日比谷高校の英語の「発音問題」

日比谷高校は、英語で、他の都立高校にはない出題があります。

 

それは、「発音問題」です。

 

 

今年の日比谷高校の英語の入試問題の、大問3の〔問8〕を見てみましょう。

 

 

次の五つの単語のうちで,下線の引かれている部分の発音が他の四つと異なるものを,次のア~オから一つ選びなさい。(下線を表示できないので、太字で表します。)

 

ア know   イ only   ウ both   エ most   オ from

 

 

それぞれの発音を確認してみましょう。

 

ア「ノウ」 [nou

イ「オウンリ」 [ounli]

ウ「ボウス」 [bouθ]

エ「フロム」 [frəm]

 

 

正答は、「エ」です。

 

「from」の発音は[frəm]、あるいは[frʌm]、[frɑːm]、[frɔːm]などと発音されますが、いずれにしても[ou]ではありません。したがって、他とは発音の異なるのは「エ」ということになります。

 

 

 

昨年の入試問題でも、日比谷高校は「発音問題」を出しています。

昨年の29年度は、いわゆる「グループ作成」による入試選抜が行われました。

この年、日比谷高校は、大問3の差し替えを行い、あえて「発音問題」を出題したわけです。

 

去年の「説明会」で、前年の「発音問題」に関して熱のある言及があったということだったので、おそらく今年も出すのだろうと考えていましたが、やはり出題されました。

(来年は、どうなのでしょうか。)

 

 

 

それにしても、都立高校で「発音問題」を出しているのは、日比谷高校だけです。

 

以前は、都立高校でも「発音問題」が出題されていましたが、平成9年度に「リスニング問題」が導入されたために、都立高校入試から「発音問題」は姿を消しました。

 

 

高校受験では、一般的に、「発音問題」は「聞く力」を測る「代替措置」であると考えられています。

ですから、私立高校入試でも、「発音問題」を多く出すのは、「リスニング試験」を実施しない高校であることが多いわけです。

 

もう少しいえば、多くの英語教師は、「発音問題」よりも「リスニング問題」のほうが望ましいと考えています。「生きた英語」をあつかう能力のほうが、より重要であるというわけです。

さらに、「発音問題」の対策は、最終的に「暗記作業」に行き着いてしまう、ということも「発音問題」が不人気な理由のひとつであるといえるでしょう。

 

それで、「リスニング問題」が一般化するにつれて、「発音問題」は下火になっていったわけです。

 

大学受験でも、今後センター試験がなくなれば、「発音問題」は廃れていくのかもしれません。

 

 

 

さて、そういうわけで、日比谷高校が「発音問題」を出題しているというのは、ちょっと珍しいわけです。

 

しかし、もちろん、きまぐれや酔狂で「発音問題」を出しているわけではありません。

 

日比谷高校が「発音問題」を「復活」させた理由は、「話す力」を測るためであると考えられます。

 

これには、「正確に」英語を話す能力を培ってほしい、という受験生に向けたメッセージがこめられています。

 

「発音問題」をとおして、日比谷高校は、すでに英語の「四技能」を視野に入れた入試選抜を行っているということができると思います。

 

つまり、「発音問題」に、「新しい意味」が与えられているわけです。

 

 

これは、都立高校入試に「スピーキングテスト」が導入されるまでの過渡的なものなのかもしれませんが、ちょっと興味深く思います。

 

 

 

ちなみに、平成6年の都立高校の英語の入試問題(共通)の大問4の〔問8〕は、以下のような設問でした。

 

次の語のうちに、下線の部分の発音がsawの下線の部分の発音と同じものが一つある。それはどれか。(下線を表示できないので、太字で表します。)

 

ア look   イ father   ウ so   エ call

 

 

 

また、平成4年の都立高校の英語の入試問題(共通)の大問4の〔問8〕は、以下のような設問でした。

 

次の語のうちに、下線の部分の発音がhomeの下線の部分の発音と同じものが一つある。それはどれか。(下線を表示できないので、太字で表します。)

 

ア among   イ love   ウ stop   エ told

 

 

 

 

わかった人には、「飴」を差し上げましょう。

松村まで、どうぞ。

 

 

 

(ivy 松村)

 

 

 

「H」の話⑥

「ph」は「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」=[]の発音になります。

 

 

勘のするどい人はもうすでに気づいているかもしれませんが、やはり古代ギリシア語に2つの「パピプペポ」があったわけです。

 

古代ギリシア語の語彙がラテン語に移植される際に、1つが「p」になり、もう1つが「ph」になりました。

 

やがて、「ph」の発音は[]になりました。

 

 

 

「ph」を含む古代ギリシア語、ラテン語由来の語彙をみてみましょう

 

 

pharmacy「ファーマシ」(薬屋)

phantom「ファントム」(幽霊)

philosophy「フィロサフィ」(哲学)

physics「フィジックス」(物理学)

phase「フェイズ」(段階)

phenomenon「フェノメノン」(現象)

photograph「フォウトグラフ」(写真)

phrase「レイズ」(句)

 

 

atmosphere「アトモスフィア」(大気)

earphone「イヤフォン」(イヤホン)

elephant「エレファント」(ゾウ)

graph「グラ」(図表)

sapphire「サファイア」(サファイア)

symphony「シンフォニ」(交響曲)

typhoon「タイーン」(台風)

telephone「テレフォウン」(電話)

dolphin「ドルフィン」(イルカ)

hieroglyph「ハイエログリ」(象形文字)

biography「バイオグラィ」(伝記)

pamphlet「パンレット」(パンフレット)

metaphor「メタファー」(隠喩)

 

 

 

数は少ないですが、「rh」もあります。

 

やはり、古代ギリシア、ラテン語由来の語彙です。

 

これは、単純に「ラリルレロ」=[]の発音です。

したがって、「h」が無音化されていると考えることができます。

 

 

rhyme「イム」(韻)

rhapsody「プソディ」(狂詩曲)

rhythm「ズム」(リズム)

rhetoric「トリック」(修辞)

 

 

 

まったくどうでもいい個人的な話ですが、私は「ラプソディ」という言葉を、わりと気に入っていて、けっこう暗喩的に使うことがあります。

「ラプソディ」は、日本語で「狂詩曲」と訳されます。

それで、「教師」という意味を含ませたり→「狂師」というような意味合いに展開させたりして、「ラプソディ」にかけて言葉遊びをすることがあります。

 

 

 

その他、英語の代表的な「二重字」に、「sh」があります。

 

「sh」は、「シャ・シ・シュ・シェ・ショ」=[ʃ]を表します。

 

 

she「ー」(彼女は)

sheep「ープ」(羊)

shade「シェイド」(陰)

shape「シェイプ」(形)

ship「ップ」(船)

shout「シャウト」(叫ぶ)

shirt「シャート」(シャツ)

shut「シャット」(閉める)

shampoo「シャンプー」(シャンプー)

shoe「シュー」(靴)

should「シュド」(~するべきである)

shrine「シュライン」(寺院)

show「ショウ」(見せる)

shoulder「ショウルダー」(肩)

short「ショート」(短い)

shock「ショック」(衝撃)

shop「ショップ」(店)

 

 

 

語末に「sh」のある単語も多くあります。

 

 

wish「ウィシュ」(望む)

crush「クラシュ」(押しつぶす)

Spanish「スパニシュ」(スペイン人)

dish「ディシュ」(皿)

foolish「フーリシュ」(愚かな)

fish「フィシュ」(魚)

flash「フラシュ」(きらめき)

 

 

 

「sh」以外で、[ʃ]の音が現れる単語もたくさんあるので注意が必要です。

 

フランス語由来の「ch」も[ʃ]と発音します。

 

machine「マーン:məʃíːn」(機会)

 

 

また、以下のような単語:

 

station「ステイション:stéiʃən」(駅)

information「インファメイション」:ìnfərméiʃən」(情報)

 

「tion」は「ション」と読みますね。

 

 

さらに、以下のような単語:

 

ocean「オウシュン:óuʃn」(海)

sugar「シュガー:ʃúgər」(砂糖)

sure「シュア:ʃúər」(確かに)

