこび、張り切るでしょう。

しかし、ほとんど可能性のない「推薦入試」に向けて、精一杯頑張れば頑張るほど、「一般入試」に向けた受験勉強が削られるわけです。

その「矛盾」に陥っていることを、自覚することさえできないのです。

 

 

都立を第一志望とする受験生は、「推薦入試」を受けるべきかどうか、自分の「適性」と「内申」をよく検討して受験を考えるべきだと思います。

 

そして、その「情報」や「分析」を受験生に知らせることは、学習塾の役割になるでしょう。

 

 

 

ところで、一部の都立高校の「推薦入試」は、ある種の「アナーキー」に陥る危険な兆候が見えます。どうやら、「それ」を狙った出願が功奏するようになってきたみたいです。

武蔵、大泉、富士、白鷗などの「中学併設校」のことです。

 

ここで言及することで、すこしでも「正常」な「選抜」にもどりますように。

 

 

※この記事を書くにあたって、進学研究会さんや新教育研究会さんの資料を参考にさせてもらいました。

 

 

 (ivy 松村))

 

都立高校の最終応募倍率について

都立高校の「最終応募」の倍率が発表されています。

 

所感などをいくつか書きたいと思います。

 

 

まず、日比谷高校ですが、男子、女子ともに志願変更後に倍率が下がりました。

 

◎日比谷高校

・男子 2.52(-12人)←2.61  ※昨年3.25

・女子 2.23(-19人)←2.39  ※昨年2.40

 

 

日比谷の男子は、例年に比べて低倍率で推移しました。

昨年度の最終応募では、3倍を超える倍率でした。

本年度の日比谷高校の男子は、昨年度の最終応募人数と比べて「-97」となっています。

 

 

私は、日比谷高校の男子の倍率は、本年度はもしかすると上昇するかもしれないと思っていました。

 

まあ、そういった予想をたてること自体は極めて平凡な行為です。

 

しかし、個人的に、痛恨を感じていることがあって、それは、その予想をこのブログに書いてしまったことです。

それは、もしかすると、志願傾向にやや「影響」を与えたかも知れません。

 

 

いずれにしても、都立高校入試における最大の「挑戦」であるといえる、日比谷の受験が強く抑制されているという、本年度の状況です。

 

これは、都立高校受験全体の「安定志向」を象徴しているように感じています。

 

 

 

立川高校は男子、女子ともに志願変更後に倍率が上がりました。

 

◎立川高校

・男子 1.56(+9人)←1.50  ※昨年2.10

・女子 1.54(+6人)←1.49  ※昨年1.46

 

 

立川は、倍率が上昇すると予想していました。

おそらく、多くの関係者がそう考えたでしょう。

 

 

ところで、志願変更の予想をする際に少し注意が必要なことがあります。

それは、「取下げ」「再提出」の増減によって最終応募人数が確定し、倍率が算出されるという当たり前のメカニズムに対する想像力についてです。

 

本年度の立川の男子は、志願変更によって「+9」となりましたが、これは増減の結果として「9人増えた」ということであって、「絶対数」に「9」が「上乗せ」されたわけではありません。

もちろん、頭では分かっているはずのことですが、私たちは「増えた/減った」という結果が示す数字だけにとらわれてしまいがちです。

 

たとえば、昨年度の立川高校の志願変更の前と後の応募人数について、多くの人は「大きな変化がなかった」と感じたことでしょう。

倍率が2倍を超え、激戦となった昨年度の立川の男子の応募人数は、志願変更前の279人の応募が276人へと推移し、志願変更後に「-3」となりました。

 

しかし、その内実は、取下げを行った受験生が28人、再提出を行った受験生が25人おり、応募人数は「印象」よりも大きく増減していたわけです。

その「結果」として「-3」の「微減」となっていたのです。

 

 

私は、本年度の都立高校入試を「安全志向」という「切り口」からとらえようとしているので、増減の数が気になっています。

 

