平成30年度 都立高校「自校作成」の国語

進学指導重点校の英数国の入試問題は、本年度から「自校作成」となりました。

各校が、5年ぶりに独自問題を作成するとあって、「業界」でも大きな注目が集まりました。

 

 

私は、各校がリリースしている「出題の方針」に注目していました。

 

これをみれば、各校の出題構成と内容が、かなり精密に把握できると理解していたからです。

 

特に気を配っていたのが、国語でした。

国語の「記述」がどうなるのか、が本年度の入試の大きなポイントでした。

 

 

 

日比谷、西、戸山の3校が、大問3で「記述」を課すことは数か月前から判明していました。

また、国立が、大問3で「記述」を出題しないことも、数か月前から判明していました。

 

 

4校は、「出題の方針」をホームページに掲載し、公表していました。

 

いずれの高校も、入試選抜という「プロジェクト」を周到に準備してきたということがわかります。

 

4校の入試問題は、「出題の方針」に沿って作問されています。

 

 

 

一方、青山、八王子東、立川の3校は、「出題の方針」をホームページに掲載していませんでした。

 

 

青山は、都立の入試日になっても、まだ昨年の「出題の方針」をホームページに掲載したままでした。しかし、意外にも、今年の入試問題を最も早くホームページに掲載したのは青山高校でした。

その際に、今年の「出題の方針」もアップされました。

(ちなみに2番目は日比谷で、3番目は八王子東です。)

 

 

国語の入試問題は、すぐにはホームページ等に掲載できないので、現時点で問題を見ることはできませんが、「解答」と照らし合わせて「出題状況」を確認しました。

 

 

青山は、「出題の方針」で「記述」を示唆しないまま、「記述」を出題しています。

 

まあ、「出題の方針」で示された内容には「出題形式」自体への言及がなされていないので、「記述」が出題されたとしても、「出題の方針」に適合していないとは言えない、という「弁解」が、なんとか可能かもしれません。

 

 

この塾に青山を受ける受験生がいたら、ちょっと困ったことになったかもしれませんが、それでも、私は、青山の問題作りは評価できると考えています。

 

 

私は、一貫して、

 

・「記述」を出すべきである

・難度を上げるべきである

 

という主張をしてきました。

 

 

「解答」を見ただけの印象に過ぎませんが、青山高校の入試問題は、非常に熱が入っていると思います。

 

問題点は、入試選抜、もっといえば「生徒募集」が、ちょっと「ちぐはぐ」になっているということです。

 

英語でも、大問3の文章が、「物語文」なのか「説明文」なのかを明示していません。

おそらく、「出題の方針」は、実際の入試問題を想定しないまま作られたのではないかと思います。

「出題の方針」を出さなければいけないので、「とりあえず」あいまいな形でリリースして、後で問題を作り込んでいったのかもしれません。

 

 

「担当者」どうしの「連携」が取れていないとか、「生徒募集」を総括する人が総合的な指示を出していないとか、そういう部分があったのかもしれません。

 

 

 

そして、八王子東と立川です。

私は、2校の「資料」を手にし、「出題の方針」を確認することができました。

 

八王子東と立川は、ともに「入試説明会」で「グループ作成のものと同じような問題」を作ると説明していました。

 

それで、国語の入試問題で「記述」が出題されないという「予断」を持った受験生や受験関係者は多かったはずです。

しかし、八王子東と立川の「出題の方針」には、大問3について以下のように記されていたのです。

 

 

八王子東「文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容をまとめ、表現する能力などをみる。」

 

立川「文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容を適切にまとめ、表現する能力などをみる。」

 

 

ともに大問3で「表現する能力」を検査すると書かれてあります。

したがって、私は、両校は大問3で「記述」を出題すると判断しました。

 

 

 

八王子東は、「記述」を出題しました。これは、まったくの予想どおりでした。

 

一方、立川は、大問3で「記述」を出題しませんでした。

 

 

 

八王子東は、この一年、いろいろな面で非常に精力的な取り組みをしているのが伝わってきました。

とりわけ、今回の入試問題は気合が入っていると思います。

問題作りに「攻め」の姿勢があって、ちょっとグッときますね。

 

