都立志望の生徒が私立高校を受験するべきである理由

昨日は、日曜日でしたが校舎を開け、生徒たちにはテスト対策に取り組んでもらいました。

 

今日、明日は、ひよどり山中の中間テスト、明日、明後日は四中、平山中の中間テスト、そして、金曜日には七生中の中間テストがあります。

土曜日は「英検」です。

その次の週の水曜日、木曜日が二中の中間テストです。

 

がんばってください。

 

 

中3は、昨日はVもぎを受けて、その足で校舎に来て、見直し・復習をしていました。

 

模試や過去問の復習の仕方を、かなり細かく説明しました。

今後も継続して取り組むようにしてください。

 

 

 

今週と来週で中間テストが終わります。

 

中間テストをふまえて今後の学習の方針などを、ご家庭と話し合う機会として、ivyで10月の中旬から「保護者面談」を実施することとなっています。

 

 

特に中3受験生のご家庭とは、受験校や受験パターンなどについて、具体的なお話をさせていただきます。

 

このタイミングで、ある程度受験の方向性を固めておかないと、この後で行われる中学校の「三者面談」で、中学の先生が主導する受験パターンに誘導されてしまいます。

 

 

 

10月の終わりから11月の頭にかけて、各中学校では2回目の「三者面談」(または「進路面談」)が行われます。(1回目は7月に行われています。)各中学校の担任の先生、または進路指導の先生と受験校について話し合うものです。

 

そして期末テスト後の 12月初旬の3回目の「三者面談」で、受験校をほぼ決定します。

 

 

こうした「三者面談」を、「どの学校に入れそうか」という相談をするものだと勘違いしている方は、注意が必要かと思います。

 

このブログでも過去に何度も書いてきましたが、学校の先生は基本的に、「どこかの学校に入ってくれればいい」と思っています。

「なるべく良い進路に、」とか「少しでもいい高校に、」という視点ではなく、「必ず進学できる高校を確保する」ということを優先します。

 

学校の先生にとっては、なるべく手短に、なるべく簡潔に、なるべくスムーズに「確約」を得られるような形で話がまとまるのが一番いいわけです。

 

そのため、私立高校で、推薦、単願(専願)、併願優遇で、「確約」がもらえる入試を「軸」にして受験が組み立てられます。

 

 

都立高校を第一志望とする生徒は、基本的には、受けたい都立高校を受けなさい、と言ってもらえます。どれほど可能性が低くても、最終的には好きなところをうけなさい、ということになるはずです。

そのかわり、必ず私立の「併願優遇」を使って、都立がダメだったときに進学する高校を確保するように、念を押されるでしょう。

 

「併願優遇」とは、平たくいえば、高校側が内申点などをもとに合格の「確約」を出すものです。

 

詳しくはこのブログの過去の記事を参照してください。

 

高校受験を見渡す②(併願優遇)

 

 

 

中学校の先生の「進路指導」の重点は、「第一志望合格」ではありません。

中学校の先生は、生徒たちを「高校進学」という形で卒業させれば、それで責任を果たしたということになります。

 

 

学校の先生にとって、「進路」は究極的には「1」か「0」です。

「1」、つまり「高校入学」という結果であれば、「十分」だといえるわけです。

 

第一志望の高校であっても、「併願優遇」の高校であっても同じ「1」です。

その価値は変わりません。

 

これが、塾の「進路指導」との決定的な違いです。

 

 

塾の教師は、そういうわけにはいきません。

生徒の将来を、もっと「綿密」に考え、受験をもっと高度な戦略のもとにとらえます。

 

 

私たちは、高校受験をかなり幅広くとらえます。

「1」か「0」というような二元論ではなく、受験を、重層的な選択域として考えます。

 

 

 

たとえば、都立国立高校を第一志望とする生徒がいるとします。

中学校の先生は、単純に、ある私立高校の「併願優遇」を受けるように言うでしょう。当然「確約」という言葉は使いませんが、その高校に必ず合格できるという「見込み」を持っているわけです。

だから、私立入試は一校だけ受ければいいというわけです。

とりあえず都立の推薦も受けてみなさい、とも言うでしょうから、多くても3回の受験ということになります。

 

 