 

 

都立高校入試の「最難関」に位置づけられている、日比谷、西、国立、戸山、青山、八王子東、立川の「G7」(安易なネーミングですが)全体の応募人数の推移をみてみましょう。

 

 

年度 男子(人数) 女子(人数)
28 1884 1554
27 2188 1629
26 2122 1562
25 2098 1551
24 2180 1599

 

 

 

男子は、昨年に比べて「-304」、女子は「-75」人となっています。

 

女子と比較して、本年度の「学力上位層」の男子の受験生が「G7」の受験を回避する傾向にあることが読み取れます。

 

昨年度の「G7」全体の男子の倍率は2.31です。本年度は2.03と、大きく下降しています。

一方、「G7」全体の女子の倍率は昨年度が1.90、本年度は1.85となっています。

 

女子の志願傾向は、男子と比較して、本年度の都立高校入試制度の変更による影響が少ないといえます。

対照的に、男子は「安全志向」の色彩が強くなっていることがうかがえます。

 

 

また、志願変更の前と後では、男子が「-53」、女子が「-78」となっています。

 

 

 

さて、本年度、志願変更による都立の各高校の倍率の変化を見て私がもっとも興味をかきたてられたのは、大泉高校の男子でした。

 

◎大泉高校

・男子 1.90(-6人)←2.10  ※昨年1.74

・女子 1.26(+7人)←1.03  ※昨年1.48

 

 

中学併設校である大泉、富士、白鷗、両国、武蔵の5校は、おおむね予想通りの倍率の推移を示しました。

これらの高校は、応募倍率が低迷していましたが、志願変更後に上昇がみられました。

(そのうちの何人かは、「G7」からの「流入」であると考えられます。)

 

 

昨年度の中学併設校の最終応募時の倍率は、特に男子が高く、富士、白鷗、両国は2倍を超え、武蔵も最終的には1.81倍となりました。

この学校群の男子のなかで、大泉の1.74という倍率は最も低い数値となっていました。

 

本年度は、昨年度の高倍率の反動で、中学併設校全体の高校の募集が低調となりました。

 

去る12月の中学校長会による本年度の都立高校「志望予定調査」で、ほとんどの中学併設校の志望予定者は、募集人数を下回りました。

倍率が「1」を越えたのは、大泉の男子、富士の男子だけでした。この時点で大泉の男子は1.36、富士の男子は1.31です。

(実はこのとき、大泉の男子は中学併設校全体のなかで最も高い倍率になっていました。)

 

 

その後、大泉の男子の倍率は、推薦入試の応募状況をふまえて、意味深い変化を示します。

 

推薦入試の倍率が発表されたときに、まず、大きな驚きがありました。

大泉の男子の倍率が、0.88となっており、「1」を割ってしまっていたのです。

(一方、富士の男子は3.00倍でした。)

 

 

推薦入試における倍率の「インパクト」が大きく作用して、出願時の大泉の男子の倍率は、2.10と大きく上昇します。

 

「今年の大泉の男子は入りやすくなっている」という反射的な判断があったのかもしれません。

 

・推薦入試の倍率0.88 → 一般入試の倍率2.10

 

 

この推移は、なかなか「芸術的」です。

 

本年度の中学併設校の倍率が全体的に低迷していたので、2.10という高倍率もまた、大きな「インパクト」がありました。

 

 

問題は、この倍率の「行末」でした。

この倍率は大きく下がるのか、それとも高止まりするのか。

 

 

大泉に出願した男子の受験生は、自分も、「まわり」も、「倍率を強く意識していることを意識」しています。

自分自身が「そう」であるように、「まわり」も推薦入試の倍率をみて、「ねらい目」だという判断で出願したのだろうと思っているわけです。

 

 

高倍率の入試は、誰にとっても嫌なものです。

しかし、激戦を嫌って志願変更する受験生が多くいれば、最終応募の倍率は下降するはずです。

 