 

 

 

「h」が含まれる「二重字シリーズ」の最後は、「wh」です。

 

 

「wh」は、かつては「hw」と綴られていました。

 

したがって、「what」などは、「hwat」=「フワット」のような発音だったわけです。

 

現在は、「what」の「h」は無音化されているので、「ワット」ですね。

 

今でもたまに「フワット」という人がいます。

これは「フ」→「ワ」という発音ですから、昔の「h」→「w」が踏襲されているといえます。

 

 

以下の語彙は、一般的には、「h」が無音化されています。

 

which「ウィッチ」(どちら)

where「ウェアー」(どこで)

when「ウェン」(いつ)

why「イ」(なぜ)

what「ット」(何)

 

wheel「ウィール」(車輪)

whisper「ウィスパー」(ささやく)

whistle「ウィスル」(口笛を吹く)

whale「ウェイル」(クジラ)

white「イト」(白い)

 

 

日本語のカタカナ表記では、「ホ」が置かれることがありますが、そのまま発音しても英語話者にはほとんど通じません。

 

「wheel」→「ホイール」

「whale」→「ホエール」

「whistle」→「ホイッスル」

「white」→「ホワイト」

 

 

 

以下の単語は、逆に、「w」が無音化されています。

 

 

who「ー」(誰)

whom「ーム」(誰に・誰を)

whose「ーズ」(誰の)

whole「ール」(全体の)

 

 

(ivy 松村)

「H」の話⑤

古代ギリシア語には、「タチツテト」の音が2つありました。

したがって、「タチツテト」を表記するための文字が2種類ありました。

 

1つは「Τ」です。この文字は「タウ」といいます。

これが英語の「T」(ティー)の由来ですね。

 

もうひとつが「Θ」です。この文字は「テータ」と呼ばれました。

「テータ」は、強く発音するもうひとつの「タチツテト」を表記するために使われました。

 

そして、古代ギリシア語がラテン語に取り入れられる際に、「テータ」は「二重字」で表記されるようになります。

 

「th」です。

 

しかし、ラテン語ではその後、両者の発音は同一化し、「th」は「タチツテト」=[]の音に統合されます。

 

そのため、イタリア語、フランス語、ドイツ語などの現代の西欧言語では、「th」を[]と発音します。

 

 

たとえば、「ーマ(主題)」というギリシア語由来の「ドイツ語」があります。

その綴りは「Thema」です。

 

また、「カリーヌ」というフランスで人気のある女の子の名前があります。

その綴りは「Catherine」になります。

 

 

 

さて、ややこしいことに、「本家」のギリシアでは、「Θ」=「テータ」の音に変化が生じます。上の歯と下の歯の間に置いた舌の間から息を流して発音する独特の音です。

 

それは、英語の「th」と同じ音です。

 

thank「ンク」(感謝する)

think「ンク」(思う)

three「リー」(3)

 

などの「th」です。

 

これは、日本語には存在しない音です。

慣例的には「サシスセソ」で書きあわらしますが、実際には「サシスセソ」の音ではないので、注意してください。

 

 

 

発音に変化が生じたことによって、「Θ」の呼称が変化します。

「Θ」は、「シータ」と呼ばれるようになります。「シータ」の「シ」は「th」の音です。

 

ちなみに、「th」の発音ですが、この音を表す「発音記号」には「シータ」の小文字が使われます。

 

それは「θ」です。

 

 

他の言語とは違い、英語の「th」は[θ]の音を担っています。

 

それは、偶然かもしれません。あるいは、ギリシア語の発音の変化を踏まえたものなのかもしれません。

 

 

英語は、古くから[θ]の音を有していました。英語固有の語彙に[θ]の発音がたくさんあります。

その音を表すのに「th」が使われました。

 

それに加えて、古代ギリシア、ラテン語の「th」も[θ]の音で発音するようになったのです。

 

「th」は、英語と他の言語で発音が異なる綴りなので、気をつけてください。

 

 

先ほど触れた単語を見直してみましょう。

 

「Thema」(テーマ)は英語ではないので、注意が必要です。

英語では、「theme」と綴ります。その発音は「ーム」です。

 

また、「Catherine」という名前の女の子は、英語話者には「キャリン」と呼ばれます。

 

 

 

「th」=[θ]のつく古代ギリシア語、ラテン語由来の語彙を見てみましょう。

 

theater「アター」(劇場)

sympathy「シンパー」(同情)

theory「オリー」(理論)

panther「パンー」(黒豹)

myth「ミ」(神話)

method「メッド」(方法)

 

 

その他、「th」=[θ]の英語の語彙を確認しましょう

 

 

thousand「ウザンド」(千)

third「ード」(3番目の)

thirsty「ースティ」(のどが渇いた)

Thursday「ーズデイ」(木曜日)

thief「ーフ」(泥棒)

thick「ック」(厚い)

thin「ン」(薄い)

thing「ング」(もの、こと)

through「ルー」(~を通って)

throw「ロウ」(投げる)

throat「ロート」(のど)

 

 

 

「th」=[θ]が語末にあらわれる語彙もあります。

 

 

wealth「ウェル」(富)

smooth「スムー」(滑らかな)

tooth「トゥー」(歯)

path「パ」(小道)

faith「フェイ」(信念)

health「ヘル」(健康)

mouth「マウ」(口)

month「マン」(1か月)

length「レン」(長さ)

worth「ワー」(~に値する)

 

 

 

英語の「th」は、さらにもう一つの発音を担っています。

 

θ]を強く発音した音で、慣例的に「ザジ(ディ)ズゼゾ」で表記します。

 

 

the「」(冠詞)

this「ディス」

that「ザット」

 

などの発音です。

 

この発音の発音記号は[ð]です。

 

 

 

「th」=[ð]の英語の語彙をみてみましょう。

 

 

than「ン」(~よりも)

these「ーズ」(これらの)

there「ア」(そこで)

their「アー」(彼らの)

therefore「アフォー」(それゆえに)

they「イ」(彼らは)

them「ム」(彼らに・を)

then「ン」(そのとき)

though「ウ」(~にもかかわらず)

those「ーズ」(あれらの)

 

other「アー」(他の)

another「アナー」(もう1つの)

either「イーー」(どちらかの)

with「ウィ」(~と一緒に)

weather「ウェー」(天気)

whether「ウェー」(~かどうか)

although「オルウ」(~にもかかわらず)

gather「ギャー」(集める)

southern「サン」(南の)

together「トゥゲー」(一緒に)

father「ファーー」(父親)

farther「ファーー」(さらに遠く)

further 「ファーー」(さらに遠く)

feather「フェー」(羽)

brother「ブラー」(兄・弟)

bother「ボーー」(悩ます)

mother「マー」(母親)

neither「ニーー」(どちらも~ない)

northern「ノーン」(北の)

rather「ラー」(むしろ)

 

 

 

以下の単語の発音は要注意です。

名詞と動詞で、「th」の「発音」が違います。

 

 

bath「バ:[θ]」(入浴)

bathe「ベイ:[ð]」(入浴する)

 

breath「ブレ:[θ]」(息)

breathe「ブリー:[ð]」(息をする)

 

cloth「クロー:[θ]」(布)

clothe「クロウ:[ð]」(着る)

 

 

補足ですが、「cloth」の複数形は、

 

cloths「クロース:[θs]」(布:複数形)

 

になります。([(ð)]で発音する人もいるみたいです。)

 

 

ところが、「衣服」を意味する単語は、また、少し違います。

 

clothes「クロウズ:[]」(衣服)

 

になり、[ð]を発音しないので、注意しましょう。

 

 

さらに補足しますが、この「clothes」(衣服)の発音は、

 

close「クロウズ」(閉める)

 

と同じです。

 

しかし、

 

close「クロウス:[]」(近い)

 

とは発音が違うので気をつけてください。綴りは同じですが、[]ではなく[]です。

 

 

 

はたまた余談ですが、歴史上もっとも偉大な音楽家の1人、「Beethoven」ですが、この姓名は、「beet」と「hoven」という単語が複合されたものなので、「t」と「h」の間に意味上の「句切れ」があります。