一方、塾は、より複雑な戦略性で受験と対峙しています。

 

国高への「進学希望度」を、とりあえず「10」で表すとしましょう。

 

中学校の先生は「1」か「0」で受験をとらえていますが、受験生の心情としては、第一志望の国高を「10」とすると、「併願優遇」の受験をする私立高校の「進学希望度」は「3」程度だろうと思います。

 

この「落差」は、その後の人生に大きな影響を及ぼし得る危険なものですが、悲しいことに、多くの人がこれを直視しません。「絶対に合格する!」などと言って、「賭け」に突入してしまうのです。

 

 

 

私たちは、「10」がダメだったときに、たとえば「3」の高校に進学するような事態を看過することができません。

「進学希望度」が「9」や「8」の高校も受験しておくべきだと考えます。

 

 

国高を目指すレベルの受験生であれば、2月10日~2月12日の私立高校入試では、進学先として魅力のある高校を受験するべきだと思います。

たとえば、10日は早実、慶女、ICUなど、11日は豊島岡、早大学院など、12日は慶應義塾、青学、明明などの上位校です。

さらに、2月13日の国立大学附属高校や2月21日の高専を受験することも、選択肢に入ってくるでしょう。

 

そうすると、この日程以外で「おさえ」の高校を確保する必要が出てきます。

そのために、都外の私立高校の受験が視野に入ってくるのです。つまり、都外の私立高校の入試で「確約」を確保して、2月10日からの都内・神奈川の私立高校入試で「勝負」するという流れです。

 

「1」か「0」という受験ではなく、「10」か「9」か「8」か「5」か「3」・・・というような受験です。

 

 

「10」がダメだったときに、「9」の高校に行くのと、「3」の高校に行くのでは、残酷なほどに対照的な結果です。

 

また、これも何度もブログに書いてきましたが、都立高校入試では、私立高校の入試結果をふまえて受験校を変更する「志願変更」という制度が設けられています。

ですから、もし、「9」「8」といった「進学希望度」の高い私立高校入試で良い結果が得られなかった場合は、都立の受験校を再考することもできます。

 

 

 

大学受験で国立大学を考えているご家庭は、なかなか難しい部分もあると思います。

近年は、高校募集をしている私立の進学校が少なくなっています。そのため、上位私立高のほとんどが大学附属高となっています。

 

そんななかで、私立大学に行くつもりがないのでこうした高校を受ける意味がない、と考えるご家庭もあると思います。

 

もちろん、その考えは至極まっとうな意見ではありますが、実は「受験の条理」からずれてしまっていることに注意が必要です。

 

無事国高に合格できれば何も問題ありません。しかし、ここでの話は、「そうならなかったときのために、どのような受験を考えるべきなのか」というものです。

 

端的に、「併願優遇」の高校では、国立大学への進学が遠ざかります。

 

高校受験での「つまずき」による「ダメージ」が一層大きくなってしまうのです。

はっきりいってしまえば、早慶MARCHに進学できる可能性さえ遠ざかるでしょう。

 

 

もうひとつ付け加えるなら、国高の入試問題、つまりグループ作成校の入試問題よりも、上記の私立高校の入試問題の方が「高度」だということも考慮すべきです。

「相性」などもあるので一概にはいえませんが、求められる知識や技能は、私立の最上位校の入試問題のほうが高いのです。

 

一般的に考えるならば、私立の上位校に向けた入試対策を受けた受験生の方が、都立の最上位校の入試においても得点力では有利になります。

 

 

「受験」というものを大きく誤解している人は、なるべく「省エネ」で受験を突破するのが「賢い」やり方だと考えます。

それは、都立高校の入試対策だけを集中的に行えば、得点力を最も効率的に上げることができるというような、短絡的な思考です。

そのために、私立高校は「併願優遇」で「確約」をもらっておけばいいという発想になるのでしょう。

 

つまり、「高校受験」のことしか考えていないわけですが、実は、そのような「目先のこと」だけに対処する方法論にしがみついていては、その先にある「大学受験」を突破することが難しくなります。

 

 

まず、高校に入学した時点で、私立高校入試を戦った受験生との間に学力の「差」がついているわけですが、それは単に知識や情報が足りないというだけではありません。

 