もしかすると、「降りる」か「受ける」かの、「鶏の我慢比べ」が静かに繰り広げられていたのかもしれません。

 

 

結果的に、応募人数は志願変更によって「-6」となり、倍率は1.90となりました。

意外に少ない数字だと感じました。

 

 

本年度の大泉の男子の倍率の推移は、多くの示唆があって、本当に興味深く思いました。

 

 

 

 

ところで、本年度、私は都立高校受験をする生徒を受け持っていません。

ですので、この都立高校の志願傾向分析は、いってみれば道楽のようなものです。

まあ、少なくとも今年に関しては、切実な必要性はないわけです。

 

では、どうしてこのようなものを発信しているのかというと、結局は私が「数寄者」であるからなのだろうとは思いますが、それでも、少しばかりの「善意」があったりするわけです。

 

思慮深い人にとっては、「それなりに価値のある情報」だと思うわけです。

このブログの情報に触れて、考えを深めたり、行動を変えたりする人が、もしかするといるのかもしれないと思ったりするわけです。

 

 

去年、このブログをはじめたばかりの頃、ときに「批判的」な文章を書くことがありました。

たぶん、「あまりよくわかっていない塾」にいらだっていたのですね。

 

アクセス数の解析などをやったことがないので、いったいどのくらいの人がこのブログを読まれているのか見当もつかないのですが、以前から読まれている方がいらっしゃれば、私の「ニュアンス」が変わってきたことに気づいておられるかもしれません。

 

 

本当に「変化」を求めるのであれば、「変化」が訪れるようなやり方をしなければならないのだと、思うようになったのです。

 

 

不遜ないいかたになってしまうかもしれませんが、生徒たちに学んでもらいたいと思うのと同じように、いろいろな人に「受験」のことや「勉強」のことや「塾」のことについて知ってもらいたいと思うわけです。それが、ひとつのモチベーションになっています。

 

 

究極的には、塾の世界に、自分と同じような感性で物事をとらえている人がいるのかどうかを知りたいという希望があります。

 

 

ただ、「志願傾向分析」は、今後どう展開しようか考えているところではありますが。

 

 

(ivy 松村)

 

 

都立高校の応募倍率(志願傾向分析)②

都立高校の応募倍率で、やはり気になるのが立川の男子です。

 

昨年の応募倍率「2.10」から、大きく下がり、本年度は「1.50」となっています。

昨年の応募人数は279人でした。

本年度は199人ですので、昨年と比べて「-80」となっています。

 

 

 

実は、立川高校は2年前に大学合格実績が若干低迷しました。

(ちょっと気になって調べてみたのですが、もしかしたら、「授業時間の変更」が原因のひとつだったのかもしれません。昨年度は回復しています。)

 

本来なら、進学校の大学合格実績の伸び悩みは、次年度の応募に影響します。

しかし、昨年度、立川の男子の応募倍率は、2倍を超え、近年で最も高い数値となりました。

 

 

一昨年度と昨年度に立川高校の男子の倍率が大きく上昇した理由については、昨年度の「志願傾向分析」で言及しています。

 

近接する国分寺高校が一足早く特別選考を廃止したために、地域内で、内申点にとらわれない受験が可能な高校が、立川と国高のみになったことがおもな原因であると考えられます。

 

従来、国分寺は男子の応募が多い高校でした。

その国分寺が特別選考を廃止したことで、得点力で勝負したいと考える男子の受験生の「需要」が立川に集中した結果、高倍率の受験となったのです。

 

 

 

受験倍率は二つの要因によって規定されていると考えることができます。

それは、「内部的要因」と「外部的要因」です。

 

大学合格実績などの、高校が持つ「魅力」や「価値」は「内部的要因」ととらえることができます。

一方、入試全体のシステムや制度、「他校の動向や事情」は「外部的要因」とみなすことができます。

 