八王子東の取り組みが変わってきた理由の1つは、昨年の入試で応募人数を大きく減らしてしまったことでしょう。

また、もうひとつは、このままでは進学指導重点校の指定が危うくなるという危機感だと思います。実は、八王子東は、難関4大学の合格実績が下降し、進学指導重点校の「基準」のひとつを満たしていません。ある意味で、「酌量」されて、昨年の進学指導重点校の再指定を受けたわけです。

 

 

ただ、八王子東も、統率が取れた「生徒募集」になっていなかった印象です。

「説明会」などで、魅力をアピールしきることができていませんでした。

 

「入試説明会」では、国語に関してけっこうユニークな内容のお話しがあったということですが、「記述」については触れられなかったようです。そのうえ、「独自問題」について「グループ作成と同じような問題」を出題すると表明していたそうなので、実際の入試問題を目にして、驚いた人も多かったのだろうと思います。

 

 

 

そして、立川です。「表現する能力をみる」と明言していながら、そのための設問が用意されていません。

 

立川の問題を見ましたが、国語は、ボーダーを押し上げる要因になりそうです。

大問3で苦戦した受験生は少なかったと思います。さらに、決定的なのが大問4で、ほとんどの受験生はここで無難に得点を確保できたはずです。

 

立川の国語の問題は、大問3・4と、大問5の「統一感」がバラバラで、しかも全体の「バランス」がとれていません。

大問5は、古文の先生が作っていると思います。これは「骨」のある問題でした。

しかし、多くの受験生は、大問3・4では時間を取られないので、大問5に十分な時間をかけることができたはずです。

 

 

 

立川は、「入試説明会」で合格者の「内申点」の情報などを明かしています。

たとえば、男子は「オール4」に届いていなくても、入試得点で「逆転」できることなどが、データで示されました。

こうした積極的な「情報開示」が、立川の男子の倍率を高めた要因のひとつとなりました。

 

しかし、入試問題が易化し、入試得点が高得点域で均衡してしまうと「内申点」が乏しい受験生にとっては不利な受験になるわけです。

 

 

青山や八王子東と同様に、立川も、「生徒募集」と「作問」が「ちぐはぐ」だったわけですが、他の2校とは違い、立川の場合、「作問」に対する「意識」がおろそかだったという印象です。

 

 

 

虚飾なしに、端的にいえば、日比谷、西の「情報」は、「信頼」できます。

むしろ、高校が出してくる情報を細部までしっかりと読み取ることが大事です。

 

戸山も堅実です。

 

 

国立は、実はちょっと「気がかり」です。

 

国立高校は、かつては国語の入試問題で「重厚で濃密な記述」を出題することで知られていました。現在は見る影もありません。

 

積極的な「差換え」を行わなかった近年の入試問題に大きな違和感を持っていましたが、今年の「自校作成」でも「守り」の姿勢を崩していません。

 

 

日比谷と西は、問題作りと採点に対して、「覚悟」を持っています。

 

「この御時勢」ですから、「採点ミス」などがあれば、大きな責任問題になるでしょう。

それでも、「記述」を増やしました。

 

それから、戸山、八王子東、青山も前に進む決意をしました。

 

 

でも、国立は、ちょっと「教育庁のほう」を気にし過ぎているような印象を受けます。

 

 

国立高校の「歴史」を調べてみると、この高校は、「立地」を含めて、けっこう「ラッキー」が重なって、進学校としての「地位」を向上させてきたことがわかります。

 

適切な言葉なのかどうか、あまり自信はありませんが、あえていえば、もしかすると「殿様商売」といえるのかもしれません。

 

 

「集まってくる生徒のパワーと能力」を最大限に引き出すことができるのは、伝統の「強み」なのかもしれませんが、逆にいえば、「集まってくる生徒の質」が変われば、一気に「高校の質」も変わってしまう危険性を持った高校だと思います。

 

 

ちょっと「今の方向性」は、怖い気がします。

 (ivy 松村)

「出題の方針」の確認

本年度の入試の出題構成について確認しましょう。

 

 

「グループ作成」、「自校作成」の高校は、「出題の方針」をもとに、入試に備える必要があります。

 

