受験パターンについて⑥(都立高校「推薦入試」)

⑥都立高校「推薦入試」+都立・私立「一般入試」

 

 

都立高校の「推薦入試」は、1月26日、27日に行われます。

 

都立高校の「推薦入試」は、「入学の縛り」があります。

したがって、日程に余裕があっても、私立の「推薦入試」とあわせて出願することはできません。

 

ただし、都外の「入学の縛り」のない「推薦入試」であれば、併願受験することが許されます。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」は、独特の選抜方法で知られています。

作文か小論文、それに集団討論と個人面接が課せられます。それに「内申点」を合わせて合否判定がなされます。

 

ほとんどの中学生は、「推薦入試」の直前まで、そのような「選考」を受ける準備もトレーニングもしていません。

ですから、地道に体得した成果を発揮するような受験ではなく、個人の「素に近い資質」が、入試得点に色濃く反映されるような受験になります。

つまり、訓練を積んで対応力を鍛える時間がほとんどないために、生来、性格的に「向いている」生徒に圧倒的に有利な入試になるわけです。

特に、集団討論や個人面接は、あがり症だったり、内向的だったり、表現が苦手だったりする生徒には、かなり「ハードル」の高い「試験」となります。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」について、「宝くじ」のようなもので、期待せずに、「一般入試」に向けて勉強して行くべきだ、という意見が根強くあります。

 

この考えの背景にあるのは、受験生が「過度の期待」を持ってしまうと、不合格だった場合に精神的ダメージが大きくなってしまう、という憂慮です。

 

しかし、個人的な考えを忌憚なく述べるならば、「そのようなメンタル」の受験生は、そもそも「向いていない」ように思います。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」について考察するときには、2つの「ファクター」に注目する必要があります。

 

ひとつは、受験生の「適性」です。

 

そして、もうひとつは、「内申」です。

 

「内申」、当たり前じゃないか、と思われる人も多くいるでしょうが、実は、毎年多くの受験生が「内申」を考慮することなく「推薦入試」に挑みます。

 

合格の可能性が、ほぼゼロの出願が、行われるのです。

 

 

たとえば、立川高校の「推薦入試」では、「内申」が「40」を切っている生徒は、合格の公算がほとんどありません。

 

ですから、「内申」が「40」を切っている生徒は「推薦入試」の出願に慎重になるべきです。

よほど、「自信」があって、「覚悟」がある受験生でなければ、その行為は徒労に終わる可能性が高いわけです。まして、スペシャルな「適性」を持たない生徒は、「逆転」も厳しいわけです。

 

 

多摩地区では、「オール5」=「45」の「内申」を持っている生徒の多くは、国高の受験を考えます。

おそらく、受験者のうち、「オール5」の生徒の数は、国高の方が西高よりも多いはずです。

 

立川や八王子東は、女子は「44」「43」、男子は「43」「42」の受験生が多くなります。

しかし、立川や八王子東の合格者の分布は、国高とあまり変わりません。

 

これらの高校の合格者の分布は、およそ「40」あたりが「ボトム」となっています。

女子の場合は、おそらく「40」以下では、合格率はゼロに近い1ケタとなっているのではないかと思われます。

(八王子東と国立には、ある年に「内申」が「40」を切っている受験生が合格していますが。)

 

 

「データ」等から得られる知見としては、都立の「推薦入試」に抜群の「適性」を持ち、さらに立川高校の評価基準に「運命的な」相性を持つ受験生でなければ、「素内申」が「40」以下の生徒は、出願を見合わせるべきであるということになります。

 

 

 

都立高校の「推薦入試」は、「受けたいかどうか」、ではなく「受かる可能性があるかどうか」に基づいて判断しなければならないと思います。

 

私は、都立高校の「推薦入試」はいいものだと思っていますが、それは「展望」のある受験であることが前提です。

 

毎年、何百人、何千人もの受験生が、むなしい、無謀な挑戦に身を投じます。

「宝くじ」のつもりで期待することさえ「まちがっている」といえるケースも多々あります。

出願することが、そもそも「不合理」なのです。

 

「期待をするな」というのではなく、本来、「出願をするな」というべきなのです。

 

 

 

しかし、では、なぜ、そのような無茶な出願が横行するのでしょうか。

 

その大きな理由は、学校の先生が、「推薦」の「安売り」をしているからなのでしょう。

 

学校の先生からすれば、純粋な「温情」や「配慮」なのかもしれませんが、それは必ずしも受験生に恩恵をもたらすわけではありません。

 