ある高校の「内部的要因」が減退することになっても、相対的に「外部的要因」にアドバンテージがあれば、応募の「相場」は下落することなく維持されるでしょう。

逆に、「内部的要因」が充実していても、「外部的要因」が作用して、受験生が集まらないということもあり得ます。

 

 

立川高校の場合、一昨年の大学合格実績は振るわなかったわけですから、昨年度の「内部的要因」の「スタッツ」は低下していたわけです。しかし、他校に比べて受験制度の面で大きな訴求力があったために、応募にかげりがさすことなく、倍率が上昇したのだと考えることができます。

 

一方、本年度、すべての都立高校の入試で特別選考が廃止され、内申点の換算方法が変更されました。

これは、「外部的要因」の変化です。立川高校は、本年度は、昨年度の高倍率のインパクトや、入試制度の変更が大きく作用して、受験生の応募人数を減少させています。

 

 

 

本年度はすべての都立高校で特別選考が廃止されたために、各高校の「条件」は横並びになってしまいました。

 

立川の「男子」は特に、特別選考という制度と「校風」がマッチしていたために、これまではこの制度を有することが非常に大きな「強み」となっていました。

 

今回の倍率の「下落」は、その反動であるとみることもできます。

 

 

やはり、特別選考の廃止は本年度の都立高校入試に大きな影を落としていると思います。

(町田高校の男子の倍率の低下も、同じように特別選考の廃止が影響しているのかもしれません。)

 

さらに、内申点の算出方法が変わり、合否のボーダーが読みづらくなっているために、「安全志向」の出願が多くなっているのだと思います。

 

 

 

地域的、学力的に募集の対象となる生徒が重なる立川高校と八王子東高校は、比較して語られることが多いのですが、近年、立川は八王子東を「逆転」しているとみなされていました。

しかし、本年度の動向からすると、立川と八王子東の序列に再度変化が起こりそうな気がします。

 

 

また、国分寺高校の応募が「回復」してきたことで、周辺の上位校の倍率が若干下がっているように思います。

 

 

(多摩地域の都立高校の階層性に着目して志願傾向をみると、さらに「流れ」が見えてきます。)

 

 

(ivy 松村)

 

立川高校と八王子東高校の推薦入試について

立川高校と八王子東高校の推薦入試について書きます。

 

 

立川は、集団討論・個人面接の「配点」が200点、小論文が300点です。

 

 

集団討論・個人面接の得点分布を見ると、高得点を取っている受験生が多いことがわかります。

190点以上が11人、180~190点以上が8人、170~179点以上が10人います。

 

 

立川高校は、積極的に発言するタイプの生徒が集まる学校です。

また、そういった生徒を評価する校風があります。

 

「積極的」というのは、堂々と「自分の」意見を述べるということです。

(当たり前ですが、それは「独自の」という意味ではありません。)

 

そして、立川の集団討論のテーマは、「社会問題」に寄っています。

社会的なニュースに関心を持っている生徒にとっては、環境問題や国際関係といったテーマは発言しやすいものだと思います。

逆に、新聞などを読む習慣のない受験生は苦しくなると思います。

 

 

個人面接では、過去に、「思いがけない質問」をされた、という生徒がいました。

 

これは、個人的な印象も含めた上での意見ですが、立川高校は、「型」にはまった「お利口さん」ではなく、物怖じすることなく、機敏にものごとに対処できるような人物が評価されるように感じます。

 

 

小論文は「配点」が高く設定されていますが、得点は抑えられています。

300点満点となっていますが、150~160あたりが得点分布の「山」になっています。

昨年度は240点以上を取った生徒が1人しかいません。

 

小論文で「突き抜けた」ものが書ければ、他を大きく引き離すことができます。

 