 

ドイツ語では、「ベートホーフン」に近い発音です。

英語では「ベィトウヴン」に近い発音で、「h」の音が消えます。(「h」を発音する人もいます。)

 

「beet」というのは「ビート」、いわゆる「てんさい」(サトウダイコン)のことです。「hoven」は、「ビート」と組み合わせる文脈では「農場」になります。ですから、「大根畑」というような意味の名前になりますね。

 

彼はドイツ生まれの音楽家ですが、祖先は現在のベルギーに住んでいたオランダ系の一族でした。

 

フルネームは「Ludwig van Beethoven」(ルードヴィッヒ・ファン・ベートホーフン)です。

「van」はオランダ語の前置詞で、英語の「of」または「from」に当たります。ドイツ語では「von」になります。

「van」はオランダ系の名字によく使われます。したがって、ヨーロッパ人には、彼がもともとドイツ系ではないことがすぐにわかります。

 

 

「ひまわり」で有名なオランダ人画家、「ゴッホ」にも「van」がつきます。

→「Vincent van Gogh」(フィンセント・ファン・ゴッホ)

 

ちなみに、「Gogh」の発音は、言語や地域によって違います。「gh」がやっかいですね。

「ゴッホ」という人もいますが、「ゴフ」や「ゴウ」と読む人もいます。

 

多くのアメリカ人は、「ヴィンセント・ヴァン・ゴウ」といいます。

 

 

(ivy 松村)

「H」の話④

「gh」は、基本的に発音されない「黙字」です。

 

 

weight「ウェイト」(重さ)

eight「エイト」(8)

ought「オート」(~するべきだ)

although「オルゾウ」(~にもかかわらず)

caught「コート」(catchの過去形)

sigh「サイ」(ため息をつく)

sight「サイト」(視界)

straight「ストレイト」(まっすぐな)

through「スルー」(~を通って)

though「ゾウ」(~にもかかわらず)

thought「ソート」(thinkの過去形)

daughter「ドーター」(娘)

delight「デライト」(喜ばせる)

taught「トート」(teachの過去形)

night「ナイト」(夜)

neighbor「ネイバー」(隣人)

high「ハイ」(戦う)

height「ハイト」(高さ)

fight「ファイト」(戦う)

flight「フライト」(飛行)

fright 「フライト」(恐怖)

bright「ブライト」(明るい)

brought「ブロート」(bringの過去形)

bought「ボート」(buyの過去形)

might「マイト」(mayの過去形)

light「ライト」(光)

right「ライト」(正しい、権利、右の)

 

 

 

語末に「gh」が置かれたときに、発音されることもあります。

 

その際の発音は「フ」=[]です。

 

]は、日本語の「ハヒフヘホ」の「フ」ではないので注意しましょう。下唇を軽く噛み、弾くようにして発音します。

 

 

enough「イナ」(十分な)

cough「コ」(咳)

tough「タ」(頑丈な)

laugh「ラ」(笑う)

rough「ラ」(粗い)

 

 

 

昔は、「gh」が発音されていました。

その音は、「強く発音するハヒフヘホ」です。

 

発音記号は[x]です。

慣れないと戸惑うと思いますが、[x]は「ハヒフヘホ」を表す発音記号です。

 

x]の音は消失してしまって、英語からなくなりました。

そのため、この[x]の発音記号は、「現代英語には」みられません。

 

 

古い時代の英語には[x]の発音が存在し、それに「gh」が当てられたのです。

 

英語の「gh」の発音は、

 

x]→[]→「無音」

 

と変化してきたわけです。

 

]の音が残っている単語は、無音化されずに発音が残存したものです。

 

 

 

x]=「強く発音するハヒフヘホ」は、ドイツ語の「ch」の音だったことを覚えているでしょうか。

 

x]の発音を示すのに、ドイツ語は「ch」を用いたわけです。一方、英語は「gh」を代用したわけです。

 

ドイツ語の「ch」と古い英語の「gh」はともに同じ音→[x]を表すということになりますね。

 

(発音体系に少しだけ「ズレ」があって、ドイツ語の「ヒ」の発音は[x]では表さないのですが、まあ、あまり重要ではありません。)

 

両者は、驚くほどに「照応」しています。

英語とドイツ語は、そもそも「親類」の言語だからです。

 

 

 

以下の例を見てみましょう。

 

 

英語 ドイツ語 ドイツ語の発音 意味
eight acht 「アト」 (8)
high hoch 「ホッ (高い)
night Nacht 「ナト」 (夜)
daughter Tochter 「トター」 (娘)
laugh lachen 「ラッン」 (笑う)
light Licht 「リト」 (光)
right recht 「レト」 (正しい)

 

 

 

英語とドイツ語の語彙が非常によく似ていることがわかります。

 

英語は、そもそも「ドイツ語の方言」だからです。

 

5世紀ごろに、ドイツ西部に住んでいた「ゲルマン人」の一派が、ブリテン島(イギリス)に渡り、住み着きました。彼らの話していたドイツ語が、英語の母体となったのです。

 

その後、英語はフランス語などの影響を受け、大きく変化していきますが、日常生活で頻繁に使用される「基本語彙」などを中心に、古い形や発音を残した単語があります。

 

前に、英語をよく知るためにはフランス語を学ぶとよい、と書きましたが、もし、英語の「原風景」を知りたいのなら、ドイツ語を学ぶのもよいと思います。

 

 

 

「gh」の例外も見ておきましょう。

 

Edinburgh 「エディンバラ」(エジンバラ:スコットランドの都市)

 

 

スコットランドは、イギリス=「連合王国」を構成する国(地域)のひとつで、「エジンバラ」はその「首都」です。

 

「Edinburgh」は、語末の「ア」という母音が「gh」で表されているので、ちょっと珍しい単語です。

英語やドイツ語などの「ゲルマン語」には、城や都市を意味する「burg」(バーグ、ブルグ)という語がありますが、それが訛って、「バラ」になっているようです。

 

 

 

前に、「gh」の「h」が無音になって、[g]の発音になる語彙の例として、「ghost」(ゴウスト:幽霊)や「Ghana」(ガーナ)を挙げましたが、それ以外にも、

 

spaghetti「スパゲッティ」(スパゲッティ)

yoghurt 「ヨーグルト」(ヨーグルト)

 

などがあります。

 

「spaghetti」は、もともとイタリア語なので、「h」が発音されません。

 

「yoghurt」は、「h」を書かない表記もありますが、「h」のある表記もよく見られます。

 

 

(ivy 松村)

 

 

「H」の話③

「H」を用いた「二重字」は、意外と多くあります。

 

たとえば、「ch」「sh」「ph」「th」「gh」「wh」「rh」などです。

 

この中で、「ch」は少し厄介です。「ch」には、複数の発音があります。

 

 

スペイン語、イタリア語、フランス語のそれぞれの言語の「ch」の発音を確認してみましょう。

 

・スペイン語の「ch」…「チ」→「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」

・イタリア語の「ch」…「ク」→「カキクケコ」

・フランス語は「ch」…「シュ」→「シャ・シ・シュ・シェ・ショ」

 

 

英語の「ch」は、いずれの発音も有しています。

つまり、英語において「ch」は、「チ」と読む可能性もあれば、「ク」と読む可能性もあります。

それだけでなく「シュ」と読む可能性もあるわけです。

 

「ch」の綴りが出てきたときは、発音記号を確認するようにしましょう。

 

・「チ」の発音記号→[tʃ

・「ク」の発音記号→[k

・「シュ」の発音記号→[ʃ

 

 

 

3つの発音の中で、英語の「ch」の「基本」となるのは「チ」です。

 

China「チャイナ」(中国)

child「チャイルド」(子供)

champion「チャンピオン」(王者)

chance「チャンス」(機会)

charity「チャラティ」(チャリティ)

church「チャーチ」(教会)

cheer「ア」(応援)

chicken「キン」(鶏肉)

cheese「ーズ」(チーズ)

cheap「ープ」(安い)

choose「チューズ」(選ぶ)

chair「チェア」(椅子)

change「チェンジ」(変わる)

chocolate「チョコレト」(チョコレート)

chopsticks「チョプスティクス」(箸)