「内申」が「38」の生徒は、上位校の「推薦入試」を受けることになっても、「逆転」はまず不可能なのです。

 

「推薦入試」の実態を知らない受験生は、「チャンスが増えた」と感じ、よろこび、張り切るでしょう。

しかし、ほとんど可能性のない「推薦入試」に向けて、精一杯頑張れば頑張るほど、「一般入試」に向けた受験勉強が削られるわけです。

その「矛盾」に陥っていることを、自覚することさえできないのです。

 

 

都立を第一志望とする受験生は、「推薦入試」を受けるべきかどうか、自分の「適性」と「内申」をよく検討して受験を考えるべきだと思います。

 

そして、その「情報」や「分析」を受験生に知らせることは、学習塾の役割になるでしょう。

 

 

 

ところで、一部の都立高校の「推薦入試」は、ある種の「アナーキー」に陥る危険な兆候が見えます。どうやら、「それ」を狙った出願が功奏するようになってきたみたいです。

武蔵、大泉、富士、白鷗などの「中学併設校」のことです。

 

ここで言及することで、すこしでも「正常」な「選抜」にもどりますように。

 

 

※この記事を書くにあたって、進学研究会さんや新教育研究会さんの資料を参考にさせてもらいました。

 

 

 (ivy 松村))

 

受験パターンについて➀(スポーツ推薦)

英検の一次試験の結果が公表されました。

 

3級以上の受検者は、全員合格です。

4級、5級の受検者には、個別に結果をお知らせします。

 

3級の受検者は、この後、11月6日(日)の二次試験を突破すれば、検定級を取得することができます。

これから、二次試験対策を行っていきます。

 

過去に、私が二次試験対策をして、合格できなかった生徒は一人だけです。

その生徒は、小学校6年生のときに英検3級を受検しました。

そのときの二次試験では、ちょっと「不親切な面接官」に当たってしまって、うまく力を出せませんでした。

次の機会に、再度二次試験対策をみっちりやって、無事合格を果たしました。

 

それ以外では、全員合格を手にしています。

二次試験の受検者は、これからの二週間、しっかりとついてきてください。必ず合格に導きます。

 

 

 

保護者面談期間がまもなく終わります。

日程の都合もあって、来週に面談をさせていただくご家庭もありますが、「面談期間」は明日で終了します。

 

 

受験学年の生徒のご家庭とは、受験校や受験日程、受験パターン等について、具体的なお話しをさせていただきました。

 

 

10月になって、高校の説明会も本格的に始まりました。

高校の先生方も、当塾まで高校のご案内にお越しくださいます。

 

今週と来週で、ほとんどの中学校の合唱祭が終わります。

(七中は、再来週になっていますが。)

 

「受験勉強」に本腰を入れる時期です。

 

 

 

これからの勉強の方針や内容について、受験パターン別に書いておこうと思います。

 

 

・高校入試のおもな第一志望校別の受験パターン

 

①私立高校「スポーツ推薦」

②都立高校「スポーツ推薦」

③私立高校「推薦入試」〈合格の「見込み」あり〉

④私立高校「推薦入試」+私立「一般入試」

⑤私立高校「一般入試」

⑥都立高校「推薦入試」+都立・私立「一般入試」

⑦都立高校+私立「一般入試」

⑧都立高校+私立「併願優遇」

 

 

 

①私立高校「スポーツ推薦」

 

「スポーツ推薦」で進学を狙う場合には、必ず高校と「相談」をしなければなりません。

大前提として、高校側に、スポーツ選手としての「実力」を認めてもらう必要があります。

学校側に生徒を受け入れる「準備」があるかどうかを確認しないまま「スポーツ推薦」の受験をすることはできません。

 

多くの高校の「スポーツ推薦」で、スポーツの実績に加え、「内申」等の学力の「基準」が設けられています。

学校の成績が「基準」に届かなかったり、また、何らかの事情で中学が「推薦」をしない場合には、「推薦入試」を受けることができなくなります。その場合には、「一般入試」を受けることになります。

きちんと「相談」をしていれば「大丈夫」なところもありますが、高校によっては入学が厳しくなる場合もあります。

 

まずは、高校としっかり「相談」をすること。それから、必要な「基準」を確保することが大事です。

万が一を考えて、「一般入試」を視野にいれながら、学校の「内申」を上げていくための勉強に重心を置いて学習をしていくことになります。

 

 