小論文では、グラフや表などの資料の「読み取り」の訓練が必須です。

また、近年では、人文科学系の題材がつかわれる傾向が出てきました。

「コミュニケーション」に関して、考えをまとめておくといいかもしれません。

また、時間があれば哲学・心理学・言語学などのトピックについてまとめておくと役に立つかもしれません。

 

 

 

あと、立川高校の推薦入試を受ける受験生は、必ず、「推薦合格のみなさまへ」を受験前に読んでおきましょう。

 

 

 

八王子東も、集団討論・個人面接の「配点」が200点、小論文が300点です。

 

 

八王子東は、どちらかというと落ち着いていて、堅実で、そつなくものごとをこなしていくようなタイプの生徒が集まる印象があります。

(通っている生徒からすると、「そんなわけはない!」とツっこまれそうですが。)

 

集団討論・個人面接の得点分布を見ると、110~139点がかなり高い「山」になっています。

もしかすると、「典型的」なタイプの受験生がこの辺りに集中するのかもしれません。

 

この得点域にいる限り、合格は厳しくなります。

推薦入試で求められている人材は、どちらかというと「個性」をもった生徒だと思います。

 

データを見る限り、八王子東の受験生は集団討論・個人面接で「苦戦」をしているように見受けられますが、逆にいえば、「ここ」で点数を固めることができれば、かなり優位になります。

 

 

集団討論のテーマには、コミュニケーションやマナー、モラルといった題材が使われる傾向があります。

こうした内容は、中学生にとっては、身近でありながら漠然としたものなので、討論しづらいと思います。

 

大きな「ヒント」を述べるならば、「公共性」というものを、八王子東は重視しています。

 

 

小論文の得点分布は、210~224点の帯域に密集しています。

ある意味で、小論文では「差」がつきにくいといえます。

 

小論文対策として、やはり、グラフ、表などの数値の「読み取り」の訓練は必須です。

そして、「学び」「人生」といった(普遍的価値を持つ)抽象的な概念について、思考を巡らせる力を測ろうとしているように思います。

 

おそらく、「小論文」から逸脱して、身近な「体験」を書き連ねた「作文」を仕上げてしまう受験生が多くいるはずです。

そういった解答は、点数が上がってこないと思います。

そして、それが理由で、小論文の得点が「だんご」になっているのだと思います。

 

調査書が「厳しい」受験生にとっては、小論文が「鍵」になるかもしれません。

 

 

 

両校だけでなく、都立高校の推薦入試を受ける生徒が気にかけておかなければならないのは、「傾向の変化」です。

 

集団討論が導入されて4年目です。

入試問題の形式や傾向は「3年」を単位にして変わることが多いので、4年目の本年度に、新しい出題の形が試される可能性があります。

 

やはり、小論文も、3年程度を目安として、内容が大きく変わることがあります。

 

 

受験生は、もちろん、過去問をはじめとする「情報」をもとに受験対策を行っていくものですが、都立の推薦入試の場合は、より包括的で柔軟な準備が必要です。

 

同レベルの別の高校の問題なども見ておくとよいかもしれません。

 

 

 

さて、実は、本年度はこの塾に都立高校の推薦入試を受ける生徒はいません。

 

にもかかわらず、忙しくてたまらないこの時期に、このような文章を書いているわけです。

(「だからこそ」書ける、ともいえますが。)

 

 

 

これは、応援のつもりです。

直接的ではなくても。

 

 

(ivy 松村)

 

 

立川高校の大学合格実績

立川高校は、ホームページでかなり興味深いデータを公表しています。

毎年の「進路決定者数」です。

 

今年のデータを見てみましょう。

 

 

平成27年度3月卒業生の進路決定者・進路決定率

 

    男子     女子     合計
卒業者数 170 150 320
国公立大 47 (27.6%) 34 (24.7%) 81 (25.3%)
私立大 42 (22.7%) 78 (52.0%) 120 (37.5%)
専門等 0 1 (0.7%) 1 (0.3%)
予備校等 81 (47.6%) 37 (24.7%) 118 (36.9%)