 

 

枚挙にいとまがありません。

「ch」の付く英語の基本語彙は、一般的には「チ」で読まれます。

 

 

 

「ch」を「ク」と発音するのは、古代ギリシア語、ラテン語(あるいはイタリア語)に由来する語彙です。

 

 

chaos「オス」(混沌)

chameleon「メレオン」(カメレオン)

charisma「リスマ」(人を心酔させる魅力)

 

character「ャラクター」(特徴)

 

Christ「ライスト」(キリスト)

Christmas「リスマス」(クリスマス)

 

chemistry「ミストリー」(化学)

chemist「ミスト」(薬屋)

 

chronicle「ロニクル」(年代記)

 

cholera「レラ」(コレラ)

chorus「ーラス」(合唱)

 

 

 

なじみのある単語で「ch」=「ク」の発音をするものもけっこうありますよ。

 

 

anchor「アンー」(最終走者)

school「スール」(学校)

technic「テニック」(技術)

technology「テノロジー」(科学技術)

orchestra「オーストラ」(管弦楽団)

echo「エー」(反響)

 

 

 

また、「ch」=「ク」になる単語は、古代ギリシア語、ラテン語に由来する語彙なので、学術用語や専門用語、あるいは抽象的な概念や造語などによく見られます。

 

 

anachronism「アナロニズム」(時代遅れの)

archive「アーイヴ」(記録文書)

scholarship「スラーシップ」(奨学金)

 

archeology「アーオロジー」(考古学)

architecture「アーテクチャー」(建築)

anarchy「アナーー」(混乱)

scheme「スーム」(計画、体系)

 

epoch「エポッ」(新時代)

synchronize「シンロナイズ」(同時性を持つ)

stomach「スタマッ」(胃)

monochrome「モノローム」(白黒)

 

psychology「サイロジー」(心理学)

mitochondria「ミトンドリア」(ミトコンドリア)

 

 

 

「archive」(アーカイヴ:記録文書)は「achieve」(アチーヴ:達成する)と混同しそうになってまぎらわしいので、気をつけてください。

 

 

 

他にも、

 

ache「エイ」(痛み)

 

という単語がありましたが、これは、ちょっと特殊です。

この語は古くからある英語の語彙であるにもかかわらず、その由来が古代ギリシア語であると「勘違い」されてしまったために、「エイク」の綴りに「ch」が当てられてしまったのだそうです。

 

 

 

また、

 

choir「ワイアー」(聖歌隊)

 

という単語がありますが、この単語の発音、めっちゃ注意してください。

 

「oi」を「ワ(イ)」と発音します。「oi」を「ワ」と読むのは、フランス語のルールです。

つまり、この語はフランス語由来なのです。

ということは、この語は、古くはおそらく「ショワー」と発音されていたはずなんですよね。

フランス語では「ch」は「シュ」になるからです。

 

しかし、この語は「chorus」(コーラス:合唱)などと同じ語源で、古代ギリシア語由来です。そのため、「ch」が「ク」に「復元」されたのだと思います。

しかし、「oi」は「フランス語の発音」のまま維持されたので、難解な発音の単語になってしまったのでしょう。

 

 

「oi」=「ワ」のフランス語の例は、他にも、

 

croissant「クロワソン」)(クロワッサン)

foie gras「フォワグラ」(フォアグラ)

 

などがあります。

 

 

あとは、フランス語で「歴史」を意味する「histoire」という語も、「イストール」と発音しますね。

 

 

 

まったくどうでもいい話ですが、日本に住んでいるフランス人の「必殺ジョーク」があって、スマホなどがまだ普及していないころ、あるフランス人が道に迷って、しかたなく電話をかけてきたので、周りに何か目立つ建物がないかきいてみたところ、「ワワ」という建物がある、と。

よくわからないので、「ワワ」って何だ、他に何か書かれていないか、ときいても、いや建物に「ワワ」としか書かれていないと言う。

とりあえず探して、やっと会うことができて、ところで「ワワ」って何だったの、ときかれた彼が、あれだよ、と指さしたデパート。

見てみると「OI OI」と書かれてあったわけです(爆笑)。

 

 

(このジョークが理解できれば、君もフランス人だ! ボンジュ~ル!)

 

 

 

蛇足ついでといっては何ですが、フランス語の「r」は日本人にはちょっと難しい発音です。

フランス語の「r」は慣例的に「ラリルレロ」で表記するようになっているのですが、日本語の「ラリルレロ」とは全然違う音です。「うがい」をするときのように、のどの奥をゴロゴロさせるような独特の発音で、人によっては「ガギグゲゴ」のような音に聞こえるかもしれません。

 

ですから、「r」の音が入っている「histoire」や「croissant」や「foie gras」などのフランス語の単語は、フランス語を習ったことのない日本人には聞き取れないし、声に出してもほとんど通じないと思います。

 

 

 

フランス語が難しい、というのはよくいわれることですが、フランス語に挑戦してみると、思ってもみない「意外なメリット」がけっこうあります。

 

そのひとつは、「英語を深く理解できるようになる」というものです。

 

何度も述べてきましたが、英語は、フランス語から大きな影響を受けています。

フランス語を知れば、英語のことをより詳しく知ることができます。

 

 

 

さて、「ch」の続きを。

 

「ch」を「シュ」と発音するのはフランス語由来の語彙です。

 

 

chandelier「シャンデリィア」(シャンデリア)

champagne「シャンペイン」(シャンパン)

Chicago「カゴゥ」(シカゴ)

chic「ック」(上品な)

chivalry「ヴォリィ」(騎士道)

chef「シェフ」(料理長)

Chevrolet「シェヴォレ」(シボレー:自動車メーカー)

 

machine  「マーン」(機械装置)

cache「キャシュ」(隠し場所)

parachute 「パラシュート」(パラシュート)

moustache「マスタッシュ」(口ひげ)

 

 

「cache」(キャシュ:隠し場所)は、「cash」(キャシュ:現金)と発音は同じですが、綴りは違うので注意してください。

また、「ache」=「エイク」ですが、「cache」=「キャシュ」なので、これも気をつけましょう。

 

 

 

ちなみに、チョコレートは英語では「chocolate」ですが、フランス語では「chocolat」です。

語末が「t」になっていますが、フランス語は語末の「t」を読みません。

したがって、フランス語では、これを「ショコラ」といいます。

 

 

 

その他、まあ、「例外」のひとつですが、オランダ語由来の「ch」があります。

 

yacht「ヨット」(ヨット)

 

これは「ch」が無音になっています。

 

 

 (ivy 松村)

 

 

「H」の話②

「H」の起源は、古代ギリシアの文字にあります。

 

古代ギリシア語には「ヘータ」という文字がありました。「ヘータ」の大文字の字形は「H」と同じ形です。

これが、「エイチ」のルーツです。

 

この「Η」=「ヘータ」は、やがて「エータ」という名称で呼ばれるようになります。

古代ギリシア語において、[]の音の消失が起こったからです。

 

そのため、「Η」という文字からも[]の音が失われたわけです。

 

 

現代英語では、「H」という文字は「エイチ」と呼ばれます。

実は、これは奇妙なことです。

 

英語において、「H」という文字が担う基本的な「音素」は、[]=「ハヒフヘホ」の音だからです。

 

「エイチ」という呼称に、[]の音が含まれていないのです。

 

たとえば、ドイツ語では、「H」の文字は「ハー」と呼ばれます。

これは、ごく自然な「命名」だといえるでしょう。

「ハヒフヘホ」の音を担う文字の名称には、[]の音が組み込まれているわけです。

 

ラテン語でも「H」は「ハー」と呼ばれました。(ラテン語には当初[]の「音素」がありました。)

 

 

ラテン語から派生したイタリア語、スペイン語、フランス語などのロマンス諸語は、「H」を発音しないということを、前回の記事で紹介しました。

 