 

②都立高校「スポーツ推薦」

 

都立高校の「スポーツ推薦」には、「実技検査」があります。

そこで「実力」を認めてもらうことができれば「合格」できると思い込んでいる人は、ちょっと「勘違い」をしているかもしれません。ほんの数十分の準備運動程度のパフォーマンスで、スポーツの「実力」をはかることは困難です。

 

都立高校は、事前に合格の「見込み」を出すことはありません。

「推薦入試」を実施して合否を判定するということになっていますが、入試当日になって、会ったこともない生徒がやって来て「実技検査」や「面接」を受けるとしても、部活の顧問の先生にとっては、「判断材料」が少なすぎるわけです。

 

「推薦入試」の日までに、高校に、自分の「実力」を知ってもらう必要があります。大会等での実績があれば、それをもとに「相談」をすることができるでしょう。また、「部活体験」は、「実力」を見てもらう機会となります。

そうしたスポーツの「実力」と、学力や人物等を「総合的」に「判断」してもらって、合否が決まるわけです。

 

「推薦入試」の「受験勉強」としては、やはり、「内申」を確保することが第一です。

 

しかし、都立の「スポーツ推薦」は、原則的に「結果の見通し」を事前に知らされることがないので、合格を手にするまでは、「一般入試」に回る可能性を十分に考えなければなりません。

 

都立高校の「一般入試」は、当然ですが、「内申」に加えて「入試得点」が求められます。

ですから、「スポーツ方面」の進路を希望する生徒であっても、定期テスト対策やスポーツのトレーニングに比重を置き過ぎることなく、ある程度入試対策にも時間をとって、バランスよく勉強することが大切になります。

 

 

(ivy 松村)

 

 

立川高校と八王子東高校の推薦入試について

立川高校と八王子東高校の推薦入試について書きます。

 

 

立川は、集団討論・個人面接の「配点」が200点、小論文が300点です。

 

 

集団討論・個人面接の得点分布を見ると、高得点を取っている受験生が多いことがわかります。

190点以上が11人、180~190点以上が8人、170~179点以上が10人います。

 

 

立川高校は、積極的に発言するタイプの生徒が集まる学校です。

また、そういった生徒を評価する校風があります。

 

「積極的」というのは、堂々と「自分の」意見を述べるということです。

(当たり前ですが、それは「独自の」という意味ではありません。)

 

そして、立川の集団討論のテーマは、「社会問題」に寄っています。

社会的なニュースに関心を持っている生徒にとっては、環境問題や国際関係といったテーマは発言しやすいものだと思います。

逆に、新聞などを読む習慣のない受験生は苦しくなると思います。

 

 

個人面接では、過去に、「思いがけない質問」をされた、という生徒がいました。

 

これは、個人的な印象も含めた上での意見ですが、立川高校は、「型」にはまった「お利口さん」ではなく、物怖じすることなく、機敏にものごとに対処できるような人物が評価されるように感じます。

 

 

小論文は「配点」が高く設定されていますが、得点は抑えられています。

300点満点となっていますが、150~160あたりが得点分布の「山」になっています。

昨年度は240点以上を取った生徒が1人しかいません。

 

小論文で「突き抜けた」ものが書ければ、他を大きく引き離すことができます。

 

小論文では、グラフや表などの資料の「読み取り」の訓練が必須です。

また、近年では、人文科学系の題材がつかわれる傾向が出てきました。

「コミュニケーション」に関して、考えをまとめておくといいかもしれません。

また、時間があれば哲学・心理学・言語学などのトピックについてまとめておくと役に立つかもしれません。

 

 

 

あと、立川高校の推薦入試を受ける受験生は、必ず、「推薦合格のみなさまへ」を受験前に読んでおきましょう。

 

 

 

八王子東も、集団討論・個人面接の「配点」が200点、小論文が300点です。

 

 

八王子東は、どちらかというと落ち着いていて、堅実で、そつなくものごとをこなしていくようなタイプの生徒が集まる印象があります。

(通っている生徒からすると、「そんなわけはない!」とツっこまれそうですが。)

 

集団討論・個人面接の得点分布を見ると、110~139点がかなり高い「山」になっています。

もしかすると、「典型的」なタイプの受験生がこの辺りに集中するのかもしれません。

 

この得点域にいる限り、合格は厳しくなります。

推薦入試で求められている人材は、どちらかというと「個性」をもった生徒だと思います。

 