高校の勉強がスタートする前にすでに、学習に対する「意識」や「耐性」で大きく引き離されているのです。

誤解を恐れずにいえば、「学習者としての質」で劣っているわけです。

 

「なるべく楽に」という価値観の人間と、「より多くの努力」を当然のことであると考えている人間が競っていくわけです。

それは結局、大学入試、そしてその先で、目に見える「差」となって現れるでしょう。

 

 

(もちろん、世の中には信じられないほど優れた頭脳を持った人もいます。データや分析の「外側」にいるような人たちです。たまに、そのような人の例を出して「反論」する人がいます。「でも、そうではない人もいますよ・・・」というように。ちょっと考えればわかりますが、その行為は限りなく無意味です。「普遍的な法則」を主張しているわけではないので。例外はいくらでもあります。)

 

 

 

以上のようなことをふまえて、たとえ都立高校を第一志望としている受験生であっても、積極的に私立高校入試を「活用」したほうがいいと考えます。

 

ただし、これはあくまで「塾の論理」であって、受験は、生徒・ご家庭が納得のいくものであるべきだと思います。

 

来週からの面談では、こうした部分も含め、ひざを突き合わせてお話したいと思っております。

 

 

 

今後の高校入試に向けたスケジュールです。

 

※入試まで

 

・中間テスト

(塾の保護者面談①) 10月中旬~

・中学校の「三者面談」① 10月下旬~11月初旬

・期末テスト   11月後半

・「仮内申」の告知 11月下旬

(塾の保護者面談②) 11月下旬~12月初旬

・中学校の「三者面談」②  12月初旬

・中学と高校の「入試相談」 12月15日

 

 

※高校入試

 

・都外私立高校入試(山梨・埼玉等)1月~2月

・私立高校推薦入試 1月22日~

・都立高校推薦入試 1月26日(27日)

・私立高校入試(東京・神奈川等)2月10日~

・国立大学附属高校入試 2月13日

・国立高専入試 2月21日

・都立高校入試 2月24日

 

 (ivy 松村)

 

内申点の重要性と定期テスト対策

ようやく、すべての中学校の期末試験が終了しました。

生徒のみなさん、本当にお疲れ様でした。

 

 

全体的な印象として、定期テストが難化していると感じました。

 

保護者の方や塾の教師で、まだ「ゆとり」の頃の定期テストのイメージを持っている人がいらっしゃたら、認識を改めなければならないと思います。

 

問題を見ると、中学の先生方が、張り切ってテストを作成されているのが伝わってきます。

一筋縄ではいかない骨太の問題も数多く見受けられました。

 

実技教科は、「マニアック」な出題をする先生がいらっしゃいますね。

また、社会や国語でも、かなり驚かされる出題が目立ちました。

 

 

 

当然のことながら、都立高校を第一志望に考えている生徒は、中学の成績をできる限り高く保っておかなければなりません。

 

都立高校の「受験」は、中学校の内申点に左右されます。

しかし、焦点は、もはや「入試」における得点に内申点が含まれるというような素朴な事実ではありません。内申点によって、ほぼ、受験校が「振り分けられる」ような時代になってきているということです。

 

「リアリティー」の重心は、内申点の「1」の差が合否を分ける、という観念ではなく、内申点の「1」の差によって受験校が決まる、という認識に移りつつあります。

 

これまでは、内申点を持っていないと「勝負に勝てない」という話だったのですが、今は、「勝負できない」という事態になっているのです。

 

 

 

本年度は、特別選考の廃止と、実技教科をより重視した点数配分とする受験制度への変更がありました。また、今後数年は、マークシート方式の導入によって、問題が易化するのではないかと考えられています。そうなると、「持ち点」のない受験生の「一発逆転」はより厳しくなっていくでしょう。

 

 

さらに、都立高校受験の「激戦化」もあいまって、今後の都立高校受験の流れは、より「安全志向」になっていくと思います。

 

トップレベルの「偏差値」を有した生徒でも、八王子東や立川、国立を狙うのではなく、町田や日野台、「三北」を受験するようなことが、一般的になってくるかもしれません。

 

 

 