 

 

日比谷高校の「出題の基本方針」の「各問のねらい」を見てみましょう。

 

 

□1 漢字を正しく読む能力をみる。

 

□2 漢字を正しく書く能力をみる。

 

□3 文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力、表現する能力などをみる。

 

□4 説明的な文章を読み、叙述や文脈などに即して、語句や文の意味、文章の構成及び要旨などを正しく読み取る能力をみるとともに、考えが正確に伝わるように根拠を明らかにしながら、自分の意見を論理的に表現する能力などをみる。

 

□5 古典に関する文章を読み、古典並びに現代の語句及び文章の内容についての理解などをみる。

 

 

 

日比谷高校の国語の漢字の出題は、「グループ作成以前」とその後で構成が変わっています。

 

以前は「文章題からの引用」でした。私立の入試でよくみられるパターンのもので、文章中からいくつかの語句が取り上げられ、その漢字の「読み」や「書き」を問われるという形式でした。

「グループ作成」となってからは他校と「足並み」をそろえる必要から、大問1が「漢字の読み」、大問2が「漢字の書き取り」という独立した問題構成となりました。

 

 

「自校作成」に回帰した本年はどうなるのか、それは、「出題の方針」に示されています。

本年は、「グループ作成」と同じ構成になることがわかります。

 

 

「出題の方針」を参照せずに、暗中模索におちいっている受験生がいたら、説明会で入手したものを確認するとよいと思います。

 

 

 

さて、本年度の国語の入試を予測するうえで、「記述」がどうなるのか、気になっている人も多いと思います。

 

 

各校の大問3の「出題の方針」を比較してみましょう。

 

日比谷「文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力、表現する能力などをみる。」

 

戸山「文学的な文章を読み,叙述や描写などに即して,場面,登場人物の様子,心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容を適切にまとめ,表現する能力をみる。」

 

国立「文学的な文章を読み,叙述や描写などに即して,場面,登場人物の様子,心情などを正しく理解する能力をみる。」

 

 

日比谷や戸山は大問3で記述問題が出題されるでしょう。

一方、国立は記述問題が出題されないでしょう。

 

 

また、いずれの高校も、大問5で「記述」は出題されないでしょう。

 

 

受験生向けの説明会や塾向けの説明会で、本年度の入試は「グループ作成と同じような出題」になると説明していた高校があったようです。

それで、たとえば、昨年と同様に「記述」は出題されないと高をくくっていると、当日に驚くことになるかもしれません。

その高校の「出題の方針」を見てみると、ちょっと違った出題になるということがみえてきます。

 

 

 

日比谷は、英語の「出題の方針」の「各問のねらい」も確認しておく必要があります。

 

 

□1 自然な口調で話される英語を聞いて、その具体的な内容や大切な部分を把握したり、聞き取った事柄について英語で表現したりする能力をみる

 

□2 まとまりのある対話文を読み、その流れや大切な部分を把握したり、読み取った事柄などについて英語で表現したりする能力をみる

 

□3 物語文を読み、そのあらすじや大切な部分を把握したり、読み取った事柄などについて英語で表現したりする能力などをみる

 

4 短い対話文を読み、読み取った事柄について、異なる2つの意見を適切に英語で表現する能力をみる

 

 

大問1は、全校共通のリスニングです。

大問2~4が独自問題ですが、それぞれ大問2は「長大な対話文」、大問3は「物語文」、大問4は「短い対話文」の問題であることがわかります。

したがって、「説明文」ではなく、「対話文」や「物語文」を読む「準備」をしておかなければなりません。

 

また、すべての大問で「英語で解答する設問」があることがわかります。

それは「抜き出し」の問題なのかもしれませんが、「英語で解答を記述する」問題である可能性が高いと思います。

 

注目すべきは、大問4で「異なる2つの意見を適切に英語で表現する能力」を検査されるという点です。

ここでは、2つの意見が交換される「対話文」が示され、受験生は、「2つの立場」に立ってそれぞれの意見を英語で要約する、あるいは主張を代理する、というような英作文を課せられるのかもしれません。

 

 

 

他塾の方も見ているでしょうから、このへんで。

 