データを見る限り、八王子東の受験生は集団討論・個人面接で「苦戦」をしているように見受けられますが、逆にいえば、「ここ」で点数を固めることができれば、かなり優位になります。

 

 

集団討論のテーマには、コミュニケーションやマナー、モラルといった題材が使われる傾向があります。

こうした内容は、中学生にとっては、身近でありながら漠然としたものなので、討論しづらいと思います。

 

大きな「ヒント」を述べるならば、「公共性」というものを、八王子東は重視しています。

 

 

小論文の得点分布は、210~224点の帯域に密集しています。

ある意味で、小論文では「差」がつきにくいといえます。

 

小論文対策として、やはり、グラフ、表などの数値の「読み取り」の訓練は必須です。

そして、「学び」「人生」といった(普遍的価値を持つ)抽象的な概念について、思考を巡らせる力を測ろうとしているように思います。

 

おそらく、「小論文」から逸脱して、身近な「体験」を書き連ねた「作文」を仕上げてしまう受験生が多くいるはずです。

そういった解答は、点数が上がってこないと思います。

そして、それが理由で、小論文の得点が「だんご」になっているのだと思います。

 

調査書が「厳しい」受験生にとっては、小論文が「鍵」になるかもしれません。

 

 

 

両校だけでなく、都立高校の推薦入試を受ける生徒が気にかけておかなければならないのは、「傾向の変化」です。

 

集団討論が導入されて4年目です。

入試問題の形式や傾向は「3年」を単位にして変わることが多いので、4年目の本年度に、新しい出題の形が試される可能性があります。

 

やはり、小論文も、3年程度を目安として、内容が大きく変わることがあります。

 

 

受験生は、もちろん、過去問をはじめとする「情報」をもとに受験対策を行っていくものですが、都立の推薦入試の場合は、より包括的で柔軟な準備が必要です。

 

同レベルの別の高校の問題なども見ておくとよいかもしれません。

 

 

 

さて、実は、本年度はこの塾に都立高校の推薦入試を受ける生徒はいません。

 

にもかかわらず、忙しくてたまらないこの時期に、このような文章を書いているわけです。

(「だからこそ」書ける、ともいえますが。)

 

 

 

これは、応援のつもりです。

直接的ではなくても。

 

 

(ivy 松村)

 

 

都立高校推薦入試について②

推薦入試を受ける受験生は、調査書の点数の「差」がどれくらい有利になるのか、あるいは不利になるのか、気になるはずです。

 

調査書の「満点」を450点としている高校の場合、「オール5」の生徒の調査書の得点は450点になります。

また、たとえば評定が40の受験生は400点となりますから、その「差」は50点ということになります。

 

結論からいえば、評定の5の「差」、つまり、50点分を埋めるのは、相当大変です。

 

 

青山高校は、本年度の推薦入試では、男子7.21倍、女子9.62倍と、群を抜いた高倍率となっています。

 

昨年度も、男子5.19倍、女子8.27倍の激戦でした。

男女計207人の受験者のうち、31人が合格を手にしました。

 

 

最も人気の高い都立高校のひとつである青山は、「オール5」あるいはそれに近い評定をもった受験生が推薦入試に挑みます。

本年度は、募集人数が減り、27席を226人が争う「超激戦」です。

 

おそらく、評定45~43の受験生は30人を超えるのではないかと思います。50人を超えていたとしても驚きません。

 

現実的に、評定40の生徒が「逆転」をしようとすれば、集団討論・個人面接よりも「配点」の高い小論文で「勝負」しなければなりません。

 

 

おそらく、昨年の青山高校の推薦入試の小論文の平均点は、170~180近辺になると思います。

 

それでは、「平均」よりも「50点」多く点数を取れば合格に近づけるのでしょうか。

 

いえ、それでもまだ厳しいでしょう。

 

なぜなら、「平均」よりも50点多い得点にあたると考えられる、225点以上を取った受験生が「35人」いるからです。

 

つまり、残りの点数が、この35人のうちの数名よりも上でなければ、「合格圏」に達することができないわけです。

「青山」の小論文で、他の受験生を圧倒する得点力を持った受験生を、集団討論・個人面接の点数で上回らなければなりません。

 

また、その後背にいるかもしれない「オール5」の受験生が、「平均」の170〜180点よりも上の点数をとっているのであれば、依然として総得点はリードされたままであるということになります。

 

現実的に、評定40の生徒が合格を手にするのは、かなり過酷であるといわざるを得ません。

 