では、これらの言語は、「H」をどのように呼んでいるのでしょうか。

 

 

・イタリア語 …「アッカ」

・スペイン語 …「アチェ」

・フランス語 …「アシュ」

 

 

イタリア語は「H」の文字に「カ」→「カキクケコ」の音を代表させています。

スペイン語は「H」の文字に「チェ」→「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」の音を代表させています。

そして、フランス語は「H」の文字に「シュ」→「シャ・シ・シュ・シェ・ショ」の音を代表させています。

 

これらは、実は、それぞれの言語の「ch」の発音です。

つまり、これらの言語にとって「H」は、「ch」を形成するための文字であるとみなされているわけです。

 

 

 

ということで、「ch」についてもう少し詳しくみていきましょう。

 

 

]の音を失った「Η」という文字には、新しい役割が与えられるようになります。

それは、「二重字」の一部になることです。

 

「二重字」というのは、「ひとつの文字」と同じような機能を持つ2文字列のことをいいます。

要するに、「セット」になった2つの文字に、「独自の発音」を付与するわけです。

 

「H」という文字の重要な働きのひとつは、「二重字」を構成するということです。

 

 

「ch」は、「c」という文字と「h」という文字が組み合わさった代表的な「二重字」です。

 

イタリア語、スペイン語、フランス語では、「H」という文字の名称に「ch」の音があてられています。

これらの言語にとって、「H」という文字の「第一義」は、「ch」を作り出すことなのです。

 

 

それにしても、それぞれの言語で、「ch」の発音がずいぶん違っていますね。

 

 

イタリア語では、「ch」は「カキクケコ」の音になります。

たとえば、イタリアの有名な童話の登場人物「ピノッオ」の綴りは「Pinocchio」になります。

 

スペイン語では、「ch」は「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」の音になります。

たとえば、キューバ革命に参画し、スペイン語圏で人気の高い歴史的人物のひとり、「チェ・ゲバラ」の綴りは「Che Guevara」になります。

 

フランス語では、「ch」は「シャ・シ・シュ・シェ・ショ」の音になります。

たとえば、ピアノ曲で有名な作曲家の「ショパン」の綴りは「Chopin」になります。

 

フランス語では「in」の発音が「アン」になるので、「Chopin」は「ショパン」です。

ちなみに、「ルパン」は「Lupin」と書きますよ。

 

余計な話ですが、“Chopin”は、英語でも「ショパン」ですが、「チョピン」という人もいます。“Lupin”は、「ルピン」ですね。

 

 

…チョピン。…なんか、残念。

 

 

 

ドイツ語においても、「ch」は独自の発音を持っています。

 

ドイツ語には「ハヒフヘホ」が2種類あります。

ひとつは「H」で表される[]です。

もうひとつは、強く発音される「ハヒフヘホ」で、「カ」と「ハ」を強く同時に発音するような音です。

文字で説明するのはなかなか大変ですが、寒いときに、手に息を吹きかけるときに出すような「ハ~」という音で、のどの少し奥まった上のあたりを息でこするようにして出します。

 

ドイツ語には「ハヒフヘホ」が2種類あるので、これらを区別するために「ch」が用いられているわけです。

 

たとえば、ドイツの偉大な音楽家、「バッ」の綴りは「Bach」となります。

また、ドイツ起源の人気のあるお菓子に「バウムクーン」がありますが、その綴りは「Baumkuchen」になります。

 

 

 

そして、英語の「H」ですが、「エイチ」と読みます。

したがって、その名称には、やはり「ch」という二重字が念頭に置かれているわけです。

英語における「ch」の発音は、「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」です。

 

 

さて、ここでひとつの疑問に突き当たります。

 

イタリア語やスペイン語、フランス語などとは異なり、英語には、[]の音が存在し、「H」という文字は、その発音の表記を担っているわけです。

そうすると、この文字の名称は、「ハー」とか「ヘー」であるべきです。

 

 

なぜ、「H」は「エイチ」なのでしょうか。

 

 

そのヒントは、フランス語にあります。

 

英語は、フランス語の影響を強く受けています。

「フランス人」がイギリスを支配していた時代があるためです。

「フランス人」によるイギリスの「征服」を、歴史の用語で「ノルマン・コンクエスト」といいます。

 

デンマークやノルウェー、スウェーデンなどの北欧には、かつて「ノルマン人」と呼ばれるゲルマン人の一派が住んでいました。「ノルマン」というのは「北方の人」という意味です。

フランス北西部に、「ノルマンディー」という場所がありますが、その地名は「ノルマン人」にちなんだものです。

 

「ノルマン人」というのは、つまりは「バイキング」のことです。

彼らは、巧みに船を操り、ヨーロッパ各地の沿岸に勢力を伸ばしていき、やがてその一部がフランスに土着します。その地が、「ノルマンディー」と呼ばれるようになったわけです。

 

フランスに根を下ろした「ノルマン人」は、次第に「フランス化」し、フランス語を話すようになります。

 

そうはいっても「バイキング」の末裔です。

11世紀後半、彼らは対岸のイギリスに侵攻し、イギリスを支配下におさめます。

こうして、イギリスは「ノルマン人」に征服されてしまうわけですが、それは、もはや「フランス人」によるイギリス支配だったわけです。

 

「ノルマン・コンクエスト」を契機として、イギリスには大量のフランス語の語彙が流入しました。

 

英語に、フランス語由来の語彙がたくさんあるのも、また、フランス語(風)の発音を持った語彙が存在するのも、「ノルマン・コンクエスト」の影響なのです。

 

 

 

「H」に話を戻しましょう。

 

フランス語では、「H」を「アシュ」と発音します。

その綴りは“ache”です。フランス語では「ch」は「シュ」の発音になります。

 

イギリスにおいても、「フランス人」に支配されていた時代には「H」は「アシュ」と発音されていました。

 

しかし、やがてイギリスでは「ch」は「チ」と発音されるようになります。

 

イギリス人が、国内からフランスの勢力を追い出し、英語が「国民の言語」として形成されていくなかで、いくつかの要因が重なって、英語の発音に変化が起こりました。

 

 

となれば、“ache”の読みは(スペイン語と同じように)「アチェ」になるはずです。

 

ところがまた、中世から近世にかけて、英語の発音に変化が生じました。そのため、「アチェ」のような発音は、維持されなかったのです。

 

英語独特のユニークな「発音体系」が、15世紀から17世紀にかけて形作られました。

そのうちのひとつは、語末が「子音+e」になるときに、「e」を発音せず、その直前の母音を二重母音で発音するというものです。

 

 

たとえば:

 

・「ace」→「エイス」(トランプの1)

・「age」→「エイジ」(年齢)

・「ape」→「エイプ」(猿)

・「ate」→「エイト」(eatの過去形)

 

 

したがって、“ache”は「エイチ」と発音されなければなりません。

 

フランス語において「H」の文字は“ache”という名称です。

フランス語では、その綴りを「アシュ」と発音しますが、英語では「エイチ」と発音されてしかるべきなのです。

 

 

 

…しかしながら、“ache”は「エイチ」とは読みません。

 

よく知られているように、現代の英語では、“ache”を「エイク」と読みます。

 

 

「ache」という綴りの、別の単語が「現れた」のです。

18世紀ごろに、「痛み/痛い」という意味を持つ「エイク」という発音の語彙が、「ake」ではなく、「ache」という綴りに整理されたのです。

 

 

そのため「ache」=「エイク」となってしまったわけですが、「H」の呼称は、依然として「エイチ」です。

 

そこで、「エイチ」という発音を表記する別の綴りが求められたのです。

 

 

それで「エイチ」は「aitch」となったわけです。

 

 

ちなみに、現代の英語で「アシュ」といえば、「ash」(灰)のことですね。(少し発音が違いますが。)

 

 

 (ivy 松村)

 

「H」の話①

アルファベットの8番目の文字「H」(aitch)「エイチ」についてです。

一応、念のため、いっておきますが、「Hな話」ではありません。

 

 