最近3年間の、多摩地域の高校の偏差値の推移を見てみましょう。

(晶文社「高校受験案内」2013→2016)

 

武蔵北    (男)65→67      (女)65→67

町田       (男)64→66      (女)64→66

小金井北 (男)62→66      (女)62→66

日野台    (男)61→62      (女)61→64

調布北    (男)61→64      (女)60→61

昭和       (男)58→60      (女)58→61

多摩科技 (男)55→61      (女)55→61

 

 

 

都立の上位校志望者が飽和しているので、志願者の「玉突き」が起き、「2番手校」(共通問題上位校)が軒並み「水準」を上げています。今後は、その影響がさらに「下部」へと波及することとなりそうです。

 

つまり、都立高校受験全体が、難化→安全志向の「玉突き」に巻き込まれることになると考えられるのです。

 

 

高校受験は、大学受験とは違い、「浪人」の選択が現実的ではないので、「保守的」な戦略が基調とならざるを得ません。「合格したい高校」ではなく、「合格できる高校」を受験する決断が非常に重くなってくるのです。

 

 

 

もし、立川高校にぎりぎり合格できるかどうかという生徒が、立川を受けたいと言い出したとしたら、私は、頭の中にいくつかの受験パターンを思い浮かべます。立川高校に相応する私立高校を押さえることが、受験の戦略の基礎になります。しかし、その「ぎりぎり」のラインが高騰しています。

 

一方で、私たちの考え方とは違い、「お決まりの併願優遇パターン」で受験をさせる塾もあるのだろうと思います。立川高校を受ける受験生は、判を押したように「この私立高校」だと。しかし、こちらも、都立高受験が厳しくなってきていることを感じ取っているはずです。

 

考え方は両者対照的ですが、「安全策」へと移行する場合には、結局、同じ方策を取ることになります。立川高校の受験を取りやめ、都立の受験校を「下げる」のです。

 

 

最近、週刊誌の大学受験の高校ランキングの「決定版」や、合格者数以外のランキングなどの特集で、気になったものをパラパラと見たりするのですが、私立高校のなかには、都立高校にずいぶん差を開けられたところもあります。

 

「併願優遇の私立高校」と、立川高校の大学合格実績をよく比べてみると、たぶん、びっくりされるのではないでしょうか。

 

大学の進学実績を比べた場合、100:30ぐらいになるかも知れません。生徒数やその他の条件をそろえた場合には、その比率はさらに大きなものになると思われます。さらに、授業料や校風などの面での負担も考えられます。

 

 

「賭け」としては、あまりにも「リスキー」なのです。

都立高受験がダメだったときの「デメリット」が大きすぎるのです。

 

そして、「安全策」で「2番手校」を受験し、そこに進学する方が、「メリット」が存外に大きいのです。「併願優遇の私立高校」と比べても、進学実績は2倍以上にはなるでしょう。

 

 

 

以前であれば、入試問題の「得点力」を極限まで磨くことで、立川高校の合格を勝ち取るという戦略が「セオリー」でした。合格の可能性をより確実に担保するものは、内申点ではなく、「得点力」だったのです。

 

「自校作成」時代の立川高校の問題は、年度にもよりますが、全体として、国語の点が取りやすく、数学が難しい傾向にありました。ですから、特に数学の得点力が高い生徒は、少々内申点が乏しくても、「特別選考枠」を狙って強気の受験を提案することができました。

 

要するに、内申点を上げるために定期テストの勉強をするよりも、問題演習をこなして「得点力」を上げる「受験勉強」が「有効」だったのです。

 

 

しかし、今は状況が変わってきています。

 

内申点が「足りない」という状況は、立川高校の合格点に届くかどうか、という問題に直面しているのではなく、立川高校を受験するべきかどうか、という命題を突きつけられるということなのです。

 

(いうまでもないことですが、これは「合格できると言えるかどうか」という問題ではなく、「合格できると思えるかどうか」の問題です。)

 

 

 

ivyは、最も定期テスト対策に力を入れている塾のひとつであると自負しています。

 

定期テストの2週間以上前から定期テスト対策用の教材を配ったり、対策講義を行ったりします。

土日や授業のない曜日に、補習や解説授業が行われます。

 