このような苛烈な選抜となる青山の推薦入試は、「オール5」であっても、全く余裕を持つことはできません。

手元にある資料によれば、「オール5」の受験生が数人不合格になっています。

 

 

 

調査書点が十分でない受験生は「大逆転」を目指さなればなりません。

一方、十分な調査書点を持っている受験生は、必死で「逃げ切り」を考えなければなりません。

 

 

 

当たり前の話ですが、倍率が2を越える受験では、「平均」であっては合格することはできないわけです。

 

特に、上位校の推薦入試では、周りもハイレベルな準備をしてくるでしょう。

他の受験生と「同じ出来」であっては、合格を引き寄せることはできないのです。

 

 

 

さて、この文章は、推薦入試を受ける受験生への「応援」のつもりで書いています。

 

しかし、「厳しい現実」をつきつけられると、「不安になった、ひどい!」というリアクションをとる人がいます。

 

はっきりいいますが、この程度の情報で不安になるような人は、都立高校の推薦入試は、「はじめから無理」だったのです。

 

どうして、そんなにももろいメンタリティーで、集団討論や個人面接が課せられる受験をしようと思ったのでしょう。

 

 

 

覚悟を持って「いばら」の中を進む勇気を持った人にしか、道を拓くことはできないと思います。

 

当然、歩みを止めない人は、「最後には」必ずゴールにたどり着くでしょう。

 

 

 

(ivy 松村)

都立高校推薦入試について➀

間もなく、都立高校の推薦入試がはじまります。

 

都立高校推薦入試について調べたことや感じたことを書きます。

 

まずは、私が気になっている高校の推薦入試の「配点」です。

 

 

 

高校名 調査書 集団討論

個人面接

小論文

作文

  計

 評定1あたり

日比谷 450 300 150 900 10
西 360 240 300 900 8.0
国立 500 300 200 1000 11.1
戸山 400 200 200 800 8.9
青山 450 150 300 900 10.0
八王子東 500 200 300 1000 11.1
立川 500 200 300 1000 11.1
新宿 400 200 200 800 8.9
国分寺 400 200 200 800 8.9
大泉 450 250 200 900 10.0
富士 450 200 250 900 10.0
小山台 450 200 250 900 10.0
三田 300 150 150 600 6.7
町田 450 225 225 900 10.0
武蔵野北 450 225 225 900 10.0
小金井北 500 250 250 1000 11.1
調布北 500 250 250 1000 11.1
日野台 450 225 225 900 10.0
南平 450 225 225 900 10.0
昭和 450 300 150 900 10.0
日野 600 300 300 1200 13.3
松が谷 500 300 200 1000 11.1

 

 

 

高校によって「合計点」や「配点」にばらつきがあります。

 

調査書の点数は、全体の50パーセントを越えないことになっています。

推薦入試という制度の「意義」をかんがみれば、高校側が調査書を重視するの理解できます。

ほとんどの高校が上限の「5割」を調査書の点数に設定しています。

 

唯一、西高が4割に設定しています。

西高は、推薦入試において、人物評価に重きをおいているといえるでしょう。

 

 

調査書の点数の「満点」を450点に設定している高校が多くあります。

この場合、9教科の評定の最高値は45なので、受験生が持っている「内申点」の合計を単純に10倍した数字が調査書の点数となります。

 

三田高校は、調査書の「満点」を300点に設定しています。

評定1あたりの得点は、「6.7」となります。

 

多くの学校が調査書の「満点」を400から500に設定していますから、ここに挙げた中では、三田はもっとも評定による「差」がつきにくい推薦入試を行っていることになります。

 

一方、日野高校は、調査書の点数の「満点」を600点に設定していますから、三田高校の2倍の「差」がつくことになります。

 

 

 

集団討論・個人面接の得点と作文/小論文の得点の設定や「配点」も、高校によって違います。

多くの学校がそれぞれを1:1に設定していますが、日比谷のように、2:1に設定している高校もあります。

おそらく、集団討論150点、個人面接150点となっているのでしょう。

 

 

それにしても、日比谷の推薦入試は、やはり興味深いものがあります。

集団討論・面接の「配点」が高いので、「ここ」を文字どおり「完璧」に仕上げてくる受験生がいます。

 

日比谷高校の昨年の推薦入試の受験者の男女合計は245人ですが、そのうちの27人が、集団討論・面接で285〜300点を取っています。

彼らは「満点」となる300点の95%以上の得点を獲得したのだということになります。

 