 

 

都立入試に挑む受験生には、本年度の入試の「概要」を伝えています。

 

みなさんは、これまでの受験勉強、そして私立入試を通して、大きく成長しています。

私が、こんこんと伝えるまでもなく、一人ひとりが自分で「入試」をいうものを理解し、取るべき行動を判断することができるようになっています。

 

当日、思いもよらない問題が出ても、落ち着いて対処できるだけの力をつけています。

自信を持ってください。

 

 

 

みなさんといっしょに勉強してきた日々が、すでになつかしく思えます。

もう、「授業」の必要もありません。

 

私は、採点と問題の準備に追われる日々です。

後は、リスニングの「スタート」のボタンを押す係。

 

そして、くだらない質問に対して、くだらない受け答えをする人。

 

月日が過ぎて、あのくだらないやり取りの断片が、みなさんの記憶にかすかに残っていて、あるとき、ふと思い出して、ちょっとだけ愉快な気持ちになってくれたら、うれしく思います。

 

 

 

受験という「航海」の果てに、英作とリスニング、作文と漢字に立ち返ってきました。

これらが「最後のピース」です。

 

 

 

あと少し。がんばろう。

 

 

 

 (ivy 松村)

 

日比谷、国立、八王子東の「正答率」の比較

私立高校入試が一段落し、次は都立高校入試です。

 

明日から、「都立のターン」です。

 

最後まで、気を抜かず、しっかり頑張っていきましょう。

 

 

 

都立の入試問題について、少し情報を書きます。

 

 

本年度は、「自校作成」が復活します。

 

日比谷、西、戸山、青山、国立、立川、八王子東、それに加えて国分寺、新宿、および墨田川は、それぞれの学校が独自の英数国の入試問題を作成し、実施します。

また、国際高校は英語のみ自校作成、白鷗、両国、富士、大泉、武蔵はグループ作成問題となります。

 

 

昨年度までは、「グループ作成」となっていました。

 

したがって、「差替え」が行われた問題を除いて、各校が「同じ問題」を使っていたわけです。

 

日比谷、国立、八王子東は、過去の入試の「正答率」を公表しています。

そこで、3校の昨年度の入試問題の「正答率」を比べてみました。

 

本年度の入試問題から、こうした比較はできなくなります。

 

3校の「正答率」を比べてみると、いくつかの興味深い事実が明らかになってきます。

 

 

 

まずは、英語です。

 

 

大問1 (リスニング)

 

日比谷 国立 八王子東 共通問題
問題A 1 ほぼ10割 98.6 94.3 72.3
2 ほぼ10割 99.2 99.1 87.8
3 9割強 90.0 84.4 56.6
問題B Q1 ほぼ10割 98.1 97.6 78.5
Q2 8割弱 56.2 53.3 26.1

 

 

 

正答率は、学校の「序列」を反映し、日比谷>国立>八王子東になっています。

 

特に、記述で答える問題BのQ2で、日比谷とそれ以外の2校の「正答率」に大きな差が生じています。

 

 

 

大問2 (会話文)

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 a ほぼ9割 84.8 78.1
b 97.5 97.6
問2 ほぼ10割 94.2 94.0
問3 9割強 81.7 66.1
問4 9割弱 96.4 91.3
問5 ほぼ10割 93.4 83.5
問6 ほぼ9割 82.0 74.6
問7 9割弱 94.5 90.4
問8 ほぼ7割 53.7 41.1
77.6 72.5

 

 

 

問3の「正答率」に差が出ています。

 

日比谷の「正答率」は「9割強」です。受験者のほとんど全員が正解を導いています。

一方、八王子東は、「66.1」です。「正答率」は3分の2程度にとどまっています。

 

この問題は整序(並べ替え)問題でした。

私立によくあるタイプの、「文章題に組み込まれている」整序問題です。

 

明八などによく出題される形式です。

 

 

日比谷を受ける受験生のほとんどが、難関私立高校の入試問題に対応する能力を有していることがわかります。

 

一方、八王子東は、問3のような、典型的な私立入試の問題パターンへの対応力が乏しい受験生が多くいることがわかります。

 