テストの1週間前は、通常授業の時間を、テスト勉強に使えるようにします。

 

そうすると、生徒は1週間分の授業料の「対価」を受け取っていないではないか、と突っ込まれそうです。

少し説明します。

 

ivyの中学部は、「月例テスト」を授業日以外に行っています。

それに対し、多くの塾は、「授業内」で塾のテストを行っています。

3教科のテストに3時間かけるとすると、毎月あたり0.5週間分の「ロス」を出していることになります。そうすると、年11回の「月例」テストを行うとして、5.5週分、つまり1か月半の授業時間を浪費して、テストを実施しているということになります。

 

ivyは、なるべく入試に近い形で、3教科を連続で受験する経験を積んでもらいたいと思っています。ですので、原則として、毎月第2土曜日に、「月例テスト」のために生徒に集まってもらっています。もちろん、都合のつかない場合には、別日での受験も認めています。

 

ivyが、1週間分の授業時間を使って中学校の定期テスト勉強を行うのは、1、2学期に2週ずつ、3学期に1週ですから、年に5週です。

 

 

しかし、あえていうなれば、実際には、「授業」の時間は減っていないのです。

私は社会の担当ですから、できる限りの時間を取って、学校別の社会の講義を行いましたが、合計で、この2週間の「授業」時間は30時間を超えていると思います。

杉田先生の数学や理科の講義にしてもそうです。

 

その他、生徒の要望にそって、問題や教材、プリント等を用意しました。

1人あたり50枚近くのプリントを渡していると思います。

 

 

 

ivyが定期テスト対策に力を入れるのは、いまや、それが「受験の一部」であるといっても過言ではないからです。

 

 

生徒たちは、真剣に取り組んでいました。

3年生は、勉強の「やりかた」を少しつかんできたように思います。

しかし、1、2年には、まだ、「定期テストの勉強の仕方」が理解できていない人もいますね。

その度ごとの経験を無駄にせず、正しい勉強法を身につけてもらいたいと思います。

それもまた、定期テスト勉強の意義です。

3年になるまでに「形」ができてくるといいなあ、と思っています。

 

(ivy 松村)

 

「私立安心校」(「都立併願③)

「都立併願」の最大のデメリットは、都立高受験の結果が厳しいものであった場合、自動的に進学先が固定されてしまうことです。

 

これまでにも何度も述べてきましたが、塾教師の目から見て、学校の先生が勧める「併願校」は、受験生の学力に見合ったものでないことがかなり多いのです。

 

見方を変えてみるならば、「都立併願」は、何人かの受験生にとっては、「確約」の見返りに、自分の学力より「ランクの低い高校」に入学する義務を負うというものなのです。

 

 

理想を述べるならば、都立がダメだったときに、進学先として納得のいく、満足できる、愛着の持てる私立高校に入学する権利を得たうえで、都立高校入試に挑むのが望ましいと思います。そのような高校を仮に「私立安心校」と呼ぶことにしましょう。

 

「私立安心校」は、必然的に、「確約なし」の受験になりますから、難しい入試になります。

しかし、「私立安心校」の合格を勝ち取ることができれば、都立入試に向けて弾みにもなりますし、精神的にも余裕をもって都立入試に挑めます。当然、良い結果が出る可能性は高くなりますし、万が一、都立の結果が厳しいものであったときにも、ダメージは最小限にとどめることができます。もしかしたら、かえってよかったという場合もあるのかもしません。

 

都立高校と私立高校では、費用面で大きな差があります。私立高校に入学することになれば、相応の学費を支払うことになるのですが、「私立安心校」に支払うのと「都立併願校」に支払うのとでは、大きな違いがあるように思います。

 

「絶対に都立に受かってほしい」と思うだけで、「私立に入学する可能性」を意識から追いやってしまっていると、「都立に行くのだから、私立は併願で受験すればいい」という発想になってしまいます。

「私立に入学する可能性」を考えれば、少しでも上の私立高校に合格したほうがいいということがわかると思います。

 

 

要は、どこに「リスクをかける」のか、ということだと思います。

 

「都立併願」を選択し、私立入試のリスクを回避した場合は、都立の入試結果によってリスクが生じます。

 