これは、他の高校のデータを見渡しても、比類なき突出した数字です。

なんといっても、日比谷の採点が「甘い」はずはないでしょうからから、やはり、それだけのものを発揮できる受験生が集まっているのでしょう。

 

当然、自己PRカードは入念に、綿密に推敲したでしょうし、日比谷高校がリリースする情報は隈なくチェックしているでしょう。

考え得る限りの対策を行って挑んだに違いありません。

 

 

(ivy 松村)

 

 

都立高校推薦入試

明日から都立高校の推薦入試が始まります。

 

1日で終わらせる高校もありますが、基本的には2日かけて行われます。

 

1日目は集団討論と作文、2日目は面接を行う高校が多いようです。

面接の待ち時間が長くならないための配慮ですね。

1日目の終わりに指示があり、2日目は面接の時間に合わせて集合するようになっています。

 

ivyでは、都立高校推薦入試対策に力を入れて指導してきました。

作文指導・添削、個人面接練習・指導、集団討論演習・指導など、合計で15時間を超える時間を費やして対策を行いました。

 

これだけ多くの時間をかけて都立推薦対策を行った生徒は他にはないと思います。

後は、生徒のみなさんが、今日までの対策を通して培ったこと、身につけたことを出し切ってほしいと願うのみです。

 

 

塾の中には、都立の推薦入試は「受かったらラッキーだ」と教え、とにかく一般受験の勉強をするように指導するところもあるようです。

 

それも、ひとつの考え方なのかもしれません。

 

実際、都立の推薦は、内申+「素質」が大きく結果にあらわれる入試です。

「表現すること」「伝えること」が苦手な生徒が、短期間でその「素質」を身につけることはなかなか厳しいものです。

 

もちろん、私たち人間は、訓練や練習を通して能力を伸ばしていくことができます。

苦手なことを「一生苦手」とするかどうかは、自分の取り組み次第です。

 

時間をかけて訓練を積んでいけば、考えをまとめて文章を書いたり、論理的に意見を述べたり、相手の発言の趣旨をくみ取って応答したりすることができるようになります。

 

しかし、受験生の貴重な時間を悠長に使うことはできません。

 

時間のない中で、効率的ではない対策に時間をとるくらいなら、はじめから割り切って、都立推薦対策をしない、という選択もあるのでしょう。また、労力や経費の面での問題もあるのでしょう。

 

 

ですから「推薦入試に費やす時間を少なくし、その分を勉強に使うようにすれば、それだけ合格の可能性が増すのだ」というようなことをいう人がいます。そういう人は、究極的には推薦入試を受けることも時間の浪費であると考えます。しかし、本当にそうでしょうか。

 

それは、時間を消耗品としてとらえる発想です。

一面では正しいですが、発想が硬直していると思います。

 

人間の成長は時間には比例しません。

 

時間を節約したからといって、そのことが学力を伸ばすことに直接つながることはありません。

人を成長させるものは、経験と感動と発見です。

毎年推薦入試対策を行っていますが、集団討論が導入されて以降、特にそのことを強く感じます。

短期間でこれほど人は成長するのか、と思わされるのです。

 

私は都立の推薦入試はよいものだと思っています。

塾の教師として何をすべきなのか、ということも明確にわかってきました。

出来れば今後、全員に受けてほしいと思っているくらいです。

間違いなく、その経験が財産になります。

 

 

 

一般入試の受験勉強との兼ね合いの中で、できる限りの推薦入試対策を行いました。授業前、授業後、それから授業のない日、面接や討論で「ダメ出し」を受けまくって、作文を何度も書き直しました。

 

それでも可能性は、なかなか厳しいと思っています。

その理由も生徒のみなさんに伝えました。

 

そして、そのうえで、それでも全力で推薦入試対策に取り組むことの意義を伝えました。

「あきらめ」と「覚悟」は違います。

 

 

今日は、最後の推薦入試対策特訓でした。

最後の討論演習で、一人ひとりの可能性を目にしました。

その輝きに、魂が震えました。

 

 

都立高校推薦入試は、高校受験全体の中の一部のパートであると同時に、ゴールへの扉でもあります。

 

私たちは、ここでゴールするのだという意志を持って準備してきました。

そのために使った時間も労力も、無駄になることはありません。

人生においても、受験においても。

 

もし、その扉をこじ開け、志望校の一員になることができたら、いっしょに喜びを分かち合いましょう。

 

 

 (ivy 松村)