しかも、この問題は、完全な整序問題ではなく、特定の順番に配置される語の組み合わせを選ぶ問題です。つまり、「選択問題」だったわけです。

 

「6択」にまで正解の選択肢が絞られていれば、日比谷の受験生は正答にたどり着くことができます。

しかし、八王子東の受験生は、3分の1が対応できません。

 

 

八王子東は、「併願優遇」を利用した受験パターンを組み、ほとんど「私立型」の受験勉強をしていない受験生が多くいるのだろうと思われます。

 

 

さらに、問5、問6、問8のような、文脈・内容把握、読解の力を問うような問題でも、「正答率」に差が出ます。

 

 

昨年の日比谷の合格者のほとんどが、大問1・大問2をほぼ「全正解」していると思います。

 

 

「差」のつかない入試問題には意味がありません。

 

日比谷は、入試説明会で難度を上げると公言しています。

 

一方、八王子東は、「グループ作成問題」と同程度の難易度であると説明しています。

 

 

 

次に国語を見てみましょう。

 

大問1 (漢字の読み取り)

 

 

日比谷 国立 八王子東
(1) 10割弱 99.2 98.2
(2) 7割5分 66.5 59.6
(3) 9割弱 91.7 84.9
(4) 7割 67.0 58.0
(5) 9割5分 97.2 94.9

 

 

 

大問2 (漢字の書き取り)

 

 

日比谷 国立 八王子東
(1) 10割 99.7 97.3
(2) 9割 91.7 90.5
(3) 5割 42.7 32.1
(4) 8割強 81.4 74.8
(5) 9割弱 88.1 84.6

 

 

 

大問3 (文学的文章)

 

国立は、別問題でしたので、日比谷と八王子東の比較です。

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 7割 62.2
問2 9割 89.8
問3 10割弱 97.0
問4 9割弱 86.8
問5 8割 70.6
問6 8割 68.7

 

 

 

 

大問5 (融合文)

 

 

日比谷 国立 八王子東  
問1 5割 53.5 54.5  
問2 9割 90.0 85.6
問3 9割 86.1 81.3
問4 6割 54.3 49.8
問5 6割弱 52.1 48.8

 

 

 

問1が、わずかですが、八王子東の正答率が最も高くなっています。

また、「5割」という表記になっているので、日比谷がもっとも低くなっているのだと考えられます。

 

この問題は、選択肢「エ」を選んでしまって、不正解になった受験生が多かったのだろうと思います。

 

正答率が「逆転」している理由について、少し考えています。

 

 

 

最後に数学です。

 

(3校の入試問題のうち、「同一の問題」の「正答率」が表示してあります。)

 

 

 

大問1 (小問集合)

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 9割強 87.4
問2
問3
問4 8割強 87.5 80.2
問5 7割5分 63.2

 

 

大問2 (関数)

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 72.3 61.0
問2 (1) 58.1 53.1
(2) 65.7 55.9

 

 

大問3 (平面図形)

 

 

日比谷 国立 八王子東
問1 9割強 81.4
問2 (1) 6割5分 72.0
(2) 4割弱 25.2

 

 

 

問2(1)は証明問題ですが、日比谷と国立の「正答率」が「逆転」しています。

おそらく、日比谷の「採点基準」が厳しいのだろうと思われます。

 

 

 

さて、3校を比較して、いくつかのことがわかってきます。

 

 

ひとつは、受験生の「違い」です。

各校の「得点力」が判明し、それぞれの高校の「序列」があきらかになります。

また、「どのようなタイプ」の受験生が多いのかが、わかります。

 

 

 

もうひとつは、採点の「違い」です。

 

都立高校入試は、以前、「採点の誤り」の問題の影響で、一度「採点基準」を「厳格」に統制しようとする「動き」がありました。

 

たとえば、ある年には、英作文など、「内容」をほとんど考慮せず、「文法的に間違いのない文」であれば、一律「正答」とみなすような採点がなされました。

 

本年度は、「独自入試問題」を実施するわけなので、採点も「独自」の「基準」を用いることができます。

 

「自校作成」が復活するということで、どんな問題が出るのか、大きく注目されています。

しかし、「試験」ですから、どんな採点がなされるのか、というのも見過ごせない重要な「テーマ」ですね。

 