 

 

今年立川高校を卒業した生徒のうち、国公立大学へ進学したのは男子47名、女子34名です。その合計は81名です。これは、卒業者数320名のうち、男女計25.3パーセントに当たります。

 

つまり、4分の1の生徒が、現役で国公立大学に進学したのだということになります。

 

国公立大学の進学率は、その前の年度が、近年で最も低い数値になっていましたので、昨年度は低迷を脱した年になりました。

 

ここ数年の立川高校の国公立大学の進学率は、20パーセント前後から25パーセントとなっています。

 

「ざっくり」とまとめれば、立川高校の生徒は、2割強の「確率」で国公立大学に進学する「可能性」を手にするということになります。

 

 

 

私立大学への進学者は、男子42名、女子78名で、合計120名となっています。

男女計37.5パーセントが私立大学に進学します。

 

「予備校等」は男子81名、女子37名で、合計118名となっています。男女計36.9パーセントです。

「ざっくり」と、3分の1の生徒が現役では大学に進学しないということになります。

 

男子に限れば、47.6パーセントが「予備校等」であり、逆にいえば、現役での大学進学率は5割強であるということになります。

この数値は非常に興味深く思います。もちろん、進学・就職等の意思がない卒業生もこれに含まれていると思われますが、その多くは大学進学を希望して「浪人」という選択をしていることが推察されます。

 

立川高校は、一部の関係者のなかで、ある意味で、「浪人」に「積極的」な生徒が多い高校であるという見方があります。

現役での大学進学にこだわらないタイプの生徒が集まってくるような「校風」とでもいえるでしょうか。それは、立川高校の「伝統」と無関係ではないのかもしれません。私立の桐朋高校にも似たようなところがあります。

 

最近は、都立のトップグループの高校群は、相応の大学合格実績を上げることが求められていますので、先生方の指導にも熱が入っていらっしゃると感じます。

であるにもかかわらず、というべきなのか、あるいは、そのために、というべきなのか、わかりませんが、いずれにしても、浪人も辞さない受験に挑むような生徒が、あるいは、浪人を覚悟して高校生活をおくるような生徒が、一定数いるのでしょう。

 

 

 

では、浪人して国公立大学に進学する生徒はどれくらいになるのでしょう。

 

 

立川高校が公表している「合格状況」によれば、昨年度の「既卒」=浪人生の国公立大学の合格者は53名となっています。

立川高校の一昨年度の「予備校等」の数は、近年では最も多く、男女計132名となっています。

「ざっくり」と考えて、132名のうち53名が国公立大学に進学するとなると、浪人生の約4割が国公立大学に合格するという計算になります。

 

 

もちろん、これは、過年度の卒業生の合格者の数ですから、必ずしも全員が合格した大学に進学するとは限りません。しかし、一般的に考えて、浪人生が国公立大学を受験し、合格を手にして、進学を辞退することは考えにくいことですので、およそ、進学者数と一致する数であると推定することができると思います。

 

また、「既卒」には、いわゆる「二浪」以上の学生が含まれます。

一方で、大学受験から「フェードアウト」していく卒業生もいるだろうことを考慮すれば、浪人生全体の数は、その年度の「予備校等」の人数より少し多いくらいの数字に収束するのではないかと思います。

 

 

細かい数字を気にせず、「ざっくり」と、立川高校の進学状況を見わたしてみると、学年の約25パーセントが現役で、また、15パーセントほどが浪人をして国公立大学に進学します。

学年全体では、最終的に、約40パーセントが国公立大学に進学すると推測することができると思います。

 

 

 

難関私立大学の合格実績も加えてみましょう。

 

「サンデー毎日」6月28日号や「週刊朝日」6月26日号に、「有名・難関大学」への「現役進学者数」が掲載されています。

このデータは、「株式会社大学通信」が行った調査によるもので、週刊誌が独自に調べたものではありません。これだけの取材を行う労力は、並大抵のものではないと思います。

 