まったくどうでもいい話ですが、私は、授業の雑談の際に、けっこう「雑なアンケート」を取ることがあって、たとえば、「好きな地図記号は?」とか、「好きな部首は?」とか、アホみたいなことを生徒に聞いたりすることがあります。

私の好きな地図記号は「発電所」で、好きな部首は「がんだれ」なのですが、そんな私の好きなアルファベットの文字は、「H」なのです。

しかし、その回答は、何か、誤解されそうで、生徒にもアルファベットのアンケートをしづらいというのが、最近の悩みです。

 

 

 

そんなどうでもいい話はさておいて、「H」についてです。

「H」はかなり特異な文字です。

 

「H」=「h」についてみていきましょう。

 

 

まず、「h」の基本の「役割」ですが、それは、「ハヒフヘホ」の「音素」→[]を表わすということです。

 

 

・hand「ハンド」, house「ハウス」,hundred「ハンドレド」

・heat「ヒート」,hill「ヒル」, hit「ヒット」

・hair「ヘア」 heavy「ヘヴィ」,hello「ヘロウ」,

・home「ホーム」,horse「ホース」,hospital「ホスピタル」

 

ただし、「ヒュー」になる場合があります。

 

・human「ヒューマン」,humor「ヒューマァ」,huge「ヒュージ」,humid「ヒューミッド」

 

 

「ハヒフヘホ」の音を表示するのは、最も一般的な「h」の使われ方ですね。

 

 

 

「h」は、「黙字」となることもあります。

 

発音をしない「h」ですね。

 

 

・honest「オネスト」

・honor「オナー」

・hour「アワー」

 

 

これらは、フランス語に由来する単語です。

 

英語は、歴史的にフランス語の影響を強く受けています。イギリスがフランスの支配を受けた時代に、多くのフランス語が英語に流入したのです。

 

 

フランス語は、「h」を発音しません。

 

たとえば、“hotel”はフランス語では「オテル」です。

 

“henry”という名前は、イギリスでもフランスでも人気の名前ですが、英語では「ヘンリー」、フランス語では「アンリ」になります。

 

日野は「イノ」、八王子は「アシオジ」になります(chiの発音が「シ」になるため)。

「母の日」は「アアノイ」になりますね。

 

 

昔、フランスから中国経由で日本に帰ろうとして、旅行会社の窓口でチケットの手配を頼んだときに、受付のお姉さんが、「サンガイ、サンガイ…」とずっと言っていて、「サンガイ」というのはどこだっけ?と、しばらく考えていたのですが思い当たらなくて、「サンガイってどこですか?」ときいたら、「え、サンガイも知らないの?」みたいなリアクションをされて、「ここよ!」って示されたところを見てみると、“Shanghai”でした。

「シャンハイ」は、フランス語では「サンガイ」ですね。

 

 

 

それにしても、フランス語はなぜ、綴りに「h」が用いられているのに、発音されないのでしょうか。

 

 

その「原因」は、古代のギリシアで起こった、「h」の発音の消失にさかのぼることができます。

 

 

ギリシャ文字(ギリシア文字)は、私たちの知っている西ヨーロッパで使われている「アルファベット」(ローマ字)とは違っているので、ちょっとわかりづらいのですが、たとえば、古代ギリシア語で「歴史」を意味する単語を「ἱστορία」と書きます。

 

これを「ローマ字」で書き表すと「historia」になります。

 

これは「ヒストリア」と読めます。

しかし、古代ギリシアで「h」の音がなくなってしまったために、この単語は「イストリア」と発音されるようになります。

 

こうした「慣例」が後の時代に受け継がれることになるのです。

 

 

ヨーロッパ文明の礎となった古代ギリシア文明、その繁栄を担ったギリシア語の語彙は、ローマ帝国に継承され、やがてヨーロッパに伝播していくことになります。

 

ローマ帝国で使用されていた公用語はラテン語です。

ローマの人々は、古代ギリシア語をラテン語に取り入れる際に、「h」を発音しないという「慣例」も受容したのです。

 

 

フランス語は、ラテン語から派生した言語です。

したがって、「h」を発音しないという古代の「慣例」を受け継いでいるわけです。

 

フランス語では「歴史」のことを「histoire」と書き、「イストワール」と読みます。

「hi」の発音が「イ」となっていますね。

 

 

 

ちなみに、フランス語だけでなく、イタリア語やスペイン語でも「h」は発音されません。

 

これらの言語は、古代ローマ帝国で使用されていたラテン語を共通の祖先とした同系統の言語です。古代のローマ帝国に起源を持つこれらの言語をまとめて「ロマンス語」といいます。

(念のため、一応いっておきますが、「ロマンス」というのは、うっとりするような情感豊かな物語のこと、ではなくて、「ローマの」という意味です。)

 

 

一方、英語の「歴史」は、当然「history」です。これは「ヒストリー」と読みますから、「h」が発音されています。

 

英語は、「ロマンス語」の系統ではなく、「ゲルマン語」の系統です。

 

同じく「ゲルマン語」の系統のドイツ語には「歴史」を意味する単語が2つありますが、そのうちのひとつは「Historie」です。これも「ヒストリー」と発音します。ドイツ語にも「h」の発音があるわけです。

 

 

ざっくりとまとめると、「ロマンス語」は「h」を発音せず、「ゲルマン語」は「h」を発音します。

 

「ゲルマン語」の系統である英語やドイツ語は、古代ギリシア語やラテン語に由来する語彙に、「h」の発音を与えて受け入れたわけです。

 

英語は元来「h」の発音を有しています。

しかし、11世紀以降、イギリスに「ロマンス語」のひとつである「フランス語」が流入します。「h」の音がない語彙は、その際にもたらされたものです。

 

「フランス経由」でイギリスにもたらされた語彙のうち、フランス語の「語感」が強かった語は、フランスの発音を維持し続け、今日までその発音が踏襲されることになったわけです。

 

 

 

ところで、これはまったくの余談ですが、私は中学のころ、ある女性の英語教師に「history」の語源は「his story」だと教えられました。

要するに、歴史というのは、「“彼の”物語」なのである、と。

その教師は、これは、「歴史」というものが「男」によって作られ、独占されてきたのだということの表れなのであると力説しました。

 

私はずいぶん長らくその話を信じていましたが、あるときにそれは成り立たないということに気づきました。

 

ある時期に、ほんの3、4か月ですが、フランス語を学習したことがあって、そのときに「歴史」を意味する「histoire」という言葉に出会ったのです。

明らかにその語は英語の「history」と同根の単語でした。

 

そのとき私にフランス語を教えてくれていたのはフランス人の教師でしたが、そのことについてちょっと質問してみたのです。

すると、その先生は、ああ、それはいい質問ですね、といって、それら2つの語はともに古代ギリシア語に由来するもので、「his story」という句から「history 」という言葉が作られたというのはただの俗説だということをあっさりと説明してくれました。

 

まあ、要するにただの「ダジャレ」だったわけです。

 

 

しかし、この俗説は、非常に根強く世間に浸透しているようです。

私の身内にオーストラリアに留学していたものがいるのですが、オーストラリアの英語教師が同じことを言っていたそうです。英語のネイティブでさえ、鵜呑みにしているわけです。

 

 

今でも、この俗説をせっせと説いている教師が、存在するのでしょう。

 

この世界が「男性中心」に形作られ、女性が様々な面で抑圧されてきたというのは、「真実」だと思います。当然、世界はよりよく変化するべきだと思いますし、「そのため」に「啓蒙」は必要でしょう。

 

しかし、その言説が「ダジャレ」によるものでは、台無しだと感じます。

 

 

 

「h」の話をもう少し。

 

先に、古代ギリシアで「h」を発音しなくなったということを書きました。

しかし、これは特殊な出来事というわけではなく、実は[]はそもそも無音化されやすい音なのです。

 

 

たとえば、日本には「高橋(タカハシ)」という苗字の人や「上原(ウエハラ)」という苗字の人がいますが、よく聞いてみると彼らは「タカーシ」とか「ウエァラ」と呼ばれていることがあります。

 

]の音は、けっこう「弱い音」なので、消えやすいのです。

 

 