 

(ivy 松村)

冬期講習を終えて

冬期講習が終了しました。

参加してくださった生徒のみなさん、お疲れさまでした。

 

今年の冬期講習、とても充実したものになりました。

 

小4の国語は、文章題と知識系の問題をたくさんこなしました。

物語は、少しずつ自分の力で読めるようになってきましたね。

 

小5の国語も、文章題と知識系の問題をどんどん進めました。

「漢字の組み立ての問題」では、日頃の成果を発揮しました。

 

小6の都立コースでは、漢字テストと作文の書き直し。

授業のない日にも塾に来て、算数や作文にしっかり取り組みました。

 

小6の特訓コースは、毎日過去問と解説の日々。

だんだんと、得点力がついてきました。いっそうがんばりましょう。

 

中1は、毎日の小テストを意欲的に取り組んでいました。

今回の講習で勉強の面白さを実感できるようになってきたようです。

 

中2の国語は、文章の「構造」を考えながら読むことと、記述問題へのアプローチを中心に学習しました。英語は、入試に直結するようなハイレベルな内容の文法を扱いました。

 

中3は、文法パターン演習、リスニング、過去問演習、解き直し、レポート、全訳&チェック、そして単語オリンピック(再)。盛りだくさんでした。

 

 

本日は最終日でしたが、中3の生徒たちは、まだ余力がありそうな様子でした。

明日、明後日をしっかりと活用してください。

 

毎日12時間ぐらい塾にいて勉強していましたが、よどみなく、やるべきことを見すえて取り組むことができたのは、とても良かったです。

正直、「まだまだ」という部分ばかりですが、そのタフさと素直さは、すごく大きな武器となっています。やはり、「合宿」は非常に大きな意味をもちました。

 

 

 

さて、中2には、本日、告知していたとおり、八王子東の16年度の入試問題を解いてもらいました。

講習には、少しばかり「ヒリヒリ」するような刺激があっってもいいのです。

 

初めて入試問題を解いて、さまざまな感慨を持ったことだろうと思います。

一人ひとりに、その点数をどう受け止めるべきか、少し話をしました。

 

 

ある生徒に、登る山は、高い方がいいに決まっている、今の自分が満足のいく点数を取れるような高校であってほしくないだろう、と伝えました。

 

 

みんな、「漢字がやばい」という初めての経験をしたようです。

「記述がエグい」という感想も聞かれました。

 

 

八王子東は平成15年度から入試問題の「自校作成」を行っています。

15年度は少し「クセ」のある問題だったので敬遠し、16年度をチョイスしました。

 

今回、どの年度の問題を使うのか決めるために、改めて、古い「自校作成」の入試問題を見なおしました。

初期の八王子東の「自校作成」の入試問題、「緊迫感」があります。「気合入っているな」という感じで、引き込まれます。「都立の入試問題の形式」からはみ出ていこうとする「エネルギー」がみなぎっています。

 

 

一方、近年の八王子東、なんだか「スクウェアな感じ」が強まってきているように感じます。

入試問題、学校が公開する情報、卒業生や在校生の声、様子。

そして進学実績。「東大目指すよりも、中堅の国公立」。みたいな。

 

本年度の都立高校の志望校調査で、八王子東の倍率が低迷していますが、いろいろと考えてしまいますね。

 

 

生徒たちが目指す場所は、その魂を激しく揺さぶるような、高い山であってほしい。

 

 

 

今日、過去問を解いた中2の生徒たちは来年、受験に挑みます。

 

 

「自校作成」が復活します。

 

 

今日の日を第一歩に、一年をかけて「高み」を目指す生徒たちは、どんな入試問題と対峙することになるのでしょうか。

 

 

(ivy 松村)

 

 

「自校作成」復活について

夏期講習の第Ⅲ期が終了しました。

 

明日、明後日と2日間の休みを挟んで、8月6日から第Ⅳ期のスタートです。

 

 

 

ところで、前回のブログでも触れたとおり、東京都教育委員会のホームページで「自校作成」の復活が報じられています。

 

 

 