一方、私立入試にリスクをかけて「私立安心校」入学の権利を得ることができれば、都立の入試結果に対するリスクは軽くなります。

 

 

・「都立併願」・・・「ノーリスク」私立入試(「併願校」確保) × 「ハイリスク」都立入試

・「私立安心校」・・・「ハイリスク」私立入試 × 「ローリスク」都立入試(「私立安心校」確保)

 

 

傾向として、中学校の先生は、前者で受験を組み立て、塾の教師は後者で組み立てることが多いと思います。

 

 

しかし、「都立併願」に頼らない受験パターンを組むためには、新たな「リスク」を引き受けなければなりません。

「私立安心校」を受験するために、別の「おさえ」が必要になります。

「併願優遇」がなければ、その「おさえ」も「実力勝負」で取りに行かなければならなくなります。

 

ですから、一般的に、進学塾では、複数の私立高校の受験を提案します。

 

都内の私立高校は、おもに2月10日~2月12日に入試日を設定してありますから、3回の受験が可能です。

また、国立大附属高校を含め、それ以降に受験日を設定している高校もありますので、場合によっては、さらに受験校を増やすことができます。

 

帰結として、

 

・「おさえ」(すべり止め)

・「相応校」(受かっておきたい高校)

・「チャレンジ校」=「私立安心校」

・+都立高校

 

という受験パターンが典型になります。

 

さらに、他県の高校は2月10日以前に受験日が設定されているので、ここで「おさえ」を確保し、「チャレンジ校」の受験を増やすことも考えられます。

 

 

私立の入試結果によって、志願変更を行い、都立の受験校を変更します。

 

「チャレンジ校」合格 → 都立上位校

「相応校」合格 → 都立進学校

「おさえ」合格のみ → 都立進学校 or 都立中堅校

 

 

 

受験校を増やすことで、当然デメリットも生じます。入試対策の面で時間的、労力的に負担感が大きくなってしまいますし、費用の面でも負担が増えてしまいます。

一方、「都立併願」組は、都立受験に集中できるという見方もできます。

 

こうした複数の私立高校の受験を勧める塾の姿勢に、疑念を持たれる受験生や保護者の方もいらっしゃると思います。塾は、合格実績を稼ぐために、多くの高校を受験させようとしているのだと思われてしまうのです。

もちろん、塾によってはそういう意味合いを含めて受験を勧めるところもあると思います。

 

しかし、さまざまな要素を勘案して、「塾の視点」から総合的に「高校受験」全体をデザインしようと考えたとき、上記のような組み立てが、自然と浮かび上がってくるのもまた、事実なのです。

 

 

 

「都立併願」についてまとめてみましょう。

 

「都立併願」のメリット:

 

・「おさえ」の高校を確保できる

・都立高校入試に専念できる

・受験にかかる費用を抑えることができる

 

 

「都立併願」のデメリット:

 

・都立がダメだったときに、思い入れのない高校に進学することになる

・「入試の経験」を積むことができない

・「志願変更」のきっかけがなくなる

 

 

(ivy 松村)

「入試の経験値」(「都立併願」②)

受験生の多くは都立高校を第一志望にしています。そして、都立高校の入試は、当然リスクのある「実力勝負」です。

 

ですから、学校の先生は、万が一都立がダメだったときのために、私立の進学先を「確保」するように動きます。

 

そこで、「都立併願」という、合格を「確約」するかわりに、「しばり」がつけられる受験パターンが示されることになります。

 

この「都立併願」という受験パターンは、学校の先生が得意とする、最も基本的な高校受験の様式です。

 

「都立併願」の受験は、通常は、「おさえ」の私立併願校と「本命」の都立高校の2校のみの受験になります。

 

学校の先生は、用意する調査書を最小限にとどめておきたいと考える方が多いので、極力受験校を減らそうとする傾向があります。

ですから、その意味でも、学校の先生にとっては、このパターンは理想的です。

 

もし、都立に無事合格できれば、言うことはありません。最も効率的で経済的に受験を終えたということになります。

 

 

 

「塾の視点」から都立高校受験を考えたときには、別の受験パターンが典型として浮かび上がってきます。

 

 

「都立併願」は、「入試の経験値」が上がっていかない怖さがあります。

 