「アルコール」は、オランダ語を語源とする外来語で、「alcohol」と綴ります。

この綴りは英語と同一です。

オランダ語も英語も「アルコホール」と発音します。日本人も昔は「アルコホル」と発音していましたが、今は「アルコール」と呼んでいます。

 

 

現代の英語話者でも、ロンドンの下町やアメリカの方言では、[]を発音しない話し方がみられます。

 

 

 

その他、「gh」や「th」から[]の「要素」だけが消失し、「g」や「t」の発音になった語彙もあります。

 

・ghost「ゴウスト」(幽霊)

・Ghana「ガーナ」(国名)

・Thailand「タイランド」(国名:タイ)

・Thames「テムズ」(ロンドンを流れるテムズ川)

・thyme「タイム」(薬草、香辛料)

 

 

 

あと「exhibition」は「エグザビション(展示会)」と読みますが、これも[]の音が消えているとみることができますね。

 

 

 

(ivy 松村)

「出題の方針」の確認

本年度の入試の出題構成について確認しましょう。

 

 

「グループ作成」、「自校作成」の高校は、「出題の方針」をもとに、入試に備える必要があります。

 

 

 

日比谷高校の「出題の基本方針」の「各問のねらい」を見てみましょう。

 

 

□1 漢字を正しく読む能力をみる。

 

□2 漢字を正しく書く能力をみる。

 

□3 文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力、表現する能力などをみる。

 

□4 説明的な文章を読み、叙述や文脈などに即して、語句や文の意味、文章の構成及び要旨などを正しく読み取る能力をみるとともに、考えが正確に伝わるように根拠を明らかにしながら、自分の意見を論理的に表現する能力などをみる。

 

□5 古典に関する文章を読み、古典並びに現代の語句及び文章の内容についての理解などをみる。

 

 

 

日比谷高校の国語の漢字の出題は、「グループ作成以前」とその後で構成が変わっています。

 

以前は「文章題からの引用」でした。私立の入試でよくみられるパターンのもので、文章中からいくつかの語句が取り上げられ、その漢字の「読み」や「書き」を問われるという形式でした。

「グループ作成」となってからは他校と「足並み」をそろえる必要から、大問1が「漢字の読み」、大問2が「漢字の書き取り」という独立した問題構成となりました。

 

 

「自校作成」に回帰した本年はどうなるのか、それは、「出題の方針」に示されています。

本年は、「グループ作成」と同じ構成になることがわかります。

 

 

「出題の方針」を参照せずに、暗中模索におちいっている受験生がいたら、説明会で入手したものを確認するとよいと思います。

 

 

 

さて、本年度の国語の入試を予測するうえで、「記述」がどうなるのか、気になっている人も多いと思います。

 

 

各校の大問3の「出題の方針」を比較してみましょう。

 

日比谷「文学的な文章を読み、叙述や描写などに即して、場面、登場人物の様子、心情などを正しく理解する能力、表現する能力などをみる。」

 

戸山「文学的な文章を読み,叙述や描写などに即して,場面,登場人物の様子,心情などを正しく理解する能力及び読み取った内容を適切にまとめ,表現する能力をみる。」

 

国立「文学的な文章を読み,叙述や描写などに即して,場面,登場人物の様子,心情などを正しく理解する能力をみる。」

 

 

日比谷や戸山は大問3で記述問題が出題されるでしょう。

一方、国立は記述問題が出題されないでしょう。

 

 

また、いずれの高校も、大問5で「記述」は出題されないでしょう。

 

 

受験生向けの説明会や塾向けの説明会で、本年度の入試は「グループ作成と同じような出題」になると説明していた高校があったようです。

それで、たとえば、昨年と同様に「記述」は出題されないと高をくくっていると、当日に驚くことになるかもしれません。

その高校の「出題の方針」を見てみると、ちょっと違った出題になるということがみえてきます。

 

 

 

日比谷は、英語の「出題の方針」の「各問のねらい」も確認しておく必要があります。

 

 

□1 自然な口調で話される英語を聞いて、その具体的な内容や大切な部分を把握したり、聞き取った事柄について英語で表現したりする能力をみる

 

□2 まとまりのある対話文を読み、その流れや大切な部分を把握したり、読み取った事柄などについて英語で表現したりする能力をみる

 

□3 物語文を読み、そのあらすじや大切な部分を把握したり、読み取った事柄などについて英語で表現したりする能力などをみる

 

4 短い対話文を読み、読み取った事柄について、異なる2つの意見を適切に英語で表現する能力をみる

 

 

大問1は、全校共通のリスニングです。

大問2~4が独自問題ですが、それぞれ大問2は「長大な対話文」、大問3は「物語文」、大問4は「短い対話文」の問題であることがわかります。

したがって、「説明文」ではなく、「対話文」や「物語文」を読む「準備」をしておかなければなりません。

 

また、すべての大問で「英語で解答する設問」があることがわかります。

それは「抜き出し」の問題なのかもしれませんが、「英語で解答を記述する」問題である可能性が高いと思います。

 

注目すべきは、大問4で「異なる2つの意見を適切に英語で表現する能力」を検査されるという点です。

ここでは、2つの意見が交換される「対話文」が示され、受験生は、「2つの立場」に立ってそれぞれの意見を英語で要約する、あるいは主張を代理する、というような英作文を課せられるのかもしれません。

 

 

 

他塾の方も見ているでしょうから、このへんで。

 

 

 

都立入試に挑む受験生には、本年度の入試の「概要」を伝えています。

 

みなさんは、これまでの受験勉強、そして私立入試を通して、大きく成長しています。

私が、こんこんと伝えるまでもなく、一人ひとりが自分で「入試」をいうものを理解し、取るべき行動を判断することができるようになっています。

 

当日、思いもよらない問題が出ても、落ち着いて対処できるだけの力をつけています。

自信を持ってください。

 

 

 

みなさんといっしょに勉強してきた日々が、すでになつかしく思えます。

もう、「授業」の必要もありません。

 

私は、採点と問題の準備に追われる日々です。

後は、リスニングの「スタート」のボタンを押す係。

 

そして、くだらない質問に対して、くだらない受け答えをする人。

 

月日が過ぎて、あのくだらないやり取りの断片が、みなさんの記憶にかすかに残っていて、あるとき、ふと思い出して、ちょっとだけ愉快な気持ちになってくれたら、うれしく思います。

 

 

 

受験という「航海」の果てに、英作とリスニング、作文と漢字に立ち返ってきました。

これらが「最後のピース」です。

 

 

 

あと少し。がんばろう。

 

 

 

 (ivy 松村)

 

英語の過去問演習について

今日、授業で話したことについてちょっと補足します。

 

過去問演習、模試などで、なかなか得点/偏差値が上がっていかない生徒は、不安が大きくなっていると思います。

 

入試本番までは、あと2か月あります。

この間に、学力を伸ばしていき、2月に「合格ライン」を超えるイメージを持ってください。

 

今この瞬間に合格点を取れる学力を誇示し、それを残りの2か月の間キープし続けることが求められてるわけではないのです。

 

「これから」の取り組みが重要です。

 

 

英語は、「5つの柱」を意識してください。

 

①語彙

…継続的に週2回、単語・連語・熟語のテストを行っています。継続は力なり。手を抜かずに、たんたんと取り組んでください。

 

②文法

…本科テキスト、プリント演習、パターン演習と、少しずつ高度な内容を織り交ぜながら、必要な文法事項を網羅してきました。特に重要なのは整序です。語の配置と語順を意識しながら取り組んでください。

 

③リスニング

…夏期講習から都立・私立のリスニング問題を続けてきました。リスニングは、間違いなく他塾の3倍以上の演習量をこなしています。自信を持ちましょう。塾外でリスニングに取り組みたい人は音源を提供しますので、申し出てください。

 

④英作文

…英作ノートを提出し、添削を受け、書き直しをするように指示しています。作文テーマ集も配布しています。ノートは必ず週2回は提出するように伝えていますが、提出回数に制限があるわけではないので、毎日提出してくれても構いません。

 