現在、日比谷高校、西高校、国立高校、戸山高校、青山高校、八王子東高校、立川高校は、共同で英数国の入試問題を作成しています。「グループ作成」と呼ばれている制度です。

この制度が改められ、以前と同じように、それぞれの高校が独自に入試問題を作成することになったわけです。

また、同様に「グループ作成」を行っていた、新宿高校、国分寺高校、墨田川高校も、再び「自校作成」を行うことになりました。

 

「自校作成」の問題が使用されるのは、平成30年度の入試からです。

 

 

 

「グループ作成」の体制は4年で終止符が打たれることになるわけですが、その意味するところを理解できている人はまだ少ないと思います。

 

 

 

実は、「自校作成」を認められている高校の中でも、「独自の入試問題」を作ることに熱心な高校と、そうでない高校があります。

 

過去の「入試問題」を比べてみればわかることですが、きちんと作り込んでいる高校とそうでない高校があります。さらに、いくつかの高校で、年度によって作問の質が落ちる教科があったりします。

 

細心の注意を払って入試問題の質を管理しようと考える高校と、そうでない高校があるわけです。

 

 

「グループ作成」が行われている現在も、ある程度、それぞれの学校ごとの「温度差」を垣間見ることができますが、これには「ブラックボックス」となっている部分もあります。

 

一般的には、「独自問題への差換え」に意欲的な高校は、入試問題の質を管理することへの関心が高いと考えることができるわけですが、作問の「担当」となった高校は「差換え」を行うはずがないので、「差換え」の頻度だけを判断材料にすることはできません。

 

 

 

さて、現在の都立高校入試の状況は、平成25年度以前の「自校作成」の時代とは明確な違いがあります。

 

ひとつは、八王子東以外の高校で行われていた「特別選考」が廃止となったことです。

もうひとつは、内申点の換算方法が変更され、実技教科の比重が高まったことです。

 

 

 

一連の都立高校入試の「改革」によって、かつてとは比べものにならないほどに「入試問題の質」の重要性が高まりました。

低質な入試問題を作成してしまうと、瞬く間に高校の「没落」を招くことになります。

 

 

 

まっとうな知性を持った「入試担当者」であれば、入試問題の「難度」を高めるでしょう。

 

 

当然のことながら、内申点のアドバンテージを極力小さくしたいわけです。

 

試験の得点力は乏しいが、内申点を豊富に確保している受験生。

あるいは、試験の得点力はめざましいが、内申点に恵まれていない受験生。

 

どちらの受験生を入学させたいでしょうか。

 

 

 

浅はかな考えの持ち主は、「難しい問題を作ると受験生に嫌われる」と考えそうです。

難しい問題を嫌う受験生も「残念」ですが、そのような考えの人間も「残念」です。

 

まともに思考すれば明らかですが、「ぬるい試験」は受験生の質を低下させるだけでなく、「選抜機能」を麻痺させます。

 

 

 

「逆転」の可能性が高い入試に、聡明な受験生が集中することになるでしょう。

 

 

 

現在、日比谷・西・国立・戸山・青山・八王子東・立川の7校(私は「G7」と呼称していますが)の間に、はっきりとした序列ができつつあります。

それぞれの高校の「入試問題」の質の「差」は、その序列の形成と無関係ではないと思います。

 

結局、入試問題は「高校の質」を象徴的に示します。入試問題をおろそかにする高校が、他校を圧倒するほどに進路指導に尽力するということはありえません。

 

 

おそらく今後、入試問題を入念にマネージメントする高校とそうでない高校の間に、さらに大きな「壁」が作られることになると思います。

 

 

 

「自校作成」への回帰は、「採点の誤りの問題」との関連性からも興味深く思います。

 

端的に、「採点の誤り」が顕在化するのは「他校のチェック」が介在するからです。しかし、「自校作成」の入試問題に対して「他校」は「口出し」できないわけです。

 

「自校作成」は、「採点基準」を排他的に設定できるので、作問の自由度が上がることになります。

 

 

つまり、以下のような結論に至るわけです。

 

 

まっとうな知性を持った「入試担当者」であれば、記述問題を加増するでしょう。

 

 

(ivy 松村)