いくつかの数値が、高校が公表しているものとずれていることが確認できます。

しかし、「ざっくり」とした概況を把握するためには、比類なき資料であると考えます。

 

 

 

週刊誌のデータによれば、昨年度の、立川高校の「早慶上理」(早稲田大・慶應大・上智大・東京理科大)への「現役進学者数」は、合計32名です。

立川高校が発表している資料によれば、現役での「早慶上理」の合格者数は88名ですから、合格者数のうちの約36パーセントがこれらの大学群に進学したという計算になります。

 

 

また、「MARCH」(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)への「現役進学者数」は46名です。

立川高校が発表している資料によれば、現役での「MARCH」の合格者数は210名ですから、合格者数のうち約22パーセントが「MARCH」に進学したという計算になります。

 

 

整理してみます。

 

立川高校の現役での国公立大学の進学者は81名です。

「早慶上理」への進学者は32名です。その合計は113名です。

したがって、昨年度の卒業生の約35パーセントが、国公立大学か「早慶上理」へ現役で進学したことになります。

 

また、「MARCH」への進学者は46名です。

上記の人数にこれを加算すると、その合計は159名になります。

したがって、昨年度の卒業生の約50パーセントが国公立大学か「早慶上理」+「MARCH」に進学したことになります。

 

そのうえ、ICUや学習院といった名門私立大学への進学者も含めると、「進学実績」の数値はさらに上昇します。

 

 

立川高校の生徒は、5割以上が「MARCH」以上の大学に進学する「可能性」を手にする、と考えると、これもまた興味深いデータです。

 

逆にいえば、現役で私立大学に進学した120名のうちの3割ほどは、これら「以外」の大学に、現役で進学したのだということになります。

 

 

 

さて、これまでにも何度も述べてきたことですが、立川高校という「ブランド」をまとったからといって、「その先」が約束されているわけではありません。

 

入学して、その3年後には、「序列」がくっきりとあらわれてしまうわけです。

入学を「目標」にしてしまっては、「その先」がしりすぼみになってしまいます。

 

 

 

「進学校」に通う「メリット」のなかでもっとも価値があるのは、実は、「高水準」の教育を受けることができるというものではありません。

 

 

本当の「財産」となるのは、周りの友人たちなのです。

 

自分がまったく歯が立たない問題を解くライバルがいる、驚愕するほどの知識を持ったライバルがいる、たった数分間で課題を終わらせてしまうライバルがいる・・・そういう「環境」が重要なのです。

 

ここに記しているのは、そんなライバルたちが「何パーセント」いる!ということなのです。

 

 

立川高校を受けようと思っている中学生は、彼らと張り合えるだけの力をつけて入学しようと思わなければダメなのです。

 

高校入試をどのように乗り越えていったのか、という「経験」は、非常に重要です。ですから、都立入試だけを対象に、「省エネ」の受験勉強をすればよいという安易な考えに反対なのです。

 

そして、立川高校に合格した生徒は、彼らに食らいついていくだけの意志を持たなければダメです。

 

せっかく「そこ」にいるのに、そういう「環境」を無視してしまったり軽んじてしまったりすれば、自分が成長していくことができなくなります。

 

 

(はっきりいって、都立トップ校の生徒であっても、相応の大学を受験するのであれば、塾や予備校に通う必要があります。もちろん、素晴らしい先生方がいらっしゃることをうかがい知っています。でも、「指導」への期待ではなく、「環境」への期待を大きく持ってほしいと思います。)

 

 

 

「入学者」に無条件で「可能性」がプレゼントされるわけではありません。

「可能性」は結局、「皮算用」です。

 

「可能性」ではなく、「実力」を手にするために、努力しなければなりません。

そのために、ハイレベルな高校に入るのです。

 

 

(ivy 松村)