⑤文章読解

…たくさん文章を読んでください。具体的にいえば、たくさん過去問を解くということです。英語は「言語」です。したがって、使用頻度を上げ、使用量を増やすほどに、技能が向上します。ただし、「入試問題」に取り組むわけですから、「時間内にできるだけ多くの正解を導く」という意識を常に持ってください。いつも言っているように、線や記号、図、メモなどを駆使して視覚的に「内容」を整理したり検討したりするようなアプローチを行うこと。

読む際には、必ず、英語を英語として読む「トライ」をするように。日本語に置き換えたり、日本語で思考したりしないようにこころがけながら読みましょう。

 

安定的に英語で得点をとるためには、試行錯誤をしながら、速く、正確に読むための、自分なりの「方法論」を確立する必要があります。

ただし、今は、「速読」のように「飛ばし読み」で、勘をたよりに問題を解くやり方は極力控えるようにしてください。入試直前になって、どうしても大量の文章題に対応できないときに「速読」に手を出すかどうか考えましょう。

 

 

水曜日と金曜日は、過去問を解くために使える日です。どちらか、あるいは両日、過去問を解くようにしてください。

 

第一志望の高校の過去問は、できれば10年分(くらい)は解きましょう。合格判定がDやEであっても、どうしても合格したい人は、15年分。志望順位が3番目以下の高校は、数回でかまいません。

 

 

 

今から受験まで、水曜日、金曜日がどれくらいあるのか確認してみましょう。

 

①11月29日(水)

②12月1日(金)

③12月6日(水)

④12月8日(金)

⑤12月13日(水)

⑥12月15日(金)

⑦12月20日(水)

⑧12月22日(金)

 

~冬期講習~

 

⑨1月10日(水)

⑩1月12日(金)

⑪1月17日(水)

⑫1月19日(金)

⑬1月24日(水)

⑭1月26日(金)

⑮1月31日(水)

⑯2月2日(金)

⑰2月7日(水)

⑱2月9日(金)

 

~都内私立高校入試~

 

 

 

ざっと18回です。

 

 

過去問を解くパターンは、おもに3つあります。

 

①各教科の授業内で解く

②入試特訓演習で解く

③各自が自分で解く

 

 

授業や入試特訓演習で解く問題は、基本的にクラス内の誰かが受験する可能性がある高校の過去問を使います。したがって、数回は、必ず自分の受験する高校の過去問を解く機会があります。

しかし、自分から主体的に過去問を解く時間を作っていかなければ、「経験値」は上がっていきません。

 

 

たった18回しかない「チャンス」です。

これをないがしろにしていては、「目標」に到達することは困難かもしれません。

 

 

これから、本気で15年分解こうと思ったら、相応の覚悟と意志が必要です。

 

なかなか大変なことですが、ものは考えよう、です。

 

「これから」問題を解いてそれを復習する機会は十分にある、と考えましょう。

 

 

 

過去問を解いた後は、必ず得点を「記入表」に書くようにしてください。

 

自分で解くときは、自分の過去問集を使ってください。

こちらが用意した問題冊子は、きちんとファイリングするようにしてください。

 

作文や記述問題の採点は引き受けますので、問題に答案用紙をはさんで、私の机に出すようにしてください。

作文の書き直しはその都度提出してください。

 

レポート提出は、各自の判断に任せます。

ただし、必ず正解できなかった問題の「正答への筋道」の確認を怠らないようにしてください。

文章中から、正解の「ヒント」や「根拠」となる部分を見つけ出し、マーカーやペンでチェックを入れ、どのような知識や解法をもとに答えを導き出すのか、メモなり、「まとめ」なりを作成するようにしてください。

 

 

 

今週中に、ほとんどの中学の仮内申が出るようです。

仮内申が判明した人は、すぐに知らせるようにしてください。

 

随時面談を組んで、保護者の方と最終的な受験校についてお話しさせていただきたいと思います。

 

 

一歩一歩受験が近づいてきました。

 

 

がんばっていきましょう。

 

 

 (ivy 松村)

 

英語のスピ―キングテストのこと

英検の二次試験の結果が届きました。

 

ウェブでの合格発表日に受検者のみなさんにはすでにお伝えしていますが、全員合格でした。

英検3級、準2級の二次試験は、3年間、連続で全員合格です。

今日授業のなかった2年生には、来週認定証をお渡しします。

 

春の合格者も含めると、中3の準2級の「保有者」がずいぶん増えました。

 

準2級を持っていると、併願優遇や推薦入試でアドバンテージを得ることができます。

特に、「加点タイプ」の併願優遇で、非常に高い基準を設定しているような私立高校の出願に際して、準2級を持っていることは非常に大きな意味を持ちます。

 

がんばりましたね。

おめでとうございます。

 

 

 

さて、「英語」つながりで、都立高校入試の「英語」で、スピーキングを導入するかどうかという話。

 

 

現在、東京都立高校入学者選抜英語検査改善検討委員会というのが定期的に開かれていて、英語のスピーキングテストの導入ついて話し合われています。

 

東京都教育委員会で公表されている会議趣旨を見てみると、

 

・一斉に実施できるタブレット方式が望ましい

・実施回数は1回(予備日あり)

・私立高校入試との調整を踏まえるべきである

 

 

というような「方向性」が示されています。

 

まだ検討段階なので、議論が深まれば、別の「方向性」が出てくるのかもしれませんが、現在話し合われている内容について考えてみましょう。

 

 

「セキュリティの問題」があるため、受験生を数グループに分けて「時間差」で検査を行うことに問題が生じるかも知れません。

 

当然、試験は「同一の内容」であるべきですが、例えば、「午前」に試験を受けた人物が、「午後」に試験を受ける予定の人物に「試験内容」を漏らす可能性があります。

 

それで、試験を「一斉」に実施するためには、タブレットなどを用いる必要があるというわけです。

 

タブレットを使うということは、タブレットの指示通りに英語を発話し、その様子をタブレットに記録。そして、その内容に評価をつけるということになるのでしょう。

 

また、「試験会場」でスピーキングテストを実施するためには、5教科の入試の「前」にスピーキングテストの日程を設ける必要があると思います。

 

そのために、高校ではなく、もっと広い「会場」を貸し切って行われることになるのかもしれません。

 

 

個人的に気になるのは、「タブレット、めちゃくちゃ必要になるやん!」ということですが。

そうすると、「めちゃくちゃ儲ける人」がいるわけですね。もしかすると、この話の「肝」は「そのあたり」なのかもしれません。

 

 

 

それにしても、そこまでしてスピーキングのテストをする必要があるのかどうか。

 

 

 

英語の「4技能」という概念は、ひとり歩きしすぎなのではないかという気がします。

 

英語という「ツール」を操る能力を測るうえで、「スピーキング」という指標を用いることは合理的です。しかし、それは「高校入試選抜」においてどうしても審査すべき「学力」であるとはいえないと思います。

 

普通に考えて、「日本語を話す能力」の方がより重要であるといえるでしょう。

 

どうして、英語を話す能力の方が優先されるべきなのか、と思うわけです。

 

 

加えて、物理的、精神的、経済的に負担が大きすぎます。

 

 

もう少し個人的な考えを言うならば、私は、日本人「全員」が、英語を話すべきだとは思わないのです。「英語を必要とする職分」に就くべき人が、英語の能力を高めていけばいいと思うわけです。

 

 

そういった意味で、高度な人材を社会に送り出そうという学校や教育機関は、むしろ、入試で英語のスピーキングのテストを導入することを検討するべきでしょう。

 

しかし、「東京都立高校」全体の入試選抜で、あまねく共通にスピーキングテストを行うのは、ちょっと問題がありそうな気がします。

 

 

 

英検のような「英語の能力の検査」において、スピーキングのテストは極めて重要な意味を持っています。その能力を伸ばし、検定に合格するという目標を達成するために、生徒たちとずっと面接の練習を重ねてきました。

 

もちろん、高校入試にスピーキングが導入されることになれば、私たちはその対策を全力で行います。

 

しかし、ちょっと釈然としない思いもあります。

 

 

(ivy 松村)