このパターンにはめられてしまうと、本番である都立高入試の前までに、1度しか入試を経験できません。しかも、「都立併願校」の入試は、「確約あり」であることを伝えられているので、「真剣勝負」にはならないのです。

 

 

「ガチンコ」勝負の私立入試で結果を出せれば、大きな経験を積むことができるだけでなく、精神的ゆとりと、確かな自信を手にすることができます。

 

「入試の経験値」を積んだうえで都立高校入試を「最終戦」として戦う受験生に比べて、「入試の経験値」の少ない受験生が苦戦する傾向は否めません。

 

そのような観点からみても、実力よりも上の都立高校にチャレンジしたいと思っている受験生には、塾としては、「併願優遇」を勧めたくないのです。

 

 

 

また、「都立併願」の受験パターンを組んでしまうと、都立の「志願変更」の「きっかけ」が失われてしまうというデメリットが生じます。

 

都立高校の入試では、入学願書を提出した後で、一度だけ、願書を取り下げて、受験校を変更することができます。今年度は、取り下げが2月13日、再提出が2月16日になっています。

 

これは、私立高校の入試結果をふまえて都立の受験校を決めなさい、という配慮です。

 

例えば、「私立の上位校に合格したので、都立はさらに上の高校にチャレンジする」といった変更や、「私立で受かっておきたかった高校がダメだったので、都立は、確実に受かる高校に下げよう」といった変更ができるのです。

 

もう少し付け加えるなら、私立入試を経験して、受験生は都立高入試への手応えをつかむことができます。その感触を頼りに、都立の見通しを持つことができます。

 

つまり、都立受験をふまえたうえで私立受験を組んでおけば、私立高校入試の結果を材料として、都立受験を再度組み直すことが可能なのです。

 

一方、「都立併願」組には、そういった志願変更を考え直す「材料」がありません。

 

「都立併願」での受験が決まるのは、12月の三者面談です。そこから、「志願変更」まで2ヶ月間あります。その間に学力が伸びることもあれば、伸び悩むこともあるでしょう。しかし、2ヶ月前に決められた形を崩すことができないのです。

 

過去問演習などの得点が伸び悩んで不安を感じたとしても、思い切って「志願変更」をするだけの明確な理由となりにくいのです。「本番で何とかがんばる」などといって、不安を抱えたままの入試に突入してしまいます。

 

 

「都立併願」という受験パターンは、私立入試を都立入試のために活かすことができないというデメリットがあるのです。

 

(ivy 松村)

 

「塾の視点」(「都立併願」①)

「都立併願」について考えてみたいと思います。

 

 

・「都立に行きたい」→わかります→「私立のおさえはどこでもいい」→理解不能です

 

受からなかったとき、「どこでもいい」私立に進学することになってしまいます。

「絶対都立に受かるから大丈夫!」というような、知性のない精神論は無意味です。

意気込みはもちろん大事なものですが、やる気と結果は別物です。

 

「都立に行きたい」→わかります→「でも、受からないかもしれない」→その可能性はあります→「だから、行きたいと思える私立に合格しておかなくては」

 

このような発想で受験を考えなければならないと思います。

 

 

 

「都立併願」で受験をした場合、都立高入試の結果によっては、「併願校」へ進学することになってしまいます。

 

その高校が、十分に魅力のある学校だと思えるのであれば、問題はありません。しかし、もしも、そうではないのなら、どうして、その高校へ進学する「しばり」を自らに課してしまったのか、という話になってしまいます。

 

 

あまりにも不用意に「都立併願」を選択する受験生が多すぎる、と感じています。

 

第一志望の都立高へ進学したい気持ちを「100」だとしたら、まあ、併願校は「50」ぐらいでしょうか。人によって違うと思いますが、そこには大きな差があるものだと思います。

 

他の可能性を考えてみる必要があります。「都立併願」で受験しなければ、「80」や「90」の私立校を受験することができるのです。

 

もちろん、そこにはリスクがありますが、そういった受験もあるのです。

「別の道」について考えたことはありますか?

 

「50」を確実に手に入れる安全な道と、「90」を求めるいばらの道。

 

どちらを選ぶのかは、その人の置かれている状況や価値観によるものなので、一概にどちらが賢明であるとはいえません。

 

問題は、今の中学生は、強力に「50」の道へと誘導されていて、「別の道」へのルートは、さも危険で異常なもののように伝えられているということです。

 

「都立併願」が当たり前で、一般受験をするのはとんでもないことのように言われたことはありませんか。

 

 

 

もちろん、「都立併願」が悪いわけではありません。この制度を使うことが、本当に有意義になる生徒もたくさんいます。多くの受験生にとっては本当にありがたい制度です。特に、学力が不安定な受験生は、絶対に「併願優遇」で受験するべきです。

 

しかし、学力の高い受験生であればあるほど、この制度は足かせになり、デメリットになるのです。

 

 

「都立併願」のデメリットがあまりにも認知されていないために、毎年、「50」の高校に進学することになってしまう生徒がいます。しかも「90」の高校に合格するだけの力を持っているのに。これは、不条理だとは思いませんか。

 

 

それは学校の先生のせいでもなく、受験生・保護者の方のせいでもありません。はっきりいってしまえば、通っている塾のせいです。

 

学校の先生に任せれば、「都立併願」に固められてしまうことは、わかりきっています。でも、何もしない塾がほとんどです。

(もしかしたら、私立上位校の入試対策を指導できない塾なのかもしれません。)

 

 

学校の三者面談で決まった形を追認するだけの塾が本当に多いです。そんな塾に通っている受験生・保護者は「自衛」しなければなりません。自分で情報を集めて、自分で判断しなければならないのです。

 

このブログの目的のひとつは、1人でも2人でも、そんな受験生を救うことです。そのために、連日何時間もかけて書いています。

 

 

 

学校の先生は、「おさえ」があれば「大丈夫」だから、都立は好きなころを受けてもよい、と言います。

 

しかし、「おさえ」に進学しなければならないという「リスク」も考えるべきだろうと思います。

 

特に、進学指導重点校やハイレベルな争いになる激戦の都立進学校を受験する場合。

一か八かで可能性の低いチャレンジ校を一縷の望みをかけて受験する場合。

そんなリスクのある受験で、どうして、受かることだけを考えることができるでしょうか。

 

「都立併願」のパターンで一番危ないのは、緊張するタイプの生徒が、ギリギリ合格できるかどうかのレベルの都立高校を受けるときです。

 

逆に、図太いタイプの生徒は、あっさり受かってしまうこともあります。結果オーライというやつです。

 

何事にも功罪はありますから、一概にはいえませんが、「第一志望がダメだった」という結果の意味が、受験のパターンによって大きく変わってくるのです。

 

 

「おさえ」があるから「大丈夫」だといって、「都立併願」で受験をして、都立がダメだったとき、本当に「大丈夫」だったね、と思えますか?

 

 

 

これまでの受験指導の経験から、「塾の視点」で受験を見ていない受験生や保護者の方が、けっこうたくさんいらっしゃることがわかってきました。

 

「塾の視点」とは、要するに、戦略的に受験を考えるということです。

きちんとした「まともな」塾は、置かれている状況や条件の中で、よりよい成果を得るために、受験をどうとらえ、どう行動するべきなのかということを常に考えています。

 

「塾の視点」から受験というものを知っていただくことは、受験生・保護者の方にとっても有意義なのではないかと考え、ブログに書かせてもらっています。

 

「家庭の視点」「学校の視点」そして「塾の視点」で受験を見直したときに、受験に「別の道」がみえてくることがあるかもしれません。

 

 

もちろん、大前提として、受験生は、自分の学力、家庭の事情などを考慮して、現実的に、志望校を考えなければなりません。

 

そして、どのようなパターンで受験に挑むのか、その決断をするのは、受験生とご家庭です。

 

誤解のないよう、念のため再度付け加えますが、私は「都立併願」で受験するべきではないといっているのではありません。

私が懸念しているのは、受験の全体像を知らされないで、判断を迫られている受験生・保護者が数多くいらっしゃるのではないかということです。

 

「塾の視点」もふまえて考えた結果、やはり「都立併願」で受験しよう、と決められたのであれば、その受験を、私たちは最大限サポートしていきます。

 

(ivy